ゲーム少年はぐんちゃんと遊びたい。   作:あおい安室

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ほんっとうにお待たせしました。まさかの年内に夏編が終わらないとは……
色々と申し訳ないです。まだまだ続く予定ではありますが、更新ペースも少しずつ速めたいです。


……とか言いつつも結構長いこと書きましたが。次回、次回こそは……!


ぐんちゃんと友達なゲーム少年。

 昨日の記憶がどこかぼんやりしてるけど、何か昨日衝撃的なことがあったっけ?とか授業中に考えている今日この頃。そういえば、昨日いつも通り遊んでたら郡さんが僕を『大切な友達』と呼んでくれたような……?おぼろげに嬉しい出来事を思い出して少し顔がニヤついたところで。

 

「──では、この問題を上の空な高橋くん」

 

「えっ」

 

 教員に当てられる事態が発生。まともに答えられず廊下に立たされまして。

 

 あのー。そこまで笑わなくてもいいでしょう秋原さん。休み時間にも笑いをこらえながらこっち来たし!今時本当に廊下に立たされる子がいるんだ……ってやかましいわ。

 

「なんかニヤニヤしてるなー、と思ってたら本当に立たされるんだもん。そりゃあ笑いますともー。で。何を考えてたんですかな、高橋くん?」

 

「別に。昨日のことを考えてただけだから」

 

「昨日っていうと、タマちゃん達と一緒にスイカを運んでたんだっけ。お勤めご苦労様です」

 

「スイカ?タマちゃん?何の話をしているのやら」

 

「ありゃ。違うこと考えてたの?」

 

「確かに違うこと考えてたけども。そんなことやった記憶がなくてね」

 

「ほほう、何やらミステリーの香りがしますな」

 

 タマちゃん、というのは多分勇者部部員の土居球子さんのことだろう。その土居さんと昨日スイカ運びをした覚えがない。しかし、そうなるとやっぱり僕は何か大事なことを忘れている気がするんだけど……。まぁいいか。多分昨日郡さんと遊んだのであれば多分高嶋さんも一緒だろうし、高嶋さんに聞けばいい。

 ちょうど隣の席で友達と喋っていた高嶋さんの背中をちょいちょい、とつつく。振り返った高嶋さんはいつも通り元気な笑顔を見せてくれた。

 

「どうしたの高橋くん?」

 

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど。昨日何してたっけ」

 

「えっとねー、昨日は結城ちゃんと一緒にランニングに行ったんだ。で、その帰りに見つけたうどん屋さんがすっごい美味しいところで!今度ぐんちゃんも誘ってみんなで行かない?」

 

「あれ、昨日は高嶋さんと一緒に遊んでない?」

 

「遊んでないよ?ぐんちゃんもランニングに誘ったんだけど「暑いから今日は遠慮しておくわ……」って。あ、それで高橋くんと一緒にゲームしてたーってぐんちゃん言ってたよ」

 

 ふむ。多分間違ってはいないと思う。相変わらず郡さんの真似は絶妙なクオリティだが。

 

「だとすると土居さんとスイカ関連は一体どこから来たのやら」

 

「スイカ?あっ、今日のイベントの話?」

 

「イベント?」

 

「うん。寄宿舎に住んでる皆で放課後にやる予定なんだー。高橋くんも放課後空いてたらいっしょにやろうよ。何をやるかは来てからのお楽しみ!」

 

「まあ、スイカ使う時点でもう予想はつくと思うけどねー」

 

「せっちゃんそれ言っちゃダメだよ!」

 

 ガクガクと秋原さんを揺さぶる高嶋さんが微笑ましいいつも通りの日々。何やら今日は勇者部で夏らしい一大行事的なことをやるそうで、高嶋さんに勧められるままに参加することにした。ふーむ、今日のゲームはどうやら肉体労働になる予感がした。今日はそんなお話。

 

 


 

 

 そして放課後。高嶋さんと秋原さんはイベント会場の設営に向かい、僕は寮へ郡さんを迎えに行くことになったんですけども。

 

「えっ……ゲームしないの?こっちの方が楽しいのに」

 

「うわぁ、やる気ないんだね郡さん」

 

 寮の入り口で待っていた郡さんに、イベントに参加する旨を伝えると驚かれた。寄宿舎に住んでる人なのにイベント──スイカ割りに対する熱意が全くない様子。

 

「そもそもスイカなんて包丁で均等に切れば良いじゃない。わざわざいびつな形に割る必要があるのかわからないんだけど。あなたもそう思わない?」

 

「それについては同意だけど」

 

「だから私は自分の分のスイカは既に確保してるし、後で自分で切って食べるつもりよ」

 

「自分の分が確保できるレベルにあるんだ……」

 

「ええ、見ての通り大量よ。土居さんが後先考えずにお礼でもらってきたから、寮に運び入れるのも一苦労。昨日のあなたもすごくヘトヘトになるまで運んでたわね」

 

 郡さんが指さした先には大量の段ボール箱。全部で20箱くらいあるそれを適当に一つ空けるとビッグサイズなスイカが顔を見せた。

 

「うわぁ、こんなのを運んでたんだ。記憶が飛んでたのもしかしてそれが原因?」

 

「……高嶋さんから聞いたけど、昨日のことは覚えてないのね。ええ、そうよ。終わり際には大分ふらふらだったし無理もないわ。あんな量をもらって帰って来る土居さんは何を考えてるのかしら」

 

「そりゃあ皆で遊ぶために決まってるだろ!」

 

「噂をすればやって来たわね……」

 

 ため息を吐きだす郡さんの視線の先には、ドアを勢い良く開いて現れた一人の女の子。

 

「もうそろそろ会場の準備もできるからなー。千景もスイカを持って移動するぞっ!」

 

「あのねぇ……私は別にいい、って言ったでしょう?」

 

「見てるだけでもいいんだってば。スイカ割りは割る人だけじゃなくて周りの人の掛け声もあるから面白いんだ。ほら、ゲームも一人よりみんなで遊んだほうが楽しいだろ。な、千景の友達もそう思わないか?」

 

「まあ、否定はしないけども」

 

 チラリと下から向けられた視線に苦笑しながら頷く。

 

 土居さん。土居球子さん。後、タマちゃん。隣のクラスに転校してきた勇者部部員で、郡さん高嶋さん達と同じ学校から来た女の子。で、何よりも特徴的なのは……背が低いということである。多分150cm切るくらいしかなくて一学年したどころか小学生でも通用しそうなレベル。

 

「いつ見てもうちの温泉に子供料金で入れるのも納得だ」

 

「ぶふっ!」

 

「んなーっ!?おまえそれどういう意味だ!?」

 

 ヤバイ、冗談のつもりがクリティカルヒットして土居さんキレた!助けて郡さん!

 

「子供……子供料金……!」

 

 何かツボに入ったみたいでくすくす笑ってて使い物にならない……。手をワキワキとさせている土居さんに言いようのない恐怖を感じて一歩後ずさる。

 

「ふっふっふ……実はな。タマは山登りが得意なんだ」

 

「う、うん?」

 

「男にやるのは癪だけど、揉みしだくことには変わりない」

 

「あ、そういうこと……いや、どういうこと!?尚更何をする気かわからないんだけど!」

 

「つまりだ。おまえの腹を死ぬほど揉みしだいてとことんくすぐってやるーっ!!」

 

「ぬわーっ!!!」

 

 教訓。土居さんは怒らせると意外と怖い。小さいからと侮ったのが不味かったか。

 

 

 ・

 

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 ・

 

 

 スイカ割り会場は寮の傍にある空き地に設営されていた。といっても、広げたブルーシートの周りにベンチが並べられただけの簡易的な会場。その周りには生徒たちがちらほら。さて、持ってきたスイカをどうしたものかと周囲を見渡していると乃木さんが気付いてこっちにやってきた。

 

「ようやくスイカが来たかと思えば、高橋が持ってきてくれたのか。球子はどうしたんだ?」

 

「別の場所にスイカ持ってく用事があるから、それが終わったらすぐに追加で持って行くってさ」

 

「そういうことか。わざわざすまないな、この埋め合わせはいずれしよう」

 

「これくらい気にしないで。それにしても結構人がいるんだね。高嶋さんからは勇者部だけでイベントをやるって話を聞いたんだけど」

 

「それが話がどっかから漏れたみたいでな。それで部長に相談したら「スイカは山ほどあるんだし、せっかくだからみんなでやっちゃいましょう」ということで、こっちでは皆でやることになったんだ」

 

「なるほどねぇ。あれ?ひのふの……ここにいる勇者部部員少なくない?」

 

 乃木さん、それに秋原さんくらいしか知っている部員の人がいない。勇者部には最近郡さん達転校生が加入していることもあって部員全員の顔と名前は知らないけれど、結城の方の友奈さんとか昔からの部員の姿が見えないから全員はいないのは確かだと思う。

 

「部員の半分くらいはプールの方に行っている。そっちでもスイカ割りをやってるんだが、あっちにいるのは泳ぎたい連中だけが中心なんだ。私はこっちの方が性に合うということで、な」

 

「とか言ってるけど実際はひなたさんに水着の写真撮られたくないからでは?ここにはどうやらいないみたいだし、向こうにいるんでしょ?」

 

「な、なぜわかるんだ……ひなたには内緒にしてくれ」

 

「ふふっ、了解。それにしてもプールでもスイカ割りやってんだ。よく借りれたね」

 

「勇者部に海が恋しい部員がいて、その人のために借りたついでだそうだ」

 

 なるほど。誰のことかはわからないけどすごく面白そうな人の予感がする。

 

「ところで、千景はどうした?てっきり一緒に来るものかと思ったんだが」

 

「土居さんと一緒にプールの方行ってる。多分高嶋さんがいるから向こうに行ったんだろうけど。今日の郡さん機嫌悪いのか、やる気がなさそうでスイカ割りは別にいいとか言ってるんだよね」

 

「そうなのか?特に変わった様子はなかったと思うが……何か心当たりはないのか」

 

「全然。むしろ僕よりも乃木さんの方が郡さんとは付き合い長いんだし、何か知らない?」

 

「……恥ずかしながら、千景と仲良くなったのは割と最近のことでな。聞かれてもその、困る」

 

「ダメかぁ……」

 

「すまない……」

 

「ダメ若葉……」

 

「その呼び方には異議があるぞ」

 

 ダメですか。

 

「ダメだ。それに私は人付き合いは得意な方とは言えないが……困っている友を見捨てるような薄情な人間ではない」

 

 私にいい考えがある。少しだけ待っていてくれ。

 

 そう微笑みながら告げる彼女はどこかかっこよくて、ゲームの中の勇者みたいだった。

 

 

 


 

 

 ちょうど同じ頃。

 

「──ってなってると思いますよ。その高橋くんっていう人も困ってるんじゃないかな、と」

 

「そう……流石に不味いかしら」

 

 讃州中学のプールでは勇者部の一同が遊んでいた。海が見たい勇者部部員、古波蔵棗のためにプールを貸し切ってビーチパラソルやベンチを設置するだけでなく、海の家っぽい料理を食べれるように準備したりと中々に大規模なことをやっている。

 

「そりゃあ不味いだろ……って銀行き過ぎだ!もうちょい前ー!」

 

「ミノさんカムバーック!くるっと回ってそのまままっすぐだよ!」

 

「いいえ、まっすぐでは駄目よ!右へ15度方向修正後3歩前進!」

 

「ふ、二人の指示がめちゃくちゃだぁ……!これどっちが嘘ついてるんだ!?」

 

 そして、プールサイドではスイカ割り中。普通にやっては面白くないので時々嘘を混ぜる指示が出ているため、現在の挑戦者は右へふらふら左へふらふらと大変そうである。

 

 その光景をベンチで眺めているのは私、郡千景に土居球子、そして伊予島杏の三人。

 

 伊予島さん。伊予島杏さん。私と同じ西暦時代の丸亀城から来た勇者の一人で、土居球子と非常に仲がいい女の子でどちらかといえば大人しい方だと思う。趣味は読書なのだが、最近乃木園子と絡むようになったことがきっかけでやや悪化しているような気が……ただ、それでも。

 

「やっぱり後で謝っておいた方がいいと思いますよ。できれば、直接会っての方がいいかと」

 

「わかった。後で会いに行ってくる」

 

 友達関係とか、異性相手の付き合い方を相談するには悪い相手じゃない、と思ってる。

 

「うーん、後から話を聞いてるから、タマにはいまいちわからん部分があるんだが。要するに昨日千景と一緒に遊んでたあの男子との話だろ?」

 

「そういうことだね。それでちょっと前から相談を受けてたんだよ」

 

「本当は高嶋さんにだけ相談するつもりだったけれど、こういうことは伊予島さんに聞いた方がいいって言われたから。言っておくけど、これを言いふらしたら許さないわよ」

 

「んん?なんで言いふらしたらダメなんだ?」

 

「もう、タマっち先輩は鈍感だなぁ……気になってる男の子と仲良くなりたい郡さんの邪魔をしたらダメでしょ?」

 

「おお!なるほどなるほど、そういうことか。千景も隅におけないなぁ。このこの!」

 

「違うから。明らかに間違った話をしたでしょう伊予島さん……!高橋くんとはそういう恋愛関係じゃなくて、ただの友人関係だから。これからもそれを続けておきたいだけよ」

 

「じょ、冗談ですよ千景さん、わかってます。わかってますとも」

 

 うんうん頷く伊予島さん。本当にわかってるんだろうか。

 

 

 伊予島さんに話した相談の内容とは、「今後も高橋くんと同じ関係を続けたい」という相談だ。突然相談したいと言われるどころかまさかに異性との関係の話で、普段恋愛小説を読んでいる彼女は大はしゃぎしたのだが話を聞くうちに真剣に対応してくれるようになった。

 今の四国は夏真っ盛りで、これからもどんどん熱くなる7月中旬頃。後少しすれば夏休みが始まって、しばらく学校に来る機会も減る。つまり、顔を会わせる機会も減るわけで。

 

 

「もしかしたら夏休み明けには、前と違ってそっけなく対応されるんじゃないか不安、と。オマエそんなことで悩んでたのか……」

 

「タマっち先輩!そんな言い方したら失礼だよ。高橋さんは千景さんにとって初めての男友達なんだから、大切にしたいのは当然でしょ?」

 

 ……育った環境がろくでもなかったから、男友達以前に多分初めての友達というのは流石に黙っておいた。高嶋さんは友達以上に大切な人で、勇者部の皆は仲間だから例外とする。

 

「なので私はちょっと大胆に責めて高橋さんと千景さんの距離を詰める作戦を提案したんですけども。で、どうでした千景さん」

 

「全然ダメね。彼と二人きりの環境でよく遊んだり隣に座るように促したりしても正直言ってあまり効果を感じられないし。勇気を出してあなたは私の友達よ、みたいなことも言ったんだけどむしろ避けられてる気がしてるわ。本当に効果あるの?」

 

「ありますよ!きっと普段一緒に遊ぶ女の子が突然変わった表情を見せるようになって戸惑ってるだけなんです。千景さん風に言うのなら好感度はちょっとずつ上がってるはずです」

 

「目に見えない仕様、ということかしら。そう考えれば彼の反応は自然なのかしら」

 

「自然ですとも!」「自然……だろうなぁ」

 

「え?……土居さん、何か言いたいことでもあるの?」

 

 同意する伊予島さんの隣に座っていた土居さんがなぜか苦笑しながら同意する。それを不思議に思っていると、立ち上がって伊予島さんの横に並ぶと口を開いた。

 

「杏ー。悪いけどちょっと後ろ向いてくれ。その状態で説明するから」

 

「いいけど……私の背中になにかあるの?」

 

「あるというかないというか。なあ、千景。今って夏だろ?」

 

「ええ、そうね。夏休み直前で凄く暑い夏ね」

 

「ってことはな……大なり小なり汗をかくということだ」

 

「は?なんでそんな話になるのよ」

 

「……水分を吸ったシャツは透ける。つまり下にある下着が見えるんだよ」

 

 土居さんが指さすのは伊予島さんの背中。確かにそこにはブラの形がうっすら……あっ、慌てて伊予島さんが隠した。

 

「たっ、たたっ、タマっち先輩なんてことを言うの!?」

 

「事実なんだからしょうがないだろ!?で、そういうのが男子には刺激的すぎるから夏場は距離を取ることが多いんだってさ。千景は運動しない方だけど、こうも暑かったら少しは汗かくだろ?」

 

「……否定はしないけど」

 

「も、もうっ……っていうことは、最近高橋さんが千景さんを避けてたのって……」

 

「多分そういうことなんだろうな。そりゃ近づいて距離を詰めようとしたら逆に逃げられて当然だ」

 

「……すごく、凄く納得がいったわ。最近目を合わせないことも増えたと思ったら……」

 

 そういうことだったのね。流石に不可抗力だから彼に怒るつもりはないけれど、それならそうと早く行ってくれれば……いや、それはそれで色々と不味いか。疑問が解消したのはいいけれど。

 

「で。これどうしたらいいの?夏休みまでもう時間はないんだけど、それまでにここから元の関係に戻すのって無理なんじゃ……」

 

「う、うーん……どうしましょう……」

 

 少し避けられてる状況で夏休みに入ったらその間に関係が悪化してしまうんじゃないかと不安になる。それは――嫌だ。まだまだ、もっともっと。彼と一緒に遊んでいたい。

 

 

 そんな私の想いを――

 

 

「はぁ……しょうがないなぁ。ここはタマに任せタマえ!」

 

 

 小さな勇者が助けてくれた。小さな胸を叩きながらニヤリと笑う彼女がこんなに頼もしいと思えたことはない……え?なにそれ。ハチマキとバット。私にこれで何をしろと。本当に大丈夫か。

 

 


 

 

 

 それから少しだけ時は流れて。

 

「「あっ」」

 

 寄宿舎の前で、高橋くんと郡千景は出会った。

 

「えっと……もしかして、考えてたこと同じ?」

 

「……そうみたい。こんなこともあるのね」

 

 お互いの手にはスイカが二切れ。「「美味しいスイカを二人で食べながら話せば大抵何とかなる」」と異なる二人の勇者に勧められた結果であった。

 

「これ、私が割ったスイカよ。食べる?」

 

「いただきます。あ、こっちは切ったスイカだけど、食べる?」

 

「いただくわ。……うん、美味しい。やっぱり私は切った方が好きね」

 

「僕は割った方がいいかな。こういう行事でしか食べられないし、ゴロゴロしたのが悪くない」

 

 二人の好きなスイカの形は違う。「「当然二人は別人なんだから趣味ややりたいことは違うだろう」」と異なる二人の勇者も言っていた。

 

 でも。それでも。

 

「ねえ。今日のこれからの予定は空いてる?」

 

「……30分だけなら。少しだけでも遊ぶかい?」

 

「あなたさえよければ」

 

 二人は一緒に遊びたい。異なる二人の勇者はこう言っていた。

 

「「それは二人とも一緒のはずだろう?なら、後は――」」

 

 だから、お互いに遊びに誘えばいい。二人とも、友達なんだろう?

 

 

「「ところで――あっ」」

 

「「そっちが先……」」

 

 

 二人共の考えていることが一緒であったことに笑いながらも。

 

 

 夏休みの予定、空いてる?

 

 

 今後も一緒に遊ぶ約束を交わした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なお、余談ではあるが。

 

「……うんうん、二人とも仲がいいのが一番だね」

 

 物陰からこっそり二人を観察している高嶋さんがいたそうな。ちょっと忙しくて目を離している間に、二人の関係がちょっとぎくしゃくしてることを知って仲間の勇者たちにアドバイスを頼んだりと陰ではなかなか忙しかったそうな。お疲れ様でした。

 

 

 

「あれっ、ヒナちゃん?どうしたのこんな遅くに」

 

「すみません。若葉ちゃん見ませんでした?」

 

「見てないけど……どうしたの?」

 

「なんでも、刀……恐らく生太刀を使ってスイカを切っていたという通報が生徒からありまして。これから説教若葉ちゃんです」

 

「う、うん……」

 

 ……お疲れ様です。




・タマちゃん
 昨日大量のスイカをえっちらおっちらリアカーに乗せて杏と一緒に運んで来たら、ぐんちゃんに出くわして以下略。ちなみにアドバイス云々は高嶋さんから聞いてたけど、アドバイス内容の打ち合わせは一切なし。
 普通に仲間を、友達のことを信頼しているからこそそういう言葉が言える勇者。

・秋原さん
 二人の関係のフォローを頼まれてたけど普通にどうにかなるでしょー、と思っていてほとんどノータッチ。そう簡単に二人の友人関係が壊れるとは思ってない。なお、ぐんちゃんがそういった思考に陥った原因を知った際に色々と誤ったらしい。

・伊予島さん
 本の中にしかなかった恋愛模様がついに目の前に!と思って浮かれて色々とアドバイスしたら裏目に出たことを反省しているそうな。後日ぐんちゃんに「夏休みってどういうことをすればいいの?」と聞かれて喜んで色々とアドバイスしたらしい。

・若葉ちゃん
 友達を励ますためにスイカを刀でぶった切る演技をして見せて、「特別なスイカだ。きっと二人で食べれば仲良くなれるさ。あっ、千景には内緒で頼む」と言ったそうな。勝手に刀を持ち出したことで後で説教タイム。

・古波蔵さん&小学生組
 彼女達がゲーム少年と出会うのはもうちょっと先の話。ちなみにプールを貸しきったのは原作ゆゆゆいにある初期のエピソード

・ゲーム少年&ぐんちゃん
 どっちもゲーム好き。だけど、どっちも結構不器用。
 夏休みの間にどこかでちゃんとスイカ割りできないかな、なんて考えてるらしい。

・高嶋さん
「ぐんちゃんと高橋くん、夏休み前だから一緒に遊んでおきたいみたいだね」
「ならしばらく二人っきりにしてあげようかなー」
「……あれっ?なんだかギクシャクしてる?」
 そこから色々と動き回って大変だったそうです。
 後でそのことが二人にバレてうどんと骨付き鳥を奢ってもらえたそうな。
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