初日で200回閲覧されてビビりました。
とある月が綺麗な満月の日に、とある屋敷のテラスから吸血鬼と
魔女の2人がお茶会を開いていたという。
「パチェ、少しいいかしら。」
「どうしたのかしらレミィ。」
いつもは言葉を交わすことはしない相手が話しかけてきたことに
少し興味をもち、魔女はそれに応えた。
吸血鬼は続ける。
「私達が今集めた人間の血液ってどれくらいだったかしら?」
と。
魔女はその問いに
「……たしか先日やってきた侵入者で95人目になるわね。」
と答えた。
「そう……それならあの儀式に必要な人間はもうすぐに集まるわね。」
「そうね、咲夜が貴女の暗殺を依頼した人間達もたしかあと3、4人
ほどだったかしら……まぁ次の満月には決行できるわよ。」
そんな会話をする。
彼女たちが自ら足を運べば、人間の街など一夜にして壊滅することが
出来るだろう。
いや、彼女が出るまでもなく、館のメイド長である十六夜咲夜が
その力を一度行使するだけでも良かった。
しかし、それはしなかった。
判断を決めたのはレミリアだ。
正直、彼女の友であるパチュリーもレミリアの考えについては
あまり理解していない。
あるいは理解こそしているがそれに対して口を挟んだりはしないのだ。
「ま、私達人外にとっては1ヶ月なんて一瞬の出来事よ。」
「そうね。」
そう言って彼女達はふふふっと笑みを浮かべるのだった。
閉鎖された森の中で、その笑い声だけが静かな夜の空間を木霊するのだった……。
◇
俺はきたる吸血鬼暗殺の為、森のことを知っているであろう近隣の住人とコンタクトを取るべく、その森の付近に位置する街にいどうしてきていた。
「……さて…」
運び屋に依頼していた武装等をホテルに持ち込み、それらの確認を一通り済ませた俺は早速吸血鬼討伐のプランを考え始める。
(館の大きさは不明…それでいてそこにいる吸血鬼の従者の数も不明……挙句魔女が行動を共にしている……だったか…)
いや、作戦を考えるにはすこし情報が少ないな。
と判断した俺はすぐに調査に出かける。
人通りのおおい道に出ると、そこには様々な人種の人達がいた。
(彼等から有力な情報を得ることが出来ればいいんだが……)
そう考えながら、俺はすぐ近くをすれ違った黒人の男に話しかけた。
「すまない、この街の外れに森があるが……その森の中に館みたいな
建物はあるか知っているか?」
「すまない、そんな館の話は聞いたことがないよ。
……でも、森に行った観光客やここの住人が何人も行方不明になっているのは聞いた事がある。
……あんたも、森に行くのなら辞めておいた方がいい。命を落とすかもしれないよ。」
「そうか、心遣い感謝する。」
それから何人もの人に話を聞いたが、皆が揃って森で行方不明になった
人が居るとの話をされてその日の調査は終了した。
「まったく……どうすればいい…」
一応、日も暮れたのでホテルに戻った俺はベッドに身を投げてそんな弱音を吐いていた。
受けると言ってしまったからにはやるしかないが、情報が無さすぎるというのも考えものだ。
俺のやり方はもっと地の利を活かした戦術を得意としているのに……
「こんな、何も分からないようじゃ手の施しようがない。」
バッと体を起こして、俺はホテルの部屋を後にする。
分からないことがあるのなら……俺がするべきことは決まっている。
すぐに用意した物資からある物を取り出して組み立てる。
10数分後…それは完成した。
「よし…立体型小型撮影機体……ドローンだったか。
こいつを数機森の方へ飛ばして…と」
そうして用意したドローンをホテルの窓から放った。
せめて有力な情報を持ってきてくれよ。
そう願うばかりだ。
俺は飛ばしたドローンから森の様子を通信を通して確認する。
十六夜の情報によると、森の奥地に行ってしまうと電波が届かなくなり
使用できなくなるらしいが…それならそれで別の対策も用意している。
電波が届かなかろうと、このドローンは自立機能を持っている…
だから最悪こちらから干渉できなくなることがあれば、即座にこのホテルに戻ってくるようプログラミングしてあるのだ。
だからきっと大丈夫……と思うことにした。
それから数時間がすぎ、ドローンの内の一機がこちらからの操作から完全に外れたのを確認した。
(よし……やっとそこまで着いたか…ならば、あとはここに戻ってくるのを待つだけ。他のドローンからの様子も確認しておくか。)
他の機体の映像を眺める。
すると、地上に一人の男が居るのを発見した。
その男はどうやら銃器を所持している様子で、きっとこちら側の人間なのだろう。
「あいつは……たしか…アジアで活動しているプロだ。なんで此処に…?」
とりあえずそんな考えは消して、その男の方にカメラを向けた。
あれを追えば何か掴めるかもしれない。
すぐさま飛行状態を解き、陸上モードに切り替える。
ゆっくりとゆっくりとだがその男は森の奥地へと足を進めていた。
俺はその様子ともう1つからの映像を凝視しながら、ゆっくりと
用意した珈琲を啜った。
ー
ー
その男は森を歩いていた。
理由は簡単で、その日…とある人物を殺すよう依頼されたからだ。
その人物というのがある館の令嬢らしく、殺すことに成功すれば
一生遊んで暮らせる程の報酬を用意すると言われ、その依頼を受けた。
男の殺しというのは毒殺等の暗殺が基本とされていて、今までこなしてきた仕事も全て、誰にもバレないような立ち回りをし、この業界では
死神と呼ばれるほどの腕の持ち主だった。
そして男は館の付近に到着する。
後ろから何か撮られている気配はしていたが、敢えてそれはスルーした。
とりあえずは館の広さを確認する必要がある。
「ふむ……これだけデカいとこに住んでるんだ……どうりで報酬も
多いわけだ。
それに………………あれだけ出かければどこから侵入してもバレることはあるまいて。」
そして男は用意していた侵入用のフックを使って館の内部への侵入を心がける……が、そこで異変がおきた。
「さて……侵入完了……っと?」
館の中に入った筈の男は何故か館の外に着地していた。
何が起こったのか、男は理解出来ないでいた。
そして……そのパニックに陥った瞬間の出来事ーーーー
「侵入者……発見、そしてチェスト。」
ドスリーと突然腹部に打撃を受ける。
「グフッーーーー?!」
意識が完全に失われる。
一瞬の出来事だったが男は最後まで状況を判断しようとし、その目を動かし、自分をやった人物に目線を送った。
そして、そこにいたのは…オレンジの髪色をしたチャイナ服の女性であった。
ー
ー
俺の手元に戻ってきたカメラの映像からはその光景が確認できた。
あと2話か3話でおわりでーす。
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