もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

157 / 183
サイヤ人VS牛魔王

「だっ!!!」

「ふんっ!!」

 

 ヴィクトリーは地面を蹴って飛び出し、牛魔王に突撃する。対する彼女は、それに向かって大斧を振り下ろしてきた。

 

 横にステップしたヴィクトリーだが、大斧の威力は衝撃波となって彼の身体を叩き、吹っ飛ばしてしまった。

 

「うわぁっ!」

「はは、風前の紙のようだな!」

 

 何とか着地したヴィクトリーの前で、牛魔王は横に振りかぶる。そのまま豪快な横薙ぎを放ってきた。

 

 ヴィクトリーはすかさず剣を抜いてその場に踏ん張り、大斧の刃を弾き凌ぐ。だが、それでも剣を持ってる腕がビリビリ痺れる。

 

「なんちゅうパワーだ……!!」

「まだまだいくぞ!!」

 

 牛魔王はそのまま回転しながら、二撃、三撃と続けざまに薙ぎ払う。からくもそれを弾いたヴィクトリーだったが、次に見えたのは振り下ろし。

 

「っくぅううっ!!!」

 

 頭上から迫るそれに対し、剣の刃に掌を当てて盾代わりにする。それで、受け止めて踏ん張る。

 

 だが、余りの威力で気力を吹っ飛ばされそうな衝撃を一身に浴び、踏ん張る地面にクレーターが発生した。

 

「っ、ほう……硬い剣だな!」

「ったりめぇだ……!! 二度と、折れねぇって決めたもんなぁ……!!!」

 

 そう言うヴィクトリーは、跪いて大斧の重みに耐えるので精一杯だ。歯を食いしばって目をギュッと閉じ、踏ん張る足にこれ以上となく力を込めている。それを見た牛魔王は大斧を両手持ちして、更なる力を加えた。

 

「だが、どうする……!! 力の差は歴然だぞ!!」

 

 そう言う牛魔王は腰を入れ、更に力を込める。

 

「ヴィクトリーっ!!」

「このままでは危険です! (スーパー)サイヤ人になってください!!」

「ああ……!! 言われなくてもぉおっ!!」

 

 サラとプロメスティンを声を受けたヴィクトリーの体から、金色の気が滲み出る。足元から腰、腰から胸……そして、胸から顔へ。そして開いた目の瞳は、碧色に変わっていた。

 

「む……!!?」

「だぁああぁあっ!!」

 

 咆哮と同時に金髪になった髪が逆立ち、それと同時にものすごい力で牛魔王の大斧を弾き上げた。

 

(スーパー)サイヤ人……あの金髪は、そう言うのか!」

「ええ……あんな大斧も跳ね返しちゃうなんて……」

 

 その力に驚愕する、シーザーとサラ。

 

「ヴィクトリーの最強形態だよ……これで力量は互角だね」

「ですが体格差は相変わらず歴然。どうなるのでしょうか……」

 

 ヒルデとプロメスティンは、興味深そうに戦いに注目する。

 

「……()()()と一緒か」

 

 斉天大聖は、(スーパー)サイヤ人になったヴィクトリーを見てそう呟くのだった。

 

「……ふぅ、待たせてすまなかったな! 今から全力だ!」

「へぇ……人間がひとりでに金髪になるなど、どういう魔術かは知らんが……やる事は変わらん」

 

 ヴィクトリーと牛魔王は互いの得物を振りかぶり、ぶつけ合わせる。ぶつかり合った凄まじいパワーで旋風が巻き起こり、その際の衝撃が天にも届いて雲が吹き飛んだ。

 

「ぬぅうっ!!」

「いくぜっ!!」

 

 ヴィクトリーはその場を蹴り、砲弾のように飛び出す。そして、牛魔王の腹に拳の一撃を叩き込んだ。

 

「ッッッ……!!!?」

 

 腹に決まった一撃は、確かに牛魔王にダメージを与えていた。だが、彼女はヴィクトリーを掴みぶん投げる。

 

「うわぁあぁあっ!!」

「そのザマでは身動きは取れまい!」

 

 牛魔王は吹っ飛ぶヴィクトリーに走り迫り、振り下ろしを放つ。だが彼は舞空術によって空を泳いでそれを避けた。

 

「なっ!?」

「そうでもねぇさ!!」

 

 そう言いながら牛魔王の顔面に飛び、その顔にパンチする。すると彼女は、自分と同じ体格の相手に殴られたかのように仰け反った。

 

「っはぁああぁあっ!!」

 

 だが牛魔王は踏ん張って耐え、ヴィクトリーに横薙ぎの一撃を放つ。それに直撃した彼は吹っ飛んで墜落し、地面をガリガリ削りながらも体勢を整えて踏ん張った。

 

「っぢぢぢぢ……おぉ痛ってぇ!」

「砕けろ大地……【壊斧・大山鳴動】!!!」

 

 悶えるヴィクトリーの頭上から、大地をも叩き割らんとするほどの威力の大斧の振り下ろしが迫る。大地の力を得て完璧に斧に乗せたそれは、未曾有の重量を思わせながら落ちてくる。

 

「フルパワーだ!!!」

 

 だが、彼は臆する事なく拳にありったけの気を込めて振りかぶる。そして、牛魔王の大斧とぶつけ合わせた。また衝撃波のような旋風が二人を中心に巻き起こり、その辺の木が根っこからひっくり返される。

 

 大斧と拳がぶつかり合い、なんとその力は互角。潰そうと力を込める牛魔王だが、ヴィクトリーもまた押し返そうと拳に力を込めていた。

 

「人間の癖に、なかなかやるな……! 妾に(かしず)くつもりは無いか?」

「俺はドラゴンボールヒーローだ、悪い奴に手を貸す気はねぇさ……!」

 

 そう掛け合い、斧と拳がバチッと弾かれて二人は距離を取る。

 

「鼻っ柱の強い男は嫌いではないぞ……餞別に、力だけではない所を見せてやろう」

「おう、俺だってパワーだけじゃねぇんだぜ!!」

 

 二人は構え、ぶつかり合う。大斧の乱撃がヴィクトリーに迫ってくるも、彼はそれを拳で打ち払い続ける。

 

「【轟炎乱斧】!! 【砕氷乱斧】!! 【雷神乱斧】!!」

「まだまだぁあああ!!!」

 

 炎、氷、雷のエネルギーが牛魔王の斧に宿り、その乱撃を放ってくる。だがそれに合わせてヴィクトリーは気を高め、拳に力を込めて攻防した。無数の乱撃と拳がぶつかり合い、互角でありながら更に加速する。

 

「まるで人間薪割りですね……牛魔王の体力にはまだまだ余裕があります。ヴィクトリーさんが潰れるまで、続けるつもりでしょう」

「でも、ヴィクトリーも力を増してるよ」

「というか、なんで素手であの大斧を弾けるのよ……」

 

 冷静に観戦するプロメスティン達。

 

「いいぞ、負けるなーっ!」

「二人ともすっげぇーっ!」

「頑張れーっ!!」

 

 シーザーは、周りのミノタウロス達と一緒になって二人の戦いに沸いていた。

 

「だぁあぁああっ!!!」

 

 ここで、ヴィクトリーは腰を入れた渾身の一撃を大斧に叩き込む。すると、その刃が打ち砕けたのだった。

 

「な、なにぃっ!?」

「これで得意の斧技は出来ねぇなぁっ!!」

 

 得意気に言うヴィクトリーに対し、牛魔王は残った柄の部分を投げつける。

 

「うわっ!?」

「そこだぁっ!!」

 

 すかさず回避したヴィクトリー。だが、避けた先に既に牛魔王の拳が迫っていた。

 

 人を丸ごと握れるような拳が、巨体による衝撃波を伴って飛んでくる。それに為す術なく直撃し、ヴィクトリーは吹っ飛んだ。

 

「ぐぅうぅうっ!!」

 

 どうにか着地し、顔を上げるヴィクトリー。だが、そんな彼の頭上から巨大なものの影が迫る。すぐに見上げたそこにあったのは、大岩だった。

 

「だりゃあぁあっ!!」

 

 ヴィクトリーはそれを左の拳で殴り、打ち砕いた。だが……影はそれでも消えず、見えたのは牛魔王の豊満な腹肉。

 

「ペタンコになってしまえ!!」

 

 牛魔王は、フライングボディプレスを繰り出してきたのだった。大岩を超える重さの質量が、容赦なくヴィクトリーを押し潰そうと落ちてきた。

 

「そこだぁあぁああああ!!!」

 

 だが、ヴィクトリーは怯まずに右の拳に全力を込め、その腹肉を打ち抜いたのだった。その威力が牛魔王の腹肉と腹筋を突き破って、背中を盛り上げる。

 

「っ馬鹿なぁあっ……!!?」

「だぁあぁあああ────っ!!!」

 

 ヴィクトリーは咆哮しながら、拳を振り抜く。すると、牛魔王は上空に打ち上げられたのだった。

 

「これで決めてやる!! か、め、は、め……!!」

 

 次に取ったのは、【かめはめ波】の構え。両手を腰の辺りで合わせ、全身の気をそこに凝縮する。そうしたかと思えば、彼はその場から消失する。

 

 そして、上空へ吹っ飛ぶ牛魔王の真上に瞬間移動した。

 

「波────っ!!!」

 

 牛魔王に、ヴィクトリーの全力の【かめはめ波】が叩き込まれる。そのまま一気に地面にまで叩きつけられ、大爆発した気が光の柱のように天を衝いたのだった。

 

 爆煙が晴れ……牛魔王は、苦しそうに呻きながら倒れている。その前に、ヴィクトリーは着地した。

 

「牛魔王さまっ!」

「大丈夫ですかっ!?」

 

 牛魔王の配下のミノタウロスが、何体か駆け寄ってくる。倒れたままの牛魔王は苦しそうな顔をしながらゆっくり息を吐き……どこか、満足そうな顔で快晴の空を見上げた。

 

「……妾の完敗だ」

「っよっしゃあっ!」

 

 牛魔王の敗北宣言を聞いたヴィクトリーは、高らかに拳を突き上げるのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。