もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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クロム加入

「また、この地下に戻る羽目になったか。今度は地下に潜っていけばいいのだな」

「最下層に、魔導懸糸があるって話だね……よし、がんばろう!」

「よっしゃあ、行こうぜ!」

 

 再び、求道者の洞窟に潜り込むルカ達。長い道中、襲い来る魔物娘、何か勝手に遊んだりタロットで時間を止めたりするエヴァに苦戦しながらも、とうとう最奥に辿り着いた。

 

 宝箱が三つ並んでおり、その内のどれかに魔導懸糸があるのだろう。

 

「真ん中のは、変な指輪みてぇだ」

 

 ヴィクトリーが、早速宝箱を開けている。真ん中の宝箱には鼓動の指輪というアクセサリーが入っていた。

 

「おっ、貴様が普通に宝箱を開けているのは珍しいな」

「またミミックじゃないかって、ドキドキしちゃうわね」

「おめぇらなぁ……」

 

 アリスとソニアがそんな事を言い、ヴィクトリーはジト目になる。そんな彼の後ろで、ルカが左横の宝箱を開けた。

 

 そこにあったのが、例の魔導懸糸だった。

 

「あったぞ、からくり人形の糸だ! これをクロムに持って行ってあげればいいんだね」

「おー、そっちだったかぁ!」

 

 ともあれ、こうして目的の物は手に入れた。

 

 余った右横の宝箱は、鍵が開かなくて中身を取るのは無理そうだった。気になるが、今は仕方ない。

 

「ほんじゃあ、俺は瞬間移動でクロムの所にコイツを届ける。皆は先に行っててくれ! すぐに戻ってくるからよ!」

 

 ヴィクトリーの言葉に、ルカは頷く。そして、その手に魔導懸糸を託した。

 

「ハーピーの羽もあるけど、大丈夫か?」

「ああ、それより早いしな」

 

 気遣うルカに、そう言うヴィクトリー。

 

「便利な技ねぇー、アリスも使えないの?」

「うーむ、このような姿で無ければ容易いのだが……」

「きゅきゅっ、きゅー!」

 

 新たな技に、感心するソニアとアリスとヌルコ。

 

「間近で何度か見ましたが、どうも普通のワープとは原理が違うみたいですよ。瞬間移動を使用する際の脳の動きを見る為に、前頭葉に電極を刺して脳波を確認すれば何か分かりそうなのですが」

「ヴィクトリー、死んじゃう……」

「それだったのね、あの時一瞬で背後取られたのは……」

 

 相変わらず怖いプロメスティンに、ドン引きするヒルデ。そして、不覚を取った理由を理解するエヴァ。

 

 皆の前でヴィクトリーは二本指を額に付け、気を探る。

 

「よし、クロムの気は……ここかっ!」

 

 そして、瞬間移動したのだった。

 

 

「のわっ!?」

「オッス!」

 

 ヴィクトリーが瞬間移動した先は、クロムの所だった。クロムは相変わらず、北の屋敷の地下で何かしている様子だ。フレデリカの方もクロムに付き添っている。

 

「き、貴様っ! 突然現れるでないっ! びっくりするじゃろうが!」

「へへへ……ほれ、頼まれたものだ」

 

 ヴィクトリーは、クロムに魔導懸糸を渡す。すると、彼女の顔は歓喜の表情を浮かべた。

 

「おお、それは魔導懸糸ではないか! 約束通り、それと引き替えに仲間になるのじゃ!」

「ああ、頼むぜ!」

 

 クロムは嬉しそうに、魔導懸糸を受け取る。

 

「礼を言うぞ、さっそくからくり人形作りじゃ! もちろん、ちゃんと力を貸してやるぞ……」

「私も、クロムと共に……」

「おう、よろしくな二人とも! まずは、俺のパーティのリーダーであるルカと挨拶しねぇとな!」

 

 魔導懸糸と引き替えに、強力な仲間が二人も加わった。フレデリカのパワーに、クロムの技術。心強い仲間をメンバーに加えた事によって、戦力がグッと上がった。

 

「早速力を貸してやる……とは言いたいが、出来れば少し時間が欲しいのじゃ。この魔導懸糸が無ければ、からくり人形作りも始められん。金も時間もかかるから、しばらくは待機する事になりそうじゃ……」

「私も、クロムの手伝いをする……」

「そんな大掛かりなモンなのか……? まぁいいや、それも含めてルカと談判しねぇとな」

 

 とにかく、クロム達もこれで仲間になってくれるらしい。前線に出るのはだいぶ後の話になってしまうだろうが、きっとその時は大いに役立ってくれるだろう。

 

「では、からくり人形の技術をフレデリカで……」

「おめぇ本当に反省してんのか?」

 

 ウッキウキの様子で色々な器具を取り出すクロムに、ヴィクトリーは言う。

 

「どんな改造も、受け入れよう……」

「……まぁ、本人がいいなら別にいいけどよ」

 

 何だかフレデリカもその気なので、口を挟む余地は無さそうだった。

 

「まぁ何はともあれ二人とも、この手を取ってくれ」

 

 ヴィクトリーは、仲間になった二人に両手を差し出す。

 

「ん、こうか?」

「ふむ……?」

 

 その手を二人が取ったのを確認してから、瞬間移動したのだった。

 

 

「よう!」

「うわっ、ハーピーの羽も使っておらんのに!?」

 

 ヴィクトリーが瞬間移動した先は、ルカの所だった。求道者の洞窟を出てからルビアナで、砂漠越えの準備をしている様子だ。

 

「ヴィクトリー……と、その子達は……?」

「ああ、こいつが北のお化け屋敷で悪さしてたクロムって奴だ」

「こう見えてもお主らよりずっと年上じゃぞ」

 

 クロムの言葉に、ルカもヴィクトリーも驚いた顔を見せる。

 

「妖魔の外見と実年齢は一致せん。よくあることだ」

 

 そこに、アリスが来てそう言った。

 

「む……魔王様か。儂もこのパーティに入ることになったのじゃ。前線に出るのはからくり人形術が上手くいってからになりそうじゃが……」

「だそうだぞ、ルカ?」

「ああ、問題ないよ。ポケット魔王城で暫くは待機だね」

 

 クロム達も、ポケット魔王城に入るようだ。あそこなら、からくり人形作りも捗ることだろう。

 

「ありゃ、所でエヴァは?」

 

 ヴィクトリーは、エヴァの姿が見えない事に気付いて言う。

 

「ああ……エヴァなら、「これ以上の道案内は無理」とか言って、勝手にポケット魔王城に引きこもっちゃったよ……」

「いーっ、アイツ……!」

「まぁ、あの人居ると何故か魔物とよく遭遇するし、仲間の勧誘とかするのに役に立ったから……非力な訳でもなかったし……」

 

 エヴァはよく魔物と遭遇したり、逆に魔物と遭遇しなくなったりと、変な能力を使える様子だった。その能力を発揮するのにも、体力が必要……そう思って納得するしかなかった。

 

 ともあれ、これでメンバーはルカ、ヴィクトリー、ソニア、アリス、ヌルコ、プロメスティン、ヒルデの7人に戻った。

 

「ほら皆、水筒配るわよ」

「きゅ!」

 

 ソニアが、人数分の水筒に水を入れてくれたらしい。分配は、ヌルコも手伝っている。

 

「サバサっちゅうのは、そんなに遠いんか?」

「地図を見た限りだと、一晩を越すことになるかなぁ……」

「そ、こういうのを用意しないと砂漠の真ん中でドクロになっちゃうわよ」

「きゅーきゅ」

「余は寒暖の差はそこまで苦痛では無いが……人間の貴様らには、応えるだろうな」

「砂漠越えですから、水はちゃんと用意しないといけませんね」

「水分補給、だいじ……」

 

 そこそこの量の水筒を腰に、メンバーは前を見る。ルカとヴィクトリーが、その先頭に立った。

 

「当然、砂漠には強力なモンスターもいる……油断は出来ないよ」

「ああ、わくわくすんなぁ!」

 

 次にルカ達が向かう先は、砂漠の国家サバサ。

 

 熱砂の地で、彼らを待ち受けるものとは……

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