【この面倒くさがり屋の星狩に、祝福を!】   作:完龍卞

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二話

 

 

 迫る ショッカー

 

 地獄の 軍団

 

 我らを狙う 黒い影

 

 世界の平和を 守るため

 

 ゴー ゴー レッツゴー

 

 輝く マーシーンー

 

 

 

 よォ、亜神だ。

 

 なんで俺が全ての仮面ライダーシリーズの始まりである初代仮面ライダー【仮面ライダー1号】の主題歌を歌ってるかと言うとな?

 

 今俺は、つい先日に【仮面ライダー555】に登場した【仮面ライダーカイザ】もとい【草加雅人】が乗ってたスマートブレイン・モータースとスマートブレイン・テクノロジーが共同開発した可変型バリアブルビークル【サイドバッシャー】を購入したもんだから、試運転代わり今【始まりの街アクセル】に向かってるんだよ。

 

 んでちょいちょいモンスターが居るもんだから物理的にぶっ殺してやってポイント貯めながら進んでいる。いやーいいね。やっぱエボルトになれるのか身体能力も底上げされているおかげで楽に狩れるわ。

 

 

 「おらおらテンション上げてくぜぇぇぇ!!!」

 

 

 ちなみに今の俺の装備は、【仮面ライダーカブト】に登場するゼクトルーパーのスペクトラ繊維製の戦闘服【BDU(バトルドレスユニフォーム)】と衝撃吸収素材が内蔵されたプロテクターで全身に装着。

 

 【BDU】の耐久力は鋼鉄の五倍、プロテクターの耐久力は鋼鉄の十倍。簡単には壊れねえだろ。

 

 その上から【Kamizon】から頼んだ黒のジーパンとアロハシャツ、そしてサングラスとまあ、なんだ。【仮面ライダーエグゼイド】に登場した九条貴利矢コスチュームに似てる感じだな。

 

 で、護身用として【仮面ライダー剣】に登場したサブライダー【仮面ライダーギャレン】が使用していた銃型のカードリーダー【醒銃ギャレンラウザー】と十三枚の♦シリーズの【ラウズカード】。ちなみに言えばギャレンラウザーだけで大抵のモンスターは狩れる。

 

 そのおかげで俺は、わざわざ【エボルト(怪人態)】に変身しなくて済むしy…………あ?

 

 

 「…………なんだあれ?」

 

 

 ある物を目にして俺は【サイドバッシャー】のブレーキを握る。止めた理由なんだが…………ここから約十数メートル離れた場所で、ファンタジー感丸出しの格好した男達とそれらに支持を出す女がいた。

 

 それでなんか鷲の頭と翼とライオンの胴体を持つモンスター。確か【グリフォン】だったか?そのモンスターと戦闘していた。

 

 と言うかグリフォンの背中になにか乗ってるな?ドラクエで言うスライムナイトみたいなやつが…………どう見てもありゃ襲われてるな。

 

 だったら…………

 

 

 『バレット』『ファイア』

 

 『ファイアーバレット』

 

 

 撃ち落とすのみ。

 

 

 DON!DON!

 

 「グギャアアアアアア!!!!」

 

 

 あ、落ちた。

 

 んじゃまあ…………行きますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『【三人称視点START】』

 

 

 グリフォンを操るドラゴンナイトに襲われた、ベルゼルグ王国王女アイリス一行。アイリス王女の護衛であるクレアの指揮の下戦闘が行われていたが、普通のよりも強化されていたグリフォンによって苦戦を強いられていた。

 

 しかし…………

 

 

 「な、何事だ!?」

 

 

 突如火の玉のような物、と言っても遠距離から放たれたギャレンラウザーの一撃に羽根を打ち破られ、戦況は一変。地上戦になれば戦士たちの独壇場となり、無事討伐された。

 

 だがしかし、グリフォンを打ち破った護衛の騎士たちだったが、空から騎士のような外観をした仮面ライダー【仮面ライダーナイト】が舞い降りた。

 

 

 『アイリス王女一行だな?』

 

 「何者だ、貴様!?」

 

 『我が名はナイト。新生魔王軍における幹部の一人だ。つい先日我々の仲間が一人殺られてな。その敵を討つためこう出張ったのが…………結果が乏しい。そこでこの辺りを王族が動くと聞いたものだから、出向いたというわけだ』

 

 「先のグリフォンはお前の手先か?」

 

 『無論、その通り。それでは…………お相手お願いしたい』

 

 

 剣型の召喚機【翼召剣ダークバイザー】を剣のように構え、そう言う。先程苦戦しながらも討ち取ったグリフォンを手先というナイトに、クレアは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

 

 するとその時、またしても火の玉のような物が飛んできては、ナイトに直撃した。

 

 

 『グアっ!?な、何者だ!!』

 

 「おっとそこまでだ」

 

 『サイドバッシャー、だと?貴様、仮面ライダーか!?なぜ味方である我々を攻撃する!?』

 

 「味方?お前何言っての?」

 

 

 ライドチェイサーに搭乗して現れる亜神。右手にはギャレンラウザーが握られ、銃口をナイトへと向けながら下車する。

 

 

 「俺はお前らを狩る…………死神だ。エボルドライバー!!」

 

 『オーバー・オーバー・ザ・レボリューション!』

 

 

 亜神の言葉に答えるように、腰部に二本のエボルボトル【コブラエボルボトル】【ライダーエボルボトル】と【エボルトリガー】が付いた、派手な色合いの【エボルドライバー】が光とともに装着。そして彼はレバーを勢いよく回し…………

 

 

 『Ready go!』

 

 『フィーバーフロー!』

 

 『フハッハッハッハハハハ!フハッハッハッハッハハハハハ!』

 

 

 【エボルト(怪人態)】へと変身した。

 

 原作と唯一違うところを上げれば、片手に関係ないはずのギャレンラウザーが握られていることぐらいだろう。

 

 

 「ま、魔物か!?」

 

 『なっ、エボルトだと!?』

 

 『ふぅ…………傍から見たら俺が敵だろうな。でもゴメンな、そこの美人なお姉さん。俺こいつ殺さないといけないんだ』

 

 「び、美人!?」

 

 『あ、そっちに反応するのね。まあ、いいや…………で、仮面ライダーナイト』

 

 『っ!』

 

 『倒すけど良いよな?答えは聞いてない』

 

 

 対面する【エボルト(怪人態)】と【仮面ライダーナイト】。普通であれば【仮面ライダービルド】と【仮面ライダー剣】という作品が違うため、戦うはずはない。だが、先程ここに到着する前に亜神の端末に送られたメールによるとナイトの転生者もターゲットだったという訳だ。

 

 

 『…………っ』

 

 『ガードベント』

 

 

 エボルトのチートスペックを知っているナイトはすぐさまに契約モンスターである蝙蝠型モンスター【ダークウィング】をマントのように身に纏う。

 

 

 『ならこっちも』

 

 『アッパー』『ファイア』

 

 『ファイアアッパー』

 

 

 そしてエボルトもチートスペックに更に攻撃力を上げる為、♦の3と6のラウズカードをギャレンラウザーへと読み込み、腰に戻す。

 

 すると♦の3と6のラウズカードが彼の後ろへと現れ、エボルトの右腕へと吸収され、炎を纏わせた。

 

 

 『オラッ!』

 

 『なっ、速いだtくっ!?』

 

 

 一気に近付いてはアッパーカットを放つエボルト。運良くナイトはガードベントで身にまとっていたマント状のダークウィングで防ぐが、元からのエボルトのスペックに負け、そのまま吹き飛ばされた。

 

 

 『グハッ…………』

 

 『ふぅ…………危ない危ない。スペック差が大きくあって助かったよ』

 

 『ふ、巫山戯るな…………俺は、新生魔王軍の幹部として、こんなとこで負けて、いいはずが無い!!くっ!!』

 

 『ソードベント』

 

 

 【ソードベント】のカードを読み込み、契約モンスターである【ダークウイング】の尾を模した長柄の槍【ウィングランサー】を召喚するナイト。そしてその切っ先をこの戦いを見ていた王女様アイリスへと向けては走り出した。

 

 

 『目的であるアイリス王女だけでも、ここで討ち取るのみだァァァ!!!』

 

 「え!?」

 

 「はっ、アイリス王女!!」

 

 

 護衛の騎士たちの中でも、クレアはいち早く動いたが、それでも間に合わない。死の恐怖に襲われたアイリス王女はそのまま目をつぶるが、彼女が死ぬことはなかった。

 

 何故なら…………

 

 

 『くっ…………』

 

 『な、なっ!?』

 

 「…………え?」

 

 「き、貴様?」

 

 

 右胸にウィングランサーの切っ先が突き刺さるエボルト。おおよそ多くの人間を葬って吸収してきたおかげか、ウィングランサーのAPが高かった為、少しであるが、高スペックである【エボルト(怪人態)】にナイトは傷を負わせた。

 

 しかし普通であれば彼は無傷のままナイトを葬ることは可能であっただろう。だが彼は人間の数十倍のスペックを持つ仮面ライダーナイトからアイリス王女を守るため、その身を犠牲にしたのだ。

 

 

 「だ、大丈夫…………」

 

 『っ…………お、おいおい、ナイトさんよ』

 

 『き、貴様…………!?』

 

 『若い者の芽を潰しちゃァ、いけんでしょ』

 

 

 ピキっ

 

 ウィングランサーから音が鳴る。

 

 

 『…………大丈夫か?お嬢さん』

 

 『あ、貴方は?』

 

 『安心しろ。俺は…………』

 

 

 ピキピキっ

 

 またしてもウィングランサーから音が鳴る。

 

 

 『エボルトだからな』

 

 

 ビキビキビキっ!!!

 

 右胸に少し刺さっていたウィングランサーをエボルトが握っていた場所から一斉に悲鳴をあげるように割れ始め、遂には全壊。容赦なくウィングランサーは握り壊された。

 

 

 『あ、ありえん!?馬鹿な!?』

 

 『やれやれ』

 

 『くっ、クソォォォォォ!!!』

 

 『ファイナルベント』

 

 『離れてろ、お嬢ちゃん』

 

 『Ready Go!』

 

 『ブラックホールフィニッシュ!!!』

 

 

 後ろへと後退してはナイトは【ファイナルベント】のカードを読み込み、その場をマントとなったダークウイングと共に飛翔。エボルトの手によって破壊されたウイングランサーを再生し、その中心にマントをドリルの如く変形させ旋回、エボルトへと叫びながら突っ込んでいく。

 

 それに対してエボルトはアイリスに一声かけ、ドライバーのレバーを再度回転。そして全身に流れるブラックホールのエネルギーを右足に収束させ回し蹴りを放った。

 

 

 『…………まあ、なんだ。お疲れさん』

 

 『Ciao♪』

 

 『はっ──────────』

 

 

 エボルトのその言葉を最後に、再度ウィングランサーの切っ先が砕け、放たれた回し蹴りにナイトは吹き飛ばされる。更に彼を吹き飛ばした勢いのままブラックホールの中へと放り込み、内部で圧縮すると同時に爆殺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『【三人称視点END】』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□

 

 

 『ふぅ…………』

 

 

 終わった…………意外にやるじゃねえか。その根気と仕事に関してのやる気だけは認めてやるよ、仮面ライダーナイト。

 

 ったくまさかあそこでアイリス王女狙うとは思わなかったわ。てかなんであそこにいたの?普通に隠れてろよ。

 

 

 『全く…………っ』

 

 

 あがっ…………右胸が痛てぇ。

 

 

 「だ、大丈夫ですか!?」

 

 

 おっと可愛い。

 

 てかいつの間にか膝ついてたな。…………立てねぇ。ちょいと寝転がろ。

 

 

 『…………ふぅ』

 

 「あ、あの…………大丈夫なのですか?」

 

 『んあ?安心しろ、大丈夫だよ』

 

 「き、貴様!?王女に向かって!!」

 

 『うるせえな。誰が助けてやったと思ってんだよ、お嬢さん』

 

 「お、お嬢さん!?お嬢さんだと!?」

 

 『俺からしたら立派なお嬢さんだよ。全く…………そんな叫んでると美人な顔が勿体ないぜ』

 

 

 手をヒラヒラとさせながら言う。

 

 てか疲れた。

 

 

 『とりあえず…………解除』

 

 

 俺のその言葉を皮切りに、【エボルト(怪人態)】の姿から、元の人間の姿に戻る。と言うか疲れた。

 

 

 「あっーあ…………疲れた」

 

 「元に戻った…………」

 

 「あ?ちょいと俺から離れてくれねぇか?お嬢ちゃん」

 

 「え?わ、分かりました…………」

 

 「おう、ありがとう」

 

 

 一服一服…………愛用しているくそ不味い煙草を口に咥え、左手で風避けのフィルターを作り、右手で愛用しているZIPPOのライター【クローツサテーナ 230.Ys】で火をつける。

 

 

 「すぅ…………あっーマッズ」

 

 「それは、なんでしょう?」

 

 「あ?煙草だよ、煙草。知らねえのか?」

 

 「い、いえ…………」

 

 「簡単に言えば葉巻に近いな。俺が住んでた国だと葉巻代わりにこれ吸ってたんだよ」

 

 「そうなんですか…………ゴホッゴホッ」

 

 「あ、アイリス様!?貴様!その煙草とか言うのをやめろ!」

 

 「だったら風下にいるなよ。と言うか近付くな。さっき離れてろって言っただろ?煙草の煙には病気になりやすいものが混ざってるから、あまり吸わない方がいいんだから」

 

 「なら何故貴方は吸っているのですか!?」

 

 「あー…………癖だな。それに…………好きなことで死ぬんだ。死ぬんだったらそうやって死にたいね」

 

 

 考えてみれば煙草なんて吸ってる姿がクールでダンディな様子に憧れて吸い始めたからな。

 

 今吸ってる銘柄なんて今は亡きヘビースモーカーの爺ちゃんが吸ってたやつだしな。これ吸ってると、初めて一緒に爺ちゃんと吸った時のことを思い出すんだよな…………。

 

 あ、思い出したら涙が…………。

 

 

 「だ、大丈夫ですか!?涙が…………」

 

 「気にすんなよ、嬢ちゃん。ちょっと思い出して泣いただけだ」

 

 「思い出して?」

 

 「いいから気にすんな。んじゃ、俺ァ用事があるから。じゃあな」

 

 

 強引に話を切る。

 

 …………あれは爺ちゃんの身体がもうヤバいって時だったな。あと少しで死ぬかもしれないって言うから無理やりにでも有給取っては見舞いに行って、そしたら丁度婆ちゃんの目ぇ盗んで吸おうとしてたんだっけ。

 

 そしたら爺ちゃんったら婆ちゃんが怖いからって黙ってろって言ってきたんだ。その時俺は、爺ちゃんと一緒に煙草吸ったこと無かったことを思い出して。

 

 爺ちゃんに交換条件として目の前で一緒に吸うことにしたんだ。俺が煙草を吸うようになったのは、爺ちゃんの影響だ。

 

 そしたら爺ちゃんは俺に吸うなって言ってきた。でも俺はそれを守れなかった。いや、守りたくなかった。だってあんなにクールでダンディでアダルトな大人の真似がしたかったんだから。

 

 …………あの日が初めてで、最後の行い。

 

 爺ちゃんと一緒に吸った煙草は、不味いはずなのに美味しくて、あの後吸った煙草はいつも通り不味くて塩辛かった。

 

 あの日を皮切りに爺ちゃんは吸わなくなった。理由を聞いたら、これ以上自分の身体の具合を悪くさせちゃあいけないからだって。でも絶対それは違った。その事言ってた爺ちゃんの顔は、結構悲しそうだった。だから俺も、爺ちゃんにこう言った。

 

 

 「爺ちゃんが死ぬまで、俺煙草やめるよ。だから競走しよ?どっちが我慢出来なくなるか」

 

 

 ってな。

 

 そしたらそれから少しして、爺ちゃんの身体が弱っていって二週間後。俺が丁度有給休暇が終わってさあ仕事を始めようとしたその日に、笑ったまま眠ってるように事切れてた。

 

 俺が愛用しているZIPPOのライター【クローツサテーナ 230.Ys】は、爺ちゃんが持ってた奴だ。なんでも親父が二十歳になって爺ちゃんへと送った物だったみたいだ。

 

 俺の親父は爺ちゃんに似て昭和のドラマに出てきそうな頑固者で、煙草を忌み嫌ってる。なんでも爺ちゃんのヘビースモーカーっぷりによく咳き込んでたそうだ。

 

 それでも育ててくれた礼をするように親父は爺ちゃんに【クローツサテーナ 230.Ys】をあげたらしい。それまで爺ちゃんは安っぽい100円ライター、今では200円ライターのコンビニとかで売ってたヤツばっか使ってたようだけど、それからずっとこれを使ってたらしい。

 

 この【クローツサテーナ 230.Ys】の話は、葬式の後で親父と婆ちゃんから聞いた。親父なんてうっすらと涙を浮かべながら、婆ちゃんは涙を流しながらも笑いながら語ってた。

 

 

 「結局あの勝負は、俺の勝ちだったな」

 

 

 【ライドチェイサー】のアクセルを回しながら、俺はそう呟く。なあ、爺ちゃん。また一緒に、煙草を吸いたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さーて、次回の【この面倒くさがり屋の星狩に、祝福を!】は?

 

 

 

 『亜神です。いやー、今回の話は随分と湿っぽくなっちゃいましてね、ほんとにすみません』

 

 『まあこの世界では煙草と酒を片手に自由に生きていくから、辞める気なんてサラサラねえんだよね!』

 

 『さて、次回の【この面倒くさがり屋の星狩に、祝福を!】は…………』

 

 『【亜神、でかい蛙に会う】』

 

 『【亜神、始まりの街なのに俺の始まりは紅魔族の里だったことについて】』

 

 『【亜神、めちゃ面倒臭い】』

 

 『の三本です』

 

 

 

 次回も見てくれよな?せーの、ジャンケンポン♪

 

 フハハハハハハッ!!!フハハハハハハッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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