とある佐天の魔法棍棒(マジカルバット)   作:gear×gear

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第四話 交錯

7月ももう後半。佐天涙子は授業中であるにも関わらず完全に集中を切らしていた。

 

(あー暑い。

なんで教室にはクーラーがないの!)

 

しかし、教師は残酷なことに、ズンズンと授業を進めてしまう。

カツカッと、能力開発の授業の先生が黒板に大きな字で『自分だけの現実』とかく。

 

「能力を発動するのに必要不可欠なものそれが『自分だけの現実』だ。これはーーーーー」

 

開発の授業中、あまりにも面白くなさ過ぎて、佐天は前の席に座っている初春に小声で話しかける。

 

(うーいーはーるー!)

 

(なんですか?佐天さん?)

 

(今日さ、セブンスミスト行かない?水着とか見にさ!)

 

(うーん、そうですねー。いいですよ。)

 

「よし!」

 

「何がよしなんだ?佐天?」

 

気づかないうちに黒板の前に立っていた筈の先生が目の前にいました。コン、コン。と出席簿で頭を小突かれます。

 

「初春、佐天、授業に集中しなさい」

 

『はーい』

 

**************

放課後。私を担いだ涙子ちゃんと初春ちゃんは、第七学区内にあるセブンスミストというかデパートに向けて歩いていました。その途中涙子ちゃんが都市伝説サイトにあった。『幻想御手』について話題に出します。

 

「幻想御手?ですか?」

 

「そうなんだよ!レベルが2つくらいアップするんだって!!2つもアップしちゃったら私も初春もどうなるのかな?!」

 

「もー、佐天さんったら!またそんな都市伝説信じたりして!私、知りませんよ!また路地裏でスキルアウトに絡まれても!」

 

その事を指摘された涙子ちゃんはうげっとした顔をした後アハハと笑ってごまかしそうとします。その様子を見て初春ちゃんもため息をつきます。

 

「いーやー、あれは偶々だよ!たまたま!」

 

「そうなんですね。佐天さんは週一回起こる事が偶々なんですね」

 

「うぐ、あー御坂さん!」

 

初春ちゃんの追求にいたたまれなくなった涙子ちゃんが目を逸らした先に御坂ちゃんがいたので声をかけます。

 

「初春さんに佐天さん。2人も今帰り?」

 

「はい、佐天さんに誘われて、セブンスミストに行く途中です。」

 

「あ、そうだ御坂さんもご一緒にどうですか?」

 

「私?構わないわよ」

 

御坂から色良い返事をもらっているというのにびっくりして固まる2人。徐に初春ちゃんが口を開きます。

 

「いや、御坂さんもセブンスミストにあるお店みたいなチェーン店でも服を買うんだなって。」

 

「うんうん!」

 

初春ちゃんの隣で全力で首を縦に振る涙子ちゃん。そんな様子の2人を見て御坂ちゃんは苦笑しながら答えます。

 

「そんな事ないわよ。大体、常盤台の校則のせいで休日等の外出時に制服を着ないといけないから、そんなに服にこだわりなんてないのよ」

 

3人は雑談しながらセブンスミストに歩いて行った。

 

**************

 

『連続虚空爆破事件』の首謀者、介旅初矢はクレーンゲームの景品のカエルのぬいぐるみにアルミを入れて呟いた。

 

「僕を救わない風紀委員なんていらない」

 

彼はセブンスミストの目の前で花の飾りが特徴的な風紀委員を見かける。

 

彼の口元はニヤリと口角を上げた。

 

**************

(あそこにいる男の人。初春さんを凝視していますね。涙子ちゃん、どう思いますか?)

 

「(気のせいだって、あの茶髪のやさしそうな人でしょう?気のせいだって!初春の頭の花に驚いて見つめていただけだと思うよー)」

 

そうでしょうか?あの視線はどうにもそう言った好奇の視線ではない様に感じたのですが。いえ、涙子ちゃんは私が守るんです。しっかり注意を促しておきましょう。

 

(涙子ちゃん。あの視線は興味や関心といった好意的な視線ではありません。初春ちゃんに何かあってはいけません。しっかり初春ちゃんのことを見ておきましょう。)

 

「(うーん、わかったよ。路地裏じゃないんだしさー。人の目もあるし大丈夫じゃ無い?)」

 

(だといいんですが。)

 

私達がエレベーターでこっそり話してる間に目的の階に着いたみたいです。

 

目的の一つである水着コーナーへ歩いていると途中にカラフルな模様のパジャマありました。案の定というか、御坂ちゃんはそのパジャマに目線が釘付けです。ゲコ太でしたっけ、可愛いものが好きな御坂ちゃんの好みどストライクですよね。このカラフルなパジャマ。

 

(涙子ちゃん。御坂ちゃんこのパジャマ気に入ったっぽいね。見栄張って意地張っちゃうから離れた方が良いんじゃ無いのでは無いでしょうか?)

 

「(え、この、この小学生向けの?が、あー、あのカエルのストラップ欲しがった御坂さんだもんね。うーん。だったら一度薦めてみるよ。)」

 

「御坂さーん。このパジャマ可愛いですね」

 

「え、そう。そうよね。可愛いわよね。うん。合わせてみよるわ」

 

そそくさと鏡の前へ行く御坂ちゃん。

 

「御坂さん。あの小学生の頃着ていたような」

 

「うーいーはーるー!しーっ!しーっ!せっかくの可愛い御坂さんが意地張っちゃうじゃん!」

 

とぼけた感じの初春ちゃんの口を涙子ちゃんが閉ざしていると、御坂ちゃんの方から大声が聞こえてきました。




次回投稿予定は2日後の予定です。
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