突然だが、俺は花が好きだ。花は色んな種類があってその数は未知数…配合する種を帰れば更に色々な色へと変化を遂げる。そんな花を俺は好きだ
少し前まで、私立の農業科の大学に通っていた俺は、車の運転中に突然意識を失って気がついたら幻想郷という世界に辿り着いていた。
花の知識を活かせるのかは初め分からなかったが、なんとか働き口を見つけて食いつないでいる。里の小さな花屋の店番をするという仕事なのだが、他の外来人が危険な里外へ出て仕事をしている中こうやって里の中で好きなことをして金を稼げるのはかなりいいことだと思う。
ある日のことだった…いつもは見かけない人が花屋の前で足を止めた。その人は緑色の髪で赤い瞳をした綺麗な人で、目が合うとニコリと微笑んでこちらを向いてくれた。
そして花のいくつかを見つめて何本か花を手に取って
「これ、いくら?」
「それは…これくらいですね」
「これで足りるかしら?」
「ありがとうございます」
「ここの花は生き生きしてるの。また越させてもらうわ」
と残して、その人は去っていった。
これが、俺と風見幽香の初めての出会いだ。
それから数ヶ月後、俺の手持ちは恐らく外の世界への帰還に必要な費用の十分の一が溜まっであろう感じだった。
あれから、あの綺麗な人は姿を見せなかった。それどころか人里のどこを探しても見つからないので、どこかへと行ったのではないか…?と一人で考えていると…店の前にその人がやってきていた。
「いらっしゃい」
「こんにちは、また来るって言ってかなり経っちゃったけど…私の事覚えているかしら」
「はい、あの時の人ですよね?」
「覚えててくれて嬉しいわ。今日はあなたの事を知りたくて来たの。少し話せる?」
「ここでの立ち話なら全然構いませんよ。」
そうして俺は彼女に椅子を差し出して一緒に話を始めた。
「あっーーあなたのことをなんて呼べはいいですかね?」
「言ってなかったかしら、私は風見幽香。近くの花畑で生活しているの」
風見幽香……どこかで聞いたような名前だな…とその名前について考えるが特に分からなかったので、そのまま話を進めた。
「それで俺と話したいことって?」
「その前にあなたの名前、私も聞いてなかったから」
「そう言えばーー俺は〇〇です。」
「〇〇ね、それで聞きたいことなんだけど…この花について……」
俺は幽香さんとこんな話を何時間もした。気がついたら日が傾いており、幽香さんはそれに気がついて
「あら、もうこんな時間ね。今日はありがとう。」
「いえ、こちらこそ」
「あなたの事結構気に入ったわ。同じ花好きとして、これからもよろしくね」
「はい、どうぞご贔屓にお願いします」
そう言って幽香さんはまた去っていった。それから暫くして彼女が座っていた椅子の上に何かの種子が置いてあることに気がついて、俺はどうするか悩んだが、とりあえず自宅にでも撒いておこうと思い店番を終了した。