寺に入れられた少年
「聖白蓮。……そう言ったな。」
「え、えぇ…そうですけど……」
どうしたものか。目の前を通り過ぎようとした青年に今まで見たことも無い眼力で睨まれている。
「どうかしたのですか?」
このまま硬直していても仕方がない。
そう思った私は思い切って何の用なのかを聞くことにした。
「……俺は…妖怪を退治する能力を持った人間だ……!聖白蓮…貴様は
自分の寺に妖怪を匿っているそうだな…?俺はその妖怪達を仕留めるつもりだ!!その前に……まずは貴様から…!」
「……貴方は何を言っているのですか?だいたい寺にいる子達は何も悪行を行っているわけではないはずですよ?それを知りながら無差別に退治するとは……それは見逃す訳にはいきませんよ?」
それにしても…この青年の態度や振る舞いからするに余程自分の力に
確信を持っているのだろう。
一体どんなものなのか検討もつかないのだが、とりあえず厄介事を寺に持ち帰りたくはないのでここでなるべく穏便に終わらせておきたい。
「…だとしてもだ……!俺は全ての妖怪を退治する…その為なら手段など……選んではられないんだ!!」
青年がその言葉と同時に飛びかかってくる。
何か能力を使う仕草は一切なかった。
なんのつもり……?!と咄嗟に身構えるが、青年はやはり弾幕や術を使っている様子は一切ない。
闇雲に突っ込んできてこちらに拳を振りかざしている。
私はその振るわれた腕の手首をがっしりと離さないように掴み、彼を説得する為の方法を考える……
「……?!離せよ!」
「離しませんよ!貴方が考えを改めるまでは!」
「……なっ…!?巫山戯たこと言うんじゃねー!さっさと離しやがれ!」
彼は掴まれていない方の腕でこちらに拳を振るうのだが、私はそちらの腕も同様に掴み、そのまま寝技にもちこんで彼の体を固定する。
「……がっ……!…?息が……」
首元を閉め、彼の呼吸を阻害する。
私は再度彼に提案する。
「……もういいですか?私ももう急いでいますので…貴方を人里に送り届けて寺に帰りますね。」
「ちょ……まてよ……」
そういう彼の言葉に耳も向けず、私は首元に力をかけた。
すると、彼の首はキュッとしまりそれから直ぐに彼の体からも力が抜けた。
「ふう……さてと……」
この人、どうしようかしら。
今から人里に戻るとなると、やはり時間がかかってしまう。
それにまた襲ってくるのかもしれないし、今度は寺に直接乗り込むかもしれない。
そうなると彼の命は確実に村紗達の手によって無くなることになるだろう。
でもここに放っておくとその辺の妖怪の餌になってしまう訳だし……
ならいっそ……
「そうだわ。この人を寺に住ませて妖怪嫌いを克服してもらいましょう。」
うん、そうしよう!
それなら早速……よいしょっと。
私は青年を抱えあげ、そのまま寺へと連れていくのだった……
続きが欲しければ作ります。
コメ欄どぞ