もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース   作:ジョーカー:ゼノ

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キラッ☆

 道中……モンスターの襲撃を、ヴィクトリー達が相手する。

 

「ダチョウ娘には、直接攻撃避けられちまって厄介だな……だけど、当てりゃ問題ないさ!」

「ヒルデ、銃技で対鳥用の技も持ってる……」

 

 そんな事を言いながら、手際よくモンスター達を倒してた。

 

 砂漠のモンスターはやはり強力だが、今のヴィクトリー達の敵では無い。

 

「……いい機会だ、貴様らには説明する必要があるだろう」

「アリス……?」

 

 アリスはルカ達に、ヴィクトリーに何があったかを説明した。ラダイト村で、唯一マトモな人間の少年がいた事……その少年とヴィクトリーが、約束を交わしていた事。その少年を守れなかった事を悔いている事を。

 

「……そんな、事が……」

「約束までしたのに、ショックよね……」

「きゅ…………」

「私も女王として、あの村を守れなかったのは心苦しいけど……彼は、それ以上に……」

「……そういう訳だ。今はヒルデが傍にいるが……余も、暫くは彼奴の様子を見ようと思う」

 

 ここでプロメスティンが、「ふむ」と何か納得した素振りを見せた。

 

「なら、あの時見せた変身……『(スーパー)サイヤ人』は、その感情の爆発で覚醒したものと判断できますね」

「確かに……ルカ、貴様何か知ってるようだったな?」

「い、いや……僕にも、何で分かったか分からないんだ。だけど、ミカエラさんの時と同じ頭痛がして……それで……」

 

 あの時見た、ヴィジョン……海藻を纏った赤髪の天使を相手に立ち向かう、金色の戦士。間違いなく、(スーパー)サイヤ人のヴィクトリーだった。

 

「説明はつかんが……もしや、正統な歴史では『(スーパー)サイヤ人の覚醒』は重要な事なのかもな……貴様が、精霊の力を得る事のように……」

「そうだね……」

「ふーむ……」

 

 プロメスティンは考えてから、ルカの方へ向き直した。

 

「私も暫くはヴィクトリーさんの傍に居たいです。(スーパー)サイヤ人の研究もしたいので……」

「こんな時にも研究……」

 

 プロメスティンの言葉に、ソニアは若干引いてる模様。マッドサイエンジェルには、人の心は分からないようだ。

 

「僕も放っておけないな……」

「私も放っておけないわよ、仲間の事だもん!」

「きゅっきゅ!」

「私もよ。マギステア村の事が終わるまでは面倒見させてもらうわ」

 

 皆、不自然に元気を出して振る舞ってるヴィクトリーが心配なようだ。アリスも、それは同じだった。

 

「まぁ、そうはなるとは思ったが……あまりゾロゾロと面倒見られてもヴィクトリーが気負ってしまうだけだろう。グランドールでは余とヒルデとプロメスティンで奴の面倒を見ようと思う」

「そうね……グランドールに滞在するのは少し準備をするだけになるけど……それでも、少しでも誰かが傍に居ないとね」

 

 そうこう話していると、ヴィクトリーとヒルデが戻ってきた。

 

「終わったぜー!」

「今のヒルデ達なら、この辺のモンスターは楽勝だよ……」

「そうね……でも、まだまだ先は長いわ。行きましょう!」

 

 サラの声で、皆も頷く。そして、砂漠を進んだのだった。

 

 

 サバサから北上し、橋を渡ってから西に行き、突き当たって南下して橋を渡り、その東には大きなオアシスに囲まれた街がある。

 

「おおーっ」

 

 ヴィクトリーは、街を見て声を上げる。ここが、サバサ最大の繁華街である『グランドール』だ。街は凄い賑わいを見せており、食べ物、道具、防具、アクセサリー……いろいろな出店があるのが分かる。

 

 また、可憐な踊り子達がそこらに居て、それが道行く男たちの視線を攫うのだった。格好の派手さからしてその格式は高く、このグランドールでも特別なものに違いない筈だが……彼女らは、浮かない顔をしていた。

 

 街の奥には、やたらに大きい豪邸が見えるが……門の隣に、カタギには見えない男が立っていた。

 

「グランドールに到着したね……」

「美味そうな匂いがすっぞ!」

「食べ物屋さんが、たくさん……!」

「ここからマギステア村までは、まだ少々遠いわ。とにかく、急がないと……」

 

 入口で待機していた兵が来て、サラに頭を下げた。

 

「サラ様、お待ちしておりました。マギステア村までの旅路は、私にお尋ね下さい」

 

 真面目そうな衛兵が、顔を引きしめてサラに報告する。この人もサバサの兵……そこらの冒険者よりは手練なのが分かる。

 

「しかし激突はいったん収まり、反乱軍は近くの塔にこもった様子。体勢は万全にされるのが良いでしょう。サキちゃんキラッ☆」

 

 報告してくれたかと思えば、何やら妙なことを口走った。

 

「ナチュラルにおかしなこと言った!?」

 

 ソニアが、思わずツッコんでしまう。

 

「失礼……この町の大劇場を占拠したサキュバスに、誘惑の術を掛けられてしまったのです。大事には至りませんでしたが……しゃっくりのように、たまに妙な言葉が出てきて……キラッ☆」

「城に戻って休んだ方がいいんじゃない……?」

 

 また変になった衛兵に、サラが心配そうに言う。だが、彼はすぐにハッとして表情を引き締めた。

 

「いえいえ、ときに変なことを口走る以外に問題はありません。任務を続けさせて頂きます、サキちゃんハァハァ」

「おめぇ、情緒どうなってんだ……」

 

 困惑しながら、突っ込むヴィクトリー。

 

 ここで、アリスがあることを思い出した。

 

「そう言えば……大劇場を占拠したサキュバスがいると、聞いた気がするな……こんな被害まで広げているのならば、退治した方がいいのではないか?」

「踊り子さん達が浮かねぇ顔してんのは、路頭に迷ってるからか……?」

「だとしたら、そのサキュバスも退治しなきゃいけないわね……踊り子はグランドールの伝統芸能なのよ。ステージを奪われちゃ、たまったものじゃないわ」

「大変だな……今すぐ占拠を止めさせないと!」

 

 サラの説明で、乗り気になるルカだったが……

 

「やめてあげて! サキちゃんは悪くないの!!」

「ホァッ!?」

 

 また衛兵が妙な事を言って、ソニアがそれにびっくりしている。どうやら、サキとやらの魅了は相当に強力らしい。

 

「本人の自覚はないが、かなり誘惑されているようだな。早急に対処せねば、被害が広がるかもしれんぞ……」

「大劇場にいるんだよね……よし、行こう!」

 

 マギステア村まで、急いでる身ではあるが……この一件も、放置できない。相手はサキュバス一人のようだし、時間は掛からないだろう。

 

「まだまだマギステア村までの道のりは長いです。この街で色々と準備をした方がいいかと……キラッ☆」

「お、おう……サンキューな!」

 

 とりあえず、サキュバスの退治と旅の準備だ。手短に終わらせるために、また二パーティに別れた。

 

「なぁ、俺サキュバス退治ってのに行きてぇんだけど……」

「駄目だ、貴様はずっと戦い詰めだっただろう」

「ヒルデも、サキュバス退治に行きたい……けど、今は分担……」

「私は魔導書のページがそろそろ尽きそうなので……」

 

 ヴィクトリー、アリス、ヒルデ、プロメスティンは準備班。

 

「それじゃ、ちゃっちゃと終わらせてくるよ」

「きっとすぐに終わるわよ」

「きゅっきゅ!」

「衛兵達の洗脳も解けるといいのだけど……」

 

 ルカ、ソニア、ヌルコ、サラがサキュバス討伐班となった。

 

「サキュバス討伐に出掛けるのならば、どうかお気をつけて……我らも手をこまねいていた訳では無いのですが、アレでも意外と実力のある妖魔で……キラッ☆」

「無理して喋らない方が……」

「精神汚染が重症ね……」

 

 とにかく……再びルカとヴィクトリーは、グランドールで二パーティに別れる。

 

 ルカは戦いに出るが……ヴィクトリーには、しばしの休憩の時間となったのだった。

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