NieR:Hero's   作:たかすぎ

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この作品の2Bはヒロアカの世界独自の方法で作られました。
しかも森に放たれて10年が経過しているので、ゲームの2Bと比べるとちょっと思考回路が開放的です。


0.2

 

 

 

 

 

 

 

 

「Hey。君、なぜ私を攻撃をしないんだ」

 

「、、、あなたこそ、なぜ私を殺そうとしない」

 

 

 

 月が綺麗な真夜中、2人は対峙していた。場所は先程までの住宅地から移動し、人が全くいない広大な空き地にいた。後から聞いた情報によると、来週から高級住宅地として建設される予定の土地だったらしい。

 だからこそ、まるで小さな隕石が落ちたようなクレーター(・・・・・・・・・・・・・・・・)が幾つもできるような戦闘でも、被害が出ずに済んだのだろう。

 

 

 時は少し遡る。

 橋で対面してしまった時、2Bは即座に逃げることを考えた。このヒーローの活躍は動画で観ている。今ここで戦えば、街中に被害が出ることは確実だ。

 だが、そんなことはNo.1ヒーローも当然考えていた。撹乱しようとポッドに指示を出す瞬間、顔を捕まれ、ロケットのように空を翔け、ここまで連れてこられたのだ。

 流石全てのヒーローのトップに立つ男。パワーもスピードも桁違いだ。少し隙をみせただけでこのザマだ。

 

 

 

「ポッド!!」

 

 

 

 2Bは地面に着地した途端、ポッドに指示を出し、オールマイトにポッドの特殊兵器グラビティを発射した。オールマイトは咄嗟に避けたが、特殊な重力の球体が地面に着弾した瞬間、そこから発生した半透明のドームに引き込まれる。

 2Bはその隙に顔に掴んだ手を解き、更にボムを地面に発射し、衝撃と土煙でオールマイトの目を眩ませる。

 

 

 

 

「目くらましか!」

 

 

 

 

 オールマイトは強引に重力のドームから逃れ、その右腕を振るう。その威力に、土煙はたちまち吹き飛んだ。

 

 どこに潜んだ?どこから攻撃してくる?

 

 オールマイトは瞬時に思考する。だが、少女型のアンドロイドはすぐに見つかった。

 2Bは走っていた。回れ右をして、こちらに完全に背中を向け。

 No.1ヒーローは思わずポカンとしたが、その間にも2Bは恐ろしいスピードで走る。というかもう空き地を抜け出し、森に入ろうとしていた。

 

 

 

 

 

「ちょちょちょちょ!?待ちなさーい!!?」

 

「くっ!!」

 

 

 

 

 オールマイトは思わず全力を出して2Bに追いついた。そのせいで大きなクレーターが一つ増えた。地面は2Bのボムとオールマイトの全力の蹴り出しによってボコボコだ。いや、殆どオールマイトによる被害だ。きっとそうに違いない。

 追いつかれ、その上回り込まれた2Bは止らざるおえない。

 

 そうして状況は現在に戻る。

 

 

 

 

 

 5mもない距離で睨み合いながら、2人は思考を巡らせる。2Bはこの場の逃走方法を、オールマイトは目の前の少女のことを。

 オールマイトは少女のことを知っている。正確には、2Bが所属していたヨルハ部隊とヨルハ計画、そしてそれらがアメリカで起こしたヨルハ事件について知っている。もっと正確に言うと、オールマイトはその事件の当事者だった。

 アメリカ留学時代に知り合ったFBIから協力要請を受け、そのアンドロイドの部隊を鎮圧するヒーローチームのメンバーとして参加したのだ。

 当時はそれなりに場数を踏み、オールマイトはヒーローとしての貫禄を感じていた。日本の誇る平和の象徴としての実感を。

 だがその事件の顛末は、彼がヒーローになって最もやるせないものとなった。とても酷く、惨たらしかった。

 

 

 とにかく、そのような経緯から2Bに対して過激な対応をした。

 だが、この白い髪の少女はこちらを一切攻撃しなかった。重力のドームも爆弾も威力が弱く、こちらに危害を加えるものではなかった。

 少女は、ひたすら逃亡を図っていた。

 

 

 もしかしたら話し合えるかもしれない。

 ヒーローとして、そんな考えがオールマイトに浮かんだ。

 

 

 

 

 

「Hey、少女。私の名前はオールマイト。ヒーローをしている。少女の名前は?」

 

「?、、、2B(トゥービー)

 

2B(トゥービー)、君は人を傷つけようと思っているかい?」

 

「、、思わない」

 

「そうか。それじゃあ次の質問だ。君の目的はなんだい?」

 

「、、自分の人生を生きること」

 

「フッ、そうか」

 

 

 

 

 

 オールマイトは少女の純粋な願いに思わず笑いながら、警戒を解く。

 2Bは突然の笑いに疑念を抱き、眉を上げる。

 

 

 

 

 

「2B、いきなり攻撃をしてすまなかった。私は君たちのことを知っていたから、ついつい過敏になってしまった」

 

「、、そう。こちらにこれ以上危害を加えないならいい」

 

 

 

 

 そうして、やっと2Bも警戒を解く。わずか数分の出来事だが、かつてないほど濃密な数分間だった。

 それとオールマイトに同時に聞きたいことができた。

 

 

 

 

 

「もしかしてオールマイトはヨルハ部隊の鎮圧に参加していた?」

 

「ああ、アメリカのFBIに知り合いがいてね」

 

「、、アンドロイドたちに生き残りはいた?」

 

「、、すまない。事前に部隊から離反した者を除いて全員、、、」

 

「、、、そう。何人かは生き残ったのね。」

 

 

 

 

 顔を上げ、空を見上げる。綺麗な空が見えた。その光は、とても美しい。

 

 2Bを覗いて、アンドロイドたちは全員死んだと思っていた。2Bがその引き金を引いたと。

 だから、何人かが生き残ってくれて良かった。心の底から嬉しく思う。

 

 

 

 

「2B、君は何故日本にいるんだい?生き残ったアンドロイドたちはアメリカ政府に保護されているはずだが」

 

「私も当時はアメリカにいた。本当だったら私も死んでいたんだけど、9S(ナインズ)、、友人が日本にあった予備の義体に私をインストールしてこうなった」

 

 

 

 

 義体とは、2Bたちアンドロイドのボディの基となる体だ。例え体が大破しても、その機体のデータが残っていれば、義体にインストールすることで復活することができる。

 

 

 

 

「日本に義体が?」

 

「そう。私たちを作ったフローレス博士は、元々日本でアンドロイドを研究していたみたい。調べてみたけど予備の施設を幾つか作ったと、私が目覚めた場所にデータが残っていた」

 

「そうか、フーム。博士はアメリカに拠点を置いていたから、それは盲点だったな」

 

「多分大丈夫。場所はデータになかったけど、私が起動した時点で大分基地は傷んでたし、電力も殆どなかった。10年も立ってるし他の拠点も、電力が切れて使い物にならないと思う」

 

「ふむふむ、そうかそうか。ん?2Bはこの10年間、その基地にいたのかい?」

 

「いや、凄く古いしダサかったから起動してすぐに壊した」

 

「壊した?!ダサいという理由で?!!」

 

「うん。その後は使われてない屋敷と森で10年過ごしてたけど、いい加減外に出ようと思って」

 

 

 

 

 

 2Bはギガントマキアのことは言わなかった。理由は単純で、彼女は自分を殺しかけた(ヴィラン)のことをすっかりド忘れしていた。喋らずに2Bの右後ろで浮遊していたポッド042から、呆れたような視線を感じる。何故だ。

 それはそうと、オールマイトは2Bの奇行にすっかり笑ってしまっていた。

 

 

 

 

 

「HAHAHAHAHA!2B少女、君はアンドロイドとしては変わってるねぇ!!」

 

「そうかな?」

 

【ポッド042から2Bへ:本日遭遇した対象、ギガントマキアについては報告しないのか】

 

「あ、そうか。オールマイト、そもそも私が森から出てきたのは、山のように大きくて強い(ヴィラン)に狙われたからなんだ」

 

「なに!?2B少女から見ても、その(ヴィラン)は強かったのかい?」

 

「うん、とても強かった。スピードはともかく、パワーはオールマイトに近いかも」

 

「そんな(ヴィラン)が?!」

 

 

 

 

 パワーがオールマイトに近い(ヴィラン)。それは一般市民にとってはとても危険な存在だ。オールマイトのパワーは類を見ない威力を誇り、身体強化系の個性のヒーローは沢山いるが、オールマイトを超える者は1人としていない。

 その威力は、拳を振り上げるだけで天候を帰ることが出来るほどだ。

 

 

 

 

「昼間に遭遇したし、もうどこか遠くに逃げてると思う」

 

「そうか、、、。これは近いうちに塚内君に相談しないとな。ああ!そうそう、2B少女。君はこれからどこに行く予定だったかな?」

 

 

「特に予定は無いけど、強いて言うならお金を稼ぐ手段を探しつつ、夜の間に遠くに行こうかなって。この服とポッドが目立つし」

 

「そうかそうか。ふむふむ、、よし。2B(トゥービー)少女!!」

 

「?はい」

 

 

 

 

 

「君、ヒーローにならないかい?」

 

 

 

 

 

「、、、、はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 突飛な質問に困惑する。正確無比なポッド042も、思わずその思考回路をストップさせてしまった。

 私がヒーロー?アンドロイドの私が?ヒーロー?

 オールマイトは、まるで名案だと言わんばかりの満面の笑みだった。どうやら冗談ではないらしい。

 

 

 

 

 

 

「、、なんでヒーロー?なんで私を?」

 

「いやね、君お金に困ってるだろう?それなら君のその力を活かせばいいんじゃないかと思ってね!」

 

「、、私はヒーローになんてなれないよ。その資格がない」

 

「そんなことはない。現にアメリカで、ヨルハ部隊の一員だったアンドロイドがヒーローをやってるぞ!」

 

「え?!」

 

 

 

 

 衝撃的なことを聞いた。日本のテレビしか観てなかったから気づかなかった。え?ヨルハの兵士がヒーロー??

 

 

 

 

「その少女本人の希望でね、人の役に立てることがしたいって。当時私もそれに協力してね。一時期私のサイドキックとして手助けをしたよ」

 

「、、その子はヒーローになれたんだ」

 

「ああ、8年前から自立して、もう立派なヒーローだ!確かアメリカのヒーロービルボードチャートでも上位のランキングだぞ!」

 

「、、ハハ」

 

 

 

 

 

 さっきから驚きの連続だ。人と関わる資格がないと森に引きこもっていた2Bと比較するように、人を守り、助け、認められているアンドロイドがいた。

 正直、、、。

 

 

 

 

「羨ましいかい?」

 

「!」

 

「あの少女は言っていたよ。アンドロイドは人の役に立つために生まれた。罪を償う意味でも私はヒーローになるって」

 

「、、、、、、」

 

「私は確信しているよ。君は彼女と同じだ。強く、優しい。何より君のその力は人を守れる!」

 

「、、でも方法が解らないし、お金もない」

 

【報告:ヒーロー免許の為の仮免試験に合格した後、本免許を取得することでヒーローと名乗ることが可能】

 

「こ、コラ!」

 

「おいおい、ポッド君もこう言ってるんだぜ?それにお金その他諸々の支援ぐらい私がするさ!」

 

「どうしてそんなに、、?」

 

「何故って?ヒーローだからさ!ヒーローってのは余計なお節介を焼くものだぜ?」

 

 

 

 

 

 

 ああ、この人はすごい。私たちアンドロイドがどういう存在か理解しているはずなのに、それでもこんなことを言ってくれる。

 実力だけじゃない。この心の強さがこの人を平和の象徴たらしめるんだ。

 

 オールマイトは2Bに手を差し伸べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、2B(トゥービー)少女!ヒーローになろうぜ!!」

 

 

 

 

 




小説書いてばっかりだけど、学業を疎かにしてはいけないネ

だけど気づいたら書き、気づいたら数時間経っているのである
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