LBXを兵器になんてさせない   作:青蛙

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コラボも季節限定も星3ほぼ全て当たってるのにセイリュウちゃんが未だに当たらないのは私が小説を更新しないせいです。
お久しぶりです、更新大変遅れました。



襲撃、アキハバラ!

 

 

 

 

「最初から全力で行かせて貰うんだな!」

 

 ダッシュで目の前のデクーカスタムLに肉薄したビビンバードX-Ⅲは、銃使いであると言うのに銃を持たない方の拳で相手の頭を下から殴り、よろめいたその身体に至近弾を連続で撃ち込み、更に追い打ちの前蹴りでデクーカスタムLを大きく吹っ飛ばした。

 吹っ飛ばした先ではイノベーターのLBXが丁度集まってきた所であり、しかしビビンバードX-Ⅲは臆すること無くその中へと突っ込んでいく。

 

「あの馬鹿守りを捨てて突っ込んで来やがった!」

「銃使いが近接戦なんて笑えるな!」

 

 四方から襲い掛かってくるイノベーターのLBX達。オタイエローのビビンバードX-Ⅲはハンマーを避け、剣をいなし、爪を弾き返し、群がるLBX達の僅かな隙間を素早く潜り抜けながら、格闘と銃撃を織り混ぜて着実に相手に攻撃を加えていく。

 アルテミス上位プレイヤーにも匹敵する高度なテクニックにイノベーターのLBXプレイヤー達は対応する事が出来ず、あっと言う間に四機ものLBXがブレイクオーバーし爆発四散した。

 

「う、嘘だろ……?」

「有り得ねぇ……ストライダーフレームでも無いのに動きが目で終えなかった」

 

「銃使いの近接戦等が強いのは特撮ヒーローのお約束なんだな。しっかり覚えておくといいんだな!」

 

「へぇ、ユジンのおまけぐらいに思ってたけど案外やるな」

 

「助けてあげた君に言われたくないんだな……」

 

 そんな軽口を叩いている間も二人の指は恐ろしい程のスピードでCCMからLBXに命令を送り続ける。今のオタイエロー程では無いが仙道ダイキ操るジョーカーMk-Ⅱもかなりのもので、重い大鎌を軽々と振り回して次々とイノベーターのLBXを撃破していく。プレイヤーとしての強さでは、イノベーターの戦闘員と彼等2人とでは圧倒的な差が出来ていた。だが、

 

「むぅっ………ちょっと相手の数が多すぎるんだな」

 

「倒す分にゃ問題ないが、バッテリーの方が保つかどうか」

 

 いったい何処にこれだけの戦闘員を待機させていたのか、倒しても次から次へと新手のLBXプレイヤーが現れ、ダイキとオタイエローに襲い掛かる。

 このままがむしゃらに戦い続けるのは悪手であると判断したオタイエローは、敵のLBX達を蹴散らしながらダイキに向かって叫んだ。

 

「ダイキ君、少しだけ、10秒だけ時間を稼いで欲しいんだな!」

「ハァ!? いきなり何で………ッ、仕方ねえなあ、10秒だけだぞ!」

 

 『行ける』と思って戦い始めたと言うのに随分と弱気じゃないかとダイキは少し腹が立ったが、不満を飲み込んで独りLBXの大群の前に立つ。追い込まれると普段被っている冷静な仮面が剥がれてしまう、悪い癖だ。

 

「お前達、今がチャンスだ一気に攻めろ!」

「このままオタイエローも捕えるぞ!」

 

 ビビンバードX-Ⅲが一旦戦線から引いたのを見て、イノベーターの戦闘員達の士気が上がる。

 この10秒間が勝負の分かれ目だ。

 

 この10秒を守りきれればダイキ達の勝利。

 守りきれなければイノベーターの勝利。

 

「ジョーカーっ!」

 

 ダイキは再び気合いを入れ直し、ジョーカーMk-Ⅱを発進させた。

 まずは1機目。右方向から片手剣で斬りかかってきたデクーをジョーカーズソウルで横凪ぎに両断。次に正面からハンマーを持って向かってきたデクー改を石突きで腕の隙間から突き上げ、縦の振り下ろしで破壊。続けて三方向から同時に襲い掛かってきたLBX達を、軌道をうまく見極めて回転切りで凪ぎ払う。

 

「隙有りィ!」

「っ、しまった!」

 

 振り抜かれたジョーカーズソウル。胴体を軸にして回転し、次の攻撃に備えていたジョーカーMk-Ⅱにライフルの弾が直撃した。撃ったのは、少し離れた場所にある店の看板の上に待機していたアサシン。

 敵の数が多すぎるが故に、その存在を見落としていた。ダイキのプレイングミスだ。

 

「もう一発!」

「ぐうっ!」

 

 ぐらりと体勢を崩したジョーカーMk-Ⅱをインビットがその鋭い爪で引っ掻く。軽く、装甲の薄いジョーカーMk-Ⅱだ。一度でも隙を見せればそれは致命的な瞬間となる。

 

「押せ押せぇぇっ!」

「ぶっ壊せ!」

 

 

 アタックファンクション!ギロチンカッター!

 

 アタックファンクション!トライデント!

 

 

 正面から接近していたデクー改からギロチンカッターが、左方から接近していたクノイチ弐式からトライデントが放たれる。

 

「やられて……たまるか!」

 

 負ければ自分は死ぬかもしれない。

 最愛の妹を守ることも出来ない。

 己の復讐を果たすことも出来ない。

 

 見ず知らずのこんな奴らに、好きなように使われてたまるか。

 

「ジョーカーッッ!」

 

アタックファンクション!デスサイズハリケーン!

 

 体勢を崩し、仰け反った状態のジョーカーMk-Ⅱの瞳に光が宿る。鎌で美しい螺旋を描きながら大きく跳び上がったジョーカーMk-Ⅱは寸でのところでデクー改とクノイチ弐式のアタックファンクションを回避し、空中で身体を捻りながら力強く大鎌を振りかぶった。

 

「不味っ、回避━━」

「あっ、近」

 

 避ける時間も、場所も無い。

 ジョーカーMk-Ⅱを中心にして発生した破壊の嵐は大勢のイノベーターのLBXを呑み込んだ。ダイキとオタイエローを仕留めようと集まってきていた事もあり、あっと言う間に何十ものイノベーターのLBXが次々とブレイクオーバーした。

 運良くデスサイズハリケーンに巻き込まれなかった者も、凄まじい風圧に押し返されて離れていく。

 

「もう大丈夫なんだな! よく耐えてくれたんだな!」

 

 直後、オタイエローが戦線に復帰。必殺ファンクション後の僅かな隙を狙って襲い掛かってきたLBX達の駆動部目掛けて攻撃し、機能停止に追い込んだ。

 

 大会でユジンが使っていたテクニックと同じものをオタイエローが使った所を目の当たりにし、ダイキは思わず「ほぅ」と声を漏らす。所詮オタレッドのおまけ程度に思っていたが、案外オタレンジャーとか言うのも粒揃いかもしれない。

 

「ハァ……遅いぞデブ」

「デブ!? ボクはこのお腹にカレーと言う至高の料理を━━」

 

「くっ、まだだ! 二人まとめて捕らえろーっ!」

 

 相当な数をやられたにも関わらずイノベーターのLBXプレイヤー達はまだ諦めていないのか、残ったLBXでチームを再編成し、尚も二人に襲い掛かってくる。

 味方の戦線復帰に少し安堵したダイキだったが、圧倒的な相手の物量と執念深さに冷や汗をかく。オタイエローのビビンバードX-Ⅲは兎も角、自身のジョーカーMk-Ⅱはその装甲に幾つもの傷を作り、その上大技のデスサイズハリケーンを使ったことでバッテリーは限界間近。

 

「行けんのか、コレ……」

「あとは信じて戦うだけなんだな」

 

 先はわからない。だが、多くの大人やLBXに包囲されて逃げる事も出来ないこの状況。どれだけ大人びていたとしても中学生の少年に過ぎないダイキは、オタイエローの言葉を言葉を信じて戦い続ける事しか出来ない。

 

 ジョーカーMk-ⅡとビビンバードX-Ⅲ。

 二機のLBXは再びイノベーターのLBX達に突撃を仕掛けていく。

 

 ジョーカーズソウルが三機のLBXの命を同時に刈り取れば、デクーエースの放った弾丸がジョーカーの右足を穿つ。

 インビットの爪がビビンバードX-Ⅲの肩を掠めれば、反撃の銃弾が周囲のLBXに向けて次々と突き刺さる。

 

 個々人の力の差は圧倒的だが、確実にそのダメージは二人のLBXの命を蝕んでいく。

 

「そこだぁっ!」

 

 先に限界を迎えたのは、より長く戦い続けていたダイキのジョーカーMk-Ⅱだった。

 バッテリーが無くなる寸前でパフォーマンスが低下していたジョーカーMk-Ⅱ。命令から動作までの僅かなラグが仇となり、そこをイノベーターのLBXは見逃さなかった。

 

「ジョーカーっっ!」

 

 ジョーカーMk-Ⅱの腕が胴から千切れ、宙を舞う。咄嗟の反撃によってイノベーターのLBXは倒され、追撃までは許さなかったが、ジョーカーMk-Ⅱにはもう戦いを継続できる力は残っていなかった。

 

「ダイキくん!」

 

 相方が力尽きた事に気付き、彼を守る為にオタイエローは必死にビビンバードX-Ⅲを操作しながら彼を背に庇う。

 

 万事休すか。思わずダイキが握っていたCCMを落としそうになった、その時だった。

 

 

「あ、マジでやってる」

「うわー、賑やかだなー!」

「これ、黒い方のLBXやって良いんでしょ?」

「腕が鳴るでありますよ~」

「オタイエローさん、助けに来ましたよー」

「拙者のブルド改カスタムの力を見せてやろう!」

「あっ、どうも~、バイト終わりに来ました」

 

 わらわらと表通りから路地裏に入ってくる、人、人、人。

 彼等は皆その手にLBXとCCMを握り締めており、何をしに路地裏に来たのか一目でわかった。

 

「な、何だこいつら……!」

「どんどん集まってくるぞ!?」

 

 困惑するイノベーターのプレイヤーやダイキを前に人は見る見る内に増えていき、あっと言う間にその数はイノベーターのLBXの残機の数を超えた。

 

 そう、一瞬にして形勢は逆転したのだ。

 

「オタイエロー……こいつは」

「ボクがさっき呼んでおいたんだな。そんなに多くは無いけど、みんなオタレンジャーのファンなんだな」

 

 見れば既に集まった人々は皆LBXを起動させ、臨戦態勢に入っている。彼等は、二人だけでは数で押し負けると予想したオタイエローの呼び掛けによって集まったLBXプレイヤー達。みな一般プレイヤーの域を出ない腕前ではあるが、日々秋葉原に通い、仲間内でLBXバトルをしている事もあってそこらのプレイヤーよりも強い。一人一人のレベルで言えば、イノベーターの一般プレイヤーと同レベルといった所だろうか。

 そんなLBXプレイヤー達が大勢集まり、その上複数体のイノベーターのLBXを相手に出来るオタイエローが居る。

 

 勝敗は決した。

 

「……くっ、撤退!」

 

 リーダー格らしき男がそう叫ぶ。すると路地裏に煙幕が撒かれ、周囲は真っ白に包まれて何も見えなくなる。

 

 バタバタと走るいくつもの足音が聞こえ、煙が晴れた時、ダイキ達の目の前にイノベーターのLBXプレイヤー達の姿は無かった。

 

「助かった、のか」

「ふぅ~、危ないところだったんだな」

 

 呆然と立ち尽くすダイキの前で、オタイエローは集まってくれた人々に礼を言い、一人、また一人と手を振りながら集まっていた人々は去っていった。

 

 そして全員が居なくなった頃、オタイエローはダイキの方を振り向いた。

 

「さて、君が奴らに狙われてる事を知った以上、ボクたちは君を放っておくわけにはいかないんだな」

「オタイエロー……あんた、奴らの事知ってるのか? なあ、奴らは一体何なんだ? 俺の妹は大丈夫なのか?」

「まあまあ、ここは一度落ち着くんだな。焦ってもしょうがないんだな」

 

 一難去った事で、頭の角に置かれていた不安がどっと押し寄せてきたダイキは矢継ぎ早にオタイエローに質問をぶつける。しかしオタイエローは質問に答える事は無く、なだめるようにダイキの肩に手を置くだけ。

 

「不安なのはわかるんだな。君もまだ中学生なんだな。だから、まずは僕たちの仲間のところまで行って、それから話をするんだな」

「なら、出来るだけ、早く頼む」

「大丈夫なんだな。すぐ近くだから、慌てる事は無いんだな」

 

 オタイエローはそう言って、ダイキの肩から手を離すと自分についてくるように彼に促す。

 

「そうだなぁ……お昼ごはんもまだだから、カレーでも食べながらじっくり話すんだな」

 

 二人の歩む先には、巨大なアキハバラタワーがそびえ立っていた。

 

 

 





【ビビンバードX-Ⅲ】
 アキハバラを守る正義のヒーロー『オタレンジャー』の一人『オタイエロー』の専用機であるLBX。製作者はオタクロスであり、フレームはナイトフレーム。基本的な造形はリーダー機である『ビビンバードX』と同じだが、カレー好きの彼を象徴するかのように全身が黄色にカラーリングされている。『ビビンバードX』と同様に、一点もののLBXではあるが裏模型ブルータスにて量産品が売られている。
 初出はゲーム『ダンボール戦機』。



【ジョーカーMk-Ⅱ】
 『箱の中の魔術師』の異名を持つミソラ一中の番長格の少年『仙道ダイキ』が、LBX世界大会アルテミスに向けてジョーカーを改造した機体。改造機体ではあるが、ベースのジョーカーがタイニーオービット製である為にゲーム内ではタイニーオービット製と表示される。カラーリングは黒から赤に変更され、性能も元となった機体から格段に向上している。頭部には新たにセンサーも追加しているらしい。中学生とは思えないほど技術力が高過ぎる。
 初出はゲーム『ダンボール戦機』。





仙道ダイキの最終機体アンケート!

  • ナイトメア
  • ジョーカーX
  • インセクター
  • それ以外!
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