もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース 作:ジョーカー:ゼノ
おさかな号からのボートで、また海軍本部に戻ったルカ達。
「面倒な事になっちまったな」
「うん……」
「ルカ、このパーティのリーダーは貴様だ。決断は任せたぞ」
アリスに言われ、ルカとヴィクトリーはその辺に腰掛けて考える。仲間達も二人を囲み、話し合った。
このまま海賊側についたら海軍に対して不義理じゃないか、海賊団も悪い事はしてないみたいだから討伐の必要も無いんじゃないか、海軍のリヴァイアサンと戦うのはしんどいかもしれない、アシェルとボニーは実力が分からないので戦闘は出来れば避けたい、ヴィクトリーは強そうなリヴァイアサンと戦いたい……など、色々話し合った結果──
「よし、それじゃあおさかな海賊団に協力しようか」
「おっしゃ、じゃあボートに乗っぞ」
ルカ達は、ボートが停めてある港へ行く。
めざしを美味そうに食ってるたつのこ海兵が居り、その後ろにあの犬娘と海賊人魚が居た。どうやら、買収されているようだ。
「犬に買収される海兵って……」
ソニアが呆れながら、言う。
とにかく、ルカ達はおさかな海賊団に協力する事にしたのだった。
「君達に協力する事にしたよ」
「それじゃあ、おさかな号に行くよっ!」
ルカ達は、ボートに乗る。そして、おさかな海賊団の元へ向かうのだった。
※
「……来てくれたんだな。おさかな海賊団は、あんた達を歓迎する」
おさかな号に来るなり、アシェルがそう言って出迎えてくれた。その表情に裏は無さそうで、本当に仲間として歓迎されているようだ。
「ほんじゃ、早速大海賊の洞窟ってトコに行こうぜ」
「その前に、お嬢に報告する。動き出すのはそれからだ。あんた達も来な」
アシェルはそう言い、先頭を歩く。ルカ達もそれについて行き、団長の部屋へと向かうのだった。
「ヒーローが海賊に肩入れすんのは気が引けっけど、大海賊の洞窟の秘宝っちゅうのはちょっとワクワクするよなぁ」
「へぇ、ヴィクトリーもそういうのにロマン感じるタイプなの?」
「まぁな……しかもそういう秘宝っちゅうのは、強い奴が守ってるんだろ? 腕が鳴るよなぁ!」
「ヴィクトリーはそっちがメインか……」
「この戦闘民族め……」
ヴィクトリーの戦闘狂っぷりに、ルカは笑う。聞いていたアリスは、呆れたように言い……三人の会話を聞いていたアシェルが、「はは」と笑った。
「なら、ホントにおさかな海賊団のメンバーになってみるか? あんたは戦闘員として優秀そうだ」
「この旅が終わって、行く宛ても無くなったら考えてみっぞ!」
「ヴィクトリーなら行く宛ても無くなることはないと思うけど……」
そうこう話しながら、団長の部屋に着く。やはり、椅子にはあのねこまたが座っている。
「にゃあ〜」
「この椅子は、お前のものじゃないと……まぁいい」
「また上の食料庫か?」
ヴィクトリーが言うと、アシェルも溜息を吐きながら食料庫へ向かう。案の定、そこにボニーが居た。
「もぐもぐ……」
「……おかしら」
アシェルが声をかけると、ボニーは肩を跳ねさせる。そして、アシェルの方に向いた。
「これはな、違うぞ!」
「何が違うんですか、お嬢……そんなに食べ過ぎるから、胸ばっかり大きくなるんですよ」
「これは非常用の浮き袋だ……」
アシェルに叱られながら、ボニーは自身の大きな胸をぽよんと持ち上げる。
「きゅ……」
「人魚なのに泳げねぇんか……?」
「海賊団に入ったことを後悔する前に、話を進めてもいいか?」
アリスの言葉に、ボニーは反応する。ようやく、こちらの存在に気づいたようだった。
「おお、やはり来てくれたのだな! 協力してくれると、信じていたぞ!」
「まぁ、悪い奴じゃ無さそうだったしね……それなら、僕達は協力は惜しまないよ」
ルカが言うと、ボニーは目を輝かせる。そして、気合を入れ直した。
「今こそ、悲願だったロザの秘宝をゲットする時! さっそく大海賊の洞窟へ向うぞ! 後に続け!」
ボニーはそう言い、アシェルと一緒になって先頭に来る。そして、また船長室に来た。そして、やはり迎えてくれるのはあのねこまただ。
「にゃあ!」
「この子、この船のなんなの……?」
「正真正銘、ただの野良ネコマタだぞ。この椅子のフカフカさが気に入って、ここから動かんのだ」
「えぇ……」
困惑する、ソニア。だが、それはどうでもいいと言わんばかりに話は進む。
「それじゃあ、出航したら暫く陸には引き返せないぞ。準備はいいな?」
「ああ、僕達なら大丈夫」
「おっしゃあ、とっとと行こうぜ!」
ルカもヴィクトリーも、快く応える。すると、アシェルが手を叩いた。
「よしきた、出航だ! 野郎ども、行くぜっ!」
「よーそろー!」
「にゃあ〜!」
掛け声で、一斉に船内が騒々しくなる。そして、おさかな号が動き出したのだった。
「それじゃあ、保管庫で残存食料をチェックしてくる。これは船長としての責務なのだ」
「ダメですよ、お嬢」
また食料をつまみ食いしようとするボニーを、アシェルが呼び止める。
「今から泳ぎのレッスンです。うちの海賊団で、泳げないクルーはお嬢だけなんですから」
「やっぱ泳げねぇんか……」
「マーメイドなのに……?」
「全て乳袋がいけないのだ……これのせいで、バランスが崩れるぞ……」
しょんぼりとする、ボニー。なんだかんだ、アシェルの言うことは聞くいい子らしい。
そんなアシェルが持ってきたのは、水の張った洗面器。
「それじゃお嬢、いつものを用意しました。ここに顔をつけて、10秒ガマンするんですよ……」
「じゃぶじゃぶ……ぶくぶく……」
「そこから始めるの!?」
「泳げねぇ以前の問題じゃねぇか!」
船長の特訓をよそに、ルカ達は船内でくつろぐのだった……
※
暫く船で揺られること数分……特に接敵するわけでもなく、無事に島へ辿り着く。
「着いたね……」
「ああ……」
船を停めたすぐ先に、洞窟の入口があった。どうやらここが、例の大海賊の洞窟らしい。
「洞窟内は、海軍の厳戒地という話だったな。海兵達との戦闘は避けられないだろう」
「ひとつ忠告するが、海兵達は敵だ。あんた達はもう、海賊一派……そして、海軍と海賊は敵対する運命だ。向こうは容赦なくこちらを潰しにかかるだろう」
アリスとアシェルが言い、ルカ達に緊張が走る。
それを聞いたヴィクトリーは、その緊張の中で笑って見せた。
「へへへ、そう来なくちゃなぁ!」
「何で嬉しそうなのよ……」
「それじゃあ、ロザの秘宝を手に入れるぞ! おさかな海賊団、出陣なのだ!」
ボニーがなぜか先頭に来て、可愛く気合を入れる。そして、進み始めたのだった。
「それじゃあ、あたしがいざと言う時におかしらを守る。後ろを頼めるか?」
そう言いながらボニーの横に来る、アシェル。ヴィクトリーとルカは、頷いた。
「へへへ、俺もアドラメレクとの戦いの後に遊んでたわけじゃねぇ……」
「僕もだよ……この辺で、お互いの腕も見とくのも悪くないかもな」
ヴィクトリーとルカもそう言い合い、ボニー達の後を着いていく。
「あれが先頭でいいのか?」
「今はボニー船長がこのパーティのリーダーみたいなものだからね……」
「きゅきゅー!」
「あの二人もそれなりに場数は踏んでると見えます。まぁ、任せても良いかと」
「ヒルデ、また皆を守るよ……」
思い思いに、不安と期待を口にするアリス達。
そんなメンバーで、遂に大海賊の洞窟へと足を踏み入れたのだった。