○○は妹紅に殺されてから数ヶ月後に身体の傷が全て癒え、その後に復活を遂げた。
「ここは…妹紅さんの家……?」
目を覚ました○○は自分に何があったのかを思い出そうと記憶を探る…が、過去最近の記憶のことを思い出すことが出来ない。
それに何故自分がここにいるのかすら分からないので、とりあえず一度自分の家に帰ろう…と、家の引き戸を開けて外に出ようと足を一歩踏み出す…………と、何故か○○の身体は壁にぶつかったように進むことが出来なかった。
「あれ……?おかしいな…」
なんで出られないんだろう…?などと○○は不思議に思いながら、その見えない壁を押してみていると、家に見知った顔の人物が帰ってきた。
「妹紅さんだ、妹紅さーん!」
その呼び掛けを聞き取った妹紅は心底驚いた表情で、○○の方を凝視して、彼の方へと駆け寄った。そして○○を抱きとめる。○○はなぜそんなことをするのか分からなかった。
「ちょ、妹紅さん!どうしたんですか?」
「良かった…!良かった…!戻らないかと思ったよ…!」
「なんの話ですか?」
「とにかく良かった…!○○、身体はなんともない?」
「え?はい。今は全然…」
「そう…安心した〜…一応この薬を飲んで?永遠亭で貰ってきたから。」
「?永遠亭…ってどこかの…病院ですか?」
「……!そうだよ!そこで貰ってきたんだ!だから、ほら!この薬を飲んで!!」
○○の返答に、妹紅は○○の記憶がまだ曖昧であることを確信し、不敵な笑みを浮かべて○○に彼女の用意した薬を飲ませようとする。
○○はその薬を受け取り、それを口に含んだ。
「…これでいいんですかね?」
「そうだよ……おめでとう…○○。」
「何がですか?」
「これでもう○○は健康のままだから…」
「あ、健康なんですね〜」
妹紅が○○に飲ませた薬は、永琳が作り上げた《蓬莱の薬》だった。
これを知らずに飲んでしまった○○は、何も知らないままに蓬莱人となってしまったのだ。
だが、その事を知るのはまだ先の話…。
なぜなら彼は……
「そうだ、暫くの間は危険だから○○は私の家から出られないからね。」
と、妹紅が○○を自身の家に軟禁する選択を取ったからだ。
「そうなんですね。分かりました」
○○も特に気にとめないでそう答えてしまったため、その日から合意を得た軟禁生活が始まってしまった。それから半年後……ようやく○○の存在が妹紅以外の人に確認されることになる。
「妹紅…珍しくこんなに酔っているなんて……それに最近は以前と比べて生き生きとしているし…何かあったのか…?」
「あれ、慧音さんじゃないてすか。どうしてここに?」
「………?!○○なのか?!」
「はい、そうですけど…?」
「なんで……?○○は確か……永遠亭で死んでいる筈なのに…!!」
「へっ」
その時、たしかに止まっていたはずの時間が、再び動き始める音がした。
次回、最終回です