れんげ「ひか姉の様子がおかしいのん....」ガヴリール「『最近の同級生の様子が少しおかしいんだが』ってスレ立てとこ」   作:開屋

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 いろいろ調べてたら、ひか姉ってタプちゃんより5㎝も身長低いんですね....その身長差で『月乃瀬先輩』って呼んでるの想像したらめっちゃ可愛いと思います。(何の話だ)


色々と考えさせられた

 二度も取り残された。いや別に特段悲しいとかそんな訳では無いんだけどね、なーんか釈然としないよコレ。とりあえずどうしようもないし家に帰ろう。

 

「あれ?ヴィーネさん、今から帰りですか?」

 

 後ろを振り向くとラフィがいた。まぁこのまま一人で帰るのもどことなく納得が行かないのでここは一緒に帰ることにした。その間も油断はできないのかもしれないが。

 

 

 

「そういえばさっきタプちゃんとメイさんに会ったんですけど何かあったんですか?」

 

 タプちゃん、ああ、タプリスのことか。となるともう一人のメイさんとやらはタプリスが『黒奈』と呼んでいた人物か......さて、これどう答えようか。さっきの心理テストみたいな出来事について話すべきだろうか。 

 

「い、いや、特には無かったけど会いはしたよ。ちょうど帰るタイミングが合ってたみたいで」

 

「一緒に帰らなかったんですか?」

 

「あー......向こうは向こうで用事があったらしくてね。それで一人だったんだけどね」

 

「そうだったんですね~」

 

 ラフィに色々話すのは危険な気がする。この何気ない会話の中でも色々探りを入れられている気がしてホントに落ち着かない。

 

 かといってお互いに会話がないのもまた辛い。とりあえず何か話そう。これまでの出来事で何か話のタネにできそうなことって言ったら......

 

「一ついい?」

 

「何ですか?」

 

「昨日の事なんだけど、どうして私のケータイのパスワード知ってたのかなって思って」

 

「......今更ですか?」

 

 意味あり気にラフィが笑う。正直めっちゃ怖い。逃げたい。

 

「ま、まぁそりゃ気になるって。昨日は聞けなかったけど......」

 

「大した理由じゃないですよー。友達のことをよく知っておくというのは大切なことだと思いますから」

 

 パーソナルスペースという言葉がコイツの辞書にはないというのか。どうやらラフィの中では親しき中には礼儀なんてクソ食らえのようだ。自分も人と人との距離がかなり近い所で育ってきたつもりではあったが、この場合はそんな次元じゃない。

 

「あっ、私は家こっちなのでお別れですね。それではヴィーネさんまた明日」

 

 明日もこれとか持ちそうにもない。よく分からない何者かになっている時点で胃もたれしてるのに、そこから一癖も二癖もある連中と付き合っていくとなれば、追加で揚げ物の盛り合わせを持って来られた気分である。もう吐くよ? 全部事実ゲロっちゃうよ?

 

 ようやく家に着いた。やっと一息つける。宇宙空間を彷徨う中でようやく空気のある場所に来れたような気分である。部屋に大事の字になって寝転びる。あっ、サターニャにこっそり仕掛けたイタズラのネタバラシしてなかったな。......気にしなーい気にしなーい。私は悪魔私は悪魔......これも仕送りに貢献するためだからむしろいいことのはず、うん。そうだ。

 

 しかし今日も随分と疲れた一日であった。特にあのタプリスとかいう人(おそらく天使)は特に気をつけないとヤバい気がする。もしかするともうすでに正体を見破っているのではないだろうか? まぁあの子は肝心の押しが弱そうだし、適当にはぐらかせばどうにかなるだろう。

 

 そうなると問題はラフィだ。アレは正直自分の手に負えない。天使というか普段から他人の観察を生業としてるんじゃないかって思う。というか本物のヴィーネは他人に自分のスマホのロックを掌握されているという事を知っているのだろうか......万一自分がその立場にいるとなれば身震いする。

 

 ふと携帯を見てみる。ガヴリールから宿題のプリントを見せてくれという連絡が来ている。知らんよ。というか宿題あるんだったやっておかないと......案の定まだ習ってない内容だし面倒だなぁ......よくよく考えてみたら一つ上の学年で正体を隠しながら学校生活を送っているって相当にハードな生活じゃないか?ついでにモーニングコールもやってるわけだし。

 

 というかこうなったら恐らくだが、本物のヴィーネは私として生活しているのだろうか?それはそれで大変そうなものである。向こうは向こうで大分特殊な環境だし、何より悪魔となれば色々とカルチャーショックを受けるという事態も起こりそうである。......でもここって人間界だよね? よく考えてみれば今ここで知り合った人のうち大多数は人間じゃないってことだし......もしかして舞天高の生徒ってそういう部類しかいないのだろうか? あのグラサンも天使か悪魔なのだろうか? いや天使はさすがに無いよね。

 

 

 

 ......色々考えているうちに変な所に着地してしまった。今ヴィーネが私として生きてるんならもうそちらの幸運を祈るしかない。悪魔崇拝とか言われてももう気にしない。そもそもここでは天使と悪魔が仲良くやってるわけなんだし......疲れているせいか今日は何か色々考えることになってしまった。

 

 当面は戻る手がかりも見つかっていないし、バレるまではバレない様に生活しないと......パパッと色々済ませて一応日記もつけて寝るとしよう。何を書こうか......

 

「......『ここに常識を求めちゃいけないと思った』」

 

 果たして元の世界に戻ったとしたら、これを見たヴィーネは何を思うのだろうか。少なくとも今の一件が夢ではないという事の証明にしかならないだろうか? まぁここ二日で書いた内容は恐らく向こうも思ってることだろうし、痛み分けってやつだろうか。正直自分でも何言ってるかよく分からない。今日は疲れてるんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

「あれ? 何でボールペンの芯出てるの? これじゃ何も書けないじゃないの!......そうだ、きっとこれもガヴリールの仕業ね!明日とっちめてやるわ!」

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