もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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無事、合流

 凶悪化したフレデリカを倒した、ヴィクトリー達。

 

 クロムとフレデリカは並んで、ヴィクトリー達に向いていた。

 

「まずは、礼が先じゃな……ありがとう、フレデリカを助けてくれて」

「私も、感謝するわ……」

「ははは、どうも……」

 

 仙豆を食べて回復したヴィクトリーが、応える。

 

「それよりも、今回の騒動だ。今回のゾンビとゴーストの大量発生でサン・イリアの民が怯え切っている。これ以上の研究はやめてもらいたい」

 

 サン・イリア王は毅然とした態度で、そう告げる。クロムは、苦い顔をしていた。

 

「うぐ……わ、儂はアルテイスト家の復権を果たさねばならんというのに……儂が、一族の復興を……」

 

 そう言ったクロムに、アリスが反応した。

 

「アルテイスト家だと……? 貴様、あのアルテイスト家の者なのか……?」

「知ってんのか、アリス?」

 

 当然、ヴィクトリーには馴染みのない言葉。しかし、アリスは何か知ってるような風だった。

 

「貴様、高位の妖魔なのか……?」

「今はこんな姿だが、余はアリスフィーズ16世だ」

 

 アリスは、クロムに魔王である事を説明する。そして、今までどうして冒険していたかも説明した。

 

「……ついでに、ゾンビやゴーストなんか作った所でアルテイスト家の復権には繋がらないぞ」

「えっ……!?」

 

 アリスが魔王である事を納得したクロムは、顔を絶望に染める。

 

「まぁ、ゾンビなんておっかねぇだけだもんな。分かるぜアリス」

「余は怖がってなどいない!」

 

 ヴィクトリーの言葉に、食いつくアリス。その前で、クロムはわたわたと頭を抱えていた。

 

「そ、そんな……ならば、究極のゾンビを造るという野望は……」

「ちょうどいい話の流れだしよ、ゾンビ作りなんかやめたらいいんじゃねぇか? 他にも、魔芸って何かねぇのか?」

「ゾンビ芸は駄目、降霊術も論外……なら三大魔芸の一つ、からくり人形はどうじゃ?」

 

 ゾンビ、降霊、からくり人形……これが、この世界の三大魔芸というものらしい。

 

「うむ、それなら余も怖くない……い、いや……ゾンビも怖くないから!」

「からくり人形かぁ、それなら死体使わずに済むからな!」

「アルテイスト家は、三大魔芸に通じている。からくり人形術も、むろんそれなりの造詣はあるぞ! そういう訳で、これ以上の死体漁りはせん。クロムちゃんのゾンビ研究はここで幕引きじゃ……」

「うむ、改心してくれたか。これで、屋敷の良からぬ噂も消えるだろう」

 

 サン・イリア王も、これで納得してくれたようだ。

 

 ここでフレデリカが、ヴィクトリーの前に来る。

 

「おう、フレデリカ! よかったなぁ!」

「私は、クロムに世話になった……これからも、クロムに尽くしたい……」

 

 クロムの方を見てから言い、今度は真っ直ぐにヴィクトリーに向く。

 

「そして、今は貴方に助けられた……貴方のおかげで、クロムも……いや、この場の皆が心をひとつにできた」

「そ、そうかなぁ?」

「そんな不思議な力を使う、貴方の名前を知りたいわ……貴方は、何者だ?」

 

 そう言われたヴィクトリーは、ニッと笑う。

 

「ヴィクトリー……ドラゴンボールヒーローだ」

 

 名乗った彼は、そう言う。

 

 ドラゴンボールヒーロー……それは、彼にとって誇りのある称号。英雄の表象たるを一言で表す言葉だった。

 

「ドラゴンボール、ヒーロー……ありがとう」

「ドラゴンボールが何だか分からんが間違いなくお主はヒーローじゃ」

 

 クロムとフレデリカは、改めてヴィクトリーに感謝を伝えた。

 

「クロムも、死体漁りやめてこれからは頑張るんだぞ! 俺、応援してっからな!」

「おう、ならば死体パーツ以外でフレデリカの改良を……からくり人形に、今流行のマキナを取り入れ……」

「おめぇ、ホントに反省してんのか?」

 

 とりあえず、これで事件は解決した。ゾンビ研究も幕を下ろし、この屋敷の黒い噂も消えるだろう。

 

「でも……からくり人形セット、どこにしまったっけ? 確か、3階の屋根裏に押し込んで……」

「クロム、あの荷物なら……3年前の大掃除の時に処分しなかったか……?」

「そうじゃ、しまった! からくり人形セット、またゼロから揃え直さねば……」

 

 クロムとフレデリカは、何やらそんな事を話し合っている。

 

「からくり人形術は、三大魔芸で最も倫理的に健全だが……確か、非常に金がかかるという話だったな」

「貧乏だからこそ、ゾンビ術に絞ったのじゃ……なにせ、素材はあちこちに転がっておるからのう。他の素材がどうにかなっても、魔導懸糸が厄介じゃ。あれはほぼ流通していない希少品じゃからのう……」

 

 ゾンビ術に走っていたのは、クロムが貧乏だから……アルテイスト家という、由緒ある家がなぜそんな状況なのかは違和感があったが敢えて黙るヴィクトリー。

 

「魔導懸糸か……人形に使う糸か? それもたっけぇんだろうなぁ……ルカに相談しねぇと」

「ああ……もし見つけたら、儂に譲ってくれんか? そうすれば、貴様達に手を貸してやってもいいぞ!」

「ほんとか!? おめぇら、すんげぇ強ぇからなぁ! 頼りになるぜ!」

「ああ、期待の100倍の働きをしてやるのじゃ! 儂とフレデリカならば、それが出来るからのう!」

「それで、ソイツはこの辺にあるもんなんか?」

「いや……魔導懸糸がどこにあるかは、見当がつかん……このナタリア地方や、イリアス大陸にないのは確かじゃな。魔芸に縁のある場所に行った場合、注意深く探すのじゃ。よろしく頼むぞ」

「わかった、ぜってぇ持ってきてやる! 何時になるかまでは分かんねぇけど、待ってろよ!」

 

 魔導懸糸を見つけたら、クロムの所へ持ってくる……そう約束を交わし、サン・イリア兵も助け出して、ヴィクトリーは北の屋敷を後にするのだった。

 

 

「おーい、ヴィクトリー!」

「ルカー! 遅れて悪かった!」

 

 サン・イリアで、二人は合流する。どうやら、ルカの方が先に無事に終わらせていたらしい。

 

「何とか、北のお化け屋敷は解決したようだね……アリスは大丈夫だった?」

「ふん、一ミリも怖くなかったわ!」

「でも、その割にはギャーギャー騒いでたような……」

「きーっ!!」

 

 ヴィクトリーに噛み付く、アリス。ヴィクトリーは「ギャー」なんて叫びながら走り回り、ルカが「どうどう」と言って止める。

 

 そんなのを横目に、ソニアとヌルコがサン・イリア王の元にきた。

 

「猊下、ご無事でしたか!?」

「きゅ!」

「ああ、問題ない。我が兵達も無事に救い出せた。一旦は私はポケット魔王城に帰るが……何かあったら、気軽に呼んでくれ」

 

 サン・イリア王は、ソニアにそう言うのだった。

 

「ヒルデさんヒルデさん、頼んでたものは」

「うん、一応とっては来れたけど……」

 

 プロメスティンとヒルデが、何やら話している。そして、怪しげなものを手渡ししていた。

 

「そう、これこれ! 幽霊の髪とゾンビパウダー! これでまた研究が進みます!」

「何に使うの……?」

 

 何やらまた怪しげな研究をしそうなプロメスティンに、ヒルデはキョトンとするだけだった。

 

「……まぁ、何があったかは後で話すとしてよ、やれる事は終わったんじゃねぇか?」

「ああ……それじゃあ、精霊の森に行ってみようか!」

 

 これで、出来ることは終わった。

 

 地下図書館にあったマルケルスからのメッセージに従い、精霊の森に行ってシルフを契約を交わし、ルカが精霊の力を得る……それが、ルカ達がやるべき事だ。

 

「よし、それじゃあ精霊の森に行こう!」

「おう、ガンガンやってやるぜ!」

 

 ルカ達はそう言って、次の旅路へと踏み出したのだった。

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