20数年前、俺が生まれた時からこの集落には金がなかった。親には少年期に捨てられたのであまり記憶はないが、その頃から剣の道を進むようになった。今や人間が相手なら負け無しの剣豪として人里では名を轟かせている。
…………とは言っても、ここには人間ではどう足掻いても勝つことの出来ない怪異がうじゃうじゃといた。それをどうにかできる人間は俺と同じ人間として扱ってはいけない。力に差がありすぎるからだ。
最近では俺に勝負を挑む人間も居なくなっていたので自分の弟子をとる事でそいつから金銭を徴収して生活にあてていた。
「師匠、こんな噂を知っていますか?」
「噂?」
「最近、この辺りで辻斬りが流行ってるらしいんです。」
「物騒なやつだな…何人やられてるんだ」
「たしか…近所の道場が一夜で壊滅させられたとか…それに見たやつの話だと自分の周りに人魂を浮かべてるらしいです」
「あぁ…なるほどな、お前ら今日は泊まっていけ」
多分妖怪が余興か何かで人間を殺して回っているんだろう。剣で殺せば人間がやったと勘違いして得物が勝手に湧いてくる。それを更に殺して殺して………全滅まで殺し尽くすのだろうか。
夜道に気を付けると言っても夜に外をで歩いていなくても向こうから寄ってくるんだから対処の仕様がないな。
「博麗の巫女辺りが何とかしてくれんもんかね」
しかし、そんな願いも虚しく、日に日に被害は進んで行き、周りで何者かに斬り殺される実力者が増えていった。
そんなある日、俺の家の前に数十人ほどの剣士達が集まって家の周りを囲んでいた。
「なんのつもりだ」
「それはこちらの台詞、名無貴様なんのつもりだ!」
「その名前で呼ばれたのは久しぶりだが……そう聞かれても分からないものは分からんのだ。訳を話せ、なんの報復でここに来た」
「貴様が最近暴れ回っているのでこちらが迷惑しているんだ!いい加減に手を引いたらどうなんだ!!」
暴れ回っている…?こいつらは俺が犯人だとでもいいたいのか
「俺がやったといいたいのか?ならそれは大きな間違いだ。俺は夜に出歩いてはいない」
「なら誰がこんな真似をするんだ!昨日テツが襲われた!あれだけの剣豪を真剣勝負で倒せる者は貴様程度だろう!!」
「テツも殺されたのか…?!だがそれこそ俺を疑うのはお門違いだろ!
俺とテツは一時期は同じ釜の飯を食った仲だぞ」
「なら誰が!!」
「とにかく帰れ。また釈明はする」
その後、俺の家に来た剣士は皆近いうちに殺された。大事をとって弟子も破門としたが、次に殺されるのは誰だろうか。そんな不安が頭をよぎっていた。
それから数ヶ月後、辻斬りの噂も聞かなくなってきた日のことだった。
「あの〜少しよろしいですか?」
腰に刀をかけた白髪の少女が話しかけてきた。
「なんだ?」
「私、最近この辺りに来たんですけど…名前のない剣士がこの辺りに居るって聞いたのですけど、どこに住んでいるか教えて貰えませんか?」
「それは恐らく俺だと思うが…一体なんの用だ?」
「そうなんですね、やっと見つけました〜!」
少女は嬉しそうな顔でそう言って俺を見つめた。
「やっと……ずっと探してたのような口ぶりだが」
「私、強い人と勝負することで剣の腕を磨いているんです。だから……」
ーーー私に殺されて下さい。そう言われて咄嗟に剣を抜いたが、既に遅く俺の身体の中身は既に外部に晒され、首から下の感覚は無くなっていた。
「あれ?強い人だって言ってたのに…やっぱり一度妖怪にしないとダメなのかな…とりあえず死体は持って帰ろうかな」
試したい術もあるし!とにっこにこの笑顔で自分が殺した男のパーツを拾い集めて、少女は空へと飛び去るのだった。
久しぶりすぎて書き方忘れちゃいました。
ちょっと色々あって時間なかったですけど余裕できてきたので少しずつ書いていきます。
オリジナルも別で作る予定なのでよろしく。
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