もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース 作:ジョーカー:ゼノ
「だっ!!!」
「ふんっ!!」
ヴィクトリーは地面を蹴って飛び出し、牛魔王に突撃する。対する彼女は、それに向かって大斧を振り下ろしてきた。
横にステップしたヴィクトリーだが、大斧の威力は衝撃波となって彼の身体を叩き、吹っ飛ばしてしまった。
「うわぁっ!」
「はは、風前の紙のようだな!」
何とか着地したヴィクトリーの前で、牛魔王は横に振りかぶる。そのまま豪快な横薙ぎを放ってきた。
ヴィクトリーはすかさず剣を抜いてその場に踏ん張り、大斧の刃を弾き凌ぐ。だが、それでも剣を持ってる腕がビリビリ痺れる。
「なんちゅうパワーだ……!!」
「まだまだいくぞ!!」
牛魔王はそのまま回転しながら、二撃、三撃と続けざまに薙ぎ払う。からくもそれを弾いたヴィクトリーだったが、次に見えたのは振り下ろし。
「っくぅううっ!!!」
頭上から迫るそれに対し、剣の刃に掌を当てて盾代わりにする。それで、受け止めて踏ん張る。
だが、余りの威力で気力を吹っ飛ばされそうな衝撃を一身に浴び、踏ん張る地面にクレーターが発生した。
「っ、ほう……硬い剣だな!」
「ったりめぇだ……!! 二度と、折れねぇって決めたもんなぁ……!!!」
そう言うヴィクトリーは、跪いて大斧の重みに耐えるので精一杯だ。歯を食いしばって目をギュッと閉じ、踏ん張る足にこれ以上となく力を込めている。それを見た牛魔王は大斧を両手持ちして、更なる力を加えた。
「だが、どうする……!! 力の差は歴然だぞ!!」
そう言う牛魔王は腰を入れ、更に力を込める。
「ヴィクトリーっ!!」
「このままでは危険です!
「ああ……!! 言われなくてもぉおっ!!」
サラとプロメスティンを声を受けたヴィクトリーの体から、金色の気が滲み出る。足元から腰、腰から胸……そして、胸から顔へ。そして開いた目の瞳は、碧色に変わっていた。
「む……!!?」
「だぁああぁあっ!!」
咆哮と同時に金髪になった髪が逆立ち、それと同時にものすごい力で牛魔王の大斧を弾き上げた。
「
「ええ……あんな大斧も跳ね返しちゃうなんて……」
その力に驚愕する、シーザーとサラ。
「ヴィクトリーの最強形態だよ……これで力量は互角だね」
「ですが体格差は相変わらず歴然。どうなるのでしょうか……」
ヒルデとプロメスティンは、興味深そうに戦いに注目する。
「……
斉天大聖は、
「……ふぅ、待たせてすまなかったな! 今から全力だ!」
「へぇ……人間がひとりでに金髪になるなど、どういう魔術かは知らんが……やる事は変わらん」
ヴィクトリーと牛魔王は互いの得物を振りかぶり、ぶつけ合わせる。ぶつかり合った凄まじいパワーで旋風が巻き起こり、その際の衝撃が天にも届いて雲が吹き飛んだ。
「ぬぅうっ!!」
「いくぜっ!!」
ヴィクトリーはその場を蹴り、砲弾のように飛び出す。そして、牛魔王の腹に拳の一撃を叩き込んだ。
「ッッッ……!!!?」
腹に決まった一撃は、確かに牛魔王にダメージを与えていた。だが、彼女はヴィクトリーを掴みぶん投げる。
「うわぁあぁあっ!!」
「そのザマでは身動きは取れまい!」
牛魔王は吹っ飛ぶヴィクトリーに走り迫り、振り下ろしを放つ。だが彼は舞空術によって空を泳いでそれを避けた。
「なっ!?」
「そうでもねぇさ!!」
そう言いながら牛魔王の顔面に飛び、その顔にパンチする。すると彼女は、自分と同じ体格の相手に殴られたかのように仰け反った。
「っはぁああぁあっ!!」
だが牛魔王は踏ん張って耐え、ヴィクトリーに横薙ぎの一撃を放つ。それに直撃した彼は吹っ飛んで墜落し、地面をガリガリ削りながらも体勢を整えて踏ん張った。
「っぢぢぢぢ……おぉ痛ってぇ!」
「砕けろ大地……【壊斧・大山鳴動】!!!」
悶えるヴィクトリーの頭上から、大地をも叩き割らんとするほどの威力の大斧の振り下ろしが迫る。大地の力を得て完璧に斧に乗せたそれは、未曾有の重量を思わせながら落ちてくる。
「フルパワーだ!!!」
だが、彼は臆する事なく拳にありったけの気を込めて振りかぶる。そして、牛魔王の大斧とぶつけ合わせた。また衝撃波のような旋風が二人を中心に巻き起こり、その辺の木が根っこからひっくり返される。
大斧と拳がぶつかり合い、なんとその力は互角。潰そうと力を込める牛魔王だが、ヴィクトリーもまた押し返そうと拳に力を込めていた。
「人間の癖に、なかなかやるな……! 妾に
「俺はドラゴンボールヒーローだ、悪い奴に手を貸す気はねぇさ……!」
そう掛け合い、斧と拳がバチッと弾かれて二人は距離を取る。
「鼻っ柱の強い男は嫌いではないぞ……餞別に、力だけではない所を見せてやろう」
「おう、俺だってパワーだけじゃねぇんだぜ!!」
二人は構え、ぶつかり合う。大斧の乱撃がヴィクトリーに迫ってくるも、彼はそれを拳で打ち払い続ける。
「【轟炎乱斧】!! 【砕氷乱斧】!! 【雷神乱斧】!!」
「まだまだぁあああ!!!」
炎、氷、雷のエネルギーが牛魔王の斧に宿り、その乱撃を放ってくる。だがそれに合わせてヴィクトリーは気を高め、拳に力を込めて攻防した。無数の乱撃と拳がぶつかり合い、互角でありながら更に加速する。
「まるで人間薪割りですね……牛魔王の体力にはまだまだ余裕があります。ヴィクトリーさんが潰れるまで、続けるつもりでしょう」
「でも、ヴィクトリーも力を増してるよ」
「というか、なんで素手であの大斧を弾けるのよ……」
冷静に観戦するプロメスティン達。
「いいぞ、負けるなーっ!」
「二人ともすっげぇーっ!」
「頑張れーっ!!」
シーザーは、周りのミノタウロス達と一緒になって二人の戦いに沸いていた。
「だぁあぁああっ!!!」
ここで、ヴィクトリーは腰を入れた渾身の一撃を大斧に叩き込む。すると、その刃が打ち砕けたのだった。
「な、なにぃっ!?」
「これで得意の斧技は出来ねぇなぁっ!!」
得意気に言うヴィクトリーに対し、牛魔王は残った柄の部分を投げつける。
「うわっ!?」
「そこだぁっ!!」
すかさず回避したヴィクトリー。だが、避けた先に既に牛魔王の拳が迫っていた。
人を丸ごと握れるような拳が、巨体による衝撃波を伴って飛んでくる。それに為す術なく直撃し、ヴィクトリーは吹っ飛んだ。
「ぐぅうぅうっ!!」
どうにか着地し、顔を上げるヴィクトリー。だが、そんな彼の頭上から巨大なものの影が迫る。すぐに見上げたそこにあったのは、大岩だった。
「だりゃあぁあっ!!」
ヴィクトリーはそれを左の拳で殴り、打ち砕いた。だが……影はそれでも消えず、見えたのは牛魔王の豊満な腹肉。
「ペタンコになってしまえ!!」
牛魔王は、フライングボディプレスを繰り出してきたのだった。大岩を超える重さの質量が、容赦なくヴィクトリーを押し潰そうと落ちてきた。
「そこだぁあぁああああ!!!」
だが、ヴィクトリーは怯まずに右の拳に全力を込め、その腹肉を打ち抜いたのだった。その威力が牛魔王の腹肉と腹筋を突き破って、背中を盛り上げる。
「っ馬鹿なぁあっ……!!?」
「だぁあぁあああ────っ!!!」
ヴィクトリーは咆哮しながら、拳を振り抜く。すると、牛魔王は上空に打ち上げられたのだった。
「これで決めてやる!! か、め、は、め……!!」
次に取ったのは、【かめはめ波】の構え。両手を腰の辺りで合わせ、全身の気をそこに凝縮する。そうしたかと思えば、彼はその場から消失する。
そして、上空へ吹っ飛ぶ牛魔王の真上に瞬間移動した。
「波────っ!!!」
牛魔王に、ヴィクトリーの全力の【かめはめ波】が叩き込まれる。そのまま一気に地面にまで叩きつけられ、大爆発した気が光の柱のように天を衝いたのだった。
爆煙が晴れ……牛魔王は、苦しそうに呻きながら倒れている。その前に、ヴィクトリーは着地した。
「牛魔王さまっ!」
「大丈夫ですかっ!?」
牛魔王の配下のミノタウロスが、何体か駆け寄ってくる。倒れたままの牛魔王は苦しそうな顔をしながらゆっくり息を吐き……どこか、満足そうな顔で快晴の空を見上げた。
「……妾の完敗だ」
「っよっしゃあっ!」
牛魔王の敗北宣言を聞いたヴィクトリーは、高らかに拳を突き上げるのだった。