もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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堕落したサバサ

 野営を終え、サバサを進むルカ達。一行は、モンスターを跳ね除けながらサバサ城へ着いたのだった。

 

「やった! サバサ城に着いたぞ!」

「砂漠の城下町だ、ひっろ〜い!」

「ひゃ〜、こんな砂漠の地にこんな所が……」

 

 サバサ城下町は広く、そこそこ賑わいを見せている町だった。聞けば、軍事力に関してはこの世界で一番だとか。

 

「それでは、さっそく情報収集だな。ノームと北のタルタロスについて……むっ?」

 

 アリスが言葉を止め、ルカ達も周囲を見る。

 

「そこの旅人、止まれっ!」

 

 いつの間にか、衛兵二人がルカ達を囲んでいた。

 

「なんだなんだ」

「お前達、怪しいな……きっと、グランゴルドのスパイだろう!」

「だが……特別に見逃してやってもいいぞ。俺たちだって、決して鬼じゃないからな」

「そこで、100Gで勘弁してやろう」

「一国の正規兵が、白昼堂々と賄賂を要求!?」

「なんて国だ!」

 

 ソニアとヴィクトリーが言う横で、アリスは腕を組む。

 

「妙だな……サバサ軍の練度は非常に高いと聞く。こんなチンピラ同然の奴等がら、門を固めているなど……」

「何を言ってんだ、俺たちはサラ女王の近衛兵だぜ!」

「俺達に逆らうと、お前らなんて牢屋行きだ!」

「どうするの、ルカ……?」

 

 ソニアが聞く前で、ルカはヴィクトリーに目配せをする。

 

「……ヴィクトリー」

「……」

 

 ヴィクトリーもルカを見て、頷く。

 

「おらぁああっ!!」

「だぁあああっ!!」

 

 次の瞬間、ルカは衛兵の一人の顔面を蹴り、ヴィクトリーはもう一人をぶん殴った。

 

「うわ〜!」

 

 衛兵はぶっ飛んで、町の外へ消えてしまった……

 

「弱っ! イリアスヴィルの兵士より弱いんじゃない!?」

「心身共に、なんと頼りない兵士なのだ……あれが本当に、軍国最強と言われたサバサの兵か?」

 

 ソニアとアリスがそう話していると、壁の陰から申し訳なさそうに青年が出てきた。

 

「……あいつらは、サラ女王の近衛兵……つまり、ごく最近取り立てられたごろつき達さ。前サバサ王が亡くなり、新女王が後を継いで……それから、この国はダメになってしまった。サラ女王は政治を投げ出し、遊び三昧。ろくでもない連中ばかりを取り立てて、衛兵さえあのザマ。(いさ)めようとした忠臣は、みんな牢屋行きか国外追放。本当に、ひどい国になっちまったよ……」

「なんてこった……」

「おっと……こんな話、衛兵にでも聞かれりゃ大変だぜ。あんた達も、気をつけなよ……」

 

 青年はそう言ってから、口笛を吹きながら元の場所に戻った。

 

「なんてひどい話なんだ……その新女王、なんとかしないと!」

「ああ、一刻も早くぶっ飛ばさねぇとな!」

 

 走り出そうとする二人の襟袖を、アリスが掴んだ。

 

「無計画に行動するな、ドアホ共め……いきなり殴り込んで、どうするつもりなのだ。こういう時こそ、しっかり住民の話を聞くのだ。女王を問い質すにしても、事前に情報は集めておけ」

「ノームやタルタロスの件は、しばらく後回しよね……まずはしっかり話を聞き込んで、それから女王に会いましょうよ」

 

 ここで、後ろに居たヒルデがしょぼんとした顔を見せた。

 

「女王、やっつけないの……? ならヒルデ、出番ない……」

「まぁそう言うなって、情報聞いて、それでもどうしようもなかったらぶっ飛ばすさ!」

「野蛮……」

 

 ウキウキで言うヴィクトリーに、引き気味に言うプロメスティン。

 

「じゃあ、行こうか」

 

 ルカ達は解散して、情報収集にかかった……

 

 

 情報は、たくさん手に入った。

 

 サバサ女王の情報を集めて回ってるアサシンのサラーンという女の家が、酒場の北にある。

 

 女王は、前は暴君ではなかった。ある日を境に「ああ」なってしまった。

 

 西にはピラミッドという場所があり、そこにスフィンクスという魔物がいる。

 

 魔女狩りの村と呼ばれる村があり、何やら不穏な事になっている。

 

 グランドールという所がサキュバスに乗っ取られてヤバい。

 

 そのグランドールの北には、サファル遺跡があり、そこにノームがいる。

 

 またまた西には、魔女狩りの村とかいう不穏な村がある。

 

 ……など、色んな情報が次々に出てきた。

 

 特に……今現状のサバサ女王の所業については聞けば聞くほど深刻な事になっているようだ。ノームの事より、この騒動を解決するのが今は先決だろう。

 

「よし、次はサバサ王宮に乗り込んでみようか」

「さっそく行くんか?」

 

 ルカの隣でヴィクトリーは拳をバシッと叩き、笑う。

 

「いきなりぶっ飛ばしに行くわけじゃないよ……」

「相変わらず野蛮ねぇ……」

「きゅう……」

 

 物騒な事を言うヴィクトリーに、ルカとソニアとヌルコがジト目を送る。

 

「ぶっとばす……ヒルデも、協力するのに……」

「脳に作用する薬を飲ませて、コロッと人格を漂白できないものでしょうか……」

 

 ヒルデの横で、プロメスティンはサラッと言う。ヴィクトリーが野蛮ならば、プロメスティンはヤバイと言ったところか。

 

「脳みそ筋肉とマッドサイエンジェルは放っておいて、まずは説得が大事だ。とにかく、行ってみるといい」

「うん、そうしよう」

「脳みそ筋肉……」

「マッドサイエンジェル……」

 

 アリスの忠言に従い、王宮へ向かう。堕落した国でも王宮は立派なもので、まだその威光は失われていないかに思われたが……

 

「オッス!」

「……あ、どうぞ」

「あと30分で交代か……だり〜……」

 

 ヴィクトリーの元気な挨拶に大しても、兵士達は怠そうな態度をとっていた。

 

 この通り、兵士の大半が腑抜け。やる気は無いし、欠伸はしてるし、アホな顔で鼻くそをほじってる奴まで居る。勤務を終えてグランドールで遊びたいなんてボヤいてる奴までも居る。王宮の厳かさは、そこには無かった。

 

「や、やる気無さすぎだろ……」

「行くぞ、ヴィクトリー」

 

 気だるそうな雰囲気の王宮を進み、ついに王の間の前……

 

「ここに女王が居るんだな……ヴィクトリー、気は?」

「……ああ、確かに感じるぜ。だけど、妙な気だな……」

「妙な気……?」

「ああ、人間の気にしちゃ大きい……女王様ってのは、戦士なんか?」

 

 ヴィクトリーは、試しに兵士に聞いてみた。

 

「ん、ああ……心得はあるらしいし、体力もそこそこあるみてぇだぜ……その体力の前に、何人の男が倒れたか……」

 

 兵士は、鼻の下を伸ばしながら気色悪く笑う。

 

「あっおい、この先は女王の間だぜ。ぞろぞろと仲間を連れて行くなよな……」

 

 ついでにという感じで、衛兵はルカを呼び止めた。

 

「こんな時だけ変にしっかりしてんだから……どうすりゃいい?」

「そうだな……男なら、通ってもいい。色々と、楽しませて貰えるぜ……特に、若い少年二人ならな……」

「二人か……じゃあ」

 

 ルカはヴィクトリーの腕を掴んで、アリス達に向いた。

 

「僕達が行ってくる。待っててくれるか?」

「ちょっ、まぁいいけどさ……」

「その方が都合がいいだろう」

 

 二人の前で、アリス達は頷いて、下がる。

 

 そしてルカとヴィクトリーは二人、女王の間に入ったのだった。

 

「オッス!」

「あら……」

 

 サバサの女王、サラ……金髪ショートの、若い女の人だった。女王らしく、純白のドレスにティアラを着けている。

 

「珍しいわね、二人組なんて……」

 

 そう言う彼女は、二人をじっと見つめる。舐め回すような視線が、二人を撫でた。

 

「……」

「おめぇの評判を聞いて、ここにやってきたんだ……好き勝手やってるんだってな?」

 

 ヴィクトリーは恐れず、サラ女王に言う。

 

「ええ、分かってるわ……それじゃあ、ズボンを下ろしなさい。あなたのおちんちん、私に見せるのよ……」

「……えぇっ!?」

「なんだとっ!?」

「だって……ズボンを下ろさないと、しゃぶれないじゃない。さあ、早くおちんちんを出しなさいよ」

「俺達は、そんな事をしにきたわけじゃねぇ!」

「待ってよ! 落ち着いて、話をしようよ!」

「あなた達、変な人……おしゃぶりじゃなくて、おしゃべりの方が好きなの……?」

「誰がうめぇ事言えつった」

 

 ヴィクトリーのツッコミを前に、サラはため息をつく。そしてつまらなさそうな目で、二人に向き直した。

 

「……もういいわ、出て行きなさい」

「ちょっと待ってよ、聞きたい事が……」

「下に降りたら、衛兵に言っておきなさい。今度は、素直におちんちん出す男を連れて来いって……」

「普通、女王の前でおちんちん出す男なんていねぇーよ! 何考えてんだ! 淫乱! 痴女! ドスケベ! 足軽女!」

「それを言うなら尻軽女だよ……」

 

 キレるヴィクトリーを連れながら、ルカは王の間から出ていく。そして、仲間と合流した。

 

「予想以上にひどい感じだったね」

「ああ、こっちの話なんて聞いてくれねぇんだ」

「やはり、女王本人にあたっても無駄か……」

「そう言えば、アサシンに女王の事を探ってる人が居るとか言ってなかったっけ? 確か、アサシン団のサラーンって人!」

 

 ソニアが、そんなことを言う。確か、酒場で聞いた話だったか。そいつの家も、その酒場の北にあるという。

 

「その者ならば、有効な情報を持ってるかもしれんな」

「アサシン団……国抱えの隠密、その一番強い奴って訳だな。なぁルカ、いっぺんそいつの所に行ってみるか?」

「うん……行く価値はありそうだし、今はそれしかアテがない……行ってみよう」

 

 ルカ達は話しながら、サラーンの家へと向かったのだった。




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