もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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超過技術の神殿跡

 古代神殿跡……

 

 遺跡と化した神殿と聞いていたはずのルカ達が目にしたのは、何とハイテクな研究所のような所だった。

 

「なんだ、ここ……!?」

「いってぇ、何の冗談だ……!?」

「これの、どこが古代神殿だ!」

 

 ルカとヴィクトリーとアリスが、声を上げる。

 

 この世界でも考えられないほどの、オーバーテクノロジー。明るい照明で照らされた空間のもとに、よく分からない機械が今も静かに作動しており、目的不明の機械がランプを点滅させている。

 

「何で神殿に機械があんだよ……ラダイト村の教えはどうなってんだ……?」

 

 ヴィクトリーは、ドラゴンボールの世界から来ているので機械には驚かないが……それでも、この世界の今までの技術を鑑みるとあまりにも世界観が合わない。

 

「表沙汰に出来なかった理由は、こういう事か……」

「これ、最新の研究設備じゃないですか……私の知っている技術より、数百年は先行しています……!」

 

 プロメスティンもそう言って、眼鏡を上げながら辺りを見回す。

 

「きゅきゅー!」

 

 ヌルコも、やけに元気そうにはしゃぐ。マキナを扱える技師なので、機械にワクワクするのもサガなのだろう。

 

「しかしなぜ、こんな設備が地下に? 滅びてから、かなりの時間が経っているようだが……」

「発見以来、ここが最高機密とされたのも頷けよう。こんなものが、大々的に公開できるはずもない。教会はここから、様々なマキナや技術を持ち出し……そして、独自に研究を行い、今も解析を続けているのだ」

「それで、何が分かったのだ……?」

「この研究所が何なのか、誰が作ったのか……その類の記録は全く無く、謎に包まれている。技術に関するマニュアルは、それなりに残っていたのだが……ここの技術者達は、自己顕示欲が皆無だったらしいな」

 

 サン・イリア王はそう言ってから咳をつき、奥を見た。

 

「話もそこそこにして、先に進むとしよう。ここで研究されていた「もの」達には気をつけたまえ」

 

 先に進もうとすると、プロメスティンが挙手した。

 

「あ……先に行ってください。私はちょっと調べて回りますので……」

「今は、私達と一緒に行くわよ。敵が出るみたいだし、一人じゃ危ないでしょ?」

「では、細かな調査は後に……うふふっ、ワクワクしてきました……!」

 

 プロメスティンは、ここ最近で一番楽しそうである。ラダイト村では終始しかめっ面だったので、尚更だろう。

 

「……空調が効いてる……どうやら、研究所もまだ作動してるみてぇだな……」

「ああ……」

 

 ルカとヴィクトリーがそんな話をしながら、二人を先頭に進んでいく。

 

「……皮肉だと思わねぇか?」

「ほう?」

 

 唐突なヴィクトリーらしくない語り始めに、意外にもサン・イリア王が反応した。

 

「反マキナ派……機械類を嫌ってる連中の総本山に、こんなものがあるんだ……この事を連中が知ったら、どうなるんかな」

「そのための衛兵だ……ここの洞窟の入口に、衛兵が居ただろう?」

「でも、住民みんなでタコ殴りにしちまえば流石のあの兵士の一人や二人ぐらい……」

「君は面白い発想をするな……そのような事があれば、出せる限りの我が軍が向かってこの村の住民を鎮圧させる。当然、あの村に国の兵士達と戦う力は無い。彼らはサン・イリアとの全面戦争は避けたいと思っているのだよ」

「そっか、反マキナ派は少数派閥……流石の連中にも、国家と戦う力はねぇのか」

「その代わり、口は達者だがな……彼等はあの衛兵や私達の事を、信仰を忘れて権力にしがみつく俗人と呼んでいた」

「へっ、少数派は声がデカいって奴か……俺はあの村大嫌いだ」

「そう言うなヴィクトリーよ。あのようなものでも、命は命なのだ。守ってやらねばならん存在だ」

「……優しいんだな、法王様って」

 

 そんな会話をしながら、ルカ達は研究所を進む。そうしていると、やはり魔物が現れた。

 

「にひひ、来たか!」

「来るぞっ!」

 

 ヴィクトリーとルカは剣を抜き、その他のメンバーも武器を構える。多人数VS多人数。しかも護衛しなきゃならない人物がいるため、総力戦だ。

 

「あはっ! 人間じゃねぇか!」

「排除する」

 

 虫系の気味悪いモンスターと、天使の輪っかを頭に浮かべた機械系のキメラモンスターと、黒い装甲に身を包んだカニ娘のようなモンスターだ。しかも、それが群れで襲ってきている。

 

「おめぇら、名前は!?」

「私はXX-7……そう呼ばれていた」

「アタシはリトルバグって呼ばれてた! よろしくぅ!」

「キャンサーロイド……彼らはそう呼んでた」

 

 魔物の群れは、ルカ達に猛攻してくる。久しぶりの(エサ)に大興奮してる模様で、苛烈に攻めてきた。

 

「しゃらくさいわ、何匹居ようと同じだ!!」

 

 アリスはレイピアを構え、広範囲に連続突きを繰り出して群れをぶっ飛ばす。

 

「はぁあ!! 燃えろ、僕の闘志!!」

 

 ルカは勇者の力を解放し、剣に炎を宿す。そしてグルグル回りながら群れを薙ぎ払った。

 

「圧力、臨界……凝結を引き起こしなさい!」

 

 プロメスティンの手の内に冷気が充実し、パキパキと鳴る。その手を群れに向けて指パッチンすると、氷が床から突き立って群れを吹っ飛ばした。

 

「きゅーっきゅきゅっ!」

 

 ヌルコはオートボウガンを起動し、それで群れを掃射した。

 

 全体攻撃を使えるメンバーが、群れを押し返している。しかし、それでも打ち漏らしたリトルバグが飛び出て、サン・イリア王の所へやってくる。

 

「いただきーっ!!」

「させないっ! どっせーいっ!!」

 

 横からソニアが飛び出て、棍棒を構える。そして、豪快に打ち返したのだった。

 

「ぎゃあんっ!?」

 

 そのリトルバグは天井に激突してから、跳ね返って床に墜落する。そのまま頭に星を回して動かなくなった。

 

 頼もしいソニア。そして、頼もしいのは彼女だけではない。

 

「だぁあっ!!」

 

 ヴィクトリーが、また多人数相手に大立ち回りをしていた。

 

 苛烈に迫ってくる四方八方からの猛攻を、剣技と拳法をもって次々にいなしていく。その攻防のさなかに拳の一撃でリトルバグをぶっ飛ばして、後方の群れをボーリングの如くなぎ倒した。

 

 だが、また新しいリトルバグが目の前に来た。

 

「ウジャウジャいやがるなおめぇら……!」

「ここ、たまに人が迷い込んでくるんだ! 最初は一匹しか居なかった私達も、今じゃこんなにいる!」

 

 そう言ったリトルバグの背後から、三匹も別のリトルバグが出てくる。どうやら、迷い込んだ人間は見事に『利用』されていたらしい。

 

「……衛兵に警備を強化するように言わねばな」

「その必要、あるか?」

 

 呟いたサン・イリア王に、そう言うヴィクトリー。とにかく、リトルバグが群れになって襲いかかってくる。

 

 ヴィクトリーはかくんっと首を動かし、彼女らに向く。そして構え、一体ずつ拳を叩き込んでぶっ飛ばした。みんな「ぎゃあっ」だの「ぐはっ」だのと言って、倒れる。

 

「侵入者を排除する……」

 

 次に来たのは、二体のXX-7。ドリルや火炎放射器を構えながら、ヴィクトリーに迫ってくる。

 

「ちっ……!!」

「まっかせなさい!」

 

 ソニアがヴィクトリーの隣に来て、棍棒で二体を払う。

 

「くっ!?」

 

 XX-7達は後退して、左右に分かれる。それを見逃さなかったヴィクトリーは、その場で大の字に手を広げた。

 

「だ──っ!!」

 

 広げられた左右の手から、エネルギー波が伸びる。それは一体目に直撃して、爆発を巻き起こした。

 

「ぐっ……むねん……!!」

「ちっ……!」

 

 直撃した一体目より早く反応した二体目が、エネルギー波を避ける。が、その背後にソニアがついており、棍棒を振りかぶっていた。

 

「しまっ……!!」

「舞えよ棍棒!!」

 

 ソニアは踊るように棍棒を振り回し、XX-7の体を乱打した。

 

「かはっ……」

 

 二体のXX-7を片付けたが、キャンサーロイドがヴィクトリーとソニアの前に立ちはだかってくる。

 

「界王拳!!」

 

 ヴィクトリーは構え、界王拳を使う。そうしてると、やけにハイテンションなソニアが「アーンドぉおお!!」と吼えた。

 

「白の奔流、力の息吹となりて恩恵をもたらせ!! 燃えろ、闘魂! アタァァァック!!」

「おっ!?」

 

 界王拳を使っているヴィクトリーに、更なる力が宿る。ソニアの白魔法によるバフが、彼の力を増強させているのだ。しかも界王拳とは別口のバフらしく、重ねがけしてるにも関わらず体への負担は無い。

 

「ガツーンっとやっちゃいなさい!!」

「おう、サンキュー!!」

 

 ヴィクトリーは、拳を振りかぶってキャンサーロイドに突撃する。

 

「デスシザーズ、起動……!」

 

 彼女も応じるようにハサミ型の兵器を起動し、それを振りかぶった。

 

 二人が激突し、渾身の一撃が放たれる。

 

 キャンサーロイドの巨大なハサミが、ヴィクトリーの頬を掠める。そして彼の拳が彼女の腹に命中し、そのままぶっ飛ばした。

 

「っぐはぁああ……!!」

 

 その一撃で、キャンサーロイドも倒れ伏したのだった。

 

「……っふぅ」

「よしっ! これで一丁上がりね!」

 

 ヴィクトリーとソニアは、どうにかサン・イリア王を守り切った。

 

「よし、押し返せたぞ……!」

 

 ルカ達は剣をしまい、再びパーティで固まる。

 

 範囲攻撃を持ってるルカ達が群れを押しとどめ、討ち漏らした奴を白兵戦が得意なソニアとヴィクトリーで仕留め、サン・イリア王を守る……完璧な作戦だった、

 

「ソニア、ナイスアシストだったぞ」

「私だって、やる時はやるんだから!」

 

 この調子なら、任務も簡単そうだ。絶好調の戦士達は、奥へと進んだ……

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