もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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精霊の森へ……

 マルケルスの伝言を果たしに、旅路を歩むルカ達。

 

 別れてる間に、何があったかをヴィクトリーとルカで共有していた。

 

「……ってぇと、あの研究所はやっぱ未来からそのまんまやってきたのか?」

「ああ、プロメスティンが言っていた」

 

 ラダイト村の、あの神殿跡……あそこは、やはり研究所だったのだ。

 

「何より、僕が変な所に触ってヒルデが起動しただろ? あれ、偶然とかじゃなくて初めから僕の静脈パターンで起動するようになってたんだ」

「……とすると、未来の誰かがおめぇの静脈パターンを登録してたって事か」

 

 プロメスティンの解析……それによってあの研究所が未来から来たものだと分かったが、やはり謎は深まるばかりだったようだ。

 

「……あるいは、未来におめぇがあそこに居たんじゃねぇか?」

「何だって」

 

 ヴィクトリーの突拍子の無い言葉に、ルカは驚く。その口ぶりは、素人の山勘という様子では無さそうだった。

 

「だってよ、わざわざ無作為に他人の静脈パターンを登録するか普通? それに、話聞く限りどうもヒルデが起動するまでその研究所の奴は織り込み済みだと思うぜ」

「……プロメスティンも、同じことを言ってたよ。わざわざこの時空に転移して、僕が触れるまでヒルデを眠りに着かせていたって……でも、誰が何の目的でそんな事を?」

「そりゃ未来の奴が不都合な事をどうにかしてぇからだろ。過去に不都合があって、それを書き換えるってのはタイムマシンが確立してるなら誰もが考える事だぜ」

 

 孫悟空さんが心臓病に(かか)ったとき、タイムマシンでやってきたトランクスさんが特効薬を渡して事なきを得ていた。おかげで今日までのドラゴンボールという物語に繋がっている訳だが……これも、言ってしまえば不都合な歴史の書き換えだ。

 

 どの世界も、タイムマシンが確立したら考えることは同じなのだろう。時の界王神様の憂いを(おもんばか)るばかりだ。

 

「不都合な事か……あの研究所がそれでここに転移してきたのは分かるけど、その不都合って何なんだろうな……」

「タルタロスやプロメスティンが巻き込まれた時空異常ゲートも何か関係があるのかもな……」

 

 ルカの方は、取り敢えずはそのような感じだった。まぁ、結局は核心に迫った事は分からないと言った感じだ。

 

「君の方は……サン・イリアの様子を見るに、無事に終わったそうだけど」

「ああ……クロムとフレデリカっちゅうとんでもねぇ敵が居たけど、何とかなったぜ」

「……凶悪化は?」

 

 ルカが、聞いてくる。やはり、気掛かりなのはそこなのだろう。

 

「……フレデリカの方が凶悪化したけど、クロムと皆のお陰で何とかなった。だけど、凶悪化の元凶は一向に姿を現さねぇ。そんでもって気付いてると思うがこの凶悪化現象、どうやら俺に向けたものらしいぜ」

 

 ヴィクトリーが言うと、ルカは頷く。

 

「ここまでの旅路で、凶悪化に言及してきた人は居なかった。やっぱりと思ったけど、事情に一番詳しいのは君で……君に立ちはだかる敵に限って、凶悪化するんだ」

「でもルカとアリスで倒したコーネリアも凶悪化したよな」

「うーん、どうだろう? 凶悪化の原因は確かドミグラっていう魔神だったよな……ドミグラが何を思って、僕達の前に立ちはだかる奴を凶悪化させてるのかが分からないんだよね」

「よほど俺の事が邪魔なんかな……」

「いや、ナタリアポートで死にかけてた君をわざわざ助けたんだ……目的は分からないけど、裏があるのは確かだよ」

 

 ドミグラは、自らの計画の為なら敵対してるハズのタイムパトロールにも手を貸す程の野心家でもある。目的の為なら、手段を選ばないタイプの者だ。何か目的はあることは間違いないが、何やら矛盾してる気が否めないままだ。

 

 凶悪化についても、核心に迫った事が分からないと言った感じだ。

 

「あっ、そうだルカ。旅の途中で魔芸に関係しそうな場所があったら、寄ってみていいか?」

「ん? 別にいいけど……何でだ?」

「にっひひ~……今言ったクロムとフレデリカなんだけどよ、これからは改心してからくり芸って奴を頑張るらしいんだ。でも、その為には魔導懸糸ってのが必要らしくてよ。だから、ありそうな場所があったら探してみてぇんだよ」

「そうなのか……って言うか、そんな奴を改心させたのか君は……」

「持ってきてくれたら、仲間になってくれるとも言ってくれるんだ! クロムもフレデリカも、すんげぇ強ぇから頼りになるぞ!」

「なら、ぜひとも魔導懸糸ってのを譲ってあげたいね。見つけたら届けに行ってあげようか」

 

 旅の途中で魔導懸糸を見つけたら、譲りに行く事も確定した。

 

 これで、共有すべき事は全て話しただろう。

 

「話は終わったか、二人とも?」

 

 丁度のタイミングで、アリスが声をかけてきた。

 

「今から向かう精霊の森は、エルフやフェアリーの溜まり場だ。両者とも危害を加えん限りは無害だが、フェアリーのイタズラには気をつけておくといい」

 

 アリスが、そうアドバイスしてくれる。それに、二人は「ああ」と返事して有難く頷くのだった。

 

「ヴィクトリーさん、後で詳しく聞かせてもらってもいいですか? 特に、ヒルデの戦いっぷりの感想も……」

「私も、聞いてみたいかも。お化け屋敷で何があったのか……」

「きゅーっきゅーっ」

 

 ルカのメンバーが、興味津々な様子でヴィクトリーの所に来る。

 

「おう、まぁ宿屋とかで落ち着いたら話すぜ」

「余も、貴様らがあの研究所で何を見たのか……特にプロメスティンの口から聞きたい。ヒルデの事もあるからな」

「ヒルデ、むずかしいおはなし、分からない……けど、ヴィクトリーが凄かったの、話せる……」

 

 ヴィクトリーのメンバーも、興味深そうにプロメスティンに向いた。

 

 両メンバーに対する詳しい事の共有は、話し合うと長くなってしまうので取り敢えずは後回しだ。

 

 もう既に、旅路の先に神秘的な雰囲気を放っている森林地帯が見えてきている。あれが、精霊の森だろう。

 

「よし、シルフと契約しに行こう!」

「シルフってのはどんな奴なんかな……ワクワクしてきたぜ!」

 

 ルカ達は意気込んで、精霊の森へ踏み込んだのだった。

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