もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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タルタロス

 アミラから貰った情報を元に、ポルノフへ行った戦士達。しかし、そこに居たのは見当違いのウサギだった。だが、そのウサギから思いもよらぬ情報を聞いた。

 

 なんと大陸南のタルタロスに、白兎が行き来しているとか。それを聞いた戦士達は装備を整え、綿密な準備をする。

 

 そして……

 

 

 タルタロスに、やってきた。

 

 30年前の大異変で起こったという、謎の大穴……今でも調査班がここら辺にテントを張りながら調査を進めているが、詳しいことは分かっていないらしい。果たして、その中にあるものとは……? 

 

「わわわ、急がないと遅刻だよー!」

 

 不意に、声がした。見てみれば、見覚えのある、白い兎のモンスターが走ってきてた。そう思ったかと思えばそいつはおもむろにジャンプして、タルタロスの中に飛び込んで行ってしまった。

 

「今のは……間違いない、あのウサギだ! 大穴に飛び降りたぞ!」

「ああ、見てたぜ……!」

「追いかけよう!」

 

 ルカ達は白兎を追いかけに、調査班が下ろしたと思われる綱はしごに手をかけた。

 

「ちょっとルカとヴィクトリー、あんた達は一番最後に降りなさいよ!」

 

 不意に、ソニアがそんな事を言って絡んできた。

 

「ええっ、何でよ!?」

「当然よ! あんたらが先に降りたら下から私達のお尻見るでしょ!?」

「そんな事しねぇよ……」

 

 ギャーギャー言ってる人間三人を横目に、アリスは一足早く降り始める。

 

「いいから、みんな早く来るのだ!」

「遅れてしまうぞー!」

 

 パピやヴァニラにもそう言われ、ソニアも続く。そうしてる間に、二人は改めて穴の底を見る。既にアリスは、暗闇に消えていた。これは、降りるのにも一苦労しそうだ。

 

「……めんどくせぇ」

 

 ヴィクトリーはそう呟きながら伸脚運動し、跳んで大穴に飛び込んだ。

 

「えぇ……」

 

 ルカの引いたような視線を背に受け、彼は奈落の闇の向こうへと落ちていった。

 

 

 闇が晴れ、視界が良くなる。単に、目が慣れただけなのかもしれない。

 

「……」

 

 ヴィクトリーは着地して、辺りを見回す。

 

「ここが、タルタロス……」

「みたいだね」

 

 ルカ達も、到着したようだ。

 

「この壁や床、何で出来てるの? 鉄じゃないよね……」

 

 ソニアが壁や床を見ながら、震えている。未知の所に来るのは、誰だって不気味に感じるものだが……ここは、不気味とかそういう感じを超えている。

 

「なんだか、とってもイヤな感じ……ねぇ、行くのやめない?」

「色々と気になるが、先に進むぞ。あのウサギは、この中のどこかにいるはずだ」

 

 アリスはそう言って、先に進む。

 

「よっしゃ、行こうぜルカ。面白そうだ……」

「あ、ああ……うん」

 

 ヴィクトリーとルカも、アリスについていく。

 

「ちょっと、こわいけど……あたしはドラゴン、負けないのだ!」

 

 その後ろで、控えのメンバーもついてきた。

 

「……」

 

 見た感じ、謎の物質で出来た研究所……っぽい。所々にはヴィクトリーの世界でも見たことないような、高度な機械が設置されている。しかし、起動させるのは無理そうだ。

 

「……来たかっ!!」

 

 ここで、モンスターの強襲だ。

 

「第一種断界接触だって! 消去しちゃうぞ〜!」

「いっ!?」

「なんだ、こいつ……!?」

 

 可愛い顔をした、海老のようなモンスター。いや、その力は顔に似合わず凄そうだ。

 

「しゃあっ!!」

 

 ヴィクトリーは踏み込んで、そいつに殴り掛かる。しかし彼女は消えて、彼の腕に乗った。

 

「あたしはシュリー! よろしくね!」

 

 どう考えても、普通のモンスターじゃなさそうだ。

 

「こんなモンスター、余は知らん……!!」

「くっ……!」

 

 ヴィクトリーは腕を振り、シュリーを振り払いにかかる。しかし、彼女は跳んで、彼の顔面に勢いよく体当たりした。石を思いっきり投げつけられたような衝撃だった。

 

「ぐぁあっ!」

 

 鼻血を噴き出しながら、床に倒れるヴィクトリー。その顔に、迫る足が見えた。

 

「っ!!」

 

 咄嗟に避けて、起き上がる。そこには頭部にモノアイのついた、女性形のロボットのようなものが居た。しかも、見た目は完全な無機物だと言うのに、()()()()()

 

「第一種断界接触……消去する」

「くっ!」

 

 こいつも、ヤバそうだ。ソニアとアリスはシュリーを、ヴィクトリーとルカはこのロボットと向く。

 

「……おめぇ、名前は?」

「私はジェイド……そう呼ばれていた」

「そう呼ばれていた……?」

「どういう事だ……?」

 

 ヴィクトリーもルカも、構えながらジェイドの全身を観察する。

 

「素体となった者の記憶が……たまに、私の脳内に蘇って……違う、私に脳など存在しない……素体の記憶が混入し、自律思考が不安定に……とにかく、私はそう呼ばれていた」

 

 ジェイドは踏み込んで、ルカとヴィクトリーにダブルラリアットを放った。

 

「ぐぅっ!?」

「っ!?」

「ふんっ」

 

 更に二人の顔面を掴み、ヴィクトリーは地面へ、ルカは壁にぶん投げる。

 

「レーザーアイ」

 

 ジェイドはヴィクトリーを踏みつけながらルカの方に向き、モノアイからレーザーを放った。

 

「まずいっ!!」

 

 ルカは咄嗟に避ける。レーザーで撫でられた壁が、綺麗に焼け切った。

 

「外したか……」

「なめんなっ!!」

 

 ヴィクトリーは、ジェイドの足を払い飛ばした。

 

「っ」

 

 そして転がって起き上がり、勢い付けてジェイドの顔面にパンチした。その顔面が潰れ、仰け反る……そこで、彼女の動きはストップした。

 

「……?」

 

 ゆっくりと起き上がり、潰れた顔面を撫でる。

 

「……第第一■■■ムム水■■凸銀レ■レレミ■■■レミ■ナ■■■消■■■」

「な、なんだぁっ!?」

「くるぞっ!」

 

 ジェイドは高速移動して、ヴィクトリーの顔面を打ち抜いた。

 

「ぐはぁっ!!」

「シ■■ッ!!」

 

 更にルカに後ろ蹴りしにかかる。

 

「ふんっ!!」

 

 しかしルカはジェイドの足を剣で受け止め、切り返す。

 

「ガッ……」

「はぁあっ! 魔剣・首刈りっ!!」

 

 そして、重い踏み込みによってジェイドの懐へ潜り、更に地面を踏んで、全体重を乗せた突き上げで喉元を打ち抜いた。

 

「ッ!!」

 

 思いっきり打ち上げられて、宙を舞うジェイド。

 

「かめはめ波ーっ!!」

 

 ヴィクトリーはそんな彼女に、かめはめ波を放った。

 

「!!!」

 

 宙を舞っている最中の彼女に青い力の奔流が直撃し、大爆発を巻き起こした。それが、強い旋風を生じさせ埃やら何やらを吹っ飛ばす。

 

「くっ……!」

「…………」

 

 爆煙が晴れた時、立っていた彼女は機能停止し、そのままの状態で倒れた。

 

「……やった」

「こっちも終わったわ」

「気味の悪い奴め……」

 

 ソニアとアリスは、シュリーをボコボコにしてきたそうだ。

 

「一体、何者なんだこいつ……」

 

 ヴィクトリーはそう言いながら、ボロボロになったジェイドに触れようとする。すると、不意にモノアイが光り、両手で彼の首を締めてきた。

 

「っぐぅっ!!?」

「ヴィクトリーっ!」

「生きてたかっ!!」

「待ってて、今……」

 

 ソニア達がヴィクトリーを助けようとしたが、次の瞬間にはジェイドはまた機能停止した……どうやら最後の力を振り絞って、侵入者を排除しようとしたらしい……

 

「……!!」

 

 そして彼女の体が一気に錆び付いて、崩れた。

 

「な、なに……!?」

「ま、まさか……死んだんじゃ……!!」

「そうは思えねぇな……」

 

 錆を払いながら、ヴィクトリーは立ち上がる。首には赤く絞められた跡があり、それを掻き、改めて進む方向へ向かう。

 

「よし、警戒しながら行くぞ……」

「ああ。気をつけねぇと、一瞬でやられちまうかも知れねぇからな……」

 

 ルカを先頭に、タルタロスを進む。そんな中ヴィクトリーは、ルカの後ろにつきながら気を張り巡らせた。

 

 さっきの奴と同じ気が、このタルタロスに散在しているのが分かった。

 

 どうなっている? 確かにこれまで戦ったスライム娘やその他のモンスターはだいたいの見た目は同じでも、顔や気に微妙な違いがあった。しかし、こいつらは違う。それぞれが、完全に同じ気を持ってるんだ。違いなんて、どこにも無い。完全に同じなんだから。

 

 言い知れぬ気味悪さと、ぼんやりとした恐怖が俺の心に根付いた……そうしながらも、時々襲来する謎のモンスターをなぎ払いながら進んでいく。

 

「これ、なんだろう……?」

 

 ルカが、銃を持ってそう言った。ドン・ダリアが持っていた武器と、同じもののようだ……

 

「そいつは銃だ。引き金で、弾丸を撃ち出す武器なんだけどよ……この世界には、流通してねぇのか?」

「う〜ん……」

 

 そんな事を話していると……

 

「てってけてー」

 

 聞き覚えのある声が、聞こえてきた。

 

「おい二人共、聞こえたか!?」

「ああ!」

「白兎か……!」

 

 声のする方に、走る。

 

「下に降りたか……追うぞっ!」

 

 一行はアリスを先頭にして、急いで白兎を追った。しかし……

 

「行き止まりか……」

 

 謎の扉が、一行の行く手を阻んだ。

 

「ウサギは、こっちに行った筈だよね。この扉を通っていったのかな……?」

「重そうな扉……」

 

 ソニアが出てきて、扉に手をつける。

 

「えい! むむ、ぐ〜っ!」

 

 そして気合いを込めて思いっきり押してみるも、開く気配は無さそうだ。

 

「うが、私も手伝うぞ!」

 

 ついでにパピがソニアと並んで扉を押すが、ビクともしなかった。

 

「……ダメね、どれだけ頑張っても開かないみたい。鍵穴も無いし、どうやって開けるの?」

 

 ソニアは諦めて、アリスの隣についた。

 

「なんなのだ、この扉……? 魔術による封印ではない、結界とも違う……! これは、空間隔絶の術式か? なぜ地下に、こんなものがあるのだ……!?」

 

 アリスはそう言いながら、開かずの扉を睨むだけだった。手出しできない以上、どうしようもないのかもな……

 

「ルカ、やるだけやってみようぜ」

「強く押せば、開くかもね……」

「馬鹿を言うな。時空が隔絶されている以上、余が元の姿でも……」

 

 アリスの話を背に受けながら、ヴィクトリーとルカは並んで扉に触れる。すると、勝手に扉が開いた。

 

「うわっ!?」

「……あれ? 触っただけで、押してないのに……」

「そんな馬鹿な……貴様ら、どうやって開けたのだ?」

「分かんねぇ……ただ言うと、コンマ一でルカが先に扉に触れてた」

「じゃあ、僕が開けたのかな……? でも、何で開いたんだろう……」

 

 とにかく、開かずの扉は開いた。その先は、闇が広がっている。

 

「……まぁいい、奥に進むぞ。気をつけろ、何があるか分からんぞ」

「よし、行こう。ウサギはきっと、この奥にいるはずだ……!」

「……」

 

 扉を抜けた先……そこは、紫色の何かと黒い何かに侵食された街だった。

 

「なんなんだ、ここ……!?」

「き、気味が悪ぃな……!」

「町だと……? しかし、この異様な様子はいったい……空間そのものが変質しているのか? いったいここは、何なのだ……?」

「ねぇルカ、引き返そうよ。なんかここ、気味が悪いよ……」

「でも、とりあえず住民と会話してみよう……」

 

 とりあえず、ここには青年と町娘がいる。

 

「おっす!」

 

 俺はとりあえず、青年に話しかけてみた。

 

「こんにちは、ここはレミナの町だよ」

 

 青年の言葉に、アリスは反応した。

 

「レミナだと!? いったいどういう事だ!?」

「でも、レミナは30年前に滅びたんじゃ……」

「……」

 

 ヴィクトリーは青年の肩を掴み、揺らす。

 

「詳しく、聞かせてくれねぇか? いったい、ここは……」

「こんにちは、ここはレミナの町だよ。こんにちは、ここはレミナの町だよ。こんにちは、ここはレミナの町だよ。こんにちは、ここはレミナの町だよ。こんにちは、ここはレミナの町だよ」

 

 青年は光のない目で、繰り返すだけだった。それどころか、壊れたレコードのように同じ言葉を繰り返している。

 

「ちょっと、何なのこの人……壊れちゃった?」

「こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こんにちは、こん■■は、ここはレ■ナの町だよ。こ■■■■■ここ■■■■の町■よ。■■■■■■こ■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

「うるせぇーっ!!!」

 

 青ざめた表情のヴィクトリーは、青年の顔面をぶん殴り、壁に叩きつけた。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

 

 青年は虚ろな笑顔を浮かべたまんま、口を動かし続けていた。

 

「なんだ、こいつは……何かの病気か? いったい、どうなっている?」

 

 壊れた青年はほっといて、今度は町娘に声をかけた。

 

「お、おっす!」

「レミナへようこそここは良い町でしょうええそう町の名物はここからも見える研究塔の屋根ニアカラカト積モルマナノ燐光ガ朝モヤヲ■タエル光景幻想的■■レス? テテテ■ヲルトカPエル■■■Kバル■■■■■■■■レミ■沌■レミ■■混沌ノ■■テル■■コソ汝テル■。■■■」

「やめろくそったれ!!」

 

 ヴィクトリーはまたしても、その町娘をぶん殴った。

 

「容赦ないなお前……」

「どうなってんだ……」

「第一種断界接触……コレヨリ排除スル……」

 

 町娘はそう言ってから起き上がり、気を解放した。

 

「っ!?」

 

 町娘の肉体が変質し、下半身が虫のような器官になる。

 

「私はシェスタ……あなた達を排除する……」

「くるぞっ!!」

 

 シェスタは突っ込み、ルカに頭突きした。

 

「ぐぁっ!?」

「ちっ!!」

 

 ヴィクトリーは距離をとってから、シェスタにかめはめ波を放った。

 

「ふんっ」

 

 しかし、シェスタは腕を振ってそれをアリスの方へと弾き飛ばした。

 

「ちぃっ!!」

 

 アリスはそのかめはめ波を、後方に弾き飛ばした。かめはめ波は、壊れた青年に直撃した。

 

「うわぁああっ!?」

「だ、大丈夫かっ!?」

 

 控えのメンバーが青年に寄る。

 

「■■■■■■■■■■■」

 

 凄まじい火傷を負ったみたいだが、相も変わらず壊れた様子で口を動かし続けていた。

 

「……」

 

 シェスタはヴィクトリーに手を向け、エネルギー弾を連射してきた。

 

「ちっ!」

 

 ヴィクトリーは次々に迫り来るそれを弾きながら、走って接近する。

 

「だりゃあっ!」

 

 そのまま彼女の眼前にまで肉薄し、腕を振りかぶって顔面にパンチを叩き込む。

 

「っ……!」

「はぁあっ!!」

 

 よろけるシェスタの足を、ソニアが棍で払った。

 

「なっ……!?」

 

 シェスタの体は、勢いよく半回転する。

 

「はぁあっ!!」

 

 そこにアリスがレイピアを構え、渾身の突きで一閃した。

 

「ぐぁあっ……!!」

「よし……!」

 

 好機を見たルカが跳び上がりながら剣を振り上げ、シェスタに兜割りの一撃を叩き込んだ。

 

「っ!!」

 

 彼女の体は、縦に真っ二つになる。綺麗な、唐竹割(からたけわ)りだ。

 

「そんな……神様……」

 

 シェスタは倒れ、塵となって消えた……

 

「なんだったの、今の……」

 

 戦闘を終えて、ソニアが一番に口を開く。

 

「未知のマナの侵食現象で変異したようだが……こんなもの、余も見たことがないぞ……」

「分からない事だらけだな……ウサギは、こんな所で何をしているんだ?」

「…………」

 

 果たして、ここは何処なのか。白兎はこんな所で、何をしているのか……そしてこの先にあるものとは……

 戦士達はそれを整理するために、とりあえず民家に入った……

 

 

「……きゅ?」

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