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私は地底にある旧地獄の管理者にて、地底の館《地霊殿》の主である
悟り妖怪の古明地さとりだ。
この館に暮らしているのは私と妹…それから私の可愛いペット達。
それから……
「さとり様〜昼食ができましたー食べ来てくださーい」
来たきた、つい先日からここで召使いとして住み込みで働くようになった青年、里方美春《さとかわ みはる》。
元は外の世界の住人らしく、運悪く幻想郷に来た直後に地底へと落ちてしまった結果、身寄りのない状態でこの地底世界で生きる羽目になったらしく、ここで雇ったのも地底の友人である星熊勇儀に頼まれたからだ。
結果からすると…彼を雇ったのは正解だったと言えるだろう。
給料もそれほど高くつかない上、あの人は他者との付き合い方がとても上手であった。
そのおかげかすぐに私のペット達とも仲良くなったし、地底の人々の間でも人気がある。
それに、何故か知らないけど妹のこいしは彼にとても懐いていて、以前よりもこいしがいなくなるという事がめっきりと減っていた。
「分かったわ。すぐ向かう」
そう言って私は席をたった。
彼に私の能力の事は伝えていない。伝えてしまうと何かと不便だと思ったからだ。
勇儀にも頼んで地底の住人にも私のことは言わないように手回ししてもらったので、私は彼に私の本音を言える唯一の人間だ。
話し相手にもなってくれる彼にはとても感謝している。
食卓につくと、そこには既に私のペット達も集まっていた。
「さとり様連れてきたーんじゃ食うぞー」
彼がそう言うとペットの2人は嬉しそうに
「いただきまーす!」
「うにゅ〜いただきまーす」
と、合唱をして料理を食べ始めた。
「いただきます。」
私もそう言って用意された料理を口に運ぶ。
元々彼は外の世界にて調理に関する学校というのに通っていたらしく、
その料理の腕前というのは私たちよりも高かった。
男が調理?と地底の住人達は首を傾げていたのだが、外の世界では
コックという料理を作る職業があるらしく、それには男性の方も多く
就職しているらしい。
それを目指すためにその学校に通っていたようだった。
「相変わらず美味しいわ。」
私がそう言うと、彼は
「そう言ってくれるなら光栄ですよ。」
と照れながら答えた。
心の声を聞いてもとても嬉しそうな様子であった。
(いつも美味そうに食ってくれるんだから作ってて良かったって思えるんだよな………あぁ、そう言えば……そろそろ金も貯まってきたし1度地上の方に出てみたいな…)
「さとり様?少しいいですか?」
「どうしたの?」
「いや〜次の休みに一度地上の方で買い物したいなーって思ってて…
行ってみてもいいですか?」
「んー…そうね……少し考えさせて。夕食の時にまた答えを言うから」
「分かりましたー」
そう答えたが、勿論この地底から彼を出すことはない。
出してしまったらもう帰ってこない可能性もあるのだから…
こいしだって何ヶ月も帰ってこなかったことだってあるのだから…
それに何より…彼に私の能力のことを知られたくない。
地上の住人にまで手回しできるほどの力は私には無いのだ。
だからこそ彼をここから出すなんてことはしない。私が本音で話せる1人だけの大切な……大切なヒトなのだから…
既に病んでるさとり様。
これで病んでるかはどうかとして……ですけどね。
ハートフルな結末にしようと思っています。
それではまた次回