外伝なのでぐんちゃんの出番は少なく、そして短めです。
……もともと本編もこれくらいにするつもりだったんだけどなぁ。
昼休み。讃州中学は昼休みの間に昼食をとるようになっており、基本的に弁当を持ち込んで友達とかと一緒に食べたりする。僕の昼食は基本的に一人だけどたまに高嶋さんに誘われることがあり、今日は一緒に食べることになった。だけど、今日の昼食には珍しい人がいた。
「先日は本当にすまなかった」
「尾行のことならもう気にしてないよ? 昨日は心行くまで乃木さんボッコボコにしたし」
深々と謝罪する乃木若葉さんであった。加えてもう一つ珍しい要素がある。
「そう言ってくれるのならありがたいんだが……なんでさっきからキョロキョロしてるんだ?」
「乃木さんがいるのに上里さんがいないのがなんだか不自然で。もしかしてどこかから上里さんが監視してたりしない?」
「そんな訳があるか」
「えっ、そこのロッカーに隠れてこっそり若葉ちゃんの写真を撮ってるんじゃないの?」
「友奈までそれを言うか!? いかん、本当に不安になってきたぞ。ひなたは勇者部の活動に行っているはずだが……まさか、なぁ」
苦い表情で掃除用具入れのロッカーを確認する乃木さん。残念ながらというべきかロッカーの中には誰も入っていなかった。乃木さんはほっと一息ついたけどそんなに不安だったのか。
「正直に言うと割と不安だ。こっちに来てからひなたが私を撮影する頻度がだいぶ上がっていてな……これ以上恥ずかしい写真を撮られてたまるか」
「恥ずかし……えっ?」
恥ずかしいっていうことは、いわゆる女湯的な写真撮ってるのか……上里さんってそういう人なのか……。僕が考えていることが分かったのか、乃木さんは若干赤面しながら否定する。
「そ、そういう写真じゃないぞ。寝顔や気が抜けた瞬間をあいつはよく撮影するんだ。お前だってそういう写真を撮られるのは嫌だろう?」
「なるほど、そういうことね。それは確かに嫌だなぁ」
「そういう写真? ねえ、高橋君。それってどういう写真なの?」
「高嶋さんは知らなくていいよ」
「ええー?」
きょとんとしながら首をかしげる高嶋さん。いつまでも純粋なままでいてください。
「ところで高橋。今日の放課後が開いているのなら昨日のリベンジがしたいんだがいいか? 我ながら結構な負けず嫌いでな……負けっぱなしというのは性に合わないんだ」
「よしこい。熟練ゲーマーの腕前を見せてやる」
「あ、それなら私とぐんちゃんも混ぜてよ。高橋君の家からまるちたっぷ?を持ってきたからこっちでも四人で遊べるしね」
「「……いいぞ」」
「……あれ? なんで一瞬迷ったの?」
高嶋さんが強すぎるからです。昨日何度もプレイしたけど一番一位になった回数多いの高嶋さんだから。僕も執念で何回か一位を勝ち取ったけどそれが限界というヤバい状況だった。正直参加させるかどうか迷ったけど、みんなで遊んだほうが楽しいし高嶋さんも参戦させよう。
「そういえば二人とも勇者部所属って聞いたけど、勇者部の人で他にゲームできる人とかいないの? 結構部員が多いって聞いたから一人や二人はいそうだけど」
「どうだろうな。ここに来たばかりの頃に千景がゲームショップについて皆に聞いていたことがあったが、他の人はゲームについて詳しい様子はなかったからいないと思うぞ」
「勇者部でゲームしてるのって私とぐんちゃんと若葉ちゃんだけかなぁ」
「勇者部のゲーム人口少ないな!? 部員が結構いるのに三人だけって……となると高嶋さんと乃木さんがゲームできるのが意外だなぁ。二人ともどっちかっていうとアウトドア派に見えるし」
「私も若葉ちゃんも体動かすのは大好きだからね。それにゲーム始めたのもつい最近なんだよね」
「えっ、二人ともあんなに上手いのに始めたのが最近なの!?」
「うん。ぐんちゃんと出会って少ししてから一緒にゲームするようになったのが始めたきっかけだから私が始めたのは二年くらい前だね」
「友奈はそこからだったか。私は千景と仲良くなりたくて始めたのがきっかけだったが、あれから半年も経ってないな」
「高嶋さんは最近と言っていいのか少し微妙だけど、乃木さんはガチで最近だった。それであんなに上手いとか乃木さんゲームの才能があるよ」
「ゲームの才能か。前に千景にも同じことを言われたよ。あの後に初心者向けゲームを20本も持ってきたのは驚いたな」
何やってんの郡さん。しかし、二人とも郡さんがきっかけでゲームを始めたのか……郡さんってゲームの腕前だけじゃなくて布教力も高いのか。羨ましいなぁ。
「くしゅんっ!!」
「うわっ、急にどうしたのよ千景?ははーん……誰かが千景の噂話をしてるのかしら?」
「……そんなわけないでしょう。せいぜい噂話と称した私の陰口よ」
「あなたのネガティブ思考は深刻ねぇ……もっと元気に行きましょうよ。アタシみたいに女子力高めれば陰口とかそんな陰気なものは一切出てこなくなるわよ?」
「あなたのそれは女子力の皮を被った別の何かよ。実際、女子力がない私でもあなたの弁当が女子力高くないことは十分に見て取れるわ。明らかに量が多すぎるでしょう」
「いや、これ千景に分けてあげようと思って多めにしてあるんだけど。小食だといつかお腹がすいて倒れちゃうわよ。ほら、好きなおかずを持っていきなさいな」
「はぁ……仕方ないわね、少しだけもらってあげるわよ」
「……夏凜と同じツンデレタイプね」
今回入れたネタ解説
讃州中学は昼休みの間に昼食をとるように~
讃州中学は生徒が弁当を持ち込んでいたりと給食制度はない模様。恐らく昼休みに各自で食事をとっていると推測される。
まるちたっぷ?
周辺機器の名前を微妙に覚えてない高嶋さん。
千景がゲームショップについて皆に聞いていた~
ゆゆゆいの高難易度報酬シナリオのこと。
結城「トランプとか欲しいの?」東郷「遊戯なら花札ね」
ちなみに神世紀組は公式四コマの描写によると麻雀もできる。
どんだけアナログゲームに特化してるんだ。
アナログゲームはトランプやボードゲームくらいならそのうちやるかもしれない。