もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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クリスタルの武具を求めて

 グランドールを出て北上し、サファル遺跡跡を通り過ぎて砂漠地帯を抜け、打って変わって荒原地帯がある。そこから東へ向かうと緑化された平原があり、その中心に街が見えた。

 

 そこが、サルーン。あのサバサのアサシン隊の隊長であるサラーンの故郷でもあり、暗殺者の街だなんて言われている。しかし、そんなおどろおどろしいものではなくのどかな街であった。

 

「サルーンに着いたね」

「ああ……」

 

 ヴィクトリーとルカが、街に踏み入って言う。彼らも暗殺者の街という話を聞いていたので、その凡庸な街の風景に拍子抜けしていた。

 

「ここに、クリスタルの武具を造る職人がいるって話だけど……」

「うむ、鍛冶屋に行ってみるか。情報集めも忘れるなよ」

 

 しかし、久しぶりに良い雰囲気の街。前の村のマギステア村は辛気臭いし、疲れるイベントだった。なので、息抜きもかねて町を歩きながら情報を集める事にした。

 

 

 情報集めをしてみると、意外な情報が見えてきた。

 

 やはり、このサルーンはアサシンゆかりの街らしく、町人には何人かアサシンが紛れているとか。今ではそんなアサシンも大人しく、この村の治安維持に貢献しているそうだ。

 

 そして、ここの東にも『タルタロス』があるのだが……その入口に土が積まれてて、調査団も入れないとのこと。土の精霊であるノームならば何とか出来そうなので、『タルタロス』に行くのはノームとの契約の後になる。

 

 クリスタルの原石が採れるという、町のすぐ南にある洞窟……前情報通り、そこは竜人の盗賊団のアジトになっているとか。『ウロコ盗賊団』なるものが居るのは分かっていたが、こんな街の近くにいるのは想定外だ。

 

 この街にはアサシン達がいるので平気そうだが、行商が狙われて物流が滞っている状態だ。どうにかした方がいいだろう。

 

「さて、目玉のこいつだな」

「うん……」

 

 ルカ達は、武具屋の前に立った。

 

 ここの鍛冶屋は、クリスタル武具鋳造の技術を受け継いでいる。しかし、なかなかに偏屈な職人らしい。そのため、多くの旅人が門前払いを食らっているとか。

 

 やはり、ここの鍛冶屋もアサシン一族のようだ。サラーンさんに紹介状を書いてもらうなりする必要があるだろうか。

 

「まぁ、まずは行ってみっか」

「おう」

 

 ルカとヴィクトリーは、鍛冶屋に入る。

 

「オッス!」

「よう、何か用かい……?」

 

 迎えたのは、アサシンのイメージとは違って目付きが悪い筋肉質な女の人だった。その手にハンマーを握ってることから、彼女が職人なことが察せる。

 

「あの、クリスタル製の武具を造って欲しいんですけど……」

「ああ、サラーンから話は聞いてるぜ」

 

 出てきた言葉は、意外なものだった。こんな鍛冶屋でも、あの人との繋がりがあるのだろうか。

 

「サラーン……?」

「ああ……俺も鍛冶なんてやってるが、アサシン族の出なんだよ」

 

 サラーンの身内という訳で事前に話を通してくれたらしい。後で、ちゃんとお礼を言わなければ。

 

「あいつの恩人なら、断れねぇな。ただし……クリスタルの原石は、そっちで確保してもらうぜ」

「まぁ、そうなるんか……」

「やっぱり、鉱山が占拠されて……?」

 

 ルカが聞いてみると、彼女は首を振った。そして、真剣な目で今鍛えている武器の刃を見詰める。

 

「いや、そうじゃねぇ……ここまで冒険しに来るって事は、それなりの実力がある事は分かる。だが、武器とは自身の実力と相談しながら持つものだ。もし実力の無い者が強い武器を使おうとしても、かえってその武器に振り回される事になる……」

 

 刃をじっと見て、その出来栄えに納得したのか、笑顔を浮かべてそれを金床に置く。そして、二人の方に向き直した。

 

「俺の噂は聞いているだろ? あれはクリスタルの武具の評判だけを目当てにここに来る、実力の無い余所者が広めた噂だ」

「武器の力と、実力かぁ……」

「それなりに場数はくぐってきたけど……それと、原石の採掘に何の関係があるんだ?」

「簡単さ、ウロコ盗賊団の猛攻を凌ぎながらクリスタルの原石を持ち帰る……それほどの実力があるなら、クリスタルの武具を作ってやる」

 

 どちらにしても、盗賊団とは戦うつもりだったが……そういう事なら、都合がいい。

 

 納得した所で、彼女は「ああ」と言葉を続けた。

 

「あと、こいつは完全に別件なんだが……アクセサリ屋の娘が失踪したらしい。力になってやれねぇか?」

「はいっ! その件も任せて下さい!」

「おっしゃ、やってやるぞ!」

 

 ルカもヴィクトリーも元気に返事をして、二人で鍛冶屋を出たのだった。

 

 

 一通りの情報を集めた所で、適当な所に集合する。

 

 南の鉱山で、クリスタルの原石の採取と盗賊団の撃退。失踪したアクセサリ屋の娘の捜索……とりあえずは、この二つが課題となった。

 

「どうする、ルカ?」

「うーん、また2パーティで別れる?」

 

 ヴィクトリーとルカが話すと、仲間たちは手を上げる。

 

「私はアクセサリ屋の娘の捜索に行きたいわ。場所もここから西のサルーンの丘って所よ。人命がかかってるから、今すぐにでも行かないと」

「きゅきゅっ!」

 

 ソニアは、神殿僧侶らしく民間人の救出を優先したいらしい。ヌルコも、彼女について行く気でいる。

 

「儂は戦えそうな場所がいいぞ。張り切ってパーティに参加したのじゃからな」

「私も、是非力を振るう場所がいいです」

「竜人のサンプルは興味がありますね……」

 

 クロム、ルシア、プロメスティン……求道者組は、どうやら盗賊団退治に行きたいそうだ。

 

「余はどちらでもいい」

「マスターの命令に従うよ」

 

 アリスとヒルデは、そう言っているが……彼女らには、ソニアの護衛を任せた方が良さそうだ。ヒルデのセンサーやアリスの魔力感知は、捜索するのに便利だろう。

 

「そんじゃ、また俺とルカで別れて……」

「いや、今度は僕と君で一緒に戦いたい」

 

 言いかけたヴィクトリーに、ルカはそう言う。

 

「ん、何でだ?」

「僕も、(スーパー)サイヤ人が戦う所をもっと見てみたい。そっちがそんな覚醒を得た今、僕は置いていかれ気味だからね……ノームと戦う前に、今の僕に何が足りないのか……それが分かる気がするんだ」

 

 ルカは、そう言って拳をグッと握る。どうやら、強くなりたいという欲求はサイヤ人だけのものではないようだ。今のルカも……マギステア村での事もあったのか、より強くなる事を目標にしているようだ。

 

「私はルカが居なくても平気よ……私が居ないスキに、仲間にヘンな事頼まない限りは…………」

「べ、別にそんな事しないよ!」

 

 何やら光のない瞳で疑惑の目を向けるソニアに、汗を垂らしながら否定するルカ。そんなのを横目に、求道者組は平然なのほほんとした顔。

 

「別に歓迎なのじゃが」

「はい、栄養にもなりますし」

「二人纏めて搾っても……」

「ヴィクトリーはイイけど、ルカはダメなんだからね!」

「だから何でだよ!!」

 

 何故か念押しするソニアに、突っ込むヴィクトリー。そんな彼に、ルカは目を向ける。そして、いい機会に疑問をぶつけてみた。

 

「……ヴィクトリーは、嫌なの?」

「俺、誰かにしてもらってる時に出した時、力がふにゃふにゃ〜って抜けるあの感覚大嫌いなんだよ……!!」

 

 ヴィクトリーは自分を抱きしめながら、身震いする。どうやら、彼にとってはその感覚はよほど耐え難いものらしい。

 

 その感覚が気持ちいいのにな、なんて思うルカだった。

 

 とにかく、救助組と盗賊団退治組に別れる。

 

 ソニア、ヌルコ、ヒルデ、アリスが救助組。

 

 ルカ、ヴィクトリー、ルシア、クロム、プロメスティンは盗賊団退治組。

 

「張り切って行くわよ! 道中のモンスターなんてボコボコにしてやるんだから!」

「きゅっきゅっ!」

「アクセサリ屋か……ついでにいいアクセサリも見つかればいいのだが」

「レスキュー任務だね……ヒルデも、がんばるよ」

 

 ソニアを先頭に、彼女らは行く。

 

「そんじゃあ……盗賊団っちゅうのはこの街のすぐ南だったよな? 久々に何も考えずに戦えそうだぜ!」

「ああ、行こう!」

「クロムちゃんのからくり人形術、見せてやるのじゃ!」

「竜のウロコは、貴重品……錬金の素材になります」

「では、是非ともサンプルを多めに採りたい所ですね。鱗を剥ぎまくってやりましょう!」

 

 それぞれ意気込みながら言う、ルカ達。またしても2パーティに別れ、それぞれの目的を果たすのだった。

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