【この面倒くさがり屋の星狩に、祝福を!】   作:完龍卞

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七話

 

 

 

 「アレね。二人じゃ無理だわ。仲間を募集しましょう」

 

 

 街に帰還した俺達は、真っ先に大衆浴場に行って汚れを落とした後、冒険者ギルドにてカエルのもも肉の照り焼きを食いながら作戦会議をしていた。

 

 この冒険者ギルドという所は、冒険者達の待ち合わせや溜まり場としても使われている為に、酒場も併設されている。

 

 今日はカエル二匹の肉が手に入ったので、ギルドへのカエル肉販売でそこそこの小遣いにはなった。といっても、土木作業のバイトの給料と稼ぎはあまり変わらない。

 

 しかし、ちょっと硬いがカエルが意外にいけるのが驚いた。この世界に来た当初はトカゲやカエルに抵抗があったが、食ってみると意外といける物が多い。目の前の女に関しては、どんな物でも一切の躊躇なく最初からモリモリ食っていたが。

 

 

 「しかし、仲間といっても駆け出しでロクな装備もない俺達と、組んでくれる奴なんかいると思うか?」

 

 

 口いっぱいにカエルのもも肉を頬張ったアクアは、手にしたフォークを左右に振った。

 

 

 「ふぉのわたひがいるんだはら、なかああんて「飲み込め。飲み込んでから喋れ」

 

 

 口の中の物をゴクリと飲み込み、

 

 

 「この私がいるんだから、仲間なんて募集かければすぐよ。なんせ、私はアークプリースト様よ?あらゆる回復魔法が使えるし、補助魔法に状態異常治癒魔法、蘇生魔法だってお手の物。どこのパーティも喉から手が出るほどに欲しいはず。カズマのせいで地上に降とされ、本来の力からは程遠い状態とはいえ、仮にも女が…………アクア様よ?ちょろっと募集かければお願いですから連れてってくださいって輩が山ほどいるわ!分かったら、カエルの唐揚げもう一つよこしなさいよ!」

 

 

 そう言って、俺の皿から唐揚げを奪い取る自称女神を、俺は不安気に眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日の、冒険者ギルドにて。

 

 

 「……………来ないねぇ」

 

 

 アクアが、寂しそうにションボリと呟いた。求人の張り紙を出した俺達は、冒険者ギルドの片隅にあるテーブルで、すでに半日以上も待ち続けている。

 

 別に、張り紙が他の冒険者に見てもらえていない訳ではないらしい。俺達以外にもパーティ募集をしているっぽい冒険者達もそこそこいるが、その人達は次々と面接を行い、何やら談笑した後連れだって行った。

 

 誰も来ない理由は分かっている。アクアの問題児っぷりが、すでに噂になっているのだ。証拠に、最初は俺達の募集の紙を見た連中が、嬉々としてこちらのテーブルに来ようとして、アクアを見てコソコソと帰っていくのを何度も見ている。

 

 だが、流石にこのまま誰も来ないのではここにいる意味が無い。

 

 しょうがない、アクアの悪い噂が消えるまで、またしばらく土木作業のバイトでも…………俺がそう思っていた時だった。

 

 

 「募集を見て来たんだですが、面接はここでいいのですか?」

 

 

 声をかけてきたのは、気だるげな、とろんとした眠そうな赤い瞳、そして黒い髪の女の子。黒マントに黒いローブ、黒いブーツに杖を持ち、トンガリ帽子は被っていないものの、典型的な魔法使いの格好だった。

 

 信じられないぐらいに整った、人間離れした顔立ちのその美少女は、歳は二十には満たないだろう。十七、八といった所か?

 

 黒髪を腰まで伸ばし前髪をぱっつんと切り揃えたその娘は、まるでヒーローが名乗るような声で言ってきた。

 

 

 「我が名はめぐみん。アークウィザードにして、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者!」

 

 「…………冷やかしにきたのか?」

 

 「ち、ちがわい!」

 

 

 女の子の自己紹介に思わず突っ込んだ俺に、その子は慌てて否定する。

 

 いや、めぐみんってなんだ。

 

 

 「…………その赤い瞳。もしかしてあなた紅魔族かしら?」

 

 

 アクアの問いに、その子はこくりと頷いた。

 

 

 「いかにも。我は紅魔族随一の魔法の使い手、めぐみん。…………あの、図々しいお願いなのですが、できれば何か食べさせてくれませんか?」

 

 

 めぐみんと名乗る娘は、そう言って悲しげな瞳でじっと見てきた。それと同時に、めぐみんの腹が鳴る。

 

 

 「…………ええと、カズマに説明すると、彼女達紅魔族は、生まれつき高い知力と強い魔力を持ち、大抵は魔法使いのエキスパートになる素質を秘めているわ。そして、大抵変わった名前を持っているわ」

 

 

 なるほど。別に俺をからかっている訳じゃないのか。

 

 

 「変わった名前とは失礼な。私から言わせれば、人族の名前の方がよほど変わってると思うのだよ」

 

 「…………ちなみに、両親の名前を聞いてもいいか?」

 

 「母はゆいゆい。父はひょいざぶろー」

 

 「…………とりあえず、この子の種族は質のいい魔法使いが多いんだよな?仲間にしてもいいか?」

 

 「おい、私の両親の名前について言いたい事があるなら聞こうじゃないか」

 

 「いいんじゃない?冒険者カードは偽造はできないんだし、彼女は上級職のアークウィザードで間違いないわ。カードを見ても、高い魔力が記されてる。魔力容量は普通だけど、これは期待できると思うわよ。もし彼女の言う通り本当に爆裂魔法が使えるのなら、それは凄い事だわ。習得が極めて難しい爆発系の魔法の、最上級の魔法だもの」

 

 「おい、彼女ではなく、私の事はちゃんと名前で呼んで欲しい」

 

 

 抗議してくるめぐみんに、俺は店のメニューを手渡した。

 

 

 「まあ、何か頼むといいよ。俺はカズマ。こいつはアクアだ。よろしく、アークウィザード」

 

 

 めぐみんは何か言いたそうな顔をしたが、無言でメニューを手に取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「爆裂魔法は最強魔法。その分、詠唱時間が結構かかる。呪文が完成するまで、あのカエルの足止めをお願い」

 

 

 俺達は満腹になっためぐみんを連れて、あのジャイアントトードにリベンジにやって来ていた。平原の、遠く離れた場所には一匹のカエルの姿。

 

 カエルは、こちらに気付いて向かって来ていた。だが、更に逆方向からも一匹のカエルがこちらに向かう姿が見える。

 

 

 「遠い方のカエルを魔法の標的にしてくれ。近い方は…………おい、行くぞアクア。今度こそリベンジだ。お前、一応は元なんたらなんだろ?たまには元なんたらの実力を見せてみろ!」

 

 「元って何!? ちゃんと現在進行形で女神よ私は! アークプリーストは仮の姿よ!」

 

 

 涙目で俺の首を絞めようとしてくる自称女神を、めぐみんが不思議そうに。

 

 

 「…………女神?」

 

 「を、自称している可哀想な子だよ。今後もたまにこういった事を口走る時があると思うけど、できるだけそっとしておいてやって欲しい」

 

 

 俺の言葉に、同情の目でアクアを見るめぐみん。

 

 半泣きになったアクアが、拳を握ってヤケクソ気味に、近い方のカエルへと走った。

 

 

 「きいっ!打撃が効き辛いカエルだけど、今度こそ女神の力を見せてやるわよ!見てなさいよカズマ! 今の所活躍してない私だけど、今日こそはっ!」

 

 

 そう叫んで、見事カエルの体内へ侵入する事に成功したアクアが、カエルの腹の中から一匹のカエルを足止めしてくれている間に、めぐみんの呪文が完成した。

 

 

 「喰らうがいい、我が必殺の爆裂魔法を!『エクスプロージョン』っ!」

 

 

 閃光が走った。めぐみんの杖の先から放たれたそれは、遠くからこちらに接近してくるカエルにぶつかると…………!

 

 目も眩む様な光と轟音と共に、カエルは爆裂、四散した。凄まじい突風になぎ倒されそうになりながらも、俺は足を踏ん張り顔を庇う。

 

 煙が晴れると、カエルのいた場所は半径十メートル以上にも渡ってクレーターができており、その爆発の凄まじさを現していた。

 

 

 「すっげー…………。これが魔法か」

 

 

 俺がめぐみんの魔法の威力に感動していると、今の轟音と衝撃からか、一匹のカエルが地中から這い出してきた。

 

 地球ではカエルは地に潜って冬眠するが、この世界のカエル達は、冬眠など関係なく、日頃から地中に潜って生活しているのかもしれない。カエルはめぐみんの近くに這い出そうとしているが、起きたばかりなのか、その這い出す動作は非常に遅い。

 

 今のうちにめぐみんと共にカエルから距離を取っておき、めぐみんの先程の魔法で消し飛ばしてもらえばいいだろう。

 

 

 「アークウィザード!一旦離れて、距離をとってから攻撃を…………」

 

 

 そこまで言いかけて、めぐみんの方を向くと同時。俺はそのまま動きを止める。

 

 そこにはめぐみんが倒れていた。

 

 

 「ふ…………我が奥義である爆裂魔法は、その絶大な威力ゆえに、消費魔力もまた絶大。…………要約すると、最大魔力容量を超えた魔力を消費したので、身動き一つ取れません。近くからカエルが湧き出すとか予想外。やばい食われる。すいません、ちょ、助けt『バインド ナウ』…………え?」

 

 「ゲゴッ!?」

 

 

 めぐみんが食われる!っと思いきや。

 

 蛙の足元に四つの魔法陣が現れては、ジャイアントトードを縛り付けた。

 

 

 「え…………めぐみん?」

 

 「わ、私じゃありません…………一体誰が」

 

 『大丈夫かね?そこの少年少女たち』

 

 「あ、あんたは!?」

 

 

 そこに居たのは、白いローブを纏った魔法使いのような見た目が特徴的で、右手と左手に一つずつ指輪を付けた人物が。

 

 

 『私の名は、ワイズマン。最強の魔法使いにして、希望と絶望を司る白い魔法使いなり』

 

 

 …………俺はこの後、アクアが身を呈して動きを封じたカエル一匹とワイズマンと名乗った人から借りた【ウィザーソードガン】という名前の武器でもう一匹のジャイアントトードにトドメを刺し、何とか『三日以内にジャイアントトード5匹討伐』のクエストを完了させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ありがとうございます。…………えーとっ」

 

 『ワイズマンだ。または白い魔法使いと呼んでもらいたい』

 

 「で、ではワイズマンさん、どうもありがとうございます」

 

 『いやいや、頭を下げないでくれ。助けを求めていた幼い子を助けただけだ』

 

 「おい、誰が幼い子だ」

 

 「うっ、うぐっ…………。ぐすっ…………生臭いよう。生臭いよう…………」

 

 

 一匹はめぐみんの魔法で消滅した為、残る二匹の巨大なカエルを引きずりながら、粘液まみれのアクアがめそめそと泣いている。俺の力じゃカエル一匹すらビクともしないのに、さすが腐っても一応元女神だ。

 

 

 「あ、知ってるかい?カズマ君。カエルの体内は、臭いんだが、いい感じに温かいんだよ?」

 

 「…………知りたくもない知識が増えました」

 

 

 ワイズマンさんがそう言うと、俺の背中におぶさっていためぐみんが呟く。

 

 魔法を使う者は、魔力容量を超えて魔法を使うと、魔力の代わりに生命力を削る事になるらしい。ほとんど魔力が枯渇している状態で大きな魔法を使うと、命に関わる事もあるそうだ。

 

 

 「今後、爆裂魔法は緊急の時以外は禁止だな。これからは、他の魔法で頑張ってくれよ」

 

 

 俺の言葉に、背中におぶさっためぐみんが、俺に掴まっている手に力を込めた。

 

 

 「…………使えません」

 

 「…………は?何が使えないんだ」

 

 

 めぐみんの言葉にオウム返しで言葉を返す。めぐみんが、掴まる手に更に力を込め、その薄い胸が俺の背中に押し付けられた。

 

 

 「…………私は、爆裂魔法しか使えません。他には、一切の魔法が使えません」

 

 「…………マジか」

 

 「…………マジです」

 

 

 俺とめぐみんが静まり返る中、今まで鼻をぐすぐす鳴らしていたアクアが、ようやく会話に参加する。

 

 

 「爆裂魔法以外使えないってどういう事?爆裂魔法を習得できる程のスキルポイントがあるなら、他の魔法を習得していない訳がないでしょう?」

 

 

 …………スキルポイント?

 

 そういや、ギルドのお姉さんがスキル習得がどうのと言っていたな。そんな俺の顔を見て、アクアが説明してくれる。

 

 

 「スキルポイントってのは、クラスに就いた時に貰える、クラススキルを習得する為のポイントよ。優秀な者ほど初期スキルポイントは多くて、このポイントを振り分けて様々なスキルや魔法を習得するわけ。例えば、超優秀な私なんかは、まず宴会芸スキルを全部習得し、それからアークプリーストの全魔法を習得して、更にポイントが余ったから近接格闘スキルまで取ったわ」

 

 「…………宴会芸スキルって何に使うものなんだ?」

 

 

 アクアは俺の質問を無視して先を続ける。

 

 

 「クラススキルは、個人によって習得できるスキルが限られてくるわ。例えば水が苦手な人は氷結や水属性のスキルを習得する際、普通の人よりも大量のポイントが必要だったり、最悪、習得自体ができなかったりね。…………で、爆発系の魔法は複合属性って言って、いくつもの属性の魔法が複雑に絡み合っている系統の魔法。つまり、爆発系の魔法を習得できるくらいの者なら、他の属性の魔法なんて簡単に習得できるはずなのよ」

 

 「爆裂魔法なんて上位のものが使えるなら、下位の他の魔法が使えないわけが無いって事か。…………で、宴会芸スキルってのはいつどうやって使うものなんだ」

 

 

 俺の背中で、めぐみんがぽつりと言った。

 

 

 「…………私は爆裂魔法をこよなく愛するウィザード。爆発系統の魔法が好きなんじゃない。爆裂魔法だけが好きなのよ」

 

 

 その意味は俺には分からないが、アクアは真剣な面持ちでめぐみんの独白に耳を傾けている。ずりずりとカエル引っ張りながら。

 

 いや、そんな事よりも、俺はすでに宴会芸スキルとやらの方が気になっているんだが。

 

 

 「もちろん他のスキルを取れば楽に冒険ができるのでしょう。火、水、土、風。この基本属性のスキルを取っておくだけでも違うでしょう。…………でも、ダメ。私は爆裂魔法しか愛せない。例え今の私の魔力容量では一日一発が限界でも。例え魔法を使った後は倒れるとしても。それでも私は、爆裂魔法しか愛せない! だって、私は爆裂魔法を使う為だけに、アークウィザードの道を選んだのだから!」

 

 「素晴らしい!素晴らしいわ!その、非効率ながらもロマンを追い求めるその姿に、私は感動したわ!」

 

 

 …………まずい、どうもこの魔法使いはダメな系だ。

 

 よりによってアクアが同調しているのがその証拠だ。

 

 ハッキリ言って、これ以上問題児を引き取りたくない。

 

 

 「そっか。多分茨の道だろうけど頑張れよ。お、そろそろ街が見えてきたな。それじゃあ、ギルドに着いたら今回の報酬を山分けさせて貰おう。うん、まあ、また機会があればどこかで会う事もあるだろ。では、ギルドに着いたら解散、という事で」

 

 

 その言葉に、俺を掴んでいるめぐみんの手に力が込められた。

 

 

 「ふっ…………我が望みは、爆裂魔法を放つ事。報酬などあくまでおまけに過ぎず、何なら山分けでなく、食事とお風呂とその他雑費を出して貰えるなら、無報酬でもいいと考えている。そう、上級職であるアークウィザードである我が絶大な力が今なら食費と諸々のみ!これはもう、長期契約を交わしてもいいのではないだろうか!」

 

 「いやいや、その強力な力は俺達のような弱小パーティには向いていない。そう、お前さんの力は俺達には宝の持ち腐れだ。俺達の様な弱小パーティには普通の魔法使いで充分だ。ほら、俺なんか初期クラスの冒険者をやってるぐらいだから」

 

 

 俺はそう言いながら、ギルドに着いたらすぐにこいつを捨てられるように、必死でしがみ付いてくるめぐみんの手をなんとか緩めようとする。

 

 が、その俺の手をめぐみんが掴んで離さない。

 

 

 

 「いやいやいや、弱小でも駆け出しでも大丈夫だから。私、じゃない、我も上級職だけど駆け出しだから。まだレベル6だから。見捨てないでもう少し使ってくれれば、レベル上がれば魔法使っても倒れなくなるから。だ、だから、ね?お、お願いだから、手を引き剥がそうとしないで欲しいです」

 

 「いやいやいやいや、爆裂魔法一発しか使えない魔法使いとか、かなり使い勝手悪いし意味わかんないから。くっ、魔法使いのくせに意外な握力をっ…………! こ、こら離せ、お前多分他のパーティにも捨てられた口だろ、というかダンジョンにでも潜った暁には、爆裂魔法なんて狭いダンジョンじゃ使えないし、いよいよ役立たずだろ、お、おいこら離せ、ちゃんと今回のクエスト分の金はやるから!離せ!」

 

 「見捨てないで!もうどこのパーティも拾ってくれないの!ダンジョン探索の際には、荷物持ちでも何でもします、お、お願い、私を捨てないでー!」

 

 

 背中から離れようとしないめぐみんが、捨てないでだのと大声で叫ぶ為か、あらぬ誤解をしている通行人達がこちらを見てひそひそと噂していた。

 

 すでに街中に戻ってきている為、巨大なカエルを引きずるアクアの姿もありやたらと目立つ。

 

 

 「やだ…………あの男たち、あの女の子を捨てようとしてる……」

 

 「隣には、なんか粘液まみれの女の人に、あんな巨大なカエル運ばせてるわよ」

 

 「あんな女の子を弄んで捨てるなんて、とんだクズね。見て? 女の子二人は粘液でぬるぬるよ?一体どんなプレイしたのよあの変態」

 

 「それにあの男も絶対怪しいわよ。自分の目的の為だったら何もかも犠牲にしそう」

 

 

 …………間違いなくあらぬ誤解を受けている。と言うかワイズマンさんに至っては風評被害じゃねえか!?

 

 それにアクアがそれを聞いてニヤニヤしているのが憎たらしい!!

 

 すると、めぐみんにもそれが聞こえた様で。めぐみんは口元をにやりと歪め…………

 

 

 「どんなプレイでも大丈夫ですから!先程の、カエルを使ったヌルヌルプレイだって耐えてみせま「よーし分かった!これからよろしくな、めぐみん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はい、確かに。ジャイアントトードを三日以内に五体討伐。討伐を確認いたしました。ご苦労様でした」

 

 冒険者ギルドに報告を終え、規定の報酬を貰う。粘液にまみれたアクアとめぐみんは、そのままだと生臭い上にまた俺があらぬ誤解を受ける可能性があるので、とっとと大衆浴場へ追いやった。

 

 カエルの死体の内一体は爆裂魔法で消滅した為、クエスト完了の報告はどうなるのかと思っていたが、この冒険者カードは、倒したモンスターの種類や討伐数が記録されていくらしい。

 

 俺とめぐみんのカードを見せると、受付嬢はなにやら機械を操作して、それだけでチェックを終えていた。科学の代わりに魔法が発達した結果なんだろうけど、この世界の技術もあながちバカにはできない。

 

 改めて自分のカードを見ると、そこには冒険者レベル6とある。一応あのカエルは中級の冒険者が狩る相手らしい。その為、4匹狩っただけで一気にレベル6にまで上がったのだろう。

 

 ステータス欄の数値が多少は上がっているが、あまり強くなった実感は無い。

 

 

 「…………しかし、本当にモンスター倒すだけで、強くなるもんなんだなぁ」

 

 

 俺は思わず呟いた。この世界では、生き物を殺すと、殺した相手の力の一部を吸収するのだそうな。アクアの話だと、魔力の溢れているこの世界では魂の記憶がうんたらかんたら。

 

 まあ、言っていた事の半分も理解できなかったが、要は敵を倒すと経験値が入ると思っておけばいいらしい。よくよく見ると、カードにはスキルポイントと書かれている欄が60と表示されている。

 

 キマシタワー。

 

 とうとう俺もスキルが使えるわけだ。

 

 

 

 「はい、ではジャイアントトード二匹の買い取りとクエスト報酬を合わせまして、十一万エリスとなります。ご確認くださいね」

 

 

 十一万か。あの巨大なカエルが一匹五千円程での買い取り。そして、カエル五匹を倒して十万円。

 

 アクアの話では、四人から六人でパーティを組んでクエストを行なうらしい。なので、普通の冒険者の相場だと、一日から二日をかけてあのモンスターと命がけで戦い、カエル五匹の取引と報酬で十二万五千円。五人パーティだとして、一人当たりの取り分が二万五千円。

 

 …………割に合わねー。

 

 クエストが一日で済めば日当二万五千円。これだけ見れば一般人にしてはいい稼ぎに思えるかもだが、命懸けの仕事にしてはやはり割に合っていない気がする。

 

 事実、今日なんてカエルがもう一匹湧いてたら俺も食われて、誰も助けることができなくなり、見事全員カエルに消化されるのを待っていただろう。

 

 考えただけでもゾッとする。

 

 一応他のクエストにも目を通すと、そこに並んでいたクエストは…………

 

 『森に悪影響を与えるエギルの木の伐採、報酬は出来高制。迷子になったペットのホワイトウルフを探してきて欲しい。息子に剣術を教えて欲しい。※要、ルーンナイトかソードマスターの方に限る。魔法実験の練習代探してます、※要、強靭な体力か強い魔法抵抗力…………』

 

 うん。平和な日本に比べたら、異世界はハードモードです。

 

 もう帰りたくなって来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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