作中の時系列が夏以前の梅雨なのに、
更新だらだらしてたら現実でまた梅雨を迎えるという
オオポカをやらかして隠れる穴を探しております。
すっごく申し訳ない……
▶にっしをよみかえす
にっしをしょぶんする
ゆうしゃテストLv.1のにっし
▶ゆうしゃチカゲLv.14のにっし
にっしはありません
ボウケンをオモいダしますか?
▶はい いいえ
「……ゲームを始める時に毎回聞かれるこれって、何かの伏線なのかしら?最初に読み聞かせみたいな形の会話もあったし結構不思議なつくりね、このゲーム」
いつも通りの放課後のゲーム時間。4人そろってゲームを始める準備をしていると郡さんがふと呟いた。お菓子とお茶の準備を済ませたので台所からテレビ前へ合流する。
「普通にセーブデータって書けばいいのにわざわざ日誌だとか、思い出すとか書いてるって言うのはちょっと怪しいかにゃぁ。千景、本棚とかそういうのがあったら調べてみない?」
「本棚?」
「うん。セーブデータをわざわざ日誌って書くくらいだからこの世界にある本には何か特別な意味があるんじゃないか、って気がしててね」
「なるほどね。どこかに日記とかあったら内容メモしておこうか?暗号になってて後で必要になったりするのかもしれないし」
「暗号かぁ……日記に書いてたお昼ご飯の代金が金庫の番号になってるとか?」
「高嶋さん、それこの前勇者部で企画した商店街の謎解きイベントの暗号よ」
「あはは、そうだったね。高橋君も遊びに来てくれてたっけ」
「……犬吠埼の部長さんの方が肉うどん複数注文してて金額計算めんどかった……」
「食べ過ぎがまさか暗号になるとはにゃぁ……」
勇者部って普段何やってるのかふと疑問に思う。犬や猫の捜索、商店街のごみ拾い、町のイベントの手伝いとか活動内容の幅が広すぎて何をやっているのかこの学校で一番謎だと思う。裏で世界を救うヒーローやってても驚かないかも。さて、今日もゲームの世界を冒険しよう。そんなお話。
ファミコン時代のRPGと言えば、ファンタジーな世界観がモデルであることが多い。
突然復活した魔王が世界中に魔物をばらまいて世界は壊滅状態、さらに王国のお姫様もさらわれて大ピンチ。どうしようにもない窮地に立ちあがったのは剣を携えた勇者、っていうやつ。
魔王の立場にいるのが敵国の王様だったり、最初に倒したボスがタイムスリップして進化した奴だったりと作品によって大差があるし、お姫様がいなかったりするけど大体そんなストーリー。
今回プレイしてるブレイブダイアリーはファンタジー世界だけど、初期時点で他の勇者の手によって世界が救われてるのがちょっと珍しい感じ。
「……平和な世界で普通に生きてたのになんで冒険に行かなきゃならないのよ」
「み、身も蓋もない!」
ゲームが始まるとお母さんに起こされたチカゲは家の前で待っていた友達と一緒に学校に登校することになり、村人に話しかけても平和な雰囲気だった。
「あ、この友達高橋くんに似てるような……」
「んー……赤い髪の男の子ってとこしか似てないんじゃない?」
「説明書があればイラストも見れたんだけど、中古で買ったからカセットしかないのが痛いや」
学校につくと友達と一緒に教室に入った。そして、先生から出席を取られる場面になると友達の名前入力画面が出現する。
「ということはこの友達が最初の仲間っぽい?」
「なるほど。……タ、カ、ハ、シ。これでいいかしら」
「え、郡さんの最初の仲間が僕でいいの?高嶋さんじゃなくて?」
「ええ。髪の色が赤とはいえ、性別が男って言うのは流石に違うでしょう?……それに、昔のゲームで最初に仲間に入るキャラって、途中離脱したり役に立たないことがあるって聞いたことがあるから」
「ちょっとー!?」
「ゲームの中とは言え、高嶋さんに裏切られるのは嫌だから」
「僕ならいいの!?」
現実でちょっと物議をかもしつつも、ゲームの学校では歴史の授業が始まったので、説明書を持ってない初心者も安心して世界観を理解できる安心設計……なんだけど割と複雑な模様。大体100年くらい前に魔物が現れたのと同時に神様が特別な力を授けた勇者達が現れ、長い戦いの果てに魔物は数を減らして今では平和になったそうな。
なぜか僕以外の三人ともがこの授業を聞いて微妙な顔をしていた。
「……どうかしたの?」
「いえ、なんでもないわ。前に犬吠埼さんが企画してた劇の展開に似てる気がしただけよ」
ふむ。犬吠埼さんも昔このゲームやったことがあるんだろうか?いつか聞いてみよう。
それから体育の授業で模擬戦という名の戦闘チュートリアルを済ませて――チカゲは剣使いなのに対してタカハシは銃使い。ファンタジーじゃないわね、とからかわれた――放課後になると、二人で学校の裏山に行くことになった。なんでも今晩は数年ぶりに流星群が見えるそうで、二人で見に行くそうな。
「ははーん……この二人、最初は幼馴染かと思ったけど実は恋愛関係と見た」
「そうなのせっちゃん!?」
「ただの友達が遅い時間まで出かける、ならまだありえそうだけどこの二人は女と男でしょ?こんな夜にお出かけとかロマンチックだよ。実はデートだったりするかもね」
「……そうだとしたら、どこかであなたと別れるシーンがありそうね」
「なんで僕を見ながら言うのかな……絶対感動的なシーンにならないよね、これ。その時が来たら郡さんがやっぱりそうだったじゃない、って笑うでしょ」
「否定はしないけど……でも、途中離脱する仲間に永続ステUPのアイテムを使って後悔するよりはそれを笑えた方がいくらかマシじゃないかしら」
「あー……」
「た、高嶋くんが遠い目をしてる……」
ゲーマーにしかわからない悲しみに浸りながらも、夜を迎えた町をチカゲとタカハシは歩いていく。山の上の展望台にたどり着いた二人は星空を見上げる――
チカゲ「そうか?まだナガレボシがミえないぞ」
タカハシ「まだヒがオちたばかりだよ。ほら、さっそくみつけた!あそこ!」
チカゲ「どれだ?」
タカハシ「アレだよ、アレ!ほら!!」
チカゲ「……ん?アレか?なるほどな。ただ、ヒトツいいか?」
タカハシ「どうしたの?」
チカゲ「こっちにチカづいてきてるようなキがする」
タカハシ「ハハハ、そんなまさか……ほんとうだーっ!!」
チカゲ「いわんこっちゃない!にげるぞ!!」
「……私、こんなに男っぽいことは言うつもりはないんだけど」
「あー、確かに。ちょっと男みたいな喋り方で、タカハシは女っぽいよね。これ多分セリフが性別で変わるとかやってないんだろうなぁ。この頃のゲームって容量が少ないし」
「急展開なのに二人ともあんまり驚かないんだ……わっ、地面に流れ星が落ちたよ!」
色んなゲームで慣れてますから。テレビの中の二人の会話をそこそこに聞き流しながら、郡さんは流れ星を調べるように操作していく。流れ星を調べると、それはどうもカプセルのような見た目で。カプセルのハッチが開くと、中にいたのは眠っている一人の女の子だった。
その女の子を見たチカゲはこういった。
チカゲ「ハジマリの……ユウシャさま?」
「……ほほーう?」
チカゲのその言葉を見て、秋原さんが面白そうに笑った。流れ星から出てきた始まりの勇者、それを見つけたのは一般人の二人組。面白そうな冒険が始まりそうで郡さんと高嶋さんはワクワクしている……僕もそうなんだけど、ニヤりと笑う秋原さんにわき腹をつつかれた。耳元で囁かれる。
「ねぇねぇ、高橋くん。ちょっと質問なんだけどさ」
「な、何?」
「明らかにオープニングなのに、3人しかいないよね。4人目、どこ?」
「あっ」
そういえば当時のRPGは3人パーティのやつもあるんだったか。当時大人気だったRPGなんかもは二作目が3人、三作目から4人にだし。もしかしてこのゲーム3人パーティか?
「……人を脅して連れてきたのに出番はないのかー、あはは?」
「ひいっ、笑い声が怖い……!」
「これで4人目いなかったらラーメンおごり、ね」
「……はい」
不思議そうにこっちを見つめる郡さんと高嶋さんの視線を受けて、秋原さんは楽しそうに笑い僕は顔を青くした。今月は財布の中身がもうピンチなんですがどうしろと!?
なお、4人目はちゃんといました。眼鏡をかけた魔法使いで、どうやらチカゲのおばあちゃんらしい。例の流れ星から出てきた女の子には郡さんが迷わずユウナ、と名付けたので秋原さんは4人目確定。ゲーム内とは言え流石におばあちゃんなのはちょっと可哀そうでした。
「……とまぁ、ちょっと役には不服だったけど面白い感じに進んでるよ」
千景と関係を深めたいので、それに想いをよせているらしい男の子を利用しよう、なんて私の少し姑息な作戦は今のところ順調。ここ一週間で声をかけられたときは、勇者部の活動やそれ以外の用事の支障にならないようであればなるべく一緒にゲームを楽しむことにしている。
「楽しそう、って?あはは、まあまあね。ゲームはそんなにしない方だけど本とかは読む方だから物語を見てるだけで楽しいし。あ、読書量は流石に杏ほどじゃないけどさ。ま、ほどほどだよ」
空から降ってきた始まりの勇者――あの世界で最初に誕生した勇者らしい――にそっくりな女の子には記憶が全くなかった。過去も名前も友達も全部忘れたけど、戦い方だけは覚えていた。
そんな女の子を見たチカゲのおばあちゃん……まあ、セッカって名前がついちゃったけど。セッカは女の子の記憶を探す方法として、みんなで冒険に出ることを提案した。過去に始まりの勇者の仲間として活躍した人々が住んでいた町や、築いた王国をめぐって女の子について調べる冒険。
今はその旅の途中で洞窟を抜ける必要があるんだけど、これが難しい難しい。だから今はレベル上げ?をしたりお金稼ぎをしているところなんだけど。
「やっぱりさ。どうもところどころおかしいんだよね」
魔物は空から降ってきた。勇者は神に選ばれた。既に魔物の数は減って平和になって、勇者はこの世界にはもういない。あの世界で描かれている過去が、神世紀のこの四国と何かつながっている気がする。それはまるで――
「神託、とまでは言わないけど予知の類だと考えてるんだけどどうかな?」
「……どうでしょうね。神樹様の神託も予知に近い類の物は何度かありました。ですが、それはあくまで巫女が神樹様から受け取ったイメージでしかないんです」
「ふむふむ。それをゲーム化した誰かがいたのかにゃー。なんて、おちゃらけたいところだけどやっぱりちょっと複雑だよね、ひなた」
夜の寄宿舎。私の部屋に呼び出してこれまでの経緯を聞いたひなたは頷いた。
勇者部に所属している女の子のほとんどはかつて空から降り注いだ化け物と戦う力を授かった勇者。それを支える存在であった、という巫女の上里ひなたにこの世界、神世紀という時代では消えているはずの勇者の痕跡があった、という怪しい部分を報告していたのだ。
彼女は勇者部の中でもかなり裏の方に手を染めている気がして、彼女だけに相談すべき出来事だと私は判断したのもあるが。なお、それを尋ねると「気のせいですよ?」と笑われる。
「ま、そういうことだから機会を見てあのゲームについていろいろと調べてよ」
「わかりました。幸いこの時代では私の子孫が築いた上里家はかなりの力があるみたいですし、何かは見つけられるかと。勇者絡みなら尚更です」
「こっちも何か気づいたらまた連絡するよ。ま、千景や友奈がそっちに言うかもしれないけど」
ケラケラ、と笑いながら話した。やれやれ、予想外の方向に進んできちゃったよ。これが勇者部の関係にヒビを入れるような事態にならないといいけど……
もう、あんな冷たい場所はごめんだよ。ましてや、それを自分の手で作るようなことは嫌だ。
「あ、それはそれとしてゲームの攻略情報が何かあったらよろしく。あの高橋くんもネットで調べてたみたいなんだけど、全然ないんだよね、これが」
「は、はぁ……構いませんが、何かあったんですか?」
「……千景がゲーマー、って言うのは聞いてたんだけどちょっと予想してたベクトルと違ってて。低レベルだったり初期装備だったりと自分で難易度上げてプレイしようとしてて……その、それは別にいいんだけど結構苦戦してるみたいだから手助けしたくてさ」
「ふふっ、そういうことですね。わかりました、伝えておきます。雪花さんは優しいですね」
「生憎とそれくらいしか取り柄がない女ですから。ひなたみたいに恵まれたそれとかないし」
「む、胸の話は余計ですっ!!」
・犬吠埼の部長さんの方が肉うどん複数注文してて金額計算めんどかった
勇者部で一二を争う大食漢……漢?な勇者こと風先輩。動画配信サイトで勇者部の宣伝をやるっていう話でその大食い企画が出てたりと割と知名度はあるらしい。
・突然復活した魔王が世界中に魔物をばらまいて世界は壊滅状態~
龍の依頼とかその代名詞ですよね。ちなみにタイムスリップしたボスはいろいろありますが最後の幻想を想定しております。
・途中離脱したり役に立たないことがある
クッキーだっけ、カインだっけ、あるいはすけさん?とにかく合流が割とめんどくて思わず「いやー さがしましたよ。」なんて言いたくなる王子様。近年では割と強いことが発覚してたり。
・途中離脱する仲間に永続ステUPのアイテムを使って後悔する
どのRPGでもよくある話です。しかも離脱フラグがわかりにくいと尚更……
・地面に流れ星が落ちた
世代ちょっと先ですけど、SFCの現代社会風な世界を舞台にしたRPGがそういう始まりでして。
……あと一話でRPGの話終わるかどうか、ちょっと自信がない()
ただ遊ぶだけで話を終わらせられない私の悪い癖ェ!