とある佐天の魔法棍棒(マジカルバット)   作:gear×gear

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この4人をできるだけ早く出会わせたかったので、
アニメ準拠になっています。



第1章 幻想御手編
第三話 邂逅


7月16日

 

身体検査のあった日の放課後、駅近くのベンチで涙子ちゃんは初春ちゃんと2人は仲良く世間話をしていました。

 

「システムスキャンどうだった?」

 

「レベル1でした。小学校の頃と変わらずです。アハハー。佐天さんもレベル2のままですか?」

 

「そうだよー。まあ、会話できる相手は相変わらず天ちゃんだけだもんね。てっ何?その可哀想な人を見る目は!」

 

「だって、バットと会話できるって。ぷくっ。何度聴いても面白くて、あははは!」

 

「なんだとーこのー。ウリウリー。」

 

「あはは痛いですよー。佐天さーん!こめかみグリグリは、辞めてくださーい!」

 

「もー初春は!もう少しで能力名がもう一つ上がった候補の『バットマスター』になりかけたのを必死で精神感応系の『意思疎通』だと言い張ったんだからね!」

 

「ブフッ。バットマスター。なんてもしかしたらそっちの方がブフッ」

 

「何か言ったかな初春飾利君?私はバットマスター佐天なんて考えたのかな?」

 

「いや、それソー○マスター大和。ウヒャ!痛い!ごめんなさい!謝りますから、ほんとに痛いのでやめて下さいー!」

 

グリグリすることに満足した涙子ちゃんはそっと手を離します。

 

そして、涙子ちゃんは一一一の新曲を買いに行こうと誘います。

 

しかし、初春ちゃんが涙子ちゃんにある話を持ちかけました。

その内容は今から常盤台中学の超電磁砲に会おうというものでした。

 

「えーいいよー。いや、私たったレベル2だし、しかもこんな能力だし。」

 

「そんなこと言わず、さあ、早く行きましょう!」

 

(行ってあげればいいではないですか)

 

折角ですので会わない理由なんてないと思います。まあ、私が若干ミーハーの気があるのは否定しませんが。

 

「え、何?天ちゃんも?ちよ、私の味方はいないのか!いや、あー!一一一の初回限定版がぁ!」

 

 

そして、向かった先のファミレスでは2人の女子中学生がキス手前な距離で抱き合っていました。

 

**************

 

「紹介致しますの。こちらが同僚の初春飾利さん」

 

「初春飾利です。よろしくお願いします!」

 

「でこちらの方がえっと」

 

「はーい、私は佐天涙子です。因みにレベルは2でーす」

 

涙子ちゃんが自己紹介した時。隣の初春ちゃんが少し吹き出していた。

 

「初春さんに、佐天さんか。私は御坂美琴。よろしくね」

 

実は涙子ちゃん、私の能力を聞いたら如何にもな感じで笑う、嫌な人なんじゃないかって疑っていたのです。私にこそっと耳打ちするくらいには。しかし、自己紹介しあった時点で嫌な感じがしないので想像と違い少しだけ面食らってしまったという訳なのです。

 

「じゃあ、ゲーセンでも行こっか」

 

そう言って歩き出した御坂さんを追いかけて私達は歩き出します。

 

しばらく歩いた頃。知らないお姉さんがクレープ屋さんのチラシを配ってました。私を担いでいる涙子ちゃんが一枚もらって見るとカエルのストラップが貰えると書いてあるみたいです。

 

まあ、涙子ちゃんもこんなゆるーい感じのキャラクターはとっくに卒業しましたし。中学生だし、好きな人はまだいそうですけど、堂々とは言えそうにないですね。

 

案の定、初春さんに私が言ったようなこと言ってた時です。前を見ていなかったので、ドンって涙子ちゃんが何故か足を止めてしまっていた御坂さんに後ろから当たってしまいました。

 

 

「ごめんなさい、御坂さん」

 

ただ御坂ちゃんはチラシを凝視しているようで反応がありません。前を歩いていた白井ちゃんが戻ってきて、チラシの中身を横から覗き込み話しかけました。後ろから2人の会話を聞いていると、御坂ちゃんはこのチラシに載っているキャラクターのストラップが欲しいそうですね。本人は否定してますが、鞄に同じキャラで違うストラップをついているところを見るに、白井ちゃんに軍配が上がりそうです。

 

**************

今、私達はクレープ屋さんがある公園のベンチでクレープを食べています。

 

(並んでいる時の御坂ちゃん可愛かったですね。涙子ちゃんでストラップ終わってしまった時のがっかりの仕方とか!」

 

「そうだね、ゲコタ?だっけ?御坂さんの趣味。意外にかわいいんだね!私びっくりしちゃったよー!」

 

(それ以上にわからないのが白井ちゃんですね。なんですか、生クリームに納豆って!ツナならわかります。ですが納豆はちょっと)

 

「天ちゃんってバットのくせにやけに人間臭いよね。」

 

(元人間ですからね。今は天使になりましたが。)

 

「結局、天使か人間かどっかわかんないよ!それじゃ。アハハー」

 

「佐天さん、佐天さん!」

 

隣を見たら初春ちゃんが笑いを堪えた顔でジーっとこっちを見ています。前を見たら御坂ちゃんも白井ちゃんも、なんだか痛い子を見る目で涙子ちゃんを見ています。

 

(私とお話ししていたからじゃないかな、能力の詳細。お伝えしてなかったですよね。)

 

そうわかった涙子ちゃんは、速攻で言い訳を始めた。

 

「あ、いえこれはですね、私の能力なんですけど、このバットとお話し出来るんですよ!だから別に私が電波女って訳じゃないんですよ!ほら、私、目隠ししますからこのバットに何か見せて下さい。当てれますから!」

 

と言って目隠しをします。

 

そこに面白そうと思ったのか、御坂ちゃんが携帯を見せます。

 

「へえそうなんだ。これなーんだ?」

 

(緑のカエルの携帯です)

 

「緑のカエルさんの携帯です!」

 

おー。と三人が感心しています。白井ちゃんが武装の金属矢をバットに見せます。

 

「では、こちらはなんですの?」

 

(白い金属製の棒です)

 

「うーん。白い金属の棒です!」

 

おー。とやっぱり3人は感心しだします。

 

「初春は学校で何回か見せたじゃん!なんで一緒になって驚くの?!」

 

「いやー、やっぱりびっくりしちゃいますよ!だってバットと話してるんですもん!」

 

「そうよね、珍しい能力よねー」

 

「聞いたことありませんの。無機物に意識が宿るなどと」

 

「天ちゃんは特別なんだよ!多分、きっと!」

 

「そうなんですのね」

 

「ただ、まあ、さっきので証明されたんですし。佐天さんが何らかの形でこのバットの天ちゃんさんと情報をやり取りはできるってことですね。」

 

そう言った初春ちゃんの言葉を終わりにして、3人が一応の納得を見せます。

 

しかしその時、通路を挟んだ銀行より火の手が上がりました。

 

**************

 

銀行強盗を制圧しに白井ちゃんが向かいました。あまりに小柄な白井ちゃんを3人の強盗犯は笑います。ですが最初に殴りかかったドレッドヘアーさんを白井ちゃんは軽く捌きます。それに激昂した発火能力者は、能力で起こした火を白井ちゃんに投げつけますが、白井ちゃんの能力『空間移動』で避けられてしまった上、金属矢で地面に縫い付けられてしまいます。

 

その頃、テンパってしまった涙子ちゃんは私をベンチに置いて、見つけられない団体客の男の子を探しにいってしまいました。まあ、わたしも影ながらお手伝いしましょう。

 

(涙子ちゃん!もっとバスの運転席から見てから見て前の方の柵の方だよ!)

 

「ありがとう天ちゃん!」

 

涙子ちゃんは、すぐ見つけたのですが、3人組のうちの明るい髪の男の方が近く、男の子を人質に取ろうと手を掴みます。

 

(まずい。涙子ちゃんわたしであの男を殴)「だめえぇ!」

 

涙子ちゃん、必死になって我を忘れてしまってます。弟に姿を重ねてしまったのでしょうか。男の子に抱きついて離しません。業を煮やした犯人は涙子ちゃんの顔を蹴り付け、近くにあった車へと逃げ込みます。

 

(やってくれましたね。)

 

私が彼をどう処刑しようか考え出した、その時です。

 

「黒子ォッ!悪いけど、手。出させて貰うわよ。」

 

御坂ちゃんの方が先に堪忍袋の尾が切れてしまったみたいです。

御坂ちゃんはゲーセンのコインを弾き出し、

彼女の代名詞たる『超電磁砲』をプッパなしました。

 

ひっくり返り、御坂ちゃんの上を飛ぶ元逃走車。犯人は中で目を回していました。

 

「わあ!凄いなあ」

 

それを見た涙子ちゃんが感嘆の声を漏らします。

 

「私もあんな風に、カッコよく。友達を護りたいな!」

 

(だったら私を放って置かないでくださいね!大体、あの犯人が銃を持っていたらどうするつもりだったんですか?私がいないとロクに戦え無いんですから、危ない時、困った時ほど私を手放さないで下さい!)

 

「ごめん。ごめんって!」

 

**************

 

その後は男の子の母親に感謝されたり、4人でゲーセンに行ったものの、すぐ完全下校時刻になってしまい、家に返されてしまったりした。

 

3人と別れお家に帰った私と涙子ちゃん。さっとお風呂に入ってパジャマに着替え、ベッドに横になり、私に話しかけます。

 

「御坂さん。凄い人だったね」

 

(そうですね。)

 

「学園都市に7人しかいない超能力者だからって、鼻に掛けることないし、普通にいい人だった。」

 

(そうですね)

 

「今日の私は情けなかったね。周り見えてなかった。」

 

(仕方ないかとと思われます。今までは1人でいる時に不良に絡まれるぐらいでしたし。誰かを護ろうと戦ったのは、初めてではないですか?)

 

「そうなんだよ。私が助けないと、この子どうなってしまうか、わからないって思っちゃうと周り見えなくなっちゃって。御坂さんに一声かけるだけでも変わっただろうになー。」

 

(そうかもしれませんね。でも今回もっとも直すべき点はわたしを手放したことですよ、涙子ちゃん)

 

「うぐっ、はい。仰るとおりです。以後気をつけます。」

 

(よろしい。あなたが強く願えば大抵の願いは叶えるだけの力が私にはあります。そのことを忘れないでくださいね!)

 

「じゃあ、億万長者にして!」

 

(お金の使い方も知らない小娘は身を弁えなさい。)

 

「ひどいよ天ちゃん辛辣!今日は疲れたから早く寝ようよー!」

 

(何言ってるのですか?涙子ちゃん?)

 

「え?」

 

ヤバイと思った涙子ちゃんは慌てて布団を被って寝ようとします。しかしそれはさせません。

 

(お説教は始まったばかりですよ?)

 

「アッ、ハイ」

 

このあと2.3時間説教しました。

 

**************

 

少女はバットを強く握ってつぶやきます。

 

「ああ、天ちゃんをいつでもこの手に握れるようになったらな」

 

カーテンの外では、雲ひとつない夜空に浮かぶお月様が街を照らしていました。




感想ありがとうございます。拙い文章ながらお読みいただき感謝です。
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