れんげ「ひか姉の様子がおかしいのん....」ガヴリール「『最近の同級生の様子が少しおかしいんだが』ってスレ立てとこ」   作:開屋

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 よくこんなニッチなシチュエーションの作品を読もうと思ったな(感謝の言葉)


しらない世界にいた

「今日はひか姉が帰ってくるのん!」

 

「おおー、れんちょん元気だねぇ~」

 

 いつもと同じ教室でいつもと同じ面子が集まる学校。その中で今日は一際れんげの機嫌がよさ気である。

 

「ひか姉ってひかげさんのことですよね?少し前に向こうに帰ったって話は聞いてたんですけど、またこちらに戻ってくるんですか?」

 

「そうなのほたるん!また東京のお話いっぱい聞くのん!」

 

「本場の都会っ子がすぐそこにいるんだけどねー。どう頑張ったって蛍には勝てないだろうし」

 

「ほーい、そろそろ授業だぞー。みんな席に着いてねー」

 

 一穂が鐘(?)を鳴らして着席を促す。それでもれんげの興奮は収まらない。結局この日は一日れんげはこんな感じだった。

 

 

 

 

 

「やっべー、そういや全然宿題終わってねーぞ。またあのグラサンに怒られるパターンじゃん」

 

 所変わって、ガヴリールはいつものように午前3時を迎えてもネトゲを続けている。この時間になってふと思い出す宿題の存在と言うのはまぁ随分と厄介なものである。

 

「まぁ頼んだらヴィーネも見せてくれるか。今の内ケータイで連絡しとけば向こうも朝には気づくだろ」

 

 そう言って少し遠くの方にあるケータイに気だるげに手を伸ばす。ギリギリ届かない距離だ。

 

「クッソ......このクソ携帯......なんで私のこと考えないでこんな所にあるっていうんだよ......もういいか、明日直接言えば何とかなるだろ。......ってか小テストじゃん、最悪だよもう」

 

 ブツブツ言いながらガヴリールは淡々とネトゲを進めた。

 

 

 

 

 

「ただいまなのん!ひか姉!」

 

 勢い良く家のドアを開けたれんげが開口一番に言う。

 

「え?あ......」

 

 ひかげ(?)は何故か焦った様子でいる。

 

「どうしたのんひか姉?」

 

「え?......ひか姉?私は......」

 

「ひか姉だーいぶ!」

 

 そう言ってれんげはひかげ(?)に飛びつく。

 

「うわっちょっと!?」

 

 ひかげ(?)はバランスを崩して後ろに倒れてしまった。

 

「どうしたのんひか姉、この程度のダイブを受け止めきれないとはひか姉も鈍ったのん......?」

 

 れんげはひかげ(?)の顔をまじまじと見つめる。

 

「ど、どうしたの?」

 

「なんか、いつものひか姉と違うのん。こう、逆に気持ち悪いのん....」

 

「(逆にって何!? と言うかこれってどういう状況なの!?)」

 

「ただいまひかげー、いるかー?」

 

 ひかげ(?)が状況を呑み込めないでいると、今度は自分をひか姉ではなく、『ひかげ』と呼ぶ人が帰って来た。いっそう状況が呑み込めない。

 

「あっ、ねえねえ!なんかね、ひか姉が変なのん!」

 

「(変なのはむしろ今のこの状況でしょ!?)」

 

 ひかげ(?)が無言のツッコミを入れる。

 

「変ってどういうことさ。別にいつもと変わら......ん?」

 

 一穂がひかげ(?)を見ると少し難しそうな顔をしている。

 

「ごめん、やっぱ何か変かも」

 

「やっぱりねえねえもそう思うのん!?」

 

「そうだねぇ......うーん、何と言うか、妙に小綺麗になったような気がするというか......」

 

 一穂はそう言ってれんげ同様ひかげ(?)を凝視する。そしてニヤリと笑って

 

「なんだなんだ~?都会の風に吹かれてちょっと垢抜けたんじゃないの~?」

 

 と、冷やかしてきた。

 

「(どういうこと? ダメだわ、理解が追い付かない......そもそもひか姉って何なの!?)」

 

 ひかげ(?)は一度考えることをやめた。

 

 

 

 まだ朝早い時間帯、ヴィーネの部屋の目覚まし時計が鳴る。

 

「んー......何だよ騒がしいなぁ。ってまだこんな時間じゃん....なんでこんな時間に目覚ましがセットされてんの......」

 

 ヴィーネ(?)は寝ぼけたまま目覚まし時計を止める。その5分後にスヌーズする。

 

「ったくなんだ......変に目ェ覚めちゃったよ。って......ここどこだ?」

 

 少なくともヴィーネ(?)にとっては見覚えのない部屋だった。そもそも実家に帰ったはずだしこんなアパートに今自分がいるのもおかしいのだが。

 

 少し部屋の中を歩き回ると、生徒証を見つけた。

 

「なになに?舞天高校、月乃瀬=ヴィネット=エイプリル......? 誰だこれ? 私と同じ高校生か。ん?顔写真もあるな......」

 

 心なしか似てない気もしなくもない。待てよ......妙に早く鳴った目覚まし時計、自分と似てるような気もする生徒......いやいやまさかそんな訳があるはずない。

 

 そう思っていると、机の上に手帖があるのを見つけた。

 

「これ見りゃ何か分かるかもしれないな......えっと、これは今日の日付か。......小テスト?」

 

 小テスト。つまりこの『月乃瀬=ヴィネット=エイプリル』という者は『舞天高校』にて本日小テストがあるという事になる。

 

「....これマジで行かなきゃダメな流れなのか?てかそもそも舞天高校ってどこだよ!制服は....これか。にしても随分綺麗な部屋だな....」

 

 サイズに問題はなかった。その他の身支度も済ませたが、残った問題は舞天高校がどこにあるかという事である。ケータイを見ようにも当然ロックが掛かっている。

 

 どうしようかと思いふと外を見ると、同じ制服を着た生徒が歩いているのが見えた。

 

「しめた!やりぃ!」

 

 そう呟いたヴィーネ(?)は、そのまま誰かの部屋を経由することもなく一直線に外に出た。その生徒について行ったおかげで何とか学校に着くことはできた。

 

「ふー......ヴィなんとかさんの名誉は守れそうだな。しかしこれどんな状況だよ....」

 

 そう呟いて持ち物から把握したクラスに入る。しかしここでも問題はあった。

 

「(やっべ......席分かんねぇ)」

 

 ヴィーネ(?)がそう思っていると

 

「あれ?ヴィーネさんじゃないですか。一人とは珍しいですね」

 

「ホントだ、今日はガヴリールと一緒じゃなかったんだ?」

 

 ラフィとサターニャがこちらに来る。

 

「あ、ああ、うん、今日は一人だな」

 

 ヴィーネ(?)はそう答える。

 

「(いつもは誰かと一緒に来てるのか、でもとりあえずこう受け答えすればその場凌ぎにはなるだろ)」

 

 内心そう考えていた。しかし二人の様子は何かおかしい。

 

「......なんかヴィーネいつもと様子違くない?」

 

 まずサターニャが口を開いた。

 

「そ、そうか?私はいつも通りだが......」

 

「何か今日のヴィーネさん、色々粗い気がします!」

 

 今度はラフィだ。

 

「粗いってなんだよ!"人"の描写には使わねぇだろその表現!」

 

「え? 人?」

 

「え?」

 

「え?」

 

「え?」

 

 三人の間に気まず~い空気が流れた。




 もし続きがあれば、次話以降ひか姉及びヴィーネの呼称は、のんのん時空では『ヴィーネ』、ガヴドロ時空では『ひかげ』と書かせていただきます。
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