れんげ「ひか姉の様子がおかしいのん....」ガヴリール「『最近の同級生の様子が少しおかしいんだが』ってスレ立てとこ」   作:開屋

13 / 30
何もかもふに落ちなかった

「おはよー」

 

 今日はガヴリールを引き連れてひかげが来る。

 

「あら、今日はガヴリールも一緒なのね」

 

 心なしかサターニャは嬉しそうに見える。

 

「ああ、かなり物騒に起こされたよ。これまでも中々な起こされ方はしたけど今日は今までと段違いだった」

 

「そりゃアンタ中々起き無さそうだし仕方ないんじゃないの?」

 

「とはいえ耳元でフライパンで何かをバーン!ってされたんだよ?さすがに一発で起きるよそりゃ」

 

 その時のことを思い出したのかガヴリールは眉を顰める。一方それを聞いたサターニャは

 

「そ、そんな......いとも容易くそんな超ド級寸前のS級悪魔的行為をやるだなんて....悔しいけど見直したわ」

 

 何故か畏敬の念を込めた眼差しを向けて来る。正直なんか恥ずかしいからやめてほしい。てかこれがS級だとしたら魔界の基準めっちゃショボくない?小学生同士のイタズラのレベルとしては確かに鼓膜的に危険なモノだし、嫌なイタズラを並べていけば地味に上位を飾りそうなものだが......

 

 高位の悪魔的行為ってこんなレベルなの?あ、今のダジャレじゃないからね。にしてもあれだな、あんまり派手なことができないって魔界は昨今のバラエティ番組か何かか?魔界全体がBPOなのか?

 

 ポカンとしているひかげを他所にラフィは感嘆した様子でいる。

 

「スゴイじゃないですかヴィーネさん!この前まで仕送りの件で悩んでるって言ってましたが、これなら心配無さそうですね!」

 

 仕送り?そういえば日記にも魔界からの仕送り云々書かれてたな。てか悪魔が仕送りに他人について相談するって......もうちょい魔界もシステム整えた方がいいんじゃないか?つか天界は天界であんなのがいるし、魔界は魔界でシビアだし、何かもうちょっと....ちょうどいいって塩梅はないんだろうか。てかこの程度のことで魔界の仕送り増えるんならヴィーネって悪魔としてどんな徳の低い、人としてどんだけ徳の高い生活してるんだ。部屋綺麗だしマメに日記取ってるし......思い返したら何か頭痛覚えて来る。

 

「にしてもヴィーネが本格的に悪魔的行為に目覚めたのなら私だって負けてられないわね......今日から正式にヴィーネを私のライバルとして認めるわ!」

 

 こちらのペースをガン無視してサターニャが教室中に聞こえるような声で高らかに宣言する。元々自分が先に意識してたみたいな風に思われそうでめっちゃ恥ずかしい。

 

「んだよライバルって、何を競わされてんだ?」

 

「そんなの決まってるじゃない。どちらが全てを統べる者として相応しいかを競うライバルよ!」

 

 

 

 

 統べる:①ひとつにまとめて支配する。統率する。

    :②一つにまとめる。たばねる。    

                   (三省堂より)

 

 

 

 

 ......少なくとも先程のサターニャの発言に一致しそうな意味は①と②の中にはない。もしかして『滑る』なのか?何か色々言動が滑ってる気がするし、オチ要因を競っているのか?

 

「何かよく分かんないけど失礼なこと考えてない?」

 

 意外と鋭い所もあるんだなサターニャ、それ込みにしてもライバルになりたいとは思わないが。

 

「いやいや、そんなことはないない。私もライバルとして認めてもらえて光栄に思ってるって」

 

 一応口先でそう言うとサターニャは満足した様子である。その様子を不思議に思っている者もいるようだが。

 

「......なぁ、ラフィ?」

 

「どうしたのガヴちゃん?」

 

「ヴィーネ何か雰囲気変わってないか?昨日見た時も思ったんだが何かおかしい気がするんだよ。主に言動が」

 

 せめて『主に外見』に突っ込んでくれよ。

 

「そうですか?」

 

「うん、ラフィたちはそうは思わないのか?」

 

 ガヴリールが探りを入れる。無気力系かと思っていたが意外とグイグイ来るな......ラフィは少し落ち着かないひかげを尻目に笑顔で

 

「ですってヴィーネさん。キャラ付けは上手いこと行ってるみたいですよ。よかったですね!」

 

 

 

 んー......? あっ。

 

 

 

 

「あぁ、うん。そうだな」

 

 そういえば勝手にラフィがキャラ付けって結論付けてたのを思い出した。もう少しで完全に忘れるところだった危ない危ない......

 

「キャラ付け?そうなのかヴィーネ?」

 

「う、うん。まぁそんな感じだな」

 

「......なんか苦しいことがあったのか?今更そんなことを......」

 

 うわっ、さっきまで色々ガサツだったくせに急にそういう感じの慈悲を向けて来るの勘弁してくれ......そういうとこは腐っても天使なのか。

 

「それにしても徹底し過ぎてる気はするけどねぇ」

 

 思いがけずサターニャが待ったをかける。

 

「そ、そう?」

 

 曖昧な返事をとりあえずしておく。

 

「だってこの前の小テストアンタにしちゃかなり点数悪かったじゃない?」

 

「う゛っ......あの時は少し調子が悪かったんだって」

 

 当然も当然である。元々高校一年生の私が二年生の問題がそうも簡単に解けるかという話である。直前に無理やり内容を詰め込んだところでそんなに応用が利くもんかって話である。しかも数学とかなら尚更。

 

「何かサターニャみたいな言い訳してるな」

 

 ガヴリールが笑いながら言う。個人的にこれまでで一番心に刺さる発言であった。仮にライバルとしてもこんな低レベルな争い映えないし勘弁してくれホント色んな意味で。

 

 

 

 昼休み、サターニャに誘われてガヴリールと一緒に学食に行くことになった。別にそれ自体は構わなかったが、過去何かあったのか何故かガヴリールはあまり乗り気でなかったし、どこで知ったかラフィが図ったかのように合流してきたのが気になるのだが。発信機でもつけてんのかコイツ......でも悪魔じゃないらしいんだよな?

 

 ここの法則に則って行けば、もしかするとタチの悪い性格をしているラフィも天使なのか?うわぁ嫌だ。

 

 

 

「あれっ?天真先輩に白羽先輩、月乃瀬先輩に......うげっ!? 胡桃沢先輩も!?」

 

 

 

 四人で廊下を歩いていると不意に聞き覚えのない声が聞こえた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。