「今…なんて……?」
言っている意味がわからない…その筈なのに何故か引っかかるようなものがあった。それがなんなのか…思い出そうとしても思い出せない。
だが、この数ヶ月間の間1度も家の外へ出ようとしなかったことや、妹紅さんの事など…妹紅さん?何故か妹紅さんのことを考えた瞬間、胸に痛みが生じたのを感じた。
「○○なんだろう?一体どうして妹紅の家に?」
「確か僕が怪我をしたとかで……妹紅さんに保護して貰っているんです。」
「○○、ここまでこれるのか?」
慧音さんは外にでてそう言った。俺はそれくらい出来るだろうと思って
、妹紅さんの結界のことを思い出した。
「いえ、妹紅さんに外が危険と言われていて結界を貼ってもらっているんです。なので出られないです」
「なっ………それはただの監禁じゃないか…妹紅は一体何を…!
とにかく私はこれを解く方法を探してくるからもう暫くここで待ってるんだ」
そう言って慧音さんは足はやにその場を去っていった。
すれ違い様に妹紅さんが帰ってきて
「あれ、誰か来たの?」
と尋ねてきた。
俺は
「はい、さっき慧音さんが…」
と答える。すると、妹紅さんの表情が少しこわばり、
「慧音か…」
と、小さく呟いた。
「妹紅さん?何かあったんですか?」
「いや、○○が気にすることでもないよ。」
と、笑顔に戻る妹紅さん。だが、その笑顔が何故かとても恐ろしく感じてしまった。
数日後、妹紅さんの家に再度訪れた慧音さんの後ろには、博麗霊夢の姿があった。
「この結界を解けばいいのね?」
と、面倒くさそうに慧音に聞く霊夢。
「そうだ、よろしく頼む」
「……分かった。じゃ、○○…だっけ?危ないから下がってなさい」
と言って、霊夢はすぐに結界を破壊した。
「特に変化は無いですけど…」
「外に出られるようになったはずよ。さっさと出てきなさい。あんたの体を永遠亭の連中に調べさせるから」
そうして霊夢に連れられ永遠亭へと移動する。
事情を知らないウサギたちは、突然現れた博麗の巫女に驚いていたようだったが、永琳さんは落ち着いた様子で俺たちを迎えてくれた。
「あら、○○じゃない。久しぶりね」
「○○が生きてたことを知ってたような口ぶりね?永琳」
霊夢が永琳を睨みつける。永琳は特に気にも止めない様子で
「えぇ、○○の身体は死なないようになってしまったのだから当然よ。」
「死ななく……?どういうことですか?」
「あら…妹紅から聞かされてないの?可哀想に……」
「どういうことか説明しなさい。一体いつからそうなったのかを」
霊夢が永琳にそう言うと、永琳は笑いながら
「○○は…不老不死になってるのよ。妹紅の手によってね」
「……?どういうことですか…それ?」
言っている意味がよく分からなかった。
「○○はここで一度死んでるじゃない。覚えていないの?」
「…あ」
「そういうこと。理解できたかしら」
「でもどうやってそんなことを?」
「それは分からない…けど○○は何か心当たりがあるんじゃない?例えば……何かの肉を妹紅に食べさせられたとか」
「あー…ありますね」
がっつり食べさせてもらっていた。月に数回のペースで肉の料理を。
「その時妹紅の身体はどうだった?」
「包帯を巻いてましたね」
「そういうことよ。それに…私の手元にあった蓬莱の薬も無くなっていたから…あなたはもう人間に戻るのは無理ね。」
嵌められた…ってことになるのか?
「じゃ…じゃあ俺はもうここから…幻想郷からはでられないんですよね?」
霊夢に縋るような声で聞く。彼女は黙って目を逸らした。
「霊夢…八雲紫に頼んでみたらどう?あれの能力なら簡単に…」
「あいつは無理よ。外から引き込むことしか眼中にないわ。」
「まぁ、暫くは神社の方で面倒見てあげるわ」
それで、数週間の間、俺は博麗神社に潜伏することになった。
もう少しだけ続きそうです