「見つけた、見つけた、見つけたよん♪……会いたかったぜぇ"モンキー・D・ルフィ"!!!」
空に浮かぶ『星』の遥か下……海面に浮かぶ小舟の少年を、望遠鏡越しで覗き見ながら興奮しているスターマン。
望遠鏡に顔を近づけ、もう一度覗き込む……そこには『麦わらを被った少年』が逆さまになって見えていた。
「ヒハハハ……いやーこの世界に飛ばされ十何年?――やっとここが『
身震いしながらそう言うと、自分の頭上に見える少年を観ながらため息をついた。視線の先……そこには小舟と少年の他に、
この巨大な魚……ここでは『近海の主』と呼ばれ恐れられている怪物は、小舟に浮かんでいた少年に襲いかかったところ ―――乗っていた少年に殴られ、一撃でやられてしまったところであった。
「あの巨大な生物を一撃とはねぇ……まぁ当然知ってはいたけど、実際に目の当たりにすると、トンでもないなぁ……!」
怪物を倒すところを観ていたスターマンは思わず冷や汗をかき、思わず呟く。彼は主に
しかし、ここは世界で一番最弱の海
あらためて小舟の上の少年……
「んんーとりあえず
…スターマンが海賊から女性を助けてから約二週間後、アレから星を飛ばしてやってきたのは此処……
スターマンが必死になりこの場所まで来た理由……それは『物語の始まりに立ち会うため』である。
スターマンはこの世界に来訪し、世界が『
それは元の世界―――『
スターマンは元の世界でこの世界の基となった物語……"ONE PIECE"を毎週かかさず読んでいた。単行本が販売したら欠かさず購入するほどの読者ファンである。「こんな世界に行ってみて~」等と、口にしてみた事ともあった……が、に本当に行きたかった訳ではなく……実際、本当に来てしまうなど予言者であっても予知出来ないだろう。
とにかく、彼は漫画では確か……『"ワノ国"編』まで読破しており、これからやっと面白くなるところでこの世界に来てしまったのだ……この世界に週刊少年雑誌なんて有るわけもなく。おそらく、もう元の世界には帰れないだろう。この世界、創作物に登場する『帰還魔法』やら『別世界の門』やら
『この世界、
「『この世界で一番に悲しいこととは、自分が生きている間に好きな漫画の最終回を読めないこと』か、何の引用かは忘れたが……至言だ。全くもってその通り……心の底から同意するよ、額縁に飾りたいほどに」
生きる目的を見つけた少年は、その時まで『絶対に生き残る』事を目標に必死になった。そのためならば何でもやった……とにかく我武者羅に。この世界は優しくない。当たり前のように死亡フラグは周囲に乱立しており……それを乗り越えるためには自然と強くならなければならない。力を得るため何でもやった―――それこそ他者の恨みを買ってでも……だが、それでも全然足りない。
そんなことを世界中……表も裏もやり続けた結果、何時しか『最強最悪の賞金稼ぎ』と呼ばれるほどとなっていた。……貧欲に力を欲し、あらゆる人種に嫌われ続ける当の本人は……別段、気にも止めていなかった。
ぶっちゃけ、この世界に来た当初は周りの事など目に入らず、その余裕さえもない。とにかく『目標』のため生き残らなければ始まらないと何でもやっていた―――そしてその為ならばそれ以外はどうでも良かった。そして、その考えは今も変わらない。
まあ、とにもかくにも少年は他人から恨まれながらも力をつけて十数年……目的のための第一歩を踏んだスターマンは―――今後、どうすればいいか迷っていた。
物語の主人公……"麦わらのルフィ"に着いていくのはもう決まっている。問題は自分のスタンス―――立ち位置をどうしようかと考えていた。
「登場人物に接触し、仲間になって物語りに『介入』するか……それとも、遠くから眺めるだけで物語を『傍観』だけするか」
スターマンがしようとしている事……端的に言って『漫画の実写映画を眺める』のと何ら変わらないことだった。細かいところでは自分の知っている箇所とは違いは有るだろう。だが、大まかなところは一緒であり、それがこれから約二年以上かけて見続けることになるだろう。それは……さすがに、退屈だ。
では、"麦わらのルフィ"に接触して一緒に冒険に出掛けるか?確かに……それは、魅力的だ。海に出て船で旅を続けるなか……仲間が増えたり道の島に行ったり……宴なんかもするだろう、戦闘することももちろんある……だが、最後には勝利し仲間との絆を深めていくだろう。元の世界でも思っていた……もしこんな仲間がいたら……と。それはきっと―――想像以上に面白おかしい冒険になるだろう。主人公は器がデカイ……今、目の前に行き『仲間になりたい』と言うだけで、仲間になれる可能性はとても高い。
しかし―――それは間違いなく……物語から外れた行為だ。絶対に物語の終わりが変わる。スターマンが考える終わりとは大きく外れるだろう。だが、それでもいいのではないか?とも考えてしまう。
想像以上に頭を抱えながら苦悩するスターマン。下にいる『麦わらのルフィ』を追いながら考えてから暫くして……ついに、頭を上げる。
「――っし、決めた……介入し~ちゃお!!!」
決意を決め、雄叫びを上げるスターマン。原作キャラクターと接触することで未来は変わるかもしれないが……よくよく考えたら
「さ~~てと!そうと決まれば話しが早い、まずは……『登場シーン』を考えなければっ!!!」
スターマンはこの世界にやって来て、学んだことがいくつか有る……それは、第一印象……
……なに言ってるんだ?という気持ちはもちろんわかる。しかし、ここで実例を上げて見よう。
ここに二人の海賊がいる……二人はとある海賊の『船長』であり、懸賞金はそれぞれ3000万と1000万ベリーである。ある時……この二つの海賊を捕まえる機会があった。
まずは1000万の海賊と対峙した……相手はこちらに大声を出し、自分の二つ名と名前……その後、威厳たっぷりの口上を一通り述べると戦闘開始……もちろん、こちらが勝利したが、なぜかあの『強キャラ感』と『大物キャラ感』は数年経ってもあの印象は忘れられなかった。
そしてもう一人――今度は3000万の海賊と退治した……当然、相手は前の海賊同様の台詞を言おうとする―――
前にもう聴くのは面倒くさくなったため、台詞の途中で攻撃を開始。先程と同様、こちらが勝った。
しかし不思議なことに、懸賞金額は後者の方が高い……にも関わらず、前者に出てきた1000万の海賊の方が後者よりも強く、印象もハッキリ残っていたのだ。
そんなズダボロにされ項垂れて捕まっている海賊達を見て、スターマンは思った――ああ、登場シーンって重要なんだなーっと……。
…これから仲間になろうとする『麦わら海賊団』の仲間たちだって、はじめは"麦わらのルフィ"の仲間に入る気持ちなど全くなかったのだ。しかし……その後の戦闘や事件などを通し、海賊団の仲間に入る。一人一人に劇的で強い印象を与え存在感を放つキャラクター達……。そんな中、いきなり自分が前に出て「あ、仲間になりまーす」と言い、仲間になったらどうなるだろう……恐らく、話が進むに連れ中身も存在も薄い、居ても居なくてもどうでもいい…よくわからないキャラクターと成り果てるだろう――故に、最初の第一印象は途轍もなく重要なのだ…!!
スターマンは先程以上に頭を悩ませる……登場シーンはインパクトも大事だが、タイミングも大切なのだ。
「うーん取り敢えず、今は早いな……大体四人、ちょうど"ウソップ"が加入した所で登場しよう……でも、その前に関連性も兼ねて『一度顔見せ』もしたいなぁ……うーん―――
今後の方針が決まったのか…頭上にいる"麦わらのルフィ"から視線を外し、自分の乗っている『星』に眼をやる。スターマンは
普通、天井の上に足を付け立つなど不可能……しかし、スターマンの創った星には一つ一つに『重力』を持ち、その星の表面全てに立つことが出来るため、このような芸当が可能となっていた。
星に向けて右手をかざすスターマン。
「
そう言った直後、自分の乗っていた星は
そして当然……そのまま海まで落下するスターマン。しかし本人は焦りもせず……脇に付けたポーチに回収した星を仕舞うと、そのまま落ち続ける。
「やることも決まったし、気合い入れていくぞー↑↑テンション、上がってきたぜーヒハハハハハハハ!」
逆さまになって落ちていくスターマン。空と海しかない空間に笑い声だけが鳴り響いている。
笑顔で海に落ちていくなか――何の前触れもなく、
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場所は変わり、ここはオルガン諸島にある港"オレンジの町"
ここは約40年前…ただの荒れ地でしかなかった。しかし、海賊に襲われ行き場を失った者達が一から作り上げ……文字通り町の者達にとって『宝物』と呼ばれるほど愛された、立派な港町である。
そんな港町だが……昼間だというのに町には
そんな無人の町……この町で一番大きい酒場を拠点にし、この町を襲った海賊一味は居座っていた。
「野郎共ォ!!宴の時間だ……
『『『ひゃっほーーーう!!』』』
『『『ウオーーーーーっ!!!』』』
拠点としている酒場の屋上……そこで海賊達は料理や酒を飲みながら宴を始める。
料理に夢中になる者、玉乗りやナイフ投げなどの芸をする者、酒を飲んで飲み競べをするもの……と、そこにいるもの達はは大声で騒ぎ、宴を楽しむ。
「ぶわっはっはっはっはっはっはっ!!実に気分がいいぜ!!」
宴会をしている屋上の奥……立派な作りの椅子に座るのはこの一味の船長だ。
青髪のロングヘアーに顔にはピエロのようなメイクを施しており……中でも特徴なのは男の"道化"の二つ名にもなっている丸い真っ赤なお鼻が特徴の男――その名は"道化のバ「だれが
「ええ!!?いきなり叫んでどうしたんですか"バギー船長"!!!?」
突然、虚空に向かって叫び出す男……"道化のバギー"は息を整え座り直す。
「いや…今誰かオレの
「?誰もなにも言っていませんが」
「あそう?気のせいか…?」
船長の両脇に控えていた副船長……"猛獣使いのモージ"に確認を取り、落ち着きを取り戻すバギー。が、すぐにニヤりと笑うと上機嫌にしゃべり出す。
「まあいい……おれは今気分がいいんだ!やっと
「これでやっと
「おォよ!これで遂に
もう片方に控えていた参謀長……"曲芸のカバジ"はナイフを弄びながらバギーに相槌を打ち、ソレにしたがいさらに気分が高揚するバギー。
「
『『『ウォーーーキャプテン・バギーーーっ!!!』』』
今日一番の大盛り上がりを見せるバギー海賊団。程なくして一人の見張りが慌ててバギーのもとにやって来る。
「バギー船長!」
「どうしたァ!!」
「船長に会わせてくれって奴が来ています!!」
「!船長であるおれに会いたいだとォ……何者だァ!!?」
「はい!何と言いますか、特徴と言えるものが何もありませんで……何でも、直接話をさせてほしいと」
「何ィ?一体どんな奴だ…よォし!!ここまで連れてこい!!」
「はい船長!!!」
海賊がその場から出ていき……一人の青年を連れて戻ってきた。
「おまえかぁおれに話があると言うのは……なんだ、まだガキじゃねえか!」
「初めましてバギー船長!!!僕の名前はスターマン…突然の来訪に対しお会いしていただき、ありがとうございます!!」
「能書きはいい……で?おまえは一体、何のようできたんだァ?」
「はい!単刀直入に言いますと……ボクをこの
…何故かバギー海賊団の仲間に加わるスターマン。
設定その1:
アイディール・スターマン
"最強最悪の賞金稼ぎ"又は、"世界一嫌われている賞金稼ぎ"
懸賞金額:0ベリー (但し、表社会の場合)
悪名が広がっているスターマン…しかし海賊ではないため、もちろん政府からは懸賞金は掛けれてはいない。海賊や同業者、一般人にも迷惑を掛ける事はあるが明確に『世界政府』など政府機関に対し敵対行動を示しているわけではなく、むしろ世界中のあらゆる海で懸賞金の懸けられた海賊たちを、その確かな実力を持って生捕りで海軍に引き渡し貢献しており…結果的に大きなトラブルなどが発生したりするが、特にスターマン自身が意図して起こしいるわけではないため……限りなくグレーではあるが監視して見逃されている。
政府はスターマンの強大な力を危険視し、動向を監視しており……世界にとって何か不穏な行動を起こせばすぐに捕らえる気だが、現在は『様子見』である。
そのかわり、裏社会ではスターマンは蛇蝎のごとく恨まれまくっており……海賊はもちろん、マフィアやブローカー、表にでない仕事に関わるものはスターマンの被害を受けている……とある大海賊を激怒させたため、政府非公認の懸賞金を掛けられている。多方向から命を狙われ続け、懸けられる懸賞金は生死を問わず"億越え"の額が付いている。
次回、戦闘シーン入ります。多分一週間以内には投稿予定です。