れんげ「ひか姉の様子がおかしいのん....」ガヴリール「『最近の同級生の様子が少しおかしいんだが』ってスレ立てとこ」   作:開屋

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かんちがいが加速した

「へ、変って何がさ?」

 

 正直ラフィに突っ込まれるのは勘弁したい。なんかこう、とにかくコイツ怖いんだよ。どこまでも見透かされてるような気がして。

 

「最初に粗いって言った時の反応、雰囲気、その他諸々が何かおかしい気がするんです」

 

 『そりゃあ同一人物じゃないからな!』そう言いたいのを何とか呑み込み平静を装おうとする。

 

「それに関しては私も同感だわ」

 

 急にサターニャが話に入ってくる。正直なところ、コイツはなんかテキトーに丸め込んでおけばそれっぽい嘘を信じてくれそうである。ここで入り込んでくれたのは好材料だ。

 

「べ、別にたまには普段と少し様子が違うってこともあるかもしれないじゃ~ん?」

 

 少し冗談っぽく行ってみる。

 

「まぁ確かに分からない気もしなくはないけど......」

 

 勝った、とりあえずサターニャには勝てる。さて、問題はラフィの方だ。こっちをどう欺こうか......

 

「ひょっとしてヴィーネさん......」

  

 急に一層真剣そうな顔でラフィがこちらを見つめる。

 

「な、なんだよ?」

 

 強がりは一応保っておく、ここで尻込みしたら何か色々マズい気がした。少し考えた様子でラフィはじっとこちらを見て、やがてこう言い放った。

 

「キャラ付けですね!」

 

 

 

 

 

 は?....は?

 

 

 

 

 

「そうならそうと早く言ってくれればよかったのに!ね?そうですよねヴィーネさん!」

 

「お、おう!そうだ!」

 

 何か知らんが助かった!明らかにこれ見破られたりする流れだったけど、何故か助かった!マジで今だけは神に感謝だわ。......神に感謝していいのかこれ?

 

「キャラ付けね。なるほど、それなら私も納得したわ」

 

 多分サターニャの方は何もわかって無い感じっぽいけど、騙せたんならそれで十分すぎる。でもよく考えたらいきなりキャラ付けなんておかしいよな....ごめんヴィーネさん。でも今の私にはこうするしかなかったんですって......とりあえず心の中でだけでも謝罪しておこう。マジごめんなさい。

 

 

 

 

 

 まさか妙なキャラ付けが行われているなんて夢にも思っていないヴィーネは、こっちはこっちで面倒な状況に呑み込まれていた。

 

「ええっと、ひか姉?お、おかえり」

 

「お....じゃなかった、ただいま」

 

 とりあえず『おかえり』と言われたので『ただいま』と返しておく。最初の『お』は言い間違えた訳では無い。決してだ。

 

「今度はひかげさんどのくらいここにいるんですか?」

 

「えっ?」

 

 そりゃあ当然帰省中ならどこかで元の場所に帰るという事にはなるだろう。だがそもそも帰る場所が全く知れないのである。というよりもまずそもそもここがどこかという点である。雰囲気からするに一応人間界っぽいのだが、まだ確証を持てるピースが無い。

 

「あー......えっと」

 

 返事に困り言葉を濁す。何と言うべきか。というか自分の居る場所もだが今答えないといけないのは帰る時期である。今の場所と帰る日について両方器用に考えるような真似は今のヴィーネにはできなかった。

 

「あー、そう!実はまだいつ帰るかとははっきりとは分かってないの!だからちゃんとその日が分かったらちゃんと知らせるわ」

 

 その場凌ぎの言い訳には大分苦しかったかもしれない。とは言ってもここで期限を設定してしまえばヴィーネは、あても知らないような何処かへ帰省するという一休さんでもお手上げのような苦しい状況に陥りかねないのである。

 

「そうなの?ひか姉?」

 

 れんげが訊いてくる。

 

「う、うん」

 

 とりあえず今はその設定で押し通すしかない。今の居場所について知るまでは下手な動きはできないのである。

 

「へぇー、そっかぁ。それなら結構長い間いるかもしれないってことだね」

 

 小鞠は少し引っかかりつつも一応信じている。

 

「みたいだな」

 

 夏海も大方信じている。何と言うかここの人達はおおらか、というか呑気なのだろうか?

 

「そうなんですか?向こうの方に帰るならまあまあ時間もかかりそうですが......」

 

 蛍は少し勘繰っている。この様子だと一番年上のようだし、今の段階で一番注意しなければならないのはこの子のようだ。

 

 

 

「そういえば今日は何でみんなで集まってるの?」

 

 ヴィーネがみんなに訊く。

 

「何言ってるのん。今日はひか姉が帰って来たからみんなでお泊りするのん!」

 

 ......え? お泊り?

 

「あれ?ひか姉には伝えてなかったっけ?お泊り会っつーことで今日は学校でれんちょんずーっとはしゃいでたんだぞ。」

 

 夏海が笑って言う。

 

「そ、そうなの?」

 

「べ、別にはしゃいでなんかないのん!ほんのちょびっと楽しみだったけど」

 

 姉妹の間の照れ隠しと言ったところだろうか。少しれんげは決まり悪そうにしている。

 

「かわいいなぁ......」

 

 つい本音が口に出た。

 

「な゛っ!」

 

 れんげは少し怯えも含めた様子で驚いている。周りもまた人ではないようなものを見る目でヴィーネを見ている。いやまぁ文字通りそうなんだけど——

 

「やっぱり今日のひか姉おかしいって!」

 

 代表して夏海がそう叫んだ。周りは『言っちゃったかぁ......』といった様子で夏海を見ている。マズい、ここの呑気な人たちとの生活はその雰囲気とは裏腹に油断を許さないものなのかもしれない......

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