もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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野営〜熱砂の地〜

 ルカ達が向かった先……そこは、一面の砂漠大陸。猛暑が漂う、熱砂の地であった……

 

「あ、あづい……」

 

 ソニアが、死にそうな顔でそう言う。

 

「ソニア、おめぇ見た事もねぇような顔してんぞ……」

「だって、この服、凄く蒸れて……とっても暑いのよ……」

 

 ソニアの肢体が汗で濡れ、艶が増していた。ぴっちりと張り付いた服のせいで、ボディラインが強調されている。

 

「……」

 

 ルカは、それを鼻血を垂らしながら見ていた。

 

「ルカ、おめぇソニア見て鼻血出てっぞ」

「えっ!? うわっ!?」

 

 ヴィクトリーに言われて、初めて気付くルカ。慌てて鼻血を拭い、更に顔を赤くしていた。

 

「ち、ちょっと、ルカ〜……」

 

 そう言うソニアは、どこかニヤついていた。

 

 その横で、アリスがため息をつく。

 

「この暑さにでもやられたのだろうよ、このドアホが」

「鼻血が出る程の興奮とは……それにしても暑い……」

「きゅうぅ〜〜……」

「ヒルデ、装甲があっちっち……装甲に油を塗ったら、ステーキ焼けるかな……?」

 

 なんと、サバサの熱は魔物であるアリス達ですらこたえていた。アリスはフルパワーじゃないらしいので納得できるが、プロメスティンやヌルコやヒルデも中々に辛そうだった。

 

 しかし……一人だけ、平気な顔で先頭を進む者がいた。

 

「なんだみんな情ねぇなぁ」

 

 ヴィクトリーは、平気な顔でルカ達を見る。

 

「お前は何で平気なんだよ……」

「あ、あのねぇ……私達はサイヤ人じゃなくて、れっきとした地球人なのよ……異星人のあんたと、一緒にされたくないわ……」

「……余達のような魔物は、地球人という枠組みに入るのか?」

 

 そんな会話をしながら、砂漠を進む一行。熱い道中、サソリ娘、サボテン娘、ダチョウ娘、ランプの魔女……様々な砂漠系のモンスターが襲ってくるも、どうにか凌ぎながら進む。

 

「ね、ねぇヴィクトリー……クロム達を連れてきた時みたいに、私達も瞬間移動できないの? それでサバサに移動しちゃえば、楽じゃない?」

 

 棍棒を杖にゼェゼェ言いながら、ソニアは言う。隣に居たアリスも、「ふむ」と言って反応した。

 

「それは名案だな、出来るのか?」

「いや、無理だ」

「えぇっ!?」

 

 驚くソニア達に、ヴィクトリーは申し訳なさそうに誤魔化し笑いをする。

 

「俺の瞬間移動ってのは、そんなに便利なモンじゃなくてよ……場所じゃなくて誰かの気を捉えて移動するんだ。だから、知り合いが居ねぇ所や知らねぇ所には瞬間移動できねぇんだ」

「そんなぁ……」

「不便だか便利だか分からん技を覚えるな!」

「そんなめちゃくちゃな……」

 

 ヴィクトリーは、なんだか凄く理不尽な理由で怒られてしまった……

 

「まぁ、楽な道は無いよね……とにかく、進もう」

「ああ」

 

 そうしている内に時間が経ち、やはり日が暮れてしまった。

 

「日が暮れたか……近くのオアシスで野営だね」

「あつ〜い! ヘトヘトだよ〜!」

「今日の夕食は何なのだ!?」

「……」

 

 わめくソニアに、食いつくアリス。テントの準備をするのは、自分だけかと絶句するルカ。

 

「ははは、少しは手伝うぜ、ルカ……」

「君が仲間でよかった……」

 

 ルカ達は野営の準備に取り掛かかった……

 

 

 オアシスの近くでテントを張り、焚き火を囲むルカ達。

 

「ごちそうさま〜!」

「っひゃ〜っ! 食った食った〜!」

 

 夕飯が終わり、一同は腹を満たす。ルカの料理はやはり絶品で、みんな満足しているようだ。

 

「つくづく、貴様の料理は素晴らしい。たまもはクビにして、貴様を採用しよう」

「やだなぁ、そんな……えへっ、えへへへっ……」

「キモっ!」

「気持ち(わり)っ!」

 

 アリスの言葉に、鼻の下を伸ばして笑うルカ。そんな彼に、辛辣な言葉を投げるソニアとヴィクトリー。

 

 夕飯が終わったとはいえ、就寝には少し早いので自由時間だ。

 

 みんな自由なもので、プロメスティンは岩の下のサソリを捕まえたり、ヌルコとヒルデはその辺を走ってはしゃいでいる。

 

「……貴様が精霊の力を得るのが、正しい歴史……それをなぞる事により、世界の歪みが正される……」

「正しい歴史の、精霊の力を得た僕か……今の僕と、どこか違ったりするのかな?」

「元々がルカな以上、根本的なモノは同じだろうな。ただ、育った環境にもよるんじゃねぇか?」

 

 ルカとアリスが、何だか面白そうな話をしていたから参加してみたヴィクトリー。

 

「む、ヴィクトリー」

「そう言えば、お前は平行世界にすごく詳しかったっけ……正しい歴史って何なんだ? 今の歴史は、正しくない歴史なのか?」

「ん〜、むつかしいんだな、これが」

 

 ヴィクトリーは頭を掻き、悩んだ。

 

「まだ分かんねぇ以上は、何とも言えねぇな。ただ、この世界がただの世界じゃねぇ事ぐらいは俺も分かってるよ。すっげぇ連中が蠢いてるんだからよ」

「ああ……リリス三姉妹に、謎の熾天使ども……しかもこの二者は、互いに敵対しているようだ。この連中の目的も、不明のまま……」

「そして、3人の魔王まで……」

「魔王軍を指揮している母上は、何を考えているのか……そして、復活した黒のアリスも謎に包まれている……」

「あのネリスって奴もネロと繋がってたみてぇだな。目的は謎だけどな……それに、本物が大して活躍してねぇのに偽物まで出てくる始末だしよ」

 

 ヴィクトリーのこの言葉……根に持つその言い方は、黒のヴィクトリーの事を指している。

 

「黒のヴィクトリーか……あいつも、謎に包まれたままだな……僕達を助けてくれたって事は確かだけど、どう妥協して見ても味方では無さそうだしなぁ……」

「それに、ドミグラとか言ったか。あいつらは何なのだ。目的がさっぱり分からんぞ……」

「……俺がこの世界に来たことで変な扉開いちまったのかも知れねぇな」

 

 三人は頭を抱え、ため息をついた。

 

「どいつもこいつも、何がしたいのやらさっぱりだ。いや……単に余が蚊帳の外に置かれているだけか。母上は、いたずらに世を乱しているわけではない……やむを得ない事情がある……そう信じたいところだが」

「父さんも、相変わらず行方不明だしね。足跡は見つかるけど、謎が深まるばかり……」

「一番置き去りにされてんのは俺だぜ……元々、部外者だったのに俺の世界由来の脅威がこの世界にあるんだからよ」

「やはり、全ての謎はタルタロスと……そして、30年前の異変にあるはずだ。サバサのタルタロスで、何が待っているのか……共に確かめるぞ、二人とも!」

「ああ!」

「おう!」

 

 やはり、鍵はタルタロスにあるはず。全てを解き明かすまで、旅を続けるのみだ……

 

「よし、就寝前に特訓だ! 貴様も付き合え!」

 

 アリスとルカは、修行するらしい。当然、ヴィクトリーも巻き込んで。

 

「お、オッス!」

「そろそろ戦闘力も高まってきただろう……ここで大技を仕込んでやるぞ」

「やったぁ! よろしくお願いします!」

 

 こうしてルカとヴィクトリーが、アリスの指導の下特訓すること数時間……

 

「てりゃあっ!!」

「だぁああっ!!」

 

 咆哮と共に放つは、縦横無尽の乱撃。適当な連続攻撃とは違い、一撃一撃の繋ぎに隙は全く無い。

 

「……形は覚えたようだな。無数の斬撃を浴びせかけ、敵に連続攻撃を見舞う──これが、死剣・乱れ星だ!」

 

 死剣・乱れ星……舞うような斬撃で、敵を切り刻む大技。凄まじい威力を誇る剣技だった。

 

「だが、使い終わりに隙が生じる。使い所を考えねば、逆に窮地に立つ事になるぞ」

「確かに、乱発は出来そうにないよ……本当の意味での必殺技だね」

「剣が空ぶった時の隙もデカいな……確実に当たるタイミングで使わねぇとな」

 

 ルカもヴィクトリーも、また強力な剣技を自分のものにした。

 

 確かな手応えを感じながら、眠りに就いたのだった……

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