もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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準備完了!そうさ今こそアドベンチャー!

 イリアスヴィルに帰ってきたヴィクトリー達。道具屋で、助けた商人と話をする事になった。

 

「いやぁ、助かりました。あなたは、私の命の恩人です」

「ラミやライムにもお礼してやれよ。俺だけじゃ薬草の使い方分かんなくてどうなってたか……」

「さて、お礼の品ですが……どれがよろしいでしょうか?」

 

 隣に居た商人仲間が、三つのアイテムを出してきた。銅の剣と、500Gと、営業許可書みたいなものだ。

 

「いや、お礼なんていいよ……カネならあるし、剣もあるし、商人って感じでもねぇし……」

 

 ヴィクトリーはそう言うが、商人は笑い……

 

「そうですか……では、全部差し上げましょう」

「ええっ!? いいんかぁ!?」

「ええ、遠慮せずに」

 

 ヴィクトリーは、銅の剣と500Gと営業許可書を貰った。というより、その手に握らされた。

 

 この営業許可書は商人ギルドに加盟した証で、これさえあれば商人に転職出来るらしい。

 

「この恩は、決して忘れません。もし商売に関する悩みがあれば、ご相談ください」

「さ、サンキュー!」

 

 こうして依頼も完了したので、外に出た……

 

「よし、次はラミのお友達探しだな」

「さがすぞー!」

 

 ヴィクトリーとライムは、インプ探しに勤しむことにした。当のラミはくんくんと鼻を鳴らし、笑う。

 

「どうやら、この村に二人共いるみたいだよ。淫魔の気を感じるもん!」

「……」

 

 ……それって、おめぇだけ置いてかれてそいつらがとっととこの村に帰ったんじゃ……

 

 そんな事を思いながら、歩いていると……

 

「くたー」

「?」

 

 畑の方から、そんな声が聞こえた。畑に向かい、その声の主の前に立った。白髪の、ぐったりした幼女だ。

 

「くたー」

「……おめぇ、そんな所で何してんだ?」

「…………」

 

 無気力で、話す気力もない模様。どうしたものかと思っていたら……農婦のおばさんがやってくる。

 

「最近、畑に居座ってるんだよ。村の外に捨てても、すぐ戻ってくるんだ……」

「……もしゃもしゃ」

 

 幼女は、畑のいちごを食べてる……

 

「ああもう、またイチゴを勝手に食べて! あんたルカのお友達かい? なんとかしておくれよ」

「そう言われても、俺には……」

 

 ヴィクトリーも、畑のいちごを食べていた。

 

「って、あんたも食うなっ!!」

 

 農婦のおばさんの飛び蹴りが、ヴィクトリーのボディにクリーンヒットした。

 

「うわぁあああああっ!!」

 

 俺はぶっ飛び、勢いよく壁に叩きつけられた。

 

「わーっ! ヴィクトリーっ!」

 

 ライムは俺の所に駆けつけ、薬草を使ってくれる。

 ラミはというと……

 

「ルミちゃ〜ん!」

 

 白髪の幼女に、話しかけていた。どうやら、例のお友達だったらしい。

 

「こんなところにいたんだね。さぁ、このヒトと一緒に冒険しようよ!」

「……うん」

 

 二つ返事で、了承するインプのルミ。こうして、彼女も仲間に加わった。

 

「ありがとう、助かったよ。お礼にこれでも持っていきな」

「わ〜い!」

 

 ラミは、農婦のおばさんから、にんじんとレタスを受け取る。

 

 にんじんとレタス……神精樹の誕生か? なんて、下らないことを考えるヴィクトリー。

 

「さぁ、あと一人いるんだよ! 付いてきて!」

「分かんのか?」

「うん!」

 

 いつの間にかラミが先頭に立って、ヴィクトリー達がついて行く形をとっていた。

 

「……このパーティのリーダーって、ヴィクトリーじゃないの?」

「そんなもん決めてねぇからな……ははは……」

 

 ライムとそんな会話を交わしながら、ラミについていく。

 

 

 

 次に向かったのは、東の地下倉庫だった。牢屋のような部屋になっていて、カギが必要そうだ。

 

「おどおど……」

 

 いた。何故か、鍵のかかった倉庫の中に。紫色の髪をした、インプだ。

 

「レミちゃ〜ん!」

「……!!」

「こんなところに居たんだね。さあ、この人と一緒に冒険しようよ!」

「……こくん」

 

 インプのレミも仲間に加わろうとしたが……

 

「うーん、これじゃあレミちゃんが外に出られない……」

「おどおど……」

「カギは無いよね……どうしたら……」

「レミとやら、そっから離れろ」

「……?」

 

 レミはヴィクトリーの言う通り、部屋の左隅に離れる。

 

「たぁっ!!」

 

 ヴィクトリーは牢を蹴り破った。ガシャアンッと牢が壁に叩きつけられ、倒れた……

 

「びくぅっ!!」

 

 大きな音が鳴ったせいで、レミはびくびくしてしまった……

 

「あ、悪ぃ悪ぃ……」

「大丈夫だよ! おいで!」

「……」

 

 ラミの声で、レミは俺の後ろについた。

 

「これで全員か?」

「うん! あたし達が揃えば、百人力だよ!」

「くたー」

「おどおど……」

 

 ラミとルミとレミは並び、決めポーズらしきものをとった。

 

「……そうは見えねぇけどな」

「でも、頼りになるよ〜!」

 

 ヴィクトリーとライムはそう会話し、インプ三人衆を迎えようとした……次の瞬間だった。

 

「っ!!」

 

 頭痛……と共に、様々なビジョンが浮かんだ。

 ほくそ笑む、羽を生やした女……空に浮かんだ気味の悪い魔法陣……超かめはめ波によって、十分の一は消し飛んだ山……

 

「うっぐぅう……!?」

「ヴィクトリーっ!?」

 

 あの頭痛が、頭を撃ち抜いた。

 

「だ、大丈夫!?」

「……」

「おどおど……」

 

 インプと、ルミとレミ……この三人のの姿が、引き金になったようだ。

 

「だ、大丈夫さ……いてて……」

 

 頭痛は例の如く秒で収まり、大丈夫な状態になってくれた。

 

「……」

 

 ライムは心配そうに、俺の背中を撫でてくれる。

 

 この世界に入ってから、何故だかは知らないが、この手の頭痛が頻繁に起きる。既視感に似たような感覚もする。果たして、この頭痛の意味するものとは……? 

 

「ヴィクトリー?」

「ぉん?」

 

 声の方を向くと、ルカが居た。

 

「すごい音がすると思ったら、やっぱりお前だったのか……」

「そ、倉庫の扉が……」

 

 ソニア達も居る。どうやらルカも、無事に兵士になれたらしい。

 

「それにしても、お前の方も随分と賑やかになってきたな……」

「『お前の方も』……?」

「うん、僕も仲間が増えたんだよ」

 

 ルカはそう言いながら、メンバーを呼ぶ。ナメクジ娘と、裏山で会ったバニースライムだ……

 

「私はメルク……よろしくね」

「私はバニースライムのうさだ! うさうさー!」

「はぇ〜……」

 

 どうやらルカの方も、道中で魔物をスカウトしていたらしい。なるほど、何だかこの冒険のやり方が分かってきた気がするぞ。

 

「それよりヴィクトリー、倉庫のものを取りに来たのか?」

「いや、色々ワケはあるんだけどよ……そんなものを取りに来たワケじゃねぇってだけ言っておく」

 

 俺はそう言いながら、レミの頭をぽんぽんして撫でた。

 

「まぁ何でもいいけど、カギなら僕が持ってるよ」

「てめぇ、もうちょい早く来いよ……」

「ご、ごめん……」

 

 ルカの話によると、村長さんに倉庫のカギを渡されたらしい。この倉庫にあるものは好きに使っていいとの事だ。なぜ今になってここに来たのかと言うと、本格的な準備に入るからだと言う。

 

「マジかよ……」

「早速、使えそうなものを取るぞ。早くしろ、ルカ」

 

 何故か、アリスがルカに命令する。

 

「はいはい……」

 

 ルカは生返事をしながら、倉庫の扉を開けていった。ハードジョブリスト、雷石、退魔の指輪、120G、霊薬などが手に入った。

 

「よし、僕の宿で一回休憩しよう」

「おう、行こうぜ」

 

 一行は地下倉庫から出て、ルカの宿に行く。

 

「薬草は買い足したか?」

「はーい!」

 

 薬草はライムが沢山買ってくれたようだ。

 

「水はあるか?」

「バッチリよ」

 

 メルクが、水筒を全員分配給する。

 

「ルカ、食料は?」

「アリス、まだ食べちゃダメだよ」

「食うかッ!」

 

 食料は、ルカが管理してくれるようだ。

 

「野宿は?」

「テントがあるわ」

 

 ソニアが、テントを持っているようだ。

 

「テント立ては私達に任せてね!」

「くたー」

「おどおど……」

 

 人員も、足りている……少女ばかりで心もとないが……力仕事ならば、ヴィクトリーとルカで協力すれば何とかなるだろう。

 

「よしみんな、準備はいいか!?」

「おぉっ!!」

「バッチリよ!」

「余も元気満タンだ!」

 

 遂に、本格的な旅立ちが始まる。綿密な準備を終えて、一行は旅立つのだ。

 この世界の為にも、そしてイリアス様の声に応える為にも……自分達は、この旅を成功させなきゃならない。

 

「よし、行くぞっ!!」

「おぉーっ!!」

 

 満を持して、一行は遂に旅立った。果たして、何が一行を待ち受けているのか……そして、この旅の果てにあるものとは……!? 

 

 思い思いの事を胸に、一行はイリアスヴィルを発ったのだった……

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