もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース 作:ジョーカー:ゼノ
サバサ王国より西……そこに、四角錐状の山のような建物がある。そこが、例のピラミッドという場所だった。
「……でけぇな」
「うん……」
聳えるピラミッドを見上げながら、ルカとヴィクトリーは話す。
サバサで聞いた情報によれば、昔は竜印の試練というものの舞台であり……そのために、ダンジョンのようになっているとか。
探索するのも一苦労だし、魔物の気も多い。
「行くしかないわね……」
「きゅー……」
「ああ、スフィンクスと会って話を聞かない限りはどうしようもあるまい……」
「ピラミッド探検……」
「どのようにして建てられたのかが気になりますね……砂漠しかないような所で、これほどの墳墓……」
このピラミッドの最奥に居るであろうスフィンクス……なんとか彼女に会って、サラ女王をどうにかする方法を聞き出してみよう。
ルカは深呼吸してから、ゆっくり息を吐いた。
「よし、いくぞ皆!」
「応っ!!」
こうしてルカ達は、ピラミッドへ乗り込んだ……
※
「中は広いな……」
「外装相応だな」
広いピラミッドを、道なりに進んでいく。行き止まりに突き当たることがあるものの、この手のダンジョンは右側の壁に沿っていけば何とかなるものだ。
「魔物が沢山いる上に、奥には馬鹿みてぇにでけぇ気がある……」
「その気が、スフィンクスの気かな……僕も、風を通して感じてるよ」
「風?」
「うん、シルフの力を得たおかげかな。風で何となくそういうのを感じることが出来るんだ。まだお前やアリスほどの精度は無いけど……」
そんな会話をしながら、探索ついでに進んでいくが……やはり、魔物の強襲に遭った。
「ふふ、また獲物が来たみたいね……!」
「スフィンクス様の元には……弱い者は通せん……」
コブラ娘やミイラ娘といった、いかにもピラミッドの試練という感じの敵の群れだった。
「やっぱりただじゃ通らせてくんねぇか」
「やるぞ、ヴィクトリー!」
ルカ達は武器を抜いて、気を解放する。ここまでの旅路で、皆も相当にレベルアップしており……更なる力を解放し、敵の群れと激突したのだった。
「きゅっきゅっーっ!!」
「牽制するよ……!!」
ヌルコとヒルデが揃って、『マシンバルカン』を起動する。横殴りの雨のような弾丸の連射により、群れのモンスターのいくつかが脱落した。
「熱力学第二法則……エントロピー増大、『超熱幅射』!」
プロメスティンが前に出て、魔導科学の技を放つ。すると、敵の群れに凄まじい熱が放射され、それがミイラ娘を焼き払ったのだった。
「はぁあっ!」
自身が燃えているのも厭わず、突撃してくるミイラ娘。
「させるかっ!!」
そんなミイラ娘にアリスが飛んできて、尻尾で一撃する。そうして怯んだその隙に尖剣に炎を纏わせた。
「踊れ灼熱……『フォティトゥリア』!!」
炎を纏った尖剣の、踊るような乱撃。それでミイラ娘を倒してしまった。
しかし、アリスの首筋に誰かが噛み付く。
「っ!?」
「蛇同士、仲良くしましょう……!」
コブラ娘だ。
すぐさまアリスはレイピアを振って振り払うも、体ががくんっと脱力する。
「くそっ……毒か……!!」
「いと高き安らぎの風、乱れし身に安寧をもたらせ! でやぁ! 『キュア』!」
アリスの毒が、白魔法によって除かれる。飛び出したのは、ソニアだった。
「助かった!」
「蛇系の魔物には、こうっ!!」
ソニアの棍が、冷気を纏う。そのまま、凍結の力を宿した棍でコブラ娘を殴り飛ばした。
「きゃああっ!?」
「止まらないわよぉ!」
「ああ!」
乱戦する彼女達を横目に、背中を合わせて無双する男が二人。
「だだだだぁあぁあっ!!」
「こんなものじゃ、僕達は止められない!!」
ヴィクトリーが気弾を連射し、ルカが剣技を連発する。二人の力は、敵を寄せつけずに居た。
「……手練がいるようね」
「ええ、お姉様……」
「前のアサシンとは違うようね」
「へぇ、とっても楽しめそう……」
攻防する二人の前に、四体の褐色ラミアが現れた。いずれも只者では無いと分かる気を放っており、強敵だというのが分かる。
「おいルカ……なんだあいつら?」
「図鑑で見た事がある……『ネフェルラミアス』。ピラミッドに生息する、ラミアだよ」
「その通り……」
一番戦闘力の大きい、巨乳ストレートのラミアが言った。おそらく、こいつが長女だろう。
「ここから先へ、弱き者を通すわけにはいかない……」
「通りたくば、我らを倒すがいいっ!」
ネフェルラミアスは構え、ルカとヴィクトリーも応じるように構え直す。
「これも竜印の試練ってやつの一環かもな……」
「僕達は別件で来たんだけど……しょうがないな……!!」
「行くわよ!」
長女と四女がルカへ、二女と三女がヴィクトリーに襲いかかる。
「はぁあああっ!! シルフ!!」
ルカはその背に光の翼を顕しながらシルフの力を解放し、後退しながらも剣技で対抗する。
「界王拳5倍!!」
ヴィクトリーは紅蓮の気を滾らせながら、真正面から迎え撃つ。
凄まじい攻防が繰り広げられ、戦いは白熱した。
「ほら、舐めてあげる……」
戦いの中で、四女がルカの耳の裏を舌で舐め上げる。
「ひあっ!?」
「隙あり!」
それによって怯んだルカは、長女に巻き上げられてしまった。すかさず四女も巻きついてきて、身体がギチギチと締め上げられた。
「しまったっ……!!」
「ふふ、締め上げてあげる……!!」
ピンチになってしまったルカ。思わず、ヴィクトリーはそっちへ向いてしまう。
「ルカぁっ!!」
「何をよそ見してる!?」
次女がヴィクトリーの背後に来て、その蛇体を打ち付けてくる。
「ぐぁあっ!」
「はいやっ!!」
揺らいだヴィクトリーを、更に蛇体で打ち上げる。蹴り上げの要領でぶっ飛ばされた彼は勢いよく壁に叩きつけられ、その壁も崩落してしまう。
「降参なさい……その程度では、竜印の試練を突破する事なんて無理なのよ……」
「そうじゃなくても、弱い人はスフィンクス様には会えないの……ここで、私達の慰みものになるのよ……」
グルグル巻きにされて締め上げられながら、囁かれるルカだったが……その歯を食いしばり、キッと目を鋭くする。
「悪いけどっ……そう簡単に降参する訳にはいかないんだぁあぁあああ!!!」
ルカは吼え、シルフの力と気を更に高めて解放する。それで、巻き付いてきた長女と四女をぶっ飛ばしたのだった。
「きゃあっ!?」
「わぁっ……!?」
「お姉様!」
「四女もっ!」
吹っ飛ばされる、姉妹達に注目する次女と三女。しかし、これだけでは無い。
「そうだ……俺達は、負ける訳にはいかねぇえええ!!!」
ヴィクトリーが応じるように起き上がり、界王拳の倍率を更に高めて気を解放する。すると、彼を囲っていた瓦礫が吹っ飛んだのだった。
「なっ……なんて、エネルギー……!!」
「こんな実力者が来るなんて……!!」
「けど、負けられないのは私達も……!!」
「最後まで相手いたしましょう!!」
ネフェルラミアスは更に気を解放し、それぞれの相手に向かう。
「吹きすさべ、紅蓮の刃!!」
「か、め、は、め……!!」
ルカの剣が炎上し、フロアの天井にまで届くほどの炎の刃と化す。
ヴィクトリーの手の内に凄まじい気が凝縮され、界王拳の影響を受けて更に輝く。
「紅蓮廻天斬ッッッ!!!!」
「波────ッッッ!!!!」
ルカは勇者技の『紅蓮廻天斬』で迫り来る姉妹を切り払い、ヴィクトリーは『かめはめ波』によって襲い来る姉妹を吹っ飛ばした。
「そ、そんなっ……!!」
「これ程の力……!!」
「有資格者だったのね……!!」
「認めてあげるわっ……!!」
二人の大技を食らった姉妹達は倒れ伏し、四人揃って「むきゅう」なんて言いながら戦闘不能になったのだった。
「倒したか……」
「何だか知らねぇけど、認められたっぽいな」
「こっちも終わったわよ〜!」
「きゅーっきゅー!」
ソニア達も戦闘を終わらせ、ルカ達の所に来る。これで、魔物の群れを押し返せたようだ。
「さぁて、スフィンクスっちゅうのはどれ程の相手なんだろうな……!」
「戦いに行くわけじゃないよ……」
戦いを終えたルカ達は、先へと進んだのだった……