もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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海底神殿

 色々あったが、ナタリアポートに辿り着いたルカ達。

 

 彼らを助けたマーメイドから、依頼が言い渡された。それは、不可解な連続失踪事件の解決だ。命の恩人からの依頼、無下には出来ない。

 

 戦士達は原因を調査しに、海底神殿へと向かうのだった……

 

 

 ナタリアの砂浜……

 

「ここだな」

 

 アリスは、蛇の尾で砂浜をぽんぽんと叩く。どうやらそこには不思議な気が集まっているらしく、心無しか光って見えた。

 

「ああ……」

 

 いつの間にかヴィクトリーが、導きの玉を持っている。

 

「ここで、導きの玉を掲げるんだっけ。頼むよ」

 

 ルカはそう言って、ヴィクトリーの方を見る。

 

「よーし、それっ!」

 

 応えるように、ヴィクトリーが導きの玉を掲げた。すると、導きの玉が眩い光を放った。

 

「うわっ!?」

「なんだ……!?」

 

 光は大きく広がり、ルカ達の視界を独占する。そうしたかと思えばやがて光が晴れ、そこは海中の神殿だった。

 

「こ、ここは……!?」

「うむ、海底神殿に間違いないな。注意しろ、神殿内にも魔物がウヨウヨしているぞ……」

「ああ……」

 

 ヴィクトリーは、気を張り詰めて見る。確かに神殿内には、魔物が散在している。しかし、その気の配置は異様なものだった。

 

 敵となる魔物に混じって、何故か敵意の無い気を感じる。

 

 更に察知範囲を伸ばし、奥を感じてみると……そこには小さな気が沢山あり、その中心に悪意に満ちた気を放ってる奴が居た。この気の主が、一連の事件の犯人だろう。

 

 それはいいのだが、やはりその周囲の気が気になる。

 

「小さくて、穏やかな気……動物じゃねぇな、人間の子供か?」

「……貴様の気の察知は存外に役に立つな。そんな事まで分かるのか」

「動物か子供って……子供まで囚われてるなら、大事件じゃない!」

「だとしたら大変だ。はやく行かないと!」

 

 ルカは、目の前に広がる神殿に向き直す。神殿の中は、ダンジョンと化している。油断は禁物だろう。

 

「南海の女王は、この神殿の再奥だよね……それじゃあ、先に進もう!」

「ここに入った人魚がみんな失踪してるんだから……危険は明白、気合い入れて行かないとね!」

 

 こうして、ルカ達は神殿を進んでいくのだった。

 

 

 案の定、道中では海底のモンスター達が襲いかかってくる。イソギンチャク娘や、アンコウ娘といったモンスターだったが……今のルカ達の敵にはなれなかった。

 

「だりゃああっ!」

 

 ヴィクトリーが最後の一匹を、渾身の力で叩き伏せた。それを最後に、あっという間に魔物の群れを撃退してしまったのだ。

 

「よーし、終わったか!」

 

 胴着の帯を締め直し、ヴィクトリーは進む。

 

 ルカは、その横についた。

 

「……お前、前より強くなってないか……?」

「ん、まぁな……」

 

 ヴィクトリーはモリガン戦から、大した修行をしていないのにも関わらず戦闘力が跳ね上がっている。ルカはそれが気になっていたのだ。

 

「お前、何でそんな短期間で……?」

「そうだな、俺が宇宙人って事はもう話しただろ?」

「あぁ、まぁ……確か、サイヤ人って言うんだよな?」

 

 この世界に来て宿屋で世話になってる間、身の上話はしてある。ルカ達を始めに、自分の事を聞かれたらサイヤ人という宇宙人という事は言ってあるのだ。

 

「でも宇宙人って言われると、何か違和感あるわね……だって、普通に見たら人間そのものじゃない」

 

 ソニアの言う通り……ヴィクトリーは、一見するとただの人間だ。しかし、その力は尋常ではない……が、それなりに経験値のある冒険者ならばこれぐらいは不思議では無い。

 

 だが、彼には決定的に人間と違う部分があるのだ。

 

「なら、ほれ!」

 

 ヴィクトリーの道着の腰、水色の帯の中からしゅるりと何かが出てくる。茶色くて尻から伸びていたので、あらぬ想像を過ったが……すぐに、それが違う事が分かった。

 

「それは……?」

「なっ……猿のような、尾!?」

 

 アリスが驚き、皆の注目を集める。

 

「これが、俺の宇宙人たる証拠……サイヤ人のシッポだ」

 

 ヴィクトリーはそう言い、シッポをウネウネと動かす。ルカ達は驚きはしたが、この世界に人外など沢山いるのでそこまで大した驚きにはならなかった。

 

「そんな尻尾あったのか……」

「俺、基本的に風呂とか入る時は一人だからな。ドアとかに挟まるのは嫌だから、普段はしまってるんだ」

 

 とりあえず、彼が普通の人間ではないことだけは確からしい。

 

「そうか……サイヤ人……」

「ああ……サイヤ人ってのは戦闘民族で、戦うために生まれた種族なんだ。その特徴は、戦えば戦うほどに強くなる……のは、おめぇらと変わりねぇか」

「じゃあ、何で……?」

「へへへ……サイヤ人ってのは死にかけてから復活すると、すげぇパワーアップをするんだ! あの時シオンって奴に殺されかけただろ? マジで死ぬ寸前から助けてもらったんだ、自分でもびっくりするほどのパワーアップをしてるんだぜ!」

「なるほど……」

「道理で、激しい戦いを積めば積むほど強くなっていく訳ね……」

 

 ソニアを始めに、他のメンバーも会話に入ってくる。

 

「ふん、不思議な奴だと思ったらそういう事か……ますます不思議な奴め……」

「きゅ〜」

 

 プロメスティンはヴィクトリーの背後に高速移動し、耳元に来る。

 

「では、シッポを引きちぎってサンプルに……」

「怖ぇからやめろ!」

 

 ヴィクトリーの即答に、プロメスティンは頬を膨らませた。

 

 

 そうこう話しながら探索していると、妙な気を感じた。

 

 向かってみると、なんと牢に人魚達が閉じ込められていた。

 

「みんな、マーメイド達が捕まってるぜ!」

「待ってて、何とかこじ開けるから!」

「無駄だな」

 

 アリスは、ソニアを静止してそう言った。

 

「魔力によって鍵が閉ざされている。ここに閉じ込めた者でなければ、開けられんだろう……」

「そ、そんな……!」

「おーい! 平気かー!」

 

 ヴィクトリーは、人魚達に声をかけてみる。

 人魚達はようやくこっちに気付き、こちらを見た。

 

「あなた達は、いったい……もしかして、助けに来て下さったのですか!?」

 

「ええ、町の人魚達から頼まれたんです!」

「おめぇら、何があった?」

 

「南海の女王が……いや、私達にも何がどうなっているのか……」

「悪いが、ここでのんびり話をしている余裕はないぞ。周囲には、敵がウロウロしているのだ」

 

 アリスの言葉に、ヴィクトリーとルカと人魚が頷く。

 

「そういう訳だ、ちょっと待っててくんねぇか?」

「必ず助け出しますから!」

「気を付けてください……私達をここに閉じ込めた者は、理性を失っています!」

「理性を……? まさか、南海の女王が……?」

 

 気にはなるが、鉄格子越しに語り合ってる暇も無い。早く黒幕を倒し、人魚を救出しなければ。

 

 

 そんなこんなで話しながら進むと、また人魚の気を感じた。ふと見ると、やはり牢にマーメイドが囚われていた。

 

「ここにも、マーメイド達が!」

「この牢、さっきのと同じやつか……」

 

 ルカもヴィクトリーも、牢の檻を持って力任せに捻ろうとする。しかし、やはりそれは無駄で、ビクともしなかった。

 

「やはり元凶を倒さねばな……」

 

 アリスの声で、うなずく男二人。直ぐにその場から離れようとしたが……マーメイドの一体が体を起こして、駆けつけてきた。

 

「助けに来て下さったのですね!? 大変です、メイアが……!」

 

 必死な声に、ルカ達は振り向く。

 

「メイアって、最初にさらわれた人魚ですよね? 彼女が、危険な目に合っているんですか……!?」

 

 ルカの問に、マーメイドはぶんぶんと首を横に振った。

 

「いいえ、違います! メイアが、私達や漁師を捕まえて……!」

「ええっ!?」

「なんだとっ!?」

 

 ルカもヴィクトリーも、驚きの声を上げる。

 

 メイアは、最初の被害者だった筈。なのに、本当は彼女が黒幕だった……!? 

 

「どういう事かは分からんが……ともかく、ここでのんびりしている余裕はないぞ!」

「分かってらぁ……!」

「少し待ってて下さい、必ず助け出しますから!」

 

 ルカ達は、先を急ぐのだった。

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