とある佐天の魔法棍棒(マジカルバット)   作:gear×gear

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前半佐天さん出ないので
めんどい人は後半へGO


第0章 原作前編
プロローグと第一話


ここは、どこでしょうか?

 

目を開けてみるとただただ真っ白な世界が広がっています。

 

おかしいです。

先ほどまで私は寝ていたはずなのです。

幼少期の私は癌を発症しました。

齢にしてたった10歳の時でした。

そこから闘病しているのですが、ドナーがなかなか見つからず、今は15歳の夏、病室で読書中だった筈なのですが、どう言うことなのでしょうか。

 

「突然なのじゃが、お主は死んだのじゃ。」

 

「え」

 

ビックリしたのです。いつの間にか目の前に絶世の美少女がいるではないですか。

 

「美少女ではない。妾はれっきとした大人のれでぃじゃ。そして神じゃ。それにしてもお主。死んだににしては、落ち着いてるのう。他の者はここに来た時には喜ぶかやり直したい、と妾に言ってくるもんなのじゃがのう。」

 

「はぁ。私、死んだ瞬間を知らなくて。どうやって死んだのでしょうか?」

 

「お主、白血病じゃったじゃろう。結局治る前に命の蝋燭(ロウソク)が火を消したと言う訳じゃ」

 

何となく理解していた。貧乏な家庭に生まれてしまった私は満足な治療を受けれなかった。それに、ドナーも結局見つからずじまいだったと言うことね。パパ、ママ先立つ親不孝な娘を許して下さい。

 

「突然話は変わるがお主。輪廻転生という言葉を知っとるかね?」

 

「あ、はい。仏教ですよね。魂は何度も記憶を無くして生き返る?でしたっけ。あと、周りの人は前世であったことのある人ともう一回会っているだけなんだとか?」

 

「まあ、そんなところじゃのう。く、釈迦め、ここでの記憶をピンポイント消し忘れたばっかりに広めよって。しかもなんか知らぬ、おひれまでつけよって。人と会うのは完全にランダムに決まっとるじゃろがい」

 

「あ、そうなんですね、キリスト教の運命論みたいなのは無いんですね。」

 

「お主、なかなか博識じゃのう、中途半端に。そうじゃな、あくまで妾達は、人間が絶滅しない様に誘導しているだけであって、争いを起こしたり、止めたり、ましてや個人の意思を決定させる事などできんのじゃよ」

 

「へえ、そうなんですね。」

 

「話を戻すのじゃ。お主の魂。実はお主で輪廻転生1万回を終了したのじゃよ。」

 

「?はい、1万回がどうしたのでしょうか?」

 

「実はのう、1万回以上は輪廻転生させてはならん決まりがあってのう、1万回の生と死を記録にて天使になることになっておるのじゃ」

 

「え、てことは私?天使になれるの?」

 

「そう、じゃよお主はいま、この時点で天使になっておるのじゃ。ほれ、背中を見てみるのじゃ」

 

パサパサッ

 

後ろを見てみれば本当に翼が生えているではないですか。

 

「本当ですね」

 

「妾は嘘はつかんのじゃよ。それでここからが本題じゃ。

 

いま、お主に割り振れる仕事がない。」

 

「え、いきなりリストラですか。パパの最短記録三ヶ月より早いですよ」

 

「と言っても仕事がないんじゃ。すまん」

 

「ええー。」

 

「という訳であと一生だけ下界に行って欲しいのじゃ」

 

「あと一生だけって、まあわかりましたよ。ここにいてもただただ暇なだけなんでしょうから行きますよ、はいはい」

 

「お主、どんどん扱いがぞんざいになっとらんか?」

 

「いきなりリストラされたらこうもなりますよ」

 

「それもそうじゃな。という事で、行ってこい」

 

「え」

 

突然開く足元。重力に従うように落ちる私。

 

「キャァー!!!!!!!」

 

「あ、重力とかないから、全部演出じゃよ」

 

「なおのことたち悪いわ!」

 

**************

 

12月某日、とあるスポーツ店

 

「そういや、バット新しいのが欲しいんだっけか。」

 

とある壮年の男性が、

一本のバット買っていった。

 

**************

 

どうも、バットになった天使です。

なぜバットになったかですって?知りませんよ。あの自称神の、のじゃロリにでも聞いて下さい。

 

という事で私は一本のバットとして、スポーツ店にて売られていた訳ですが、たった今特に特徴もない壮年の男性に買われて車に揺られています。

 

あ、エンジンが止まりました。

家に着いたようです。

 

「おとうさんおとうさーん!」

 

おや、お家の方から三つ編みの可愛らしいお嬢さんがやってきます。

 

「お、涙子か」

 

「ねー!ねー!買ってきてくれた?!」

 

「買ってきたよ、はい」

 

そうやって手渡される私。こんな小さか女の子に渡されるなんてある意味ラッキーですね。まあ、バットとしたら球児に使われるのが本望かもしれないですが。

 

「それで、涙子はどうして誕生日プレゼントにバットが欲しかったんだい?」

 

 

しょうじょは 満面の笑みを 浮かべて 答えた

 

「じえいよう!」

 

**************

 

私を掴んだ涙子は早速公園に行って素振りをし始めました。

 

「ふん。ふん。ふん!」

 

まあ、お子様な涙子ちゃんは振るというか、振られているような状況になる訳でして、というかお父さん。こんなちっちゃい子に私みたいな重いバット買ってどうするのですか!

 

私は涙子ちゃんに話しかけようと思います。

 

(涙子ちゃん、最初はもっとゆっくりでいいですよ。)

 

涙子ちゃんは周りを見回します。あ、ですよね。私とはわかりませんよね。

 

(涙子ちゃん、私はバットです。)

 

その言葉を聞いた涙子ちゃんは私をじっと見つめます。そして、おもむろに「えい!」って掛け声のもとにすぐ近くの木に打ち付けます。めり込んだ私はそれでも話しかけます。

 

(痛っ!痛くないんだけど辞めて!)

 

私の言葉に涙子ちゃんはパァァッ!と目を輝かせます。心なしかキラキラと擬音が聞こえそうです。

 

「バットの妖精さん!?」

 

(天使ですよ(見習い以下)?!)

 

それが私と涙子ちゃんのファーストコンタクトでした。

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