もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース 作:ジョーカー:ゼノ
「はぁあぁあっ!!」
ケツァルコァトルは、いきなり暴風を巻き起こしてくる。それが地上にまで伝わり、地面がめくれ上がるほどの衝撃波となってヴィクトリー達を薙ぎ払ってきた。
「うぐっ!!」
「ニャー!」
ヴィクトリー達は踏ん張るので精一杯だが、テスカトリポカは動じずに咆哮して空中をカクカク跳んでケツァルコァトルに迫る。その勢いのまま鎌を振り上げ、渾身の兜割りをその脳天に振り下ろした。
直撃したケツァルコァトルは、どうにか地面に着地する。
「いっ……!! あの、バカネコっ!!」
そう言いながら、キッと上空を睨み直すが──
「こっちだぁっ!!」
既にヴィクトリーが、手を合わせて迫っている。そのまま、「波っ!!!」と【かめはめ波】を放ち、至近距離直撃で爆発させた。
「ふふ、いい攻撃ですね」
「ちっ!」
爆煙から、余裕の表情のケツァルコァトルが出てくる。しかも、笑っているその口から炎を滾らせていた。
「ですが、攻撃とはこうするのです!」
そう言い、ヴィクトリーに【激しい炎】を吐きつけてきた。腕を交差しながら防御するが、為す術なく炎に包まれてしまう。
「うわぢゃぢゃぢゃぢゃっ!!?」
火だるまになりながら走る、ヴィクトリー。だが、ケツァルコァトルは翼を振りかぶって迫っていた。
「させんっ!!」
しかし、そこにシーザーが割って入ってケツァルコァトルの一撃を止めた。その隙にヴィクトリーは池の水に飛び込むのだった。
「おや……ネコの次はイヌですか」
「ただのイヌではないぞ……!」
そのまま、ケツァルコァトルとシーザーは激しく攻防する。
「ニャーッ!! これでも食らうニャ!!」
そんな所に、テスカトリポカが乱入してくる。両手を上げてエネルギーボールを掲げ、それをぶん投げてきた。
「ぬっ!?」
「ふん、こんなもの……」
シーザーはその場から離れ、ケツァルコァトルだけがそのエネルギーボールに向く。
「かぁああああっ!!!」
エネルギーボールが眼前まで迫った時に、絶叫した。すると、なんとそれは気合いにより炸裂し、掻き消されてしまった。
その直後、テスカトリポカはケツァルコァトルの腹に飛び蹴りを叩き込んだ。それは直撃し、ガリガリと地面を削りながら飛んでいく。
「ウニャニャニャ! 潰れろーっ!!」
「潰れるのは、そっちだ!!!」
蹴られてる最中のケツァルコァトルは身体中の魔力を解放し、自身を中心に大爆発波を放った。それがテスカトリポカを飲み込み、また触れたものを全て灰燼にしながら広がっていく。
「っ、なんて魔力だ……!!」
「プランセクト村がっ……!!」
圧倒されてしまう、クィーンビーとプリエステス。そんな彼女達の後ろから、上裸になったヴィクトリーが飛び出した。
「おい、あんまこの村を壊すんじゃねぇよ!」
「ならば、私にひれ伏してあのバカネコを倒しなさい!」
ケツァルコァトルはそう言って、体の埃を払いながら瓦礫が山になっている所を指す。すると、その瓦礫が衝撃波と共に吹っ飛んだ。
「いーや、あたしのしもべになってコアトリをぶっ飛ばすニャ!」
ピンピンしている様子で出てきたテスカトリポカは、ケツァルコァトルを指してヴィクトリーに言う。
「ええいこのバカネコ!」
「コアトリー!」
「喧嘩すんなら二人でやれよ、この村やプリエステスとクィーンビーを巻き込むんじゃねぇ!」
そう言いながら、ヴィクトリーは本気の怒りと共に気を解放する。先程までとは段違いに跳ね上がった気だった。
「人間のくせに、生意気ね……! ならばバカネコともども叩きのめします!」
「邪魔するなら、コアトリもろともぶっ飛ばすニャー!」
「言ってろぉっ!!」
ヴィクトリーは、気弾を連射する。だが、テスカトリポカもケツァルコァトルも難なく弾き続けた。
「こんなもの、百発撃っても無駄ですよ!」
「鬱陶しいだけだニャ──」
次の瞬間、ヴィクトリーの矢のような飛び蹴りがテスカトリポカの腹を打ち抜く。そのまま彼女は吹っ飛んで地上へ墜落したのだった。
「なっ!? この……っ!!?」
ヴィクトリーの方を向き直したケツァルコァトルだが……彼女の周囲には、先程弾き飛ばしたはずの気弾が包囲するように浮いていた。
「百発撃っても無駄なら、こんなのはどうだ!?」
ヴィクトリーは、向けた手をグッと握り込む。すると、気弾がケツァルコァトルに殺到し、爆発が連続した。
「いたたた……つ、つくづく生意気な人間だニャ……!!」
起き上がるテスカトリポカの前に、サラとヒルデとシーザーとプリエステスが歩いてくる。
「聞きたいことは山ほどあるけど……今は、この村から手を引いてもらうわ」
「敵、滅ぼす……」
「いかに聖魔大戦で活躍した魔物と言えど、関係ない村を巻き込むのは見過ごせん」
「貴女のせいで胃に穴が空くわ過労で気を失うわで、散々なんです……鬱憤も、ついでに晴らしてしまいましょう」
「はははっ! 纏めてかかってこいニャ!」
そのまま、地上ではテスカトリポカとサラ達で大乱闘が始まった。
上空では、ケツァルコァトルとヴィクトリーが向き合っている。
「ケホッ……! 少しは効いたわ……!」
「ちっ……!!」
舌打ちするヴィクトリーの後ろから、飛んでくる影が二つ。クィーンビーとプロメスティンだ。
「畳み掛けるぞ!」
「甘い」
クィーンビーがそう言いながら、蹴りでケツァルコァトルに急襲する。だが、それは避けられてカウンターに翼の一撃が入ってしまう。
「うぐっ……!」
「燃え尽きなさい!!」
そのままケツァルコァトルは、【激しい炎】をクィーンビーに吐きつけてきた。
「っ……!!」
「ちっ!!」
だが、彼女達の間にヴィクトリーが割り込んだ。腕を交差して身体中に気を纏い、それでクィーンビーを後ろに置いてその場で留まる。そして、その身で激しい炎を引き受けたのだった。
「うぐ、ぐくぐくく……!!」
炎が気を突き破り、肌が焼ける。焼けたそばから【チャクラ】によって治癒するが、次第に炎の方が勢いづいて治癒が追いつかなくなる。
「ヴィクトリー!!」
「大した根性ですね……ですが、さすがに長くは耐えられないでしょう!!」
そのままヴィクトリーを焼き尽くそうと、火力を上げるケツァルコァトル。だが、彼女の前にカラフルに光るものが投げられた。
「人が招いた禍いです……今こそ知れ、【沈黙の春】!!」
プロメスティンの詠唱により、それは起爆する。目が痛くなるほどドギツイ色の爆発を巻き起こし、ケツァルコァトルに直撃した。
「っ……大した事は無いわ……!」
「むむ……!」
そう言いながらも、若干顔をしかめるケツァルコァトル。プロメスティンに向き、攻撃を仕掛けようとする。
「だっはーっ!!」
「はぁああっ!!」
そこにヴィクトリーとクィーンビーが飛んできて、ケツァルコァトルの腹に渾身の飛び蹴りを叩き込んだ。
「ごはっ……!!」
「まだまだ行くぞ!!」
「応!!」
二人の蹴り足に、力が宿る。クィーンビーは電撃を、ヴィクトリーは気を。
「【電塵連脚】!!」
「【龍牙鋭震脚】!!」
そのまま二人は、蹴り技を連打した。目にも留まらぬ速さの蹴りが乱打され、ケツァルコァトルは為す術なく滅多蹴りにされる。
「は、速っ……!! こ、このっ……!!?」
「どりゃあぁあっ!」
「はぁあああっ!」
二人の蹴りの最終段が、同時にケツァルコァトルの胸に着弾する。それで彼女は蹴っ飛ばされ、勢い良く地面にまで墜落してしまった。
「っ、ぐぅっ……!! こ、この私を、ここまで追い詰めるなんて……!!」
立ち上がろうとする、ケツァルコァトル。だが、そんな彼女に向かって突如としてテスカトリポカが吹っ飛んできた。
「ニャーッ!!?」
「きゃーっ!!」
「はぁあ……!!」
サラが、二刀流を振り抜いた姿勢のまま残心している。どうやら、彼女が切り飛ばしたようだ。
「追撃して、その場に抑え込む……! 【フルガトリング】!!」
ここでヒルデが、身体中に仕込まれた武器を展開する。そのまま、ケツァルコァトルとテスカトリポカを集中砲火した。
「くぅうっ……!! こ、こんな……!!」
「いででででで! ウザい豆鉄砲だニャー!!」
二人はどうにか凌ぎつつも、それで手一杯。そんな彼女らに向かったヴィクトリーが、一際大きな気を解放した。
「好き勝手にごちゃごちゃわちゃわちゃしやがって!! これでおめぇらをうんと遠くまでぶっ飛ばしてやる!!」
合わせた手から、凄まじい気が迸る。気の高まりに応じて輝きは増し、彼の怒りを体現するかのように強大なものになっていた。
「【超かめはめ波】──────ッッッ!!!!」
そうして放たれた【超かめはめ波】。それは今までに無いほどに巨大なエネルギー波で、触れたもの全てを融かしながらケツァルコァトルとテスカトリポカに迫っていた。
「こんなもの、弾き返してやります!!」
「ウニャー! この程度、弾き飛ばしてやるニャー!」
二人はそう言い、踏ん張って受け止める。そのまま押し止め、ヴィクトリーとの押し合い勝負になった。その時のエネルギーの余波がまるで台風のように吹き荒び、プランセクト村を揺るがしていた。
「く……!! これは、凄まじいな……!!」
「ヴィクトリーの戦闘力、怒りの感情と共に急上昇……」
「ヴィクトリーっ……!!」
「彼を信じましょう」
シーザーとヒルデとサラが、ぶつかり合いに圧倒される中……プロメスティンは、冷静に皆を治療している。
「ぐっ、ぐ、ぐくぐくく……!!!」
「諦めなさい、サイヤ人! 幾らあなたが伝説の戦士と言えども、それはあなたの世界での話……!!」
「この世界の伝説は、そんな甘くないニャー!」
二対一の押し合いは、不利だった。余裕の表情を見せるケツァルコァトルとテスカトリポカに、ヴィクトリーは必死で超かめはめ波を放つ腕に全力を込めている。
「うぐぐ、くぐぐぐく……!!!」
そんなヴィクトリーの左右に、降り立ってくる影が二人。プリエステスとクィーンビーだ。
「私も押します!」
「手を貸すぞ!」
そのまま二人は、両手を突き出す。すると、ヴィクトリーの超かめはめ波に二人の力が押され、それがケツァルコァトルとテスカトリポカを圧倒した。
「っ……!!? この力っ……!!」
「これ程の力を、現世の魔物が……!!? ありえないニャ……!!」
「見くびりましたね、植物族を……!!」
「そして、妾達昆虫族を……!!」
「ぐぅうぅうううっ!!! だぁあぁあああああ──────ッッッ!!!」
ヴィクトリーが吼えるのと同時に、プリエステスとクィーンビーも全力を出す。すると、三人の力が跳ね上がって【超かめはめ波】のエネルギーが高まり、それでテスカトリポカとケツァルコァトルを飲み込んで吹っ飛ばしてしまった。
「ギニャ────ッ! コアトリ! お前が力を出し切らないから負けたニャー!」
「なんですって、このバカネコ! あなたが貧弱すぎるのが敗因でしょう!」
「コアトリー!」
「バカネコー!」
かめはめ波の中で、二人はボカボカと殴り合う。そうしながら、遥か彼方まで吹っ飛んで行ってしまった……
「はぁ、はぁ……お、俺達のパワーが勝った……!!」
「やりましたね……!」
「ああ……!」
決裂していた、植物族と昆虫族……そんな彼女らの代表が協力し合って、見事にテスカトリポカとケツァルコァトルを退けたのだった。