待たれているかは置いといて俺は書きたいものをかいていくぞ。
(メインシリーズはもう少しお待ちください)
「はい、ですので攻めるのなら満月は避けるべきかと。」
あれから数日後、僕は再び十六夜と会っていた。
彼女からの情報が吸血鬼を殺すためには必須だからである。
それほどまでに僕は吸血鬼のことが分からないし、知る手段も彼女に
頼る他無かった。
「…分かった。なら攻めるのは来月だ。」
「はい、お願いします。…それと……その方は?」
十六夜が俺の後ろにいる男について尋ねてくる。
俺は彼女にその男の説明をする
「あぁ、彼はジン。今回の作戦で俺に協力してくれる助っ人だ。」
そう、ジン=ジェース……過去に俺がこの依頼について聞いた時は
俺に引けと助言した男だ。
何故こいつが俺に協力すると言ったのかは不明だが、こいつは俺以上
に殺しの経験があり、今回も報酬額の半分を支払うことを条件に俺の
手助けをすると3日前に突然言い出してきたのだ。
「は、はぁ…なるほど、わかりました。よろしくお願いします。
ジンさん」
十六夜はジンにそう言うと、ジンはこちらを一瞥して
「あぁ、よろしく頼むよ」
とだけ言って持っていた酒を口に含んだ。
それから暫くして十六夜とは別れ彼女を見送った後、俺とジンは
ホテルの自室にて作戦を練る。
以前に考えたプランもあるが、2人でやるならそれ用の作戦の方が
効率もいいと思ったからだった。
「おい、この映像は本物か?」
彼は戻ってきたドローンの映像を見てこう言った。
「あぁ、だから俺たちがあの館に侵入しようと思ったら正面玄関から
行くしかない。」
「マジかよ……中国拳法の使い手を一撃で仕留めるような女をどうやるんだ…?現実的じゃないし、出来てもやりたくないのだが。」
「それでも俺はやるしかないんだ……前金も武装を揃えるのに使いきった。」
「お前……まぁいい、それよりもだ。」
「?なんだ」
ジンは目を通していた資料から視線を外しこちらを見てから
「あの十六夜ってやつの情報は確かなのか?」
「何?」
「お前から出た情報の殆どはあの女からの情報だった。
しかし、こんな侵入不可能な屋敷から情報を持ってくるということは
この女……吸血鬼からの手先じゃないのか?」
「……。まさか、それならとっくに俺は彼女に捉えられている筈だが?」
「それはあの女にそれだけの戦闘能力がないからじゃないか?
だから一度屋敷へと獲物に足を運ばせてからあの門番が来た奴らを
仕留める……これなら辻褄も合うだろう。」
言われてみれば確かにそうだ…。
彼女からの情報がこんなに多いことになぜ気づかなかった……?
だが……そうなるとこの全ての情報の真理性が疑われてしまう……
「なら…十六夜からの情報は全て嘘か…………?」
ジンは顔をしかめながら思考して
「分からんな…だが一応彼女から提供された吸血鬼の弱点は頭に入れておいた方がいいかもしれん。」
と言う。
「あぁ…そのつもりだ。」
吸血鬼の屋形に攻めるのが次の満月の日だ。
満月と言えば月が最もこの地球に近づく日……もしこれが罠だとしたら
どうなる…?
古来より妖は月が近ければ近いほどその力を増すとも言うが……
それなら俺たちが攻めようとしている日はとてもじゃないが人間にとっては不利な行為なのではないか?
「ジン……少しいいか?」
俺は日時の変更を決める……。
「なんだ」
「決行日を改める……それに今日以降は十六夜との面会も取り消す。」
「分かった。いつやる……?」
こちらに尋ねるジンはその日を告げた。
これで俺たちの作戦は決定した。
後のことは……すべて当日に託される……
同日 紅魔館
「ねぇ咲夜」
お嬢様に呼ばれ私はお嬢様の元へ駆け寄る。
「どうかされましたか?お嬢様。」
「えぇ、今貴女が用意している人間……一住拓哉だっけ?
あの男の事なんだけど……」
「?何か問題がありましたか?」
「いや…どうやら2人がかりで来るらしいじゃない?」
「え?あぁ、そのようですね。それが何か?」
こういう時のお嬢様は何を言うのか検討もつかないから困る…
今回は一体何を言い出すのだろうか……
「どうやらあと必要な人間の血は1人分だけでいいらしいの」
「つまり?」
「そうねぇ……どちらか片方を私たちの使用人にしちゃおうかなって」
「はぁ……そうですか」
「咲夜的にはどっちの人間を残したい?せっかくだから貴女に選ばせてあげる。」
それなら……と私は考える間もなく、その答えをお嬢様に答えるのだった……。
「へぇ。だから彼のことをそんな必死になって調べていたのね。」
「知られていらっしゃったのですか?」
顔がボッと熱なるのを感じながらそう聞くとお嬢様は静かに頷いて
「えぇ、もうすぐ私達の運命は大きく変わる展開になるわよ。」
◇
十六夜と連絡を切り、数週間が過ぎ…ついに作戦実行の前日になっていた。
俺とジンは珍しくホテルの外……街の店に入っていた。
「それにしても……この街には娯楽が全くないのが困りものだな。」
ジンは不機嫌そうな顔でそんなことを口にする。
「お前は酒さえあればいいと思っているんじゃないのか?」
なんてことを言うと、彼はムスッとした顔で
「あのなぁ…俺だってこう見えてちゃんと趣味はあるんだぞ?
まあその趣味も今はしていないが…」
「その趣味ってなんだよ」
「それはなぁ……俺は実はギャンブルが好きなんだよ。」
「……そうなのか」
……なんかそんな顔してるもんなーーなんてことを考えていると
彼はこちらを見てこう言った。
「まぁさすがに貯蓄に手を出したりはしないさ。俺だって歳なんだ…
引き時ってのは重々承知してる。だからこそあと1年程度でこの世界からも首を洗うつもりだった。」
「へぇ、あんたがここの世界をかい?それなら政治家なんかは肩の荷が降りるだろうな。命を脅かす存在がいなくなるんだから」
「俺が居なくなりゃ他の奴らがやってくるだけだ。何も変わりはないよ」
お互いに呑みながらそんなことを話していた。
「さて、それじゃあ行くか。」
ジンがそう言って立ち上がる。
「そうだね。今回もいつものように終わらせてしまおう。」
続いて立ち上がる。
武装に助っ人…用意できるものは全てやった。
この結果がどう転ぼうと……俺は俺の生きるままに動くまでだ…
そして翌日、僕らは街を出た。
その日は季節に合わないほどに風の冷たい夜だった……
さあ!次回最終回!
運命はどちら側に転ぶのか……乞うご期待!
ここで最終回前なのでプロフィール投下します。
主人公 今住 神馬
彼を言葉で現すのなら 冷徹な仕事人と言った所だろう。
彼の仕事に迷いはない。人間らしさを見せるのは依頼人との会話の時だけ。仕事のモードに入った時は、ターゲットを殺すことに全集中をかける。遠距離の狙撃精度は凄まじく、分析能力も人より長けている。
愛用武器は短機関銃と自身の手で改造した単発拳銃。
ジン=ジェース
彼はいつも酒を飲んでいる。それは仕事の時も例外ではない。なぜなら
彼にとっての殺しはその程度のことで済ますことの出来るものだからだ
彼の持つ戦闘スキルは恐らく世界でもそう多くない。
得意技は正拳突きからの膝蹴り……それと剣術だ。
某国の軍隊によって鍛えられてきたその戦闘における殺傷能力は、人間という枠をこえるまでに強力な武器となった。
愛用武器は短剣、それと相手の目をくらませる為の煙幕。
次回、最終回!!
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