もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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一件落着……?

 リリィを倒した事を、ルシアに報告するルカ達。

 

 最後まで交渉しようとしたことや、リリィが救済の呪いにかかっていた事も説明した上で、倒したという報告になった。

 

「そうですか……結果的にとはいえ、私達の頼みを聞いて下さったのですね。心から礼を言いましょう」

「ああ……」

 

 頭を下げるルシアに、ルカもヴィクトリーも生返事してしまう。こんな顛末になってしまったが、今でもこれが正しいのかは分からないままだ。

 

「リリィは正直な人でしたから。あらゆる弱者に自分を重ね、目を背けることができなかった……それが、救済の呪いとなったのでしょう」

「……そうだな、俺もそれは切に感じていた」

 

 ヴィクトリーは、そう言う。弱き者を助けたいというのは、ヒーローである彼も同感なのだ。だが……それがどうして、このような呪いとなってしまったのだろうか。

 

「彼女は、よく言っていました。虐げられた者達が助けを呼ぶ声が聞こえる……と。それは例えではなく、リリィには実際に聞こえていたのです。彼女の精神は、もはや破綻寸前だったのですよ……結局、力さえも彼女を救えなかった……力を奪う事だけが、今のリリィを救う手段なのです」

「…………」

 

 リリィも死んだ訳では無いし、これで良かった。そう信じるしかないようだ。

 

「それでは、今度は私が約束を守りましょう。仲間として、あなた達の旅に同行させてもらいます。旅先で見るものが、私を成長させることを願って……それでは、よろしくお願いしますね」

 

 こうして、ルシアも仲間に加わった。

 

 マギステア村の騒動は収まったかは分からないが、これからリリィが救済の呪いから解放され、大人しくしてることを祈るしかない。

 

「……なーんか、やるせねぇなぁ」

「けど、少なくとも蝕魔導がこれから起こす悲劇は避けられたと思うよ……」

「そうね……今は、これが精一杯ね」

 

 ヴィクトリー、ルカ、サラの会話に、控えも反応する。

 

「でも、これで一応は解決よね……今は、亡くなった人達がどうか安らかに眠ることを祈るしか出来ないわ……」

「きゅ……」

「ソニア、まるで僧侶みたい……」

「私は神殿僧侶ですがーっ!?」

 

 ヒルデに、ソニアは突っ込む。そういえば彼女は、ただ棍棒を振り回す怪力女ではなく神殿僧侶だったか。

 

「何か誰かに馬鹿にされた気がする……」

「……救済の呪い、か。リリィには救済することは目的ではなく、自らの頭の中の声を消す手段だったのかもな」

「自らと弱者を重ね、救済に執着する……それを呪いと表現するのなら、今回のことは呪詛返しといった結末でしょうか。これが正義か否かは私にも分かりませんが、我々はやれることをやった。それまでです」

 

 意味不明な事を言うソニアを横目に、アリスとプロメスティンは話す。それに、ヴィクトリーが反応した。

 

「自分だけの主観で一つのことに執着すると、暴走しちまうんだ……どの世界のどんな奴も、同じかも知れねぇな」

「ヴィクトリーの癖に、何か分かったふうだな……伊達にヒーローと言ってる訳でも無さそうだな」

「学が無いとは言ってましたが、意外と世界を見てるんですね」

「っていうか、私もヴィクトリーがこういう事で話し合いが出来ることにビックリしたかも……」

「グランドールでの事もあったから戦えて踊れるヒーローなんてはっちゃけたイメージだったけど、意外と理性的なのね」

 

 アリスもプロメスティンもソニアもサラも、そんなことを言う。それを聞いたヴィクトリーは、ルカの方へ向いた。

 

「俺、もしかして基本的にバカにされてる?」

「まぁまぁ……でもその様子を見るに、前の世界で何かあったのかなとか思っちゃうな」

 

 前の世界で見た、今回と似たような出来事……ヴィクトリーは、何となく頭に浮かんでいたものを思い返す。

 

「……まぁな、暴走した正義とその末路を見た事があるだけさ」

「そうか……詳しい話は、時間が出来たら聞いてみるよ」

 

 とにかく、これでマギステア村の騒動は終わったのだった。今はただ、呪いが廻らないことを願うしかない。

 

 

 マギステア村の道具屋の仕入れはお世辞にも良いとは言えなかったので、ポケット魔王城のヴァニラの店で物資を買ったりして準備を進めていた。

 

「私は、今回で暫くここの兵舎に籠ることにするわ」

 

 サラがそう言うと、ルカとヴィクトリーとソニアが彼女の前に並ぶ。

 

「今回の戦いで、剣士として未熟なのが分かったし……ここの魔物達とトレーニングすれば、私も今よりもっと強くなれると思ったのよ」

「そうか……サラがそう言うなら任せるよ」

「たまには俺も手合わせするぞ!」

「しばらく寂しくなるわね」

 

 思い思いにコメントする三人だが、最後のソニアの言葉にサラは微笑む。

 

「ふふ、そんな事無いわ。ここに来ればまた会えるじゃない……それに、ソニアと二人きりで会えたら私……ね?」

「……えっ!?」

 

 何やら意味深に言うサラに、ソニアは驚愕する。

 

「えっ……?」

「ええ……」

 

 ルカは分かってないようだが、ヴィクトリーは何となく察した……

 

 

「見つけたのじゃー!」

 

 いきなりそう言ってヴィクトリーの所に来たのは、クロムだった。

 

「うおお、何だおめぇ!?」

「『ネクロマンサー』から『からくり人形師』になった、クロムちゃんなのじゃ! 御託はいい、約束通り儂も今回から仲間として活躍させてもらうぞ!」

 

 どうやら、クロムは修行を終えてからくり人形師として成ったらしい。無い胸を張って、エッヘンと自信満々な様子だ。

 

「って事は、サラと入れ替わりになるね」

「フレデリカはどうしてんだ?」

「ふっふっふ……フレデリカは儂のマキナ技術と、からくり人形術により更なるパワーアップを迎える予定なのじゃ! それまで、お留守番をしてもらう予定じゃ!」

「…………」

「…………」

 

 本当に、反省してるのかコイツは……? 

 

「ねぇヴィクトリー、お前が仲間にする奴ってロクデナシばっかじゃないか……?」

「無為に死体漁りするよか、遥かにマシになっただろ」

「くっふっふっふ……儂をなんだかやばい奴だと思っているようじゃが、その評価も実戦で覆ることになろう」

「それは楽しみですね」

 

 声を掛けてきたのは、同じく新たに仲間になったルシア。彼女は錬金術の求道者で、クロムはからくり人形術の求道者。二人には、通じるものがあるのだろうか。

 

「おお、錬金術のか」

「是非ともその技を見せて貰いたい所です……もちろん、こちらも技は出し惜しみませんので」

「くっふっふっふ……期待することじゃな。儂もお主の錬金術を見るのが楽しみじゃ」

 

 新たにパーティに加わった、クロム。からくり人形術がどれほどのものか、楽しみではある。

 

 

 パーティを編成し直して、これからのことを話し合うルカ達。

 

 次は、ノームとの契約なのだが……

 

「ルカ、『サルーン』ってトコに行こうぜ」

 

 ヴィクトリーから、そう提案される。アリスも、同じように頷いた。

 

「サルーン?」

「ああ、なんでもクリスタル製の武器が作れるんだとよ。俺の折れちまった剣もクリスタルなら代用できんじゃねぇかなって……」

「うむ……激戦に挑む以上、装備も整えておきたいな。ルカ、貴様の判断に任せよう」

 

 サバサ最北の町、『サルーン』。グランドールから北にサファル砂漠遺跡があるが、更にその北。山脈の切れ目に、砂漠から荒野に変わる地点がある。そこを東側に進むと、着くらしい。

 

「何か盗賊団の縄張りにもなってるらしいしよ、ついでにだけど潰しちまおうぜ!」

「盗賊団か……イリアスベルクの時とは訳が違いそうだな」

「早速出番がありそうじゃのう?」

「ふーむ、クリスタルですか……どのように加工するのか気になりますね」

 

 盗賊団と聞いて、なにやらやる気になるクロムとルシア。よほど修行の成果を試したくて、堪らないのだろうか。

 

「まぁ、ノームの力を手に入れるにしても、どうせノームと戦う羽目になるんだろうよ。装備は万全にしておいた方がいいんじゃねぇか?」

「ああ、そうだな……よし! サルーンへ行こう!」

 

 マギステア村の騒動は収束し、新たな仲間も迎え……ルカ達は、次の目的地へと向かった。

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