もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

183 / 183
紅蓮に燃える合体勇者

「それは……アスタロトと戦っていた時に使っていた技ですね?」

 

 リリスは、ルクトリーの変化を見て言う。

 

「そうだ……だが、今はルカの精霊の力に、ヴィクトリーの(スーパー)サイヤ人との同時発動だ。これがホントのホントに、最後の奥の手さ」

「過去の技に縋るのが、最後の奥の手ですか……呆れたものです」

「そう思うんなら、かかって来いよ」

 

 ルクトリーは笑いながら、挑発的に手招きする。それを見たリリスは青筋を浮かべ、手に淫気を纏って襲いかかってきた。

 

 だがその手首が尋常ではない力で掴み止められ、それでリリスは動けなくなってしまう。そう思っていたら、グンッと引っ張られてルクトリーと顔を近づける形になった。

 

「なっ!?」

()()()()()()()()()()()()()?()

 

 先程言われた言葉を返されたリリスは、もう一方の手で強襲する。しかし、唐突に手を離され狙いがズレて空ぶった。

 

 ルクトリーも身を翻して腰を捻り──

 

「だらぁあっ!!」

 

 勢い付けた蹴りがリリスの顔に命中し、吹っ飛ぶ。ルクトリーはそれに追いついて背後に周り、渾身の蹴り上げで蹴っ飛ばし、遥か後方にあったはずの壁に一瞬で叩きつけた。

 

「あ、ぐっ……これ程の力を発揮するとは……!!」

「まだまだこんなモンじゃないぜ!!」

 

 突撃してくるルクトリーに、リリスは両手を向ける。そこから、風の刃を幾つも連射した。

 

 だが、ルクトリーはそれらを全て弾き飛ばす。そして、リリスのセーターの胸ぐらを掴み上げ、勢いよく背負い投げた。

 

 それは、投げられるというより着撃するという表現が適当だった。衝撃と轟音と地響きが轟き、玉座の間の床にクレーターが出来上がったのだ。

 

「っがっはぁあっ……!!?」

 

 全身がバラバラになりそうな衝撃に、悶絶するリリス。

 

 だが、すぐに体勢を整え構え直す。その両手に全力の淫気を纏い、呼吸を落ち着け、遂に本気を出して見せるのだった。

 

「たぁあっ!!」

「ふんっ」

 

 既に目の前には、ルクトリーの拳が迫っている。リリスはそれを(かわ)し、思いっきりビンタした。

 

「っぐ!?」

 

 素手で打たれたはずのそれは、まるで鋼鉄の鞭で叩かれたかのような威力。それに怯んでるルクトリーの顔面に風の魔力が押し付けられ、零距離で炸裂させて吹っ飛ばした。

 

「っまだまだぁっ!!」

「来なさい、『ヒーロー』!!」

 

 体勢を立て直したルクトリーと気を解放したリリスが、互いに走り寄る。そして、全力の勝負が始まったのだった。別次元の高速戦闘が展開され、二人の姿は消える。

 

 目にも留まらぬ高速移動の応酬。ぶつかり合う力と力、飛び交う攻撃と攻撃、そして鳴り響く炸裂音。余波で床や壁が吹っ飛び、戦塵が舞う。

 

「リリスが更に底力を見せてきました!!」

「二人も更に気を高めてるよ……! このまま押し切れば……!」

 

 プロメスティンとヒルデが、そう言って盛り上がる。

 

「押し切ってしまえ!! 何としてでも()り勝つのだ!!」

 

 もはや肉眼では見えない攻防を、手に汗を握って見守るアリス。

 

 そんな攻防の最中、界王拳の気が発破する「ボッ」という音が彼女の耳に入った。

 

「む……?」

「あ、まずい」

 

 アリスの横に居たメフィストが、そう言う。

 

 次の瞬間、ぶっ飛ぶルクトリーが姿を現した。

 

「ぐぅうっ!!!」

 

 二刀流の剣でガリガリと床を削りながらブレーキをかけ、止まる。既に目の前には、リリスが迫っていた。

 

 剣技と格闘を入り交じえ、リリスの猛攻を凌ぐルクトリーだが……また、界王拳の気が発破すると同時に怯み、その動きを止めてしまう。

 

 リリスはその隙を見逃さず、彼の腹に手をつけて【エナジードレイン】を繰り出し、即座に風魔法を炸裂させて切り裂きながら吹っ飛ばした。

 

「ぐぁぁあぁあっ!!」

「ハァーッ……ハァーッ……!!」

 

 その場で残心しながら、肩で息をするリリス。ルクトリーはどうにか着地しながら構え直そうとするも、界王拳の気が腕の中で発破した。

 

「ぐぅあぁあっ……!! くそっ!!」

「やはり……その技は、長く持たないようですね」

 

 拳を握ってどうにか気の暴走を収めるルクトリーと、それを見て笑うリリス。

 

 戦況を見ていたアリス達は、また歯噛みする。

 

「どういう事だ……! なぜ、押されている!?」

「ふーむ……どうやら、あの技は我々の想像以上に身体に負担がかかるようです。その上、リリスはダメージを覚悟でカウンターに転じてきました」

 

 冷静に言う、メフィスト。ソニアは、彼女の方を向く。

 

「それじゃあ……やっぱり、リリスには勝てないって事……!?」

「……どうでしょうか。二人(ルクトリー)はこの状況になるのを承知で切り札を切ったと見えます」

 

 そう言うメフィストが見てる先で、リリスがラッシュをかけた。ルクトリーはそれを避け、防ぎ、防戦一方を強いられている。

 

「その程度ですか!?」

 

 痺れを切らしたリリスが、振りかぶってくる。だが、ルクトリーはその隙を見逃さず前蹴りを繰り出す。見事に直撃したそれで、思いっきり蹴り飛ばした。

 

「ぐはっ……!」

「この程度で底を見てもらっちゃ困る!」

 

 ルクトリーは拳を放ち、リリスの顔を打ち抜いた。

 

「ぐ……!!!」

 

 リリスはキッと睨み返し、二本指を向ける。そこから巨大な三日月状の斬撃が飛んだ。

 

「だぁあっ!!」

 

 しかしルクトリーはそれを剣で弾き飛ばし、その場で勢いよく拳を突き出す。そこから風圧が飛び、リリスの腹を打ち抜いた。

 

「げぅっ……!!」

 

 リリスは直撃したにも関わらず羽根を羽ばたかせて強引に突撃し、顔面を掴もうと腕を振る。

 

 だがルクトリーはそれをしゃがみ避け、反撃のボディブローを叩き込んだ。

 

「がっ……ぐぅぅっ!!」

 

 悶絶するリリスだったが、腕を上げて魔力を解き放つ。そこからまた巨大なエネルギーボールを掲げ、それをぶん投げてきた。

 

「うおっ!?」

 

 ルクトリーは、それを両手で受け止める。しかし勢いを殺し切れず、靴を擦らせながらどんどん後退していく。

 

「どっせぇいっ!!!」

 

 だが何とか踏ん張って、背を反らしてエネルギーボールを後ろに投げ飛ばした。

 

 そんな彼の頬を、リリスは優しく添える。笑いながらその目を合わせ、光らせてくる。

 

「かぁあぁあっ!!」

「は!!?」

 

 だが、魔眼のエナジーがルクトリーの気合いによって弾け飛ぶ。驚いてるリリスの顔を、勢いよく頭突きしてぶっ飛ばした。

 

 身体に負担が掛かってるにも関わらず、旗色がルクトリーに傾きつつある。

 

「……ふむ、攻撃の瞬間に気を解放するようにしましたね。修行の成果が出ています」

 

 メフィストは、前日の野営での修行を思い出しながら言う。「必要な時に必要なだけの力を〜」というものだ。彼はそれを実践し、どうにかリリスとの戦闘で間に合わせているのだ。

 

「後は、リリスの体力を削り切るのが先か、限界を迎えるのが先か……」

「何でもいい、とにかく攻めまくるのだ!!」

「そうよ、このまま倒しちゃって!」

「きゅっきゅ! きゅきゅきゅー!」

「ルカ、ヴィクトリー!! 貴方たちなら勝てる!!」

 

 アリス、ソニア、ヌルコ、サラ……仲間の声援が聞こえる。それが、二人(ルクトリー)の背を押した。

 

「だりゃあぁあっ!!!」

「!!?」

 

 攻防の最中、一瞬の隙を見切ったルクトリーがリリスの顔に拳を叩き込む。その拳を振り抜いてぶっ飛ばし、その場で二刀流になる。その刃に勇気の炎が巻き付き、熱く燃え上がった。

 

「いくぞ!!! 【10倍超紅蓮炎舞】!!!」

 

 ルクトリーは高速移動でぶっ飛ぶリリスに追いつき、紅蓮の斬撃を連打し、ダメ押しの交差斬りを叩き込む。すると、斬られた所から赤熱し、大爆発が巻き起こった。

 

「うぐぁぁあっ……!!」

 

 リリスは吹っ飛び、ルクトリーは剣を振り抜いたままのポーズで静止する。

 

 身体中の気が、暴走しそうだ。それを無理矢理押さえつけている土の力も、そろそろ限界を迎えるだろう。

 

「さて、そろそろ僕の必殺技を見せてやる!」

 

 ルクトリーの気が渦巻き、更に爆発する。紅蓮と黄金が入り交じったオーラが強大な輝きを放ち、そんなものを纏いながら飛翔する。

 

「っはぁあぁあっ!!」

 

 リリスも全力の淫気を爆発させ、手を振りかぶりながらルクトリー目掛けて突撃する。

 

 そして、二人の一撃が交差した。鼓膜を(つんざ)く炸裂音が響き、闘いが静止する。

 

「ふっ……!!」

「っぐ……!!?」

 

 クロスカウンターになっていたかに思えたが、違った。リリスの一撃は頬を掠め、ルクトリーの拳は見事に命中していたのだ。

 

「やります……ねぇっ!」

 

 リリスは自分の頬に叩き込まれた拳を振り払い、立ったまま犯そうと疾風を伴った動きで足で腰をホールドしにかかる。

 

 だが、ルクトリーはその足を掴み止めた。土の剛力と界王拳と(スーパー)サイヤ人による怪力で、彼女の足は一切動けなくなる。

 

「!?」

「うぉりゃあぁああああ!!!!」

 

 驚くリリスをよそに、ルクトリーは飛び上がる。天井近くまで飛んだかと思えば、床を目掛けて思いっきりぶん投げた。

 

「〜〜〜〜っっ!!!?」

 

 空気との摩擦で顔が痛くなるほどの急降下。一瞬で床に叩きつけられるかと思った次の瞬間、ルクトリーはリリスの横に現れた。

 

「たぁっ!!!!」

「!!!!」

 

 リリスの胸に、膝蹴りが叩き上げられる。未曾有の急降下の最中の蹴り上げは、彼女の胸筋を突き破って背中を盛り上げる。ルクトリーはそのまま足を伸ばし、思いっきり蹴り上げた。

 

 猛スピードで天井目掛けて吹っ飛ぶリリスだったが、ルクトリーはそれよりも速く雷の様な速度で回り込む。その両手に、渾身の気と土の力を込め──

 

「っ、はぁあっ!!!」

 

 リリスはそれを見越したかのように振り向き、両手を向けて全力の魔力を解き放つ。竜巻のように渦巻く魔力がエネルギー波となって、ルクトリーに迫ってきた。

 

「【かめはめ波】──────っっっ!!!!」

 

 ルクトリーはそんなリリスを目掛け、全力のかめはめ波を撃ち下ろす。

 

 二人のエネルギーがぶつかり合い、拮抗する。互いに一歩も譲らぬ押し合いで城は揺れ、大気がウネり、気が電光(スパーク)した。

 

「ふんっ、ぎぎぎ、ぎぎぎぎぎ……!!!」

「はぁああああああっ!!!」

 

 ここでリリスが全ての力を出し切り、一気に力を込めてきた。それで、みるみる内にルクトリーのかめはめ波が押されてしまう。

 

「魔力は私の方が上のようですね……さぁどうします、『ヒーロー』!?」

「ぐぐぐ、ぎぎ、がぁぁぁぁぁぁ…………!!!!」

 

 今にも押し負けそうな状況。悲鳴を上げ続ける身体。勢いを失いつつあるかめはめ波……最後の最後で押し合いになったのが裏目に出たか──

 

「がっがぁあぁああああ……!!!」

 

 ルクトリーは吼え、身体の内の気を滾らせる。限界をとうに超えた身体を更に鞭打ち──界王拳の倍率を上げ始めた。

 

「え……!!?」

「かぁあぁあああああ……!!!!」

 

 紅蓮に燃え滾る気が、倍々に大きくなる。それが一気に爆発し、見上げる程巨大になった。

 

「20倍だぁあぁああああ──────ッッッ!!!!!」

 

 界王拳を20倍にまで引き上げたルクトリーのかめはめ波が、更に巨大になる。それで、リリスのエネルギーをあっという間に押し返してしまった。

 

「!!!!」

 

 強大すぎる気の奔流に直撃するリリス。その姿が光に融け、一瞬で床に着弾すると同時に閃光が王の間を覆い、凄まじい大爆発が巻き起こった。轟音と衝撃が響き渡り……パキンと、何かが砕け散る音が鳴った。

 

 もくもくと爆煙が晴れ、そこには倒れるリリスの姿。そして──

 

「あ、あれ……?」

「ありゃ……流石に20倍はやりすぎたか?」

 

 剣を杖にして、何とか立つルカとヴィクトリーが居たのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。