■第十三話 案内する男
アラバスタ王国のとある場所。
砂漠の岩場に囲まれた中心部……そこには一軒の建物、『スパイダーズカフェ』と言う名の酒場がポツンとそこに存在していた。
一見するとどこにでもある普通の酒場にしか見えない場所。しかし、それは仮の姿……本当は秘密犯罪組織『
店内には既に何名かの社員がすでに集まってきており、先に着いていた社員は集合時間の夜八時まで各自暇をつぶしながら待機していた……そんな時、一人の女性が話題を振る。
「―――そう云えば、あなた達知ってる?最近、あなた達以外の
店のカウンターにいた女性―――スパイダーズカフェの店主であるポーラはそう言うと、目の前にいる三人に話しかける。
「なんだいそれは?アタシ知らないよそんな話!!初めて聞いたよそんな話!!初耳だよ!!」
「し~~~~ら~~~~な~~~~…」
「ホンッットお前は喋るのが遅いよ"Mr.4"!!もっとキビキビ喋りな!"バッ"!!この"バッ"!!」
「い~~~~よ~~~~」
ポーラの質問に目の前の二人……かなりせっかちな喋り方をする女性―――ミス・メリークリスマスと、彼女と対称的にかなりノロい喋り方をする巨漢の男―――Mr.4は初めてその話を聞いたのか、話を振ったポーラに聞き返す。
「なーーにその話⁉あちし、はじめて聞いたわーーーー!!」
店の中で回っていた、バレリーナの服装をしたオカマ―――Mr.2ボン・クレーも聞いたことがなかったのか、興味津々で話の続きを催促する。三人ともその新人について知らなかったため、面白そうに話し始めるポーラ。
「数か月前、突然入社したと思ったらいきなりオフィサーエージェントになったって話よ……何でも、『社長』が直々に推薦したって噂」
「ハッ‼なんだいソイツ!!気に似喰わないねェ……ちゃんと使えるやつなのかい?」
「わたしはまだ見たことはないけど……『社長』直々よ?もうすでに何件か指令を遂行しているみたいだし……実力もあなた達オフィサーエージェントと引けを取らないって話だわ」
「アラ!!!そんなすごいやつが入ってきたなんてーーー!!!知らなかったわーーン!!」
「フフフ……そうね。今夜はエージェント全員が集まるから、その噂の新人さんもこの店で拝見できるかもしれないわね?」
「テンション、上がってきたわーーーあちし!!!それまであちし、回ってることにするわーーーー!!!回る回るあちしわ回る!がっはっはっはっはっは!!」
「フォーー、フォーー、フォーー、フォーー」
「目障りだからやめなオカマ!!」
再び回り始めるボン・クレーにキレるメリークリスマス。回転を止められたのが気に食わないのかボン・クレーは喧嘩腰で彼女と口論に発展した。
「んなーーーによう、オバハン!!あちしと戦ろうっての⁉」
「おめーがやる気ならなァ!!!」
「フォーー、フォーー、フォーー、」
「ちょっと、おやめなさいな二人共っ!!ほら……もうすぐ指定の8時になるわ……!」
ポーラがそう言い、店内の時計に目を向ける……すると時計の針はもうすぐ集合時間の8時を示そうとしていた。
数十秒後……時計の針が動き完全に8時の時刻を示す―――その瞬間、店のドアが吹き飛ぶと……数人の血を流した人間が店内に飛び込んできた。
『!!!』
突然の事態に対し、口論を止め臨戦態勢に入るエージェント達……さすがに場数を踏んでいるためか、動揺しながらもいつでも戦闘できる姿勢を取る。
飛び込んできた複数の人間……よく見ると全員血濡れでケガをしており―――それを見たボン・クレーは驚愕に叫ぶ。
「オ!!お前達じゃないのよう!!どうしたの!?なぜ、店に飛び込んできたの!!?」
「ち……ちが……あイづ……」
飛び込んできた人間……ボン・クレーの部下は震える指で飛んできた方角をさす―――するとそこには、一人の人影が佇んでいた。
「何だ…オカマ野郎。てめェの知り合いか……?」
「!」
「砂漠で
指をさされた人影―――Mr.1はそう言うと壊れたドアから店内に入る。どうやら彼は外でバレーの訓練をしていたボン・クレーの部下の動きを不審に思い、対処のため暴行を働いたようだ。
己の行動に疑問を持たないMr.1……しかし、ボン・クレーは部下を傷つけられたため血が上ったのか、Mr.1を睨み付け……攻撃を仕掛ける。
「コイツらはあちしの部下よーーーう!!!」
「やめなMr.2!!!」
「……」
戦闘を止めようとするメリークリスマス……しかしボン・クレーは取り合わず、Mr.1に向けて蹴りを放った。
「オカマ拳法"白鳥アラベスク"!!!」
「!!!」
連続で放たれる鋭い蹴り……しかし、身体を逸らして攻撃を躱したMr.1は反撃にボン・クレーに殴り掛かる。
「ヌッ!?」
ギリギリ交わすボン・クレー……お互いの攻撃が交差する中、遂にボン・クレーの攻撃が相手の胴に命中した。
「アン!!デュウ!!オラァ!!!」
「!!!」
蹴りを食らい後方に吹き飛ぶMr.1、そのまま酒場の壁に激突すると思われた……その時、
「何だい!?壁をすり抜けたっ!!……いや、壁を砕いたのか!?」
「死にてェらしい……」
ボン・クレーに対して敵意を向けるMr.1……本気を出すため能力を発動しようとした、その時……Mr.1の前に立ち戦いを止めるポーラ。
「待って、Mr.1!!!そこまでよ!!!」
「止めるな"
「離すのよう、デブチン!」
「あう、あう」
「Mr.2も怒りをおさめて!!」
Mr.4に圧し掛かられ拘束されるボン・クレー、暴れてはいるが一先ず争いが止まり、これからの動きを伝えるポーラ。
「今8時……揃うべきエージェントは揃ったわ。そしてこのスパイダーズカフェに指令状が一通届いている……」
そう言い、眼鏡とバンダナを拭うポーラ……本当の姿はオフィサーエージェント―――ミス・ダブルフィンガーであり、Mr.1のペアであったのだ。
ポーラの正体に啞然とする三人のエージェント。その反応がおかしいのか、楽しそうに指令内容を説明する。
「…ここから夢の町『レインベース』へ向かうのよ。私達が今まで顔も知らずに"
ダブルフィンガーが言い終わると、落ち着いたのかボン・クレーがいつもの調子で立ち上がる。どうやら長年一緒にいたポーラの正体に少なからず驚いたらしい。
「ふ~~~ん、あんたがまさか"ミス・ダブルフィンガー"だったとはねいっ!!ポーラ」
「フフフ……別にそうじゃないと言った憶えはなくってよ?」
「それで、どうすんだいダブルフィンガー!!レインベースにはどうやって行くつもりだい!?」
「心配ないわミス・メリークリスマス、移動手段は向こうが用意しているからそろそろ―――」
「―――そう、案内はボクが務めるよ。そのためにこんな場所にわざわざ来てやったんだから」
『!!!』
突然、聞き覚えのない声に驚くオフィサーエージェント達。声のした方角に目を向けると…………そこには一人の青年が立っていたのだった。
「誰よあんた!!いつからそんなところにいたわーけよォ!!?」
「………オカマに、デブに、ババア―――後はその他諸々。なんでこう……人が集まると決まったように濃い
「アァ!?何だいこのガキ!!いきなり現れて無礼なガキだよ!!失礼だよ!!この"バッ"!!」
「あなたが新しく入ったというエージェントね?」
ダブルフィンガーの質問に青年…………スターマンは頷く。
「そうでーす!最近この犯罪組織に入社した新人のオフィサーエージェント………とりあえず会社では"Mr.エクストラ"と呼んでいただければ幸いっす」
「"
「安直でしょ?いま余ってる数字がないから暫定でこのコードネームなんですよ」
「正直、センスがねぇ……」と、名前が気に入らないのか愚痴をこぼすスターマン改め、Mr.エクストラ。強い視線を感じたのか、そちらの方を視線を向ける………そこには、目を見開いてエクストラを凝視していたMr.1が目に映っていた。
「まさか……お前ほどの人物が所属する組織だったとはな」
「あらMr.1、彼を知っているの?」
「……むしろ、おれはこいつを知らないてめェらに驚きだよ」
「はーーなによぉ!!このボウヤそんなに有名なやつなのーーー?」
「―――"アイディール・スターマン"……恐らく、今現在この世で最も名の知れた賞金稼ぎだ」
『!!?』
Mr.1から告げられた名前に誰もが驚愕する。想像以上のビッグネームだったのかボン・クレーなどは顎を落として驚きに叫んだ。
「アイディール……スターマンって……
「スターマンって言えばたった一人で同業者1000人叩きのめしたって話だろ!!何だってそんな奴が組織に!!?」
「お~~~~ど~~~~ろ~~~~……」
「おかしいわね。私が聞いた話だとあなたは、
「い~~~~た~~~~よ~~~」
「おい坊主頭、なに本名バラしてんだよ!コードネームの意味が全くなくなるだろがいッ!」
怒るエクストラは埒が明かないと思い、サッサと本題に入ることにする。エージェントはまだ騒いでいるが無視して進行する。
「はぁ、要件をすませるよぉ~今からこの場にいる人間……オフィサーエージェントのみを
「今すぐって、乗り物なんてないじゃないかい!!まさか!!徒歩でレインベースまで行く気じゃないだろうね!?」
「ジョ~~~ダンじゃなーーいわよーーう!!いくら何でもここからレインベースまで徒歩なんて!!メチャクチャ時間が掛かるわよーーーう!?」
「そンなわけねェだろ」
騒ぎ出す二人に呆れた表情をするエクストラ。ガシガシと頭を掻きながら億劫そうにエージェント達に説明した。
「君らは何もしなくていいよ……ただそこでボーっと突っ立ってるだけでいい。目的地には――――――
そう言った直後に指を鳴らすエクストラ…………その瞬間、景色がブレる。
まるで場面が切り替わったように突然、変化する景色―――彼ら
『!!!』
「はい到着~~お疲れ……なわけないか」
突然身に覚えのない場所に驚くオフィサーエージェント達…… エクストラは眼前にある扉の前に移動すると唖然として立っている彼らに話しかける。
「えっ………え!?なに、なんなのここ!!?あちしたちいま砂漠にいたじゃない!!何処なのよ、ここ!!?」
「ここはレインベースにある社長がいる建物の中だ……詳しい話は扉の奥にいるオールサンデーにでも聞いてくれ」
「レインベースって……何だいそりゃ!!?酒場から馬使ったって半日は掛かる距離あんだぞ!!それを一瞬で………!?」
「それがてめぇの能力か……Mr.エクストラ」
「話はあとだ、今はサッサこの扉の中に入れ……中で社長がお待ちかねだ」
エクストラの底知れぬ力に驚愕しつつも、扉の奥に自分たちの社長がいると聞き気を引き締めたエージェント達。準備ができたことを確認し、扉に手を掛けるエクストラ。
「さぁ気を引き締めろよぉ………謎に包まれた
■第十四話 笑みを浮かべる男
「アラ!!そーーなの!!"エクスちゃん"もまだ
「ああ、指令もミス・オールサンデー経由でしかやってないから社長には一度もあったことないんだよ」
スターマンの能力で飛ばされて来たオフィサーエージェント達……扉を開けるとそこにはテーブルと複数の椅子が配置されており、座席には番号が振ってある事から座る場所は指定されていた。各々指定された席に着くエージェント達……しかしそれからの動きは全く、全員椅子に座って待ち惚けを喰らっていたのだった。
「まったく!!すぐに社長に会えると思ったら待ち惚けだよ!!どうゆうことだよ!!早く会わせなMr.エクストラ!!早くしな!!この¨バッ¨!!」
「知らないよ。ボクの任務はエージェントを『この場所』まで連れてくることであって、その後の動きについては全く聞いてないんだよ」
「ジョ~~~ダンじゃなーーいわよ~~う!!!一体いつまで待たせる気なの!!?タコパぐらい出しなさいよう!!……回るわよ!!?回るあちしは白鳥のごとし!!」
「フォーー、フォーー、フォーー………‼」
「Mr.2静かに待ちなさいよ」
「ホンッットだよこの"バッ"!!腰にくるんだよおめーが騒ぐよ!!!」
「あなたもよミス・メリークリスマス」
「ふふふっ……みんな仲良くってわけにはいかなそうね……」
騒ぐ広間に女性の声が響く。見ると白いコートを着た女性……ミス・オールサンデーが階段から降りてきたところだった。
「ミス・オールサンデー」
「あらサンデーちゃん最近ドゥー!!?」
「うっさいっつってんだよこの"バッ"!!」
「よ!!オールサンデー久しぶり、元気~~?肩の怪我どう?……自分で撃っといてなんだけど、あれからずっと気になっててさぁ」
「……ええッ、おかげさまでもう傷は良好よ」
「それは良かった!」
「ひっどいわね~~~ン!!出会い頭に拳銃で撃つなんて……いくらあちしでもドン引きよ!ドンッ引き!!!」
「長旅ご苦労様……よく集まってくれたわ。これだけの面子が揃うとさすがに盛観ね」
「ここはどこなんだ、ミス・オールサンデー」
「そうね……あなたたちは"Mr.エクストラ"の能力で直接、此処まで移動してきたのよね。ここは人々がギャンブルで一攫千金を夢見る町"夢の町"『レインベース』。そして、あなた達がいるこの建物は……『レインベース』のオアシスの真ん中にそびえる建物―――この町の最大のカジノ"レインディナーズ"その一室よ」
全員がちゃんと椅子に座り、話を聞く姿勢を取るとオールサンデーはテーブルに近よる。
「他に質問がなければ話を進めるわ」
「そーーともさ!!さっさと始めな。それ始めな。やれ始めな」
「―――だけど、その前に……紹介しなきゃね。あなた達がまだ顔も知らない、わが社の
「!!」
密閉された一室の中、テーブルの上の燭台の火が揺らめく……突然、空席に気配が現れたのをエクストラは感じ取った。
「……今までは私が彼の"裏の顔"としてあなた達に働きかけて来たけれど、もうその必要はなくなった……わかるでしょ?」
「いよいよというわけだ…………」
『!!?』
「………な…!!!」
大部屋に響き渡る声―――それと同時に誰もいなかった空席から凄まじい気配が放たれる。いきなり現れた圧にどよめきを見せるエージェント達、こちらに背を向けていた椅子がゆっくりと回り…………一人の男が正面を向く。
「作戦名『ユートピア』―――これが我々
こちらに振り向いた男性……左手の『義手フック』と顔面を横断する傷が特徴の男が笑みを浮かべて言い放つ。男の姿を確認した瞬間……その場が一気に騒然となった。
「…………!?」
「え!!?」
「ク……"クロコダイル"!!?」
「ヒハハハ……!」
「さすがにご存じのようね……彼の
義手の男………"王下七武海"の一人―――"サー・クロコダイル"が自分たちの社長だと知り愕然とする。自分たちは海賊の部下だと知らずに今まで従ってきたのだから当然だった。
「……こいつはえらい大物が出て来たもんだね」
「知ってるも何も……なぜ"七武海"の海賊が!!?」
「あちし達は海賊の手下だったわけなの!!?」
「フォ…………」
「あんたがおれ達の
「不服か?」
クロコダイルから凄まじい"威圧"が部屋の中を充満する。尋常ではない……まるで凍えるような気配に
「ヒハハハハ!!!やっぱりな……そんなこったろうと思ったんだよねぇ」
「―――何が可笑しい"Mr.エクストラ"」
「いやなに、こんな大規模な秘密犯罪組織を創るなんて一体どんな奴かな~~って考えた時さぁ……やっぱり相当頭がいい輩か、実力も相当強い人間じゃなきゃ作れないと思ってねぇ!それで、本社があるのが『アラバスタ王国』にあるって聞いた時……ピーンときたんだよ、これが!!!こりゃあこの会社のボスは世界政府公認の大海賊―――サー・クロコダイルだなってね!!!」
「ほお……なら貴様は入る前からおれの正体に気付いていたとでも言いたいのか?」
「20年前にあの四皇『白ひげ』に惨敗するも、貴方は周到に策略を巡らせ野望の達成を図る謀略家で有名の海賊……それが、たかが一大国の『英雄』ごときで満足する器とはおもえなくてね。確証はなかったけど「絶対なんかやってるな……」と思っていましたが、まさか予想が当たっていたとは思いませんでした」
「ふん……頭の足らないこの国の民どもには丁度いい『隠れ蓑』だっただけだ―――だが、そうなるとお前はおれの正体を
葉巻を口にくわえ、火をつけると煙を吐き出す。クロコダイルはギロリッと両目を動かし、眼前にいるエクストラを射抜きながら言葉を吐く。
「何が目的でこの組織に潜り込んだ―――おれの首か?」
「ヒハハハ……何言ってんだか、"王下七武海"に加入したときにもう懸賞金は政府から解除されてるでしょう?何にもならない仕事をするほど、ボクは暇じゃないんだよ。ボクが入った理由はただ一つ、この会社に入れば
「その貴様の望む結果とは、なんだ?」
「えっと……それはちょっと人前で言うのは恥ずかしいっていうのか、言いたくないっていうか……」
「……ふざけているのか?」
先程よりも強い威圧がエクストラに向かって放たれる……殺気も含まれたそれにエクストラは観念したのか、渋々理由を話し始める。
「!………分かりました。でも、ホントに恥ずかしい理由なので……引かないでね?」
「さっさと理由を説明しろ」
「はい、えっと…………ボクこう見えても掃除が好きでして…………この会社に協力すれば、
その言葉を聞いたエージェント達はギョッとして目を見開く。「きゃ!言っちゃった」と顔を赤らめ手を覆うが、その不穏すぎるな内容にクロコダイル以外の額から冷や汗が流れ落ちた。
「……なんだと」
「ボク
そう言い、目と口を歪ませながら笑みを浮かべるエクストラは………まるで物語に出てくる『悪魔』を連想させるものであり、その表情を見たものはエクストラから距離を取り始める。周りの冷えた空気に気付いたのか、ハッとなり表情を戻す。
「おっと、失礼……まぁとにかく、これからここアラバスタ王国を取るっていうんだ。その際には当然、多くの死者が出るのは必然でしょう?僕は特等席―――それも、参加する側で関わりたいんですよ………まぁ正直、自身の趣味の範疇なんですけど、どうせなら勝ち馬のほうに乗っかりたいからこの会社に入ったんです。だから、ここまでの楽しみを台無しにするような裏切り行為なんて決してしませんよ……賭けてもいい」
「……快楽殺人者か、てめェ」
「ちょっっと!?何なのよこいつ!!?噂以上にヤバいやつじゃない!!!メっっチャ怖いんですけどーーーう!!!?」
「こんなイかれた野郎とやっていくなんて!!大丈夫かい!!?」
物理的にも精神的にもドン引きするエージェント達……しかし、流石に犯罪会社を創り上げた
「ふん、まぁいい……貴様が何を思いこの会社に入ったかなどこの際もはやどうでもいい。ただおれの指令通り動けばな……そうすれば貴様にも甘い汁を吸わせてやる―――精々、励め」
「はーい、がんばりまーす」
「余計な事で会話の腰が折れた………さて、話を戻し順序よく説明していこう。このおれの真の目的―――そして
その後……この国で起こる事、『プルトン』と言われる古代兵器が隠されていることを聞いたエージェント達は目の色を変え、クロコダイルの話に食い気味に聞き入る。
「そんなものが本当にこの国に存在するのう!!?それを国ごと奪っちゃおうって訳なのねい!?あちしゾクゾクしてきたわ!!」
「―――つまりおれ達の今回の任務は……その壮大な計画の総仕上げというわけか」
「そういう事だ。
各自、紙に書かれた『指令書』を読んでいく。当然、エクストラにも配られ指令の内容を読む。
「(!…………これはっ)」
内容を見て目を見開くエクストラ………が、それは一瞬であり、すぐに表情を戻すと他のエージェントに倣って燭台の火で指令書を燃やしていく。
「それぞれの任務を貴様等が全うした時―――このアラバスタ王国は自ら大破し…!!!行き場を失った反乱軍と国民たちはあえなく、我が
―――紙に火が付き、燃え広がり灰になっていく様は……これから起こる内乱の戦火を暗示しているかのようだ。
「一夜にしてこの国は、まさに………!!我らの"
『了解』
「―――武運を祈る」
「―――"
■
「―――"Mr.エクストラ"を見張れ。妙な動きを見せたら即……始末しろ」
あの後―――エージェント達に任務を与えた後、突然"Mr.3"が広間に入ってきた……どうやら、『スパイダーズカフェ』に隠れていた所、
「あら、ここまで作戦が進行しているのに……今さら自分の部下を疑うの?」
「ここまで来たからこそ些細なことで作戦に支障をきたすわけにはいかない―――それに、奴は
最初に会社に誘ってから今まで曖昧に保留していたにも関わらず―――ここに来ていきなりの接触……どう考えても違和感しかない。
「噂によると奴は金さえ積めば
「そうかしら……彼、誰かの下につくようなタイプには見えなかったけれど」
「どちらにせよ、あの得体のしれない奴はおれの創る『理想郷』には必要ない。必ず邪魔な存在になるだろう……やつには作戦中にこの国とともに消えてもらう」
「……わかりました。その命令に従います」
背を向けて部屋から出ていくミス・オールサンデー。クロコダイルは鼻を鳴らすと水槽を眺めながらこれからの作戦に思いふける。
「やっと此処まで来たんだ―――邪魔になる存在には、全て消えてもらう」