もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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竜人たちの盗賊団

 鉱山までは、時間はかからなかった。街から出て、南に真っ直ぐ……本当にそれだけで着くのだ。

 

「ここだな」

「時間がかからねぇのはありがてぇな」

「くっふっふ……ここは廃鉱と化してるのか。死の気配が臭うのう」

「廃鉱って事は、事故でもあったのでしょうか……?」

「見てみましょう!」

 

 クロムが不穏な事を言い、なぜかそれで求道者組が盛り上がる。

 

 一瞬だけ重くなった足を動かして、入ってみると……中は証明が設備されていて、程よく明るい洞窟だった。盗賊団が、整備しているのだろうか。

 

 しかし、侵入者の訪問を快く思わない者が近づいてきた……

 

「おいおい……」

「……!」

 

 視線をやると、ルカ達の前に竜人の女が二人立っていた。

 

 竜人と聞いて、夢で見たグランベリアのような奴が出てくるのかと身構えていたが……むしろ、トカゲのような特徴が目立つ可愛らしい女の子達だった。

 

「あいつらはなんだ?」

「リザードシーフっていう魔物だね……少なくとも、歓迎してるような様子じゃなさそうだけど」

 

 リザードシーフ達は、ルカ達を見ながら、剣の峰をポンポン叩く。そして、ニヤけながら声をかけてきた。

 

「ここはウロコ盗賊団のヤサだって知らなかったのか?」

「有り金置いてけ、って言いたい所だが……お前達は美味そうだ、とっ捕まえてマワしてやるぜ!」

「いぃっ!?」

「来るぞ!」

 

 初対面の男を、いきなりマワそうとするリザードシーフ達。彼女らは剣を構え、襲いかかってきた。

 

 ルカは剣を抜き、ヴィクトリーは腕に気を纏い、剣の一撃を止める。そして、押し合った。

 

「っ、強いっ……!?」

「はぁあっ!!」

 

 ヴィクトリーは吼えると同時に、剣を振り払う。

 

「きゃっ……!?」

「だりゃああ──っ!!」

 

 その勢いのまま蹴りを放ち、押し合っていたリザードシーフを蹴っ飛ばした。

 

「!?」

「僕もっ……!!」

 

 ルカは鍔迫り合いをしているその剣をカチ上げ、ガラ空きになったその胴に抜き胴の一閃を叩き込んだ。

 

「ぐはっ……! や、やります……ね……!!」

「なんなんだ、殴り込みかよ……!!」

 

 歓迎してくれた二人を倒したが……ルカとヴィクトリーの察知が、奥から多数の敵性反応をキャッチする。

 

「おい、バレたらしいぞ」

「みたいだな……!!」

 

 ヴィクトリーもルカも、気を解放して待ち構える。

 

「ふははは、何体でも来るがいいわ!」

 

 クロムは空中に魔法陣を展開し、そこから自分の身長と同程度の棺桶を出し、構えた。

 

「ふふふ……竜人族は快楽に弱いのは周知の事実。蝕魔導の真価も見せられそうですね」

 

 ルシアはそう言うと、両腕を無数の触手にした。

 

「皆さんの戦闘データを取りたいところですが、私も参戦すべきですよね……」

 

 プロメスティンは気を解放し、天使の光翼を顕現させた。

 

 そうして構えるルカ達の前に、多数の盗賊団員達が武器を構えて現れた。リザードシーフだけではなく、雇われたであろう小鬼までいる。

 

「なんだなんだ、殴り込みかい!?」

「面白ぇ、存分にやってやる!」

「男どもは捕まえて、あたし達の奴隷にしてやるぜ!」

「いっくよー!」

 

 血の気の多い、ウロコ盗賊団の団員達。一筋縄では、いかなさそうだ。

 

「はぁあああっ!! かめはめ波ーっ!!」

 

 ヴィクトリーが、牽制に『かめはめ波』を放つ。それが敵の集団の中心部に着弾し、大爆発と衝撃を巻き起こす。それで、周りの敵を吹き飛ばした。

 

「うわーっ!?」

「ぐ……!!」

「怯むな、かかれーっ!!」

 

 それが開幕の合図となり、大乱闘が始まった。

 

「見せてやるぞ……! 来い、『シャウトマータ』!!」

 

 クロムがそう言うと、可憐な魔導人形が棺桶の蓋を開け放って出てくる。そのまま、前方に凄まじい音波攻撃を放った。音波が大気を震わせ、それが衝撃波になって敵の群れを吹っ飛ばした。

 

「ふふ、では私も!」

 

 ルシアは錬金術で生み出した魔法の石を投げ、爆発させる。幾人かの敵を吹っ飛ばしながら、爆煙に紛れてリザードシーフを触手で拘束し、そのまま吸った。

 

「ああっ、ダメェ〜〜〜ッ!!」

「これが蝕魔導の真価です……」

「お、おおっ! す、すげぇ威力だ!!」

「威力……?」

 

 ヴィクトリーとルカは、若干困惑しながらもルシアの実力に驚く。

 

「ちぃっ、これでもくらえ!!」

 

 リザードシーフの一体が舌打ちしてから、頬を膨らませる。その口から、燃え盛る炎を吐き出した。

 

「うわっ!?」

「はぁあっ!!」

 

 動揺するヴィクトリーだが、隣のルカが手を向けてシルフの力を行使した突風を放つ。それが、炎の息を押しとどめた。

 

「電圧過剰負荷、電子放出……『真空放電』!」

 

 その隙にプロメスティンがその場で指を薙ぎ払い、凄まじい電撃が敵の群れに浴びせられた。炎を吐いてた奴も、それで吹っ飛んだ。

 

「おっしゃあっ!!」

 

 怯んだ敵の群れに真正面から突撃する、ヴィクトリー。切りかかられても剣先を見切って反撃し、囲まれても全ての攻撃を防いだり避けたりして凌ぎながら、次々に敵を倒していく。

 

「だぁあああっ!!」

 

 ルカも切り込み、剣技や天使の聖技を駆使して敵の群れと渡り合った。四方から迫る敵を、次々に切り倒して行く。

 

「中々やるようだぜ、レン」

「そうね……リル、私達も戦いましょう」

 

 出てきたのは、剣を持った黒髪ロングと短剣を持った茶髪ショートのリザードシーフ二体。茶髪の方がリルで、黒髪の方がレン。感じられる気からして、二人とも手練……盗賊団の幹部だろう。

 

「おい、強そうなのが出たぞ」

「おっほ、面白ぇ! やるぞルカ!」

 

 ヴィクトリーとルカはその手練の方へ突撃し、一撃をぶつけ合わせる。衝撃波が巻き起こり、辺りの地面をめくれ上がらせた。

 

「……その鞘、飾りか? 剣はどうした?」

「ちょっと折られちまってよ。クリスタルで作り直してもらうんだ」

 

 リルとヴィクトリーはそう言葉を交わしてから、猛スピードで攻防する。素早い短剣と鉄拳の連続攻撃が飛び交い、互いの頬に攻撃が掠った。

 

 そんな二人を横目に、ルカとレンが鍔迫り合いしているが……

 

「へぇ、なかなかの腕前ですが……!!」

「ぐ……!!!」

 

 種族的な立ち位置で言えば下位寄りのリザードとはいえ、竜人は竜人。その膂力(りょりょく)は半端なものではなく、ルカの踏ん張る足が押されていた。

 

「だぁあっ!!」

 

 ルカはどうにかその剣を弾き上げ、また抜き胴を繰り出す。だがレンは冷静に横へステップしてそれを避け、剣に魔力を込める。

 

「こんなのは、どうです!?」

 

 魔力が熱を帯び、炎と化して刃を巻く。レンはその剣で、ルカに突きを放った。

 

「うわぁっ!?」

 

 ルカはそれを間一髪で剣で防ぐも、だが威力を殺し切れずに吹っ飛ぶ。そのまま、後方の壁にまで吹っ飛んだ。

 

「っ、く……!!」

「剣の腕はその辺の冒険者より遥かに上ですが……その程度では、ウロコ盗賊団の相手ではないでしょう」

「なんだと……!」

「いい事を教えましょうか。私達のお頭、ミランダ様は……あの、『魔剣士・グランベリア』ともシノギを削ったのですよ」

 

 レンの言葉に、衝撃が走る。ルカもヴィクトリーも、求道者組もそこに注目した。

 

「お、おい……マジかよ……!!?」

 

 グランベリアの強さは、夢で見て思い知っている。あの夢の自分は(スーパー)サイヤ人にこそはなれないようだったが、それでも相当の実力を持っていた……それにも関わらず、一方的にボコボコにされていたのだ。正直、今でも勝てないと分かる程だ。

 

「あのグランベリアと……!?」

「……興味深いですね。ますます攻略したくなってきました」

「そこまでの存在が、どうして盗賊など……」

 

 求道者組は、敵を蹴散らしながらそう言う。

 

 ルカは、わなわなと震え……拳をぎゅっと握ると、ニッと笑顔を浮かべた。

 

「……ごめん、僕……今のを聞いて、ますます燃えてきた!!」

 

 ルカは、気を全開放する。

 

「ああ……ワクワクすんなぁ!!」

 

 ヴィクトリーも呼応するように、(スーパー)サイヤ人となった。

 

 二人の膨大な気が、この廃鉱を席巻する。圧倒的な黄金の気は、弱者を寄せ付けることを阻んだ。

 

「なっ……!? 力を隠してっ、いや、金髪!?」

「……余計な事を言ってしまったようですね」

 

 リルとレンは、武器を構えながら気を解放する。向こうも、全力だ。

 

「あ、あれが(スーパー)サイヤ人とやらか!! ホントに金髪になるのじゃな!!」

「筋肉量も上がってます……いえ、それよりもっ……!」

「ルカさんの気も、競うようにして上昇しています! 素晴らしいです!」

 

 求道者組は、二人を見て盛り上がる。

 

「いくぞ!!」

 

 ヴィクトリーが、先に突撃する。リルとレンの二人はそれを迎撃しに武器を振るうが……彼は残像を残して跳び避けたのだった。

 

「え……!?」

「なっ……!!」

 

 代わりに飛び出してきたのは、剣に炎を纏ったルカ。天使の光翼を広げながら、風の力も前回にして滑空し──二人に、全力の剣技が一閃した。

 

「『紅蓮炎舞』……!!!」

 

 遅れて、リルとレンの身体に無数の斬撃が走り、そこから炎が迸った。

 

「きゃあぁあっ!」

「っがはぁっ……!?」

 

 ダメージに悶える二人を背に、そのまま疾走する。そして、彼女らの真上に来たヴィクトリーは両手を合わせて気を込め──

 

「かめはめ波────っ!!!」

 

 渾身の『かめはめ波』を放ち、二人の間に着弾させる。そこからドーム状に飲み込むもの全てを融かすようなエネルギーが膨らんだ。

 

 その間にヴィクトリーがルカの隣に着地し、二人の背後で大爆発したのだった。

 

「ぐっはぁあっ……!!!」

「そ、そんな……ここまでの冒険者が、いるなんて……!!!」

 

 リルとレンはそれでダウンし、戦闘不能になった。

 

「お、おい、あの二人がやられちまったぜ!」

「ちくしょう、撤退だ!」

「あわわわわ、待って〜!」

 

 幹部二人がやられ、残りの部下は次々に逃げて行った。

 

「っ、いえーい!」

「あはっ!」

 

 ヴィクトリーとルカは、ハイタッチを交わす。

 

「ふふふ、パワーアップしたのは儂だけでは無いという事じゃな……」

「ええ……恐ろしくもありますよ、あの二人」

(スーパー)サイヤ人のレポートもルカさんのレポートも、ある程度取れました」

 

 感心する、求道者組。彼女らも、少し対抗心を燃やし始めたのだった。

 

「それにほら、サンプルがこんなに……」

「おお、錬金に使えますね」

「儂のからくり人形に組み込めるものもあるかのう?」

 

 プロメスティンは、竜の鱗と小鬼の角をたくさん道具袋に詰めていた。それで、盛り上がる求道者組。

 

「それじゃ、行こうか……!」

「ああ……!」

 

 気合いが入ったルカ達は、先に進むのだった。

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