LBXを兵器になんてさせない   作:青蛙

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バンくん精神強化イベント

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始めた時はまさかこんな沢山の人に読んで頂けるとは思ってもいませんでした。ありがとうございます


奴隷戦士

 

 

 

 

 

 

「くそっ、イノベーターめ……!」

「プラチナカプセルは青柳のヤツが死守してくれたが……」

「そのリュウセイ君は、もう」

 

 第三回LBX世界大会アルテミスは謎のLBX軍団の襲撃により、最早閉会式どころではなくなってしまった為に表彰すら行われずに幕を閉じた。

 出場選手が襲われて行方不明になった上に、メタナスGXを保管していた部屋の警備を行っていた警備員からは二人の犠牲者が出た事により、観客はスタッフによって全員会場の外へと避難させられ、会場への立ち入りは完全に出来なくなっている。

 

 そんな中、バンとアミ、カズの三人は会場の前の階段を降りた所で集まり、郷田ハンゾウとレックス、宇崎拓也の三人を待っていた。

 

「暗くてよくわからなかったけど……リュウセイ君が、このプラチナカプセルを守ってくれたんだ」

「他の場所でも襲撃してきたLBXを相手に戦ってたLBXが居たって聞いてるけど、もしかしたらそれも……」

「青柳リュウセイ、俺は正直まだ疑ってたんだけどな。ここまでされちゃ、信じるしかねぇよな。しかし今アイツが無事かどうか」

 

 バンはポケットからプラチナカプセルを取り出し、険しい表情でそれを眺めた。

 

「これの為に、イノベーターは沢山の人を傷付けたんだ」

「………バン」

 

 普段のバンの様子からは想像も出来ない今の彼の表情に、幼馴染みであるアミは心配になって思わず声をかけた。

 しかし、バンは何か決意したように顔を上げ、強い眼差しでアミとカズの二人と順に視線を合わせた。

 

「メタナスGXは奪われたし、アキレスも壊されてしまったけど、リュウセイ君が希望を繋いでくれた。おれはこの希望を失わないように、全力を尽くすんだ」

「バン、お前……!」

 

 カズはそんな彼の様子に少し驚いた。

 彼の良く知っているバンは、もっと子供っぽい性格で、正義感は強いが情に流されやすい。今までも、行方不明の父親を捜そうという彼の行動に自分達はついていき、そして数々の危険な目に合ってきた。

 だが、今自分の前にいるこの少年はいったい誰だ? ついさっきまで、ただの中学生の少年でしかなかった彼は、ひと回りもふた回りも成長したように見える。

 その瞳には強い決意の炎を燃やし、子供っぽい無謀な正義感は、現実を前にして巨悪へと立ち向かう眩しいまでの勇気へと変化していた。

 

「正直、おれは今、すごく怖い。イノベーターは目的の為なら人殺しだって躊躇わないって、話では聞いてたけど、すぐ近くでそれを見て実感した。でも、おれは父さんの作ったLBXを使って悪いことをするイノベーターが許せない! LBXは、世界中の子供達に笑顔を届けるために産まれてきたのに、LBXで人々を悲しませるなんて許せない!」

 

 バンはぐっと手の中のプラチナカプセルを握り締め、そして再びポケットの中へと戻した。

 

「アミ、カズ。おれは出来れば、これ以上二人にはついてきて欲しくない」

「えっ、どうして! バン、私たち今まで一緒に戦ってきたじゃない!」

「そ、そうだぜバン。俺たち、今までどんな危険な事があっても、皆の力を合わせて乗り越えてきたじゃないか!」

 

 突然のバンの言葉に二人は動揺した。

 今までずっと三人でイノベーターと戦ってきたのに、今更どうしてそんな事を言うのだと、二人はバンに抗議した。

 そんな二人にバンは、落ち着いた様子で口を開く。

 

「勿論! 二人がついてきてくれるならこれ以上に心強い事は無いよ。でも実感したんだ。このまま戦いを続ければ、もしかしたら殺されてしまうかもしれない。おれは父さんの事があるけれど、アミとカズは何の関係も無いのに、おれのせいで戦いに巻き込んでしまった」

「バン、私はそんなこと少しも思ってないわ」

「ああ、アミならきっとそう言ってくれると思ってたよ! でも! ………でも、おれは二人を失うのが、怖い」

「でも、私は………!」

 

 これからの戦いで二人を失ってしまう事を想像したのか、バンは苦しそうな表情になって顔を俯かせ、歯を食い縛った。元来強気な性格あったアミでさえ、「二人を失いたくない」というバンの言葉に、絶対に自分は死なないと言い切るだけの自信は沸いてこない。

 

「でも、俺たちだってお前を失いたくないんだ、バン!」

「………カズ」

 

 だが、それに待ったをかけるようにカズはバンの両肩を掴んで叫んだ。

 

「俺は、アミほどお前と過ごした時間は長くない。でも、俺にとってお前は胸を張って『親友』だって言える程の存在なんだ、バン!」

「でも、カズはイノベーターとの因縁なんて、何も」

「………一人で抱え込まないでくれ。俺たち、友達だろ? いつかバンが俺を助けてくれたみたいに、俺たちはいつだって以心伝心、絶対に失いたくない、仲間なんだ」

 

 そう言い切ったカズはしばらく無言になり、そして顔を赤くしてそそくさとバンから離れた。

 

「ま、まぁ、つまりはそういう事だ。何かこう、クサイ台詞みたいになっちゃったけどさ………俺もアミも、半端な気持ちで戦ってる訳じゃない。お前といつまでも一緒に居たいから、さ」

 

 そこまで言ってまた恥ずかしくなったのか、赤くなった顔を隠すカズに代わってアミがバンに話し掛ける。

 

「そう……だから、ついてきて欲しくないなんて言わないで。私が一緒に居たいと思ったから、私は一緒に戦ってきたんだもの。一度だってバンに頼まれて戦いに参加した事、ある?」

「それは……」

 

 彼女の言葉に、バンは今までの戦いを振り返った。

 最初に三人で戦ったのは、郷田のハカイオーと戦った時。盗まれたアキレスを取り返す為にアミは率先して名乗りを上げ、自分は行かないと言っていたカズもピンチに駆け付けてくれた。

 その後はエジプトというLBXからの洗脳を受けたカズをLBXバトルで助け、宇崎さん達の以来で財前総理暗殺を防いだり、神谷重工の施設で重機と戦ったりした。

 思い出せば、そのどれもがバンが何を言うまでもなく、全員が自らの意思で付いてきてくれたものであり、そこにバンの意思は介在しない。

 

「そうか。みんな………!」

 

 バンが顔を上げ、アミとカズの顔をみると、順に2人は小さく頷いた。

 

「わかった。おれが間違ってたよ。アミ、カズ、これからも一緒に戦おう!」

「そうこなくっちゃ!」

「フン、わかりゃ良いんだよわかりゃ」

 

 三人は再び一つになり、イノベーターとの戦いへの覚悟を決めた。

 これから先、もしかしたら誰か仲間が殺されるような事があるかもしれない。そんな危険があるとわかっていても、互いの為、未来の為に少年達は戦うことを決意したのだ。

 

「あぁ、居た! バン君、アミちゃん、カズ君!」

「捜したぞお前らァ!」

 

「宇崎さん! 郷田!」

 

 と、そこに宇崎拓也と郷田ハンゾウがやっと到着。しかし、合流したのはその2人のみで、レックスの姿が見当たらない。

 

「あれ……レックスは?」

「蓮か……実は何故か連絡がつかなくてな。もしかしたらリュウセイ君と同様に、あの戦いの中で何かに巻き込まれたのかもしれない」

「そんな、レックスまで!」

 

 バン達三人がレックスの失踪の報告を受けて驚きの声をあげる横で、ハンゾウは引っ掛かりを覚えていた。

 何かがおかしい。憧れのLBXプレイヤーであったはずのレックス。何度も会って、彼の事はわかっていたつもりだったが、今日の彼の様子は何処か違和感があった。

 

「……そうだ。なんで、レックスは手を抜いてたんだ?」

 

 ふと郷田の口から漏れ出した疑問は、鮮やかなオレンジ色に染まった夕焼けの空へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どう言う事だ、籐吾郎! あんなの俺は聞いていなかったぞ!」

「………『あんなの』とはいったい、何の事ですか虎杖君」

「決まってるだろ………何故リュウセイを殺そうとした!」

 

 神谷重工本社ビルの社長室にて、四神筆頭の虎杖ハクビは神谷籐吾郎に詰め寄っていた。

 原因は世界大会アルテミスで起きた大量のLBXによる襲撃事件だ。あの襲撃の最中、ハクビは自身の友であり、家族でもある青柳リュウセイが撃たれた瞬間を目にしていた。運良くリュウセイは逃げおおせたものの、味方であったはずのイノベーターが何故あのような行動をしたのか、ハクビはこれ以上無いほどに怒り狂っていた。

 

「何かと思えばその話ですか。簡単な事ですよ。青柳リュウセイを殺せばイノベーターへの強力な敵対分子を排除する事が出来、その上彼に持たせていた我が社のナイトフレームの最高傑作【セイリュウ】の回収も可能なのです。効率を考えれば最善の手ですよ」

 

 だがそんな怒り狂うハクビの様子を気にも止めず、神谷重工の社長である男、神谷籐吾郎は悪びれもせずにそう言い切った。

 この男にとって他人の命など、自社の利益と比べれば路傍の小石にも満たない程の価値でしかないのだ。

 金、金、金。神谷籐吾郎にとって金は全てであり、いずれ果たされるLBXの兵器運用の中で、神谷重工が世界最高のシェアを手に入れられるように、神谷の技術の粋を集めた傑作である【セイリュウ】は、なんとしても手中に入れておきたいものだったのだ。

 

「貴様………そんな下らない、そんな下らない事で、俺の家族を!」

「下らない? 下らないのは君の方ですよ虎杖君。何ですかあの無様な戦いは。元・四神である青柳リュウセイからの攻撃を受けてしまうならばまだわかります。しかし、ユジンなどという有象無象のLBXプレイヤーに傷を負わされるとは、私は君に失望しましたよ」

「失望? 勝手に失望しているがいいさ! 俺も貴様に失望した、神谷籐吾郎! 俺は神谷も四神も抜ける!」

「神谷を抜ける? まさか、そのような事は許しませんよ」

 

 踵を返し、部屋を出ようとしたハクビを、突如としてドアから入ってきた大勢の籐吾郎のボディーガードが取り囲んだ。

 ボディーガード達はみな拳銃を構えており、その銃口をぴったりとハクビへと向けていた。

 

「動いてはいけませんよ、虎杖君。少しでも動いた瞬間に、撃ちます」

 

 最早動くことは出来ず、籐吾郎へと背中を向けたままの姿勢でハクビは固まらざるを得なくなる。

 

「最初から用意していたのか、このタヌキ親父が………! どうするつもりだ!」

「まだ試作品の段階ですが………君は少々扱い辛くなってしまったのでね」

 

 いつの間にかハクビの背後に歩み寄っていた籐吾郎が、懐から何かを出してハクビの首に取り付けた。

 その何かは金属製の首輪であり、その中央に付けられた赤いランプはハクビが装着してからすぐに点灯する。

 

「ッ!? 痛ッ!」

 

 その途端、ハクビは頭に鋭い痛みを感じ、思わずその場にうずくまった。痛みは尚も続き、あまりの激痛にハクビは倒れ、そして十数秒もがき続けた後に気を失った。

 

「終わったようですね。お前達、彼を自室へと戻してやりなさい」

「自室ですか? またすぐに逃げ出されてしまうのでは……」

「大丈夫ですよ。目が覚めれば、彼は生まれ変わっている事でしょう」

 

 神谷籐吾郎は気絶したハクビを見下ろし、気味の悪い笑みを浮かべる。

 

「多少の犠牲は出るでしょうが、我が『四神』はいずれ完璧な存在となる。我が社の未来は明るいですよ」

 

 

 

 




アミの最終機体、現時点では原作通りのパンドラが優勢? シャルナックの人気は意外と低めな感じ


アミの最終機体、どれがいい?

  • シャルナック
  • ダークパンドラ
  • ホーネット
  • パンドラのままが良い!
  • 正直どれでも良い……
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