れんげ「ひか姉の様子がおかしいのん....」ガヴリール「『最近の同級生の様子が少しおかしいんだが』ってスレ立てとこ」   作:開屋

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 自分の挙げてた別の作品が小説捜索に引っかかってて、年甲斐もなく(?)はしゃいでました。こちらの方も頑張ります。


理不尽なおしかりを受けた

 目の前にいるちんちくりんな感じの少女は、その雰囲気に似つかわしくない並々ならぬ殺気を放っている。かなりのロングの金髪、なのに手入れをされていないのかそこらがぴょんぴょんとハネている。なんか勿体ないな。てかそもそも誰だ? 顔も知らないヤツが自分に向けて殺気を放って来るとか暗殺者か何かか? それとも元のヴィーネのイタズラの度が過ぎて何かをやらかした後なのか。どっちにしろ分からん。とりあえず向こうの出方を待とう。

 

「確かに行く前に連絡はしなかったが......こんな大事な日に起こしに来ないなんてどういう了見だよ」

 

 起こしに? どういう訳か聞いても分からん。そもそも高校生が高校生にモーニングコールしなかったからって怒られる理由が分からん。何もかも分からん。

 

「は?」

 

 色んな疑問が渦巻いた『は?』だったと思う。だって分からんもんは分からんし。それを聞いた向こうは片眉を吊り上げている。

 

「だって今日小テストだったじゃん。グラサンのことだし絶対アレちゃんと受けとかないと後からペナルティあるパターンでしょ。うーわ、今改めて考えてみたら憂鬱すぎるんですけど......」

 

 グラサンってあの担任で数学の教師か。確かにあの先生厳しそうだよな、見た目に反して意外と授業は意外と分かりやすかったし、案外いい先生なのかもしれんが。

 

「そうなのか?」

 

 ひかげの返事にガヴリールは『うん?』といった様子で首を傾げる。まぁ怪しまれることは正直避けられないとは思ってはいるし想定の範囲内ではあったが......相変わらずガヴリールはひかげをジト目で見ている。

 

「お前、なんかおかしいぞ?」

 

「そうか?気のせいだとは思うけど」

 

「いや、もう既におかしいんだよ。なんかこう......ちょっと縮んだ?」

 

 前にも同じところを突かれた気がする。正直ここは心掛け様が無いから『気のせい』だとしか言い返せない。背の小さいヤツは自他問わず背の高さに敏感なものである。もっともラフィのアレは何か別のものを感じた気がしたけど。今度から少し底の厚くしたような靴でも履こうかな......

 

「そ、そんなことは無いと思うけど? 気のせい気のせい」

 

「そうか?まぁお前がそう言うんならそうだろうな」

 

 随分と適当なヤツである。騙す騙さない以前に向こうは大分面倒臭がり屋な性格なのだろうか。あれ?何か覚えがあるような気がするが......学校での話を思い返してみると、すぐにピンときた。

 

「(もしかしてこいつがガヴリール、か?ヴィーネとやらはコイツの通い妻的なことをさせられてたんだな......かわいそうに......)」

 

「......おい、何故私を哀れんでいるような顔をしてんだ?」

 

 ヤバッ、バレた。適当そうだがコイツもある程度は注意しないといけないようだ。とりあえずどう言い訳するか......

 

「あ、あれだよ。一応起こしに来たんだけど、どんだけ起こしても全然起きないからさ。流石に今日遅れるのはマズいと思って先に行ったんだよ。ごめんごめん」

 

 ありがちな言い訳ではあると思う。筋も通ってるし何よりも起こしてもらう、という点では向こうに落ち度があるはずだしこう言っておけば大丈夫だとは思うが。

 

「そうなのか?それならいいんだが......私の部屋には来たか?」

 

 部屋って部屋の中ということか?起こしに行くとはいえ、そこまでするヤツがいるというのか? ......もしかすると適当な受け答えをしてるのがバレて、誘導尋問でもしてきてるのかもしれない。

 

「まっさかー、部屋の中までなんて入ってこないってば」

 

 顔の前で手をヒラヒラさせて笑いながら答える。

 

「......やっぱり今日のヴィーネはおかしい。いつもなら普通に入ってくるはずなのに」

 

「へぇ゛っ!? あ、あぁそうだったね。でも今日はちょっと遅れちゃってね......」

 

 思わぬ返答に変な声が出た。が、その後のリカバリーは欠かさなかった。我ながらこれはファインプレーだったと思う。

 

「つっても合鍵使えばすぐ入れたでしょ?」

 

「合鍵!?」

 

 やっべぇ、またやらかした。え?マジでコイツのためにヴィーネさん合鍵使ってんの? マジで通い妻みたいじゃん。都会、かは分からないけど今の一般的な高校生って独り暮らしだとこれが普通なのか?

 

「ん? まさか合鍵失くしたのか?そりゃあ私も最初にカギを作ったって聞いた時は驚いたが......」

 

 だよな、流石に当の本人もんなことされたら驚くわな。何なんだ?ヴィーネはヤンデレだとでもいうのか? 仮にそうだとしたらここから先どう立ち回ればいいんだ私。

 

「あ、ああそうだった。多分ゆっくり探せば見つかるとは思うんだけどね。ごめんごめん」

 

 とりあえず謝っておく。一体自分は何に対して謝っているのだろうか。

 

「......まぁ今度からは頼んだぞ。私は部屋に戻る」

 

 ガヴリールはそう言い残して行った。コイツもこのアパートに住んでいるのか....そもそも何の義理があってヴィーネはガヴリールにそこまで甲斐甲斐しくしているのだろうか。というか色々と想像していけばしていくほどヴィーネの人格が定まらない。イタズラっ子かと思えば生活態度は真面目、でも小悪魔的な性格なのかもしれないし、その割には妙に他人に甲斐甲斐しくしている。多重人格かよ。

 

「やれやれ......」

 

 そう小さく呟いてひかげは自分の部屋に入った。とりあえず今は情報収集だ。

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