この世界は人とポケモンが暮らす世界。ポケモンは不思議な生き物で、その種類は700を越え同じポケモンでも地方が違えば姿やタイプも違う。道具を使えば強くもなるが、パートナーと心を一つにしなければ使えない。
また、別の世界から『何か』がやってくることがある。
この物語はアローラ地方を舞台に・・・
赤い帽子をかぶった少年サトシ、電気ネズミポケモンのピカチュウとアローラスクールのクラスメートと大人達
そして、『何か』がやってくるものの物語・・・
ここは、ポケモンの世界のアローラ地方。そのポケモンスクールの裏の森で生徒一同がポケモンを探し歩いていた。その中の一人の少年サトシは、どんなポケモンに会えるのかと期待に胸を膨らましていた。
「そろそろ野生のポケモンに出会えそうな気がする!楽しみだなぁ~!!」
「本当なのか?お前のその勘。」
「絶対来るよ!私もそんな感じがするもん!ところで、サトシはどんなポケモンをゲットするの?」
「んー、今のところはまだわからないや。とりあえず、どんなポケモンがいるのか見てみたい!」
「そうだね、サトシにとってこの地方の野生のポケモンは初めてだもんね。」
「ハァー・・・ボクもう疲れたー・・・。」
そうやって話が盛り上がりながら進んでいると、目の前に見たことのないポケモンがいた。
「あっ、見たことないポケモンだ!」
「あれはミミッキュですね!私、本で読んだことがあります。確かタイプは・・・」
『おっと、そこから先は僕にお任せロト!ミミッキュ、ばけのかわポケモン。ゴースト・フェアリータイプ。ピカチュウそっくりの布切れをかぶっていること以外は、正体不明の謎多きポケモン。中身を見ようとした学者は、ショック死したと言われている。』
「よーし、行くぜピカチュウ!ミミッキュをゲットしようぜ!」
「ピッカッチュウ!」
サトシとピカチュウが初ゲットに向けて気合いを入れようとしたその時…
「ニャアアアア!!!ダンナぁぁぁ!!止まってぇぇぇ!!!」
「よし、ここでいいか?」
いきなり横からまた見たことのないものが現れた。鋭い牙と爪を持った全身が緑の鱗に覆われたトカゲ(?)と、その上に黄色いぬいぐるみのような猫(?)がいた。
「ニャア…ダンナ飛ばしすぎなんだニャ…。」
「すまんな。あの時は逃げることしか考えてなかったんでな。」
「それでもこっちのことも考えてほしいのニャ…。」
「ロトム!あのポケモンは何て言うんだ?」
『ちょっと待つロト…どこにも登録されていないロト。もしかしたら新種のポケモンかもしれないロト!』
「あっ!そう言っている間にミミッキュがどこかで行っちゃいましたわ。」
サトシ達が突然現れたポケモンに気がいっている間にミミッキュは姿を消していた。
「じゃあ、ピカチュウ!今はあの緑と黄色のポケモンをゲットするぞ!」
「ピカァ!」
「ニャ!ダンナ、僕達人間に見つかったニャ!」
「しかも、向こうはやる気みたいだな。出来れば戦いたくないんだがやむを得ん。ニャー、お前は近くで指示をくれ。」
「わかったニャ。だけどダンナ、あまりやり過ぎないでほしいのニャ。」
「おぅ、わかった。」
そう言ってニャーが少し離れた後、戦いの構えをとった。
「ピカチュウ、アイアンテールだ!」
「ピカ!チュー、ピッカァ!」
サトシの指示を受けて、ピカチュウがアイアンテールを放つ。
「ダンナ、しっぽうちニャ!」
ピカチュウのアイアンテールを、指示を受けた緑のポケモンがしっぽで打ち合い相殺する。
「やるなぁ!ならこれだ!!ピカチュウ、エレキボール!」
「ピカピカピカ、チュピィ!」
「ダンナ、ファイアボールニャ!」
尾から放たれたエレキボールを今度は火の玉で打ち消した。その後ピカチュウは、何とか体制を立て直す。
「大丈夫か?」
「ピカピカ!」
「よぉし、お次は」
「まだ来るニャ!?」
「ちょっと待ったー!」
突然の声に驚いているサトシ達と緑と黄色のポケモンの前に、4つの影が立ち塞がった。
「何だお前達は?」
「何だお前は、と聞かれた」
「ダンナ、ファイアボール!」
「「「ギャー!!!」」」
「ソォーナンス!」
突然現れた二人と二匹に向かって緑のポケモンが火の玉を放った。
「ちょっとアンタ!何すんのよ!!」
「まだ名乗り終わってないのに、攻撃するなんて卑怯だぞ!」
「そうニャ!最後まで聞くニャ!」
「ソーナンス!」
「そうニャ?それはゴメンなさいニャ。」
「それじゃ、改めて…何だお前達は、と聞かれたら」
「聞かせてあげよう、我らの名を」
「花顔柳腰羞月閉花。儚きこの世に咲く一輪の花!ムサシ」
「飛竜乗雲英姿颯爽。切なきこの世に一矢報いる悪の使徒!コジロウ」
「一蓮托生連帯責任。親しき仲にも小判輝く悪の星!ニャースでニャース」
「「ロケット団、参上!」」
「なのニャ!」
「ソーナンス!」
長ったらしい口上とともに現れたのは、サトシお馴染みのロケット団だった。
「つまり、悪の組織ってとこかニャ?」
「そうだ。あいつら、人のポケモンを奪う悪い奴らなんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、皆自身のポケモンをかばうように動いた。
「その通り!なかなか鋭いじゃないそこの黄色いポケモン。しかも喋るなんて珍しいわね。」
「そこの二匹も含めてお前達のポケモンは全員俺達ロケット団がもらう!」
「ついでにミミッキュもね。あの子見つけたのは、あたし達が先なんだから!」
「どうやら僕達、格好の獲物みたいだニャー。」
「あぁ。しかもポケモンって一体何だ?やはりここは俺達がいたところじゃないようだな…。」
二匹が話している時に、ニャースがピカチュウに襲いかかった。ピカチュウはそれに対して冷静に対応、サトシの指示で宙にいるニャース目掛けてエレキボールを放った。当たると思ったその時、シャドーボールが飛んできて攻撃が相殺された。
「ミミッキュ!おかげで助かったのニャ!」
シャドーボールを放ってきたのはミミッキュだった。そしてそのままニャースを守るようにサトシ達の前に立ち塞がった。何でもピカチュウに対して憎しみを持っているようで、ロケット団に手を貸すことにしたようだ。
その直後、また別の方向から光線が飛んできたがミミッキュはそれを避けた。
「誰ニャ!」
「僕ニャ。」
声のした方向には緑と黄色のポケモンがいた。その二匹のポケモンは、ピカチュウやサトシ達を守るように立った。
「お、お前ら…」
「悪い奴らだとわかった以上、話が早いニャ。ここで倒すニャ。僕と同じようにニャーニャー喋っていてムカつくニャ。」
「あぁ。アイツら見てるだけでイライラする。手を貸すぞ。」
謎のポケモン二匹組はサトシ達に手を貸すことを決め、本当のバトルに発展すると思ったその時。
ガシッ
「あ、あれ?」
「や、何何何?」
突然ピンクの熊のポケモンが出て来て、ロケット団の二人をかかえて何処かに連れ去っていく。
「あのポケモン…」
『キテルグマ、ごうわんポケモン。ノーマル・かくとうタイプ。フレンドリーに腕をふるが、これは警戒の仕草。うかつに近寄ってはいけない。圧倒的な筋力を持ち、非常に危険。』
「非常に危険…」
その後、残されたニャース達は二人を追う為に素早く退散していった。
「行っちゃったね。」
「何だったんだろう?」
「結局、ゲット出来なかったな。」
「でも、アローラ地方にはまだまだたくさんのポケモンがいます!」
「へへっ、そうだな。あっそうだ、お前達ありがとうな!」
「気にすることはないニャ。」
「そうだ。俺達からしたら気に入らなかった。それだけだ。」
『キミたちは一体何て言うポケモンロト?僕の図鑑にも載ってないようだけどロト…』
「僕の名前は【ニャー】ニャ。そして、こっちのダンナの名前は【ロードランナー】ニャ。」
どちらも聞いたことの無い名前だ。新種のポケモンだろうか?そう考えていると彼等から衝撃の言葉が出た。
「僕達はポケモンじゃない。さらに言えばこの世界の住人じゃないニャ。」
「俺達はこことは別の世界から来たんだ。」