もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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V■■ドラ■レ■

 アドラメレクはその身体を変異させ、翼のような黄金の曲がり棘を展開し──記憶で見た、あの機械と生体が入り組んだ異形の姿となった。

 

「ここじゃ狭すぎる、場所を変えるぞ!!」

 

 ヴィクトリーは気を解放し、『かめはめ波』を放つ。アドラメレクは両手でそれを受け止めるも、その瞬間に大爆発が巻き起こった。

 

 塔の扉が吹っ飛び、衝撃で塔全体がビキビキと音を立てて崩れる。アドラメレクは外の拓けた場所に投げ出され、ルカ達もそれを追って走る。

 

「…………」

 

 爆煙が晴れ、出てきたアドラメレク……彼女は身体にかかったホコリを払い、変わらない表情でルカ達に向いている。

 

「かめはめ波のダメージは無しか……!」

「期待しちゃいねぇよ……!」

 

 話し合う二人に、アドラメレクは手をブンッと振る。それだけで凄まじい衝撃が、ルカ達を吹き付けた。

 

「っ!!」

「素振りでこれかっ……!」

 

 ヴィクトリーとルカは踏ん張り、構え直してから地面を蹴り出して突撃する。短距離走で勝るヴィクトリーが先にアドラメレクに突っかかり、パンチを放った。

 

 だが、アドラメレクはそれを躱してカウンターの一撃を放とうとする。そこにルカが風の力を解放してきて、彼女を蹴っ飛ばした。

 

「畳み掛けるぞ!!」

「ええ!!」

 

 アリスとソニアが、飛び出す。アリスは雷の魔力をレイピアに纏わせ、ソニアは青筋が浮かぶ程の筋肉で棍棒を握り締める。

 

「ケラヴ──」

「乱打──」

 

 だがアドラメレクは体勢を整え、技が形になる前に二人の得物が掴み止める。そのまま、武器ごと二人をぶん投げた。

 

「ぬわぁっ!?」

「きゃあっ!」

 

 アリスはヴィクトリーが受け止め、ソニアはルカがキャッチする。そんな四人に、アドラメレクは手を向けて気を高めてきた。

 

「させんっ!! 『切り裂きエリス』!!」

 

 クロムが、棺桶から『切り裂きエリス』を出してくる。彼女は白いドレスを靡かせながら突撃し、刀でアドラメレクに斬り掛かる。

 

 だが、彼女は左腕で刃を受け止めた。

 

「斬る、斬る斬る斬る……!!!」

 

 切り裂きエリスは、それに怯まず連続攻撃を繰り出す。それも、アドラメレクの腕一本に次々と凌がれていた。

 

「ヒルデも、切り裂くよ……!!」

 

 ならばと、ヒルデが飛び出して『ビームデスサイズ』を起動する。そして、右側から切り裂きにかかった。

 

 しかし、それもアドラメレクは右腕一本で凌ぎ続ける。

 

「なっ……!?」

「そんな……!」

 

 動揺する、クロムとヒルデ。アドラメレクはその隙をつき、エリスとヒルデの髪の毛を掴んで顔面同士をぶつけ合わせた。

 

「きっ……る……!?」

「うぐっ……!!」

 

 そのまま鼻血を出す二人を、クロムにぶん投げた。高速回転しながら吹っ飛んでくる二人は、クロムでは受け止められずに衝突してしまう。

 

「きゅきゅーっ!!」

「マシンバルカン、掃射……」

 

 ここで、ヌルコとラディオが一緒になって『マシンバルカン』を撃つ。無数の弾丸の雨が、アドラメレクに迫るが……彼女の背中の曲がり棘が高速で動き、弾丸を次々にはじき飛ばした。

 

 弾丸を弾き切ったアドラメレクは、二人に目をつける。そして、瞬間移動のような速度でその背後に回り、ヌルコを蹴っ飛ばした。

 

「ぎゅっ……!!」

「反応速度、追いつきマセ──」

 

 ラディオも翼に見立てた黄金の曲がり棘の一撃が叩き込まれ、ぶっ飛ばされた。

 

「だぁあぁあっ!!」

「負けるか……!!」

 

 ヴィクトリーとルカが一緒に飛び、アドラメレクに猛スピードで猛攻する。拳と剣が入り乱れながら次々と放たれるが、やはり対応されてしまう。

 

「くそっ!!」

 

 埒が明かないと判断したヴィクトリーは、飛び上がって気弾を連射した。次々と放たれる気弾が、雨のようにアドラメレクに降り注ぐ。

 

「ふんっ!!!」

 

 ルカは風の力を全開にして後方へ飛び、避難する。

 

「削除する……」

 

 アドラメレクは、身体中から禍々しいオーラを滲ませたかと思えばそれを急激に高め、自身を中心に爆発波を巻き起こした。それにより、降り注ぐ気弾を吹っ飛ばした。

 

 だが、そのタイミングで飛来する影が二つ。アリスとプロメスティンが、アドラメレクを挟み、その手に熱を凝縮する。

 

「怒れる炎、渦となりて薙ぎ払え!! 『メガファイア』!!」

「熱力学第二法則……エントロピー増大、『超熱輻射』!」

 

 二人の手から炎が放たれ、アドラメレクに直撃して大爆発が巻き起こる。

 

「消去……」

 

 だが、アドラメレクは変わりない様子で二人に手を伸ばす。そして、アリスには聖なる光の波動、プロメスティンには混沌の闇の波動を放った。

 

「うっ!!?」

「なっ──」

 

 それが直撃し、爆発する。

 

「ヴィクトリー、二人を頼む!!」

「ああ!!」

 

 ヴィクトリーは連続で瞬間移動し、アリスとプロメスティンを抱えてソニアの所へ行く。ルカは、アドラメレクに突撃した。

 

「はぁあぁああっ!!!」

 

 風の力を全開にして、縦横無尽に駆けながらトップスピードの連撃を繰り出す。だが、アドラメレクは背中の曲がり棘で対抗し、刃を防いでくる。

 

「っ、くそっ……!!?」

「消滅せよ……」

 

 不意にアドラメレクは突進して、ルカの腹に手を添える。そこから混沌のエネルギーが迸り、零距離で爆発した。

 

「っぐはっ……!!!」

「アドラメレク────っ!!!」

 

 ヴィクトリーの声が弾ける。そこには、かめはめ波の構えを取る彼。始めに牽制に放ったそれとは段違いのエネルギーが込められ、高まっている。

 

「波──────っ!!!!」

 

 放ったのは、『超かめはめ波』。全力で放ったそれは、巨大な壁のようにアドラメレクに迫る。

 

「消去する……」

 

 アドラメレクはそれを前に両手を出し、今度はそこにエネルギーを纏わせる。そして、『超かめはめ波』を受け止めてみせた。

 

「うっ、ぐ、ぐぐぐぐぐぅうぅうぅう……!!!」

 

 伸ばしている腕に全力を込める、ヴィクトリー。だが、アドラメレクは余裕の様子で押し返し始めた。全力の技にも関わらず、押し合いにすらならない。

 

「ヴィクトリーっ!」

「余もやるぞ……!」

「私だって!」

「私も加勢します!」

 

 ルカとアリスとソニアとプロメスティンが、ヴィクトリーの傍に来る。そして、両手を突き出して一緒に『超かめはめ波』を押し始めた。

 

 グンッと力が込められた事により、アドラメレクは後ずさる。強大なエネルギーがヂリヂリとその手を焼いており、このまま押せば勝てると思ったその時だった。

 

「──消去する」

 

 アドラメレクの気が跳ね上がり、『超かめはめ波』が弾き返された。

 

「なっ……!!?」

「みんな離れろ────っ!!!」

 

 ヴィクトリーは腕を交差し、前へ出る。そして弾き返された自らの技に直撃し、大爆発を一身に受けたのだった。

 

「ヴィクトリーっ!!」

「すぐに回復させる!! お願い!!」

 

 ソニアが言うと、ルカとアリスはアドラメレクに突撃する。だが、そんな二人を巨大な球体が薙ぎ払ってきた。

 

「うぐぁっ……!?」

「な、何だ……!?」

 

 その球体が展開したかと思えば、赤黒い触手が蠢き出てくる。それが、二人に襲いかかった。

 

「きゅきゅーっ!!」

 

 だが、ヌルコが飛び出してくる。目には目をと言わんばかりに触手を振るい、触手撃を全て弾いたのだった。

 

「『騒霊人形』、行け!!」

 

 クロムの声がしたかと思えば、可愛らしい少女を模したぬいぐるみが三体ばかり出てくる。それが飛んで、見た目からは考えられないほどの怪力で巨大な球体に突撃して吹っ飛ばした。

 

「ありがとう、二人とも!」

「きゅきゅっ!」

「礼はまだ早い!!」

 

 クロムは、アドラメレクの方へ注目する。今は、ヒルデとラディオが戦っていた。

 

「消去する」

「消去されるのは、お前の方だよ……!」

 

 ビームの鎌と曲がり棘で押し合ってる最中に、ラディオがアドラメレクの背後で腹からキャノン砲を展開している。そこから膨大なエネルギーが溢れ、凄まじいエネルギー波が発射された。

 

 アドラメレクはそれを曲がり棘を束ねて受けるも、その貫通力にて防御を貫き、彼女の肩を撃ち抜いた。貫いたエネルギー波が、ヒルデの横を通り抜ける。

 

「……!?」

 

 明確なダメージリアクションを取る、アドラメレク。初めて、攻撃が通った気がした。

 

「ラディオ、凄い……!」

「……この程度の威力では、決定打には程遠イデす……」

 

 そう話していると、アドラメレクは自身にエネルギーを集約させる。

 

「エネルギー反応、上昇……!?」

「爆発波と予測……退避を推奨シマす」

 

 次の瞬間、アドラメレクは自身を中心に大規模な大爆発を巻き起こした。皆は既に避難しており爆発に巻き込まれる事はなかったが……それでも、破壊の規模が今まで戦ってきた者たちとは違う。

 

 爆発波でめくれ上がった地形が隠れ場所となり、皆その陰に避難する。

 

「うわっ……!!?」

「くそっ、よく俺はあんなのと戦ってたよなぁ……!!」

 

 流石は、最上位アポトーシスのアドラメレク……傷だらけで、力も1割程度しかない癖に、とんでもない戦闘力を持っている。

 

 たまたま近くにいたルカとヴィクトリーとラディオとヒルデが、話し合う。

 

「このままじゃ、ジリ貧だ……どうにかしないと……!」

「……私の切り札、通用しマセんでした。もっとチャージ時間が欲しイデす」

「さっきのあのエネルギー波か……あれ、ヤバい技だろ? チャージして撃ったらおめぇが──」

「ヒルデが、ラディオに接続するよ」

 

 ヒルデが、心配するヴィクトリーを遮って言う。

 

「マスター、ヴィクトリー……出来るだけ時間を稼いで、大きな隙を作って。ラディオとヒルデが力を合わせて、120%の出力であいつを貫くよ」

「そんな事が出来るのか……!? いや、出来たとしても、おめぇらのカラダがもつかどうか……!!」

「危険すぎるよ……そんな危ない賭け、できない!」

「やらせテクダさい」

 

 必死に止めようとする二人に、ラディオは真っ直ぐ向いた。感情が無さそうな顔とは裏腹に、その目は本気だった。

 

「……あの人たちの残した希望を、こんな所で失いたくありマセん。ここで私達が負けたら、あの人達の戦いが全て水の泡……きっと『彼』も、そんな気持ちであの技を使ったのデショう……覚悟は、出来てイマす」

「マスター、約束するよ。絶対にヒルデもラディオも生き残って、皆で生きてここから脱出するって」

「…………」

「……分かった」

 

 ルカは頷き、ヴィクトリーを見る。

 

「……やるしかねぇ!」

「ああ!」

 

 ヴィクトリーとルカは、気を解放して隠れていた場所から飛び出す。アリス達も出てきて、やる気になっているようだ。

 

「おい貴様ら……細かい話は省く。出来るだけ奴を攻撃し、体勢を崩せ!」

「えっ、それってどういう……!?」

「きゅきゅ……」

「これはまた、難しい提案ですが……」

「何じゃ、考えでもあるのか!?」

 

 ソニア達に言われたアリスは、自分の尖り耳を指す。

 

「余は魔王だ、貴様らとは耳の作りが違う……ルカ達が作戦を練っているのが聞こえたのだ! 上手く行けば、奴を倒せるかも知れん!」

「……まぁ、やる事は変わらないわね!」

「きゅっ!」

「そうですね……!」

「よし、やってやるのじゃ……!!」

 

 ルカ達は、アドラメレクを囲んで構え直したのだった。

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