あの玉兎に負けてから、俺は月で1番でかい医療機関で穢れの除去を
行われていた。
俺にあてがわれた部屋は無機質なもので白い壁に白いベッド…その他の色は存在しないようだった。
食事も軍の時よりかはマシな程度で、どうやらこの食事にも穢れを取り除く物質が入っているらしい。
過去に1度、管理職の月人が地上の人間を無理やりここの住人に仕立てあげた時に使われたと聞いた。
「味も大してないし……後どれほどかかるんだ?」
あの日以降部下は勿論、綿月姉妹とも一度も面会していない。
話し相手は食事を持ってくる玉兎と、俺の体をチェックに来る医者だけだった。
俺はなんとも退屈な生活を余儀なくされていた。
「…………俺の見立てではもう少しなんだが…」
とりあえずは、軽い運動だけでもしておこう。
そう言って体をベッドから起こし、俺は自重トレーニングを開始するのだった。
「ドクター。俺の体から穢れは消えたか?」
「いえ……まだ消えてません。長い間に渡って侵食され続けていた為…
2年かけても……あなたの体から40%が限界でした。」
「だが……これ以上戦場を開ける訳には……」
「それに関してですが…あなたに用があるお方がおられますので…どうぞ中に。」
病室内の扉が開き、中に一人の女性が入ってくる。
その人がここの月でかなりの高位にいる人物というのは、月に生きる
もの達にとっては知り渡っているだろうと言われるほどの人物だった。
「お初にお目にかかります…稀神サグメ……様。」
「………………」
「……?どうかされたのですか…?」
サグメ様は、どこからか書くものを取り出してそこに文字を書いていった。
《固くしなくても大丈夫。》
《今日はあなたに軍からの指示が出たからそれを通達にきた。》
「通達……?それは俺に戦場に戻れという話ですか?」
《違う、その逆だ。君の体はもはや穢れに侵されすぎてしまっている。せめて戦場から離脱した時に穢れがあれば、都に住まうことが出来ない。だから君はここで穢れを完全に無くしてきてくれ。との事だ。》
「……分かりました。軍の意向に従います。」
《協力感謝する。それではまた会おう。》
そう描き終えるとサグメ様は部屋を出て行った。
軍の意向とは言え、俺の戦線復帰はまだまだかかりそうなのか…と俺は頭を抱えることになるのだった。
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〜地獄〜
「友人さま〜」
「どうしたの?ピースちゃん。」
そこは地獄の仙界。月の都がどれほど探しても見つけることの出来ない
場所。
そしてそこに住まう者が1名。
その名は純子。
月への……主に嫦娥に対する復讐心が爆発した化け物であり、月の住人の天敵中の天敵。
彼女の殺気を受ければ、それだけで並の玉兎は純化してしまう。
そんな彼女に、クラウンピースは楽しげに耳打ちした。
「へぇ……それは確かに…面白そうね…」
「でしょー?だから協力してほしいな〜」
「ふふっ…分かったわ。ならまたへカーティアと話し合ってあげる」
「ほんと?ありがと〜!」
クラウンピースは嬉しそうに笑った。
それを見た純子も少し微笑み、隙間から見える月を睨むのだった。
「今度という今度こそ……嫦娥への復讐を……!!!」
続く