ONE PIECE~理想郷の方舟~   作:兜丼

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今回は短めですが、出来上がったので投稿します。


第二話 悩める男

「見つけた、見つけた、見つけたよん♪……会いたかったぜぇ"モンキー・D・ルフィ"!!!

 

空に浮かぶ『星』の遥か下……海面に浮かぶ小舟の少年を、望遠鏡越しで覗き見ながら興奮しているスターマン。

望遠鏡に顔を近づけ、もう一度覗き込む……そこには『麦わらを被った少年』が逆さまになって見えていた。

 

「ヒハハハ……いやーこの世界に飛ばされ十何年?――やっとここが『ONE PIECE(創作の世界)』だって実感してきたわ」

 

身震いしながらそう言うと、自分の頭上に見える少年を観ながらため息をついた。視線の先……そこには小舟と少年の他に、()()()()()()()()()()()がピクリとも動かず浮かんでいた。

 

この巨大な魚……ここでは『近海の主』と呼ばれ恐れられている怪物は、小舟に浮かんでいた少年に襲いかかったところ ―――乗っていた少年に殴られ、一撃でやられてしまったところであった。

 

「あの巨大な生物を一撃とはねぇ……まぁ当然知ってはいたけど、実際に目の当たりにすると、トンでもないなぁ……!」

 

怪物を倒すところを観ていたスターマンは思わず冷や汗をかき、思わず呟く。彼は主に"偉大なる航路"(グランドライン)で『賞金稼ぎ』の仕事をしており、強力な力をもつ存在を数多く知っている。"偉大なる航路"(グランドライン)後半の海 ――『新世界』といわれる場所を活動する海賊や海軍はモチロン、前半の海にいる名を上げている海賊なら怪物を単体で倒すととはできるだろう。ちなみに……スターマンも当然、倒せる。

しかし、ここは世界で一番最弱の海"東の海"(イーストブルー)……そんな海であの怪物、それも一撃で倒すなど"偉大なる航路"(グランドライン)でも相当な実力者でなければ出来ない芸当だ。

 

あらためて小舟の上の少年……"モンキー・D・ルフィ"(世界の主人公)の実力を確認し、思考する。

 

「んんーとりあえず"麦わら"(主人公)の旅立ちに間に合ったし、今いる世界に対し()()()することも出来た。さて……問題はその後…ど~しよーかって事なんだよな~?

 

…スターマンが海賊から女性を助けてから約二週間後、アレから星を飛ばしてやってきたのは此処……"東の海"(イーストブルー)のとある国――"麦わらのルフィ"の生まれ故郷『フーシャ村』まで来ていた。

スターマンが必死になりこの場所まで来た理由……それは『物語の始まりに立ち会うため』である。

 

スターマンはこの世界に来訪し、世界が『ONE PIECE(創作の世界)』と気付いたときから……ずっと心に秘めていたことがあった。

 

それは元の世界―――ONE PIECE(マンガ)が一体どうなったのか?』と言うことだ。

 

スターマンは元の世界でこの世界の基となった物語……"ONE PIECE"を毎週かかさず読んでいた。単行本が販売したら欠かさず購入するほどの読者ファンである。「こんな世界に行ってみて~」等と、口にしてみた事ともあった……が、に本当に行きたかった訳ではなく……実際、本当に来てしまうなど予言者であっても予知出来ないだろう。

 

とにかく、彼は漫画では確か……『"ワノ国"編』まで読破しており、これからやっと面白くなるところでこの世界に来てしまったのだ……この世界に週刊少年雑誌なんて有るわけもなく。おそらく、もう元の世界には帰れないだろう。この世界、創作物に登場する『帰還魔法』やら『別世界の門』やら"魔法的"(マジスティック)な物は存在しない。いや、確かにこの世界は十分ファンタジーではあるが……そもそも()()()が全然違う……帰れる可能性は限りなく0に近いだろう。それに気付いたとき、少年はこの世界で明確な目標が出来た。

 

『この世界、"ONE PIECE"(物語り)の《終わり(最終回)》を見る』

 

「『この世界で一番に悲しいこととは、自分が生きている間に好きな漫画の最終回を読めないこと』か、何の引用かは忘れたが……至言だ。全くもってその通り……心の底から同意するよ、額縁に飾りたいほどに」

 

生きる目的を見つけた少年は、その時まで『絶対に生き残る』事を目標に必死になった。そのためならば何でもやった……とにかく我武者羅に。この世界は優しくない。当たり前のように死亡フラグは周囲に乱立しており……それを乗り越えるためには自然と強くならなければならない。力を得るため何でもやった―――それこそ他者の恨みを買ってでも……だが、それでも全然足りない。

 

そんなことを世界中……表も裏もやり続けた結果、何時しか『最強最悪の賞金稼ぎ』と呼ばれるほどとなっていた。……貧欲に力を欲し、あらゆる人種に嫌われ続ける当の本人は……別段、気にも止めていなかった。

 

ぶっちゃけ、この世界に来た当初は周りの事など目に入らず、その余裕さえもない。とにかく『目標』のため生き残らなければ始まらないと何でもやっていた―――そしてその為ならばそれ以外はどうでも良かった。そして、その考えは今も変わらない。

 

 まあ、とにもかくにも少年は他人から恨まれながらも力をつけて十数年……目的のための第一歩を踏んだスターマンは―――今後、どうすればいいか迷っていた。

 

物語の主人公……"麦わらのルフィ"に着いていくのはもう決まっている。問題は自分のスタンス―――立ち位置をどうしようかと考えていた。

 

「登場人物に接触し、仲間になって物語りに『介入』するか……それとも、遠くから眺めるだけで物語を『傍観』だけするか」

 

"東の海"(イーストブルー)に訪れようと決めたときから考えていたこと……しかし、未だに決めれていない。遠くから傍観する……これを選択するなら『物語の終わりを見る』と言う目標自体はおそらく、達成できる可能性は高いだろう。幸い、スターマンの能力は『機動力』という点では途轍もなく優秀だった。能力の星は浮いていて、自力で動かすことが出る。さらにスターマン自身の実力も、最低『新世界』で通用する位には強さはあった。正直、着いていくだけならばそれほど苦労しないだろう。しかし、欠点を上げるならば……おそろく、『道中は中々に退屈するだろう』ということである。

スターマンがしようとしている事……端的に言って『漫画の実写映画を眺める』のと何ら変わらないことだった。細かいところでは自分の知っている箇所とは違いは有るだろう。だが、大まかなところは一緒であり、それがこれから約二年以上かけて見続けることになるだろう。それは……さすがに、退屈だ。

 

では、"麦わらのルフィ"に接触して一緒に冒険に出掛けるか?確かに……それは、魅力的だ。海に出て船で旅を続けるなか……仲間が増えたり道の島に行ったり……宴なんかもするだろう、戦闘することももちろんある……だが、最後には勝利し仲間との絆を深めていくだろう。元の世界でも思っていた……もしこんな仲間がいたら……と。それはきっと―――想像以上に面白おかしい冒険になるだろう。主人公は器がデカイ……今、目の前に行き『仲間になりたい』と言うだけで、仲間になれる可能性はとても高い。

しかし―――それは間違いなく……物語から外れた行為だ。絶対に物語の終わりが変わる。スターマンが考える終わりとは大きく外れるだろう。だが、それでもいいのではないか?とも考えてしまう。

 

想像以上に頭を抱えながら苦悩するスターマン。下にいる『麦わらのルフィ』を追いながら考えてから暫くして……ついに、頭を上げる。

 

 

「――っし、決めた……介入し~ちゃお!!!

 

 

決意を決め、雄叫びを上げるスターマン。原作キャラクターと接触することで未来は変わるかもしれないが……よくよく考えたら()()()()。恐らく、もう自分という()()が混入している時点で間違いなく変わっているのだろう。こんな世界だ……もっと前向きに考えなければ。

 

 

「さ~~てと!そうと決まれば話しが早い、まずは……『登場シーン』を考えなければっ!!!」

 

 

スターマンはこの世界にやって来て、学んだことがいくつか有る……それは、第一印象……()()()()()()()()でそのキャラクターの扱いが決まる。ということだ。

 

 

 

……なに言ってるんだ?という気持ちはもちろんわかる。しかし、ここで実例を上げて見よう。

 

ここに二人の海賊がいる……二人はとある海賊の『船長』であり、懸賞金はそれぞれ3000万と1000万ベリーである。ある時……この二つの海賊を捕まえる機会があった。

まずは1000万の海賊と対峙した……相手はこちらに大声を出し、自分の二つ名と名前……その後、威厳たっぷりの口上を一通り述べると戦闘開始……もちろん、こちらが勝利したが、なぜかあの『強キャラ感』と『大物キャラ感』は数年経ってもあの印象は忘れられなかった。

そしてもう一人――今度は3000万の海賊と退治した……当然、相手は前の海賊同様の台詞を言おうとする―――

前にもう聴くのは面倒くさくなったため、台詞の途中で攻撃を開始。先程と同様、こちらが勝った。

しかし不思議なことに、懸賞金額は後者の方が高い……にも関わらず、前者に出てきた1000万の海賊の方が後者よりも強く、印象もハッキリ残っていたのだ。

 

そんなズダボロにされ項垂れて捕まっている海賊達を見て、スターマンは思った――ああ、登場シーンって重要なんだなーっと……。

 

…これから仲間になろうとする『麦わら海賊団』の仲間たちだって、はじめは"麦わらのルフィ"の仲間に入る気持ちなど全くなかったのだ。しかし……その後の戦闘や事件などを通し、海賊団の仲間に入る。一人一人に劇的で強い印象を与え存在感を放つキャラクター達……。そんな中、いきなり自分が前に出て「あ、仲間になりまーす」と言い、仲間になったらどうなるだろう……恐らく、話が進むに連れ中身も存在も薄い、居ても居なくてもどうでもいい…よくわからないキャラクターと成り果てるだろう――故に、最初の第一印象は途轍もなく重要なのだ…!!

 

スターマンは先程以上に頭を悩ませる……登場シーンはインパクトも大事だが、タイミングも大切なのだ。

 

「うーん取り敢えず、今は早いな……大体四人、ちょうど"ウソップ"が加入した所で登場しよう……でも、その前に関連性も兼ねて『一度顔見せ』もしたいなぁ……うーん―――()()()()()()()()

 

今後の方針が決まったのか…頭上にいる"麦わらのルフィ"から視線を外し、自分の乗っている『星』に眼をやる。スターマンは()()()……()()()()()()()()()()()()のだ。

普通、天井の上に足を付け立つなど不可能……しかし、スターマンの創った星には一つ一つに『重力』を持ち、その星の表面全てに立つことが出来るため、このような芸当が可能となっていた。

 

星に向けて右手をかざすスターマン。

 

"収穫"(キャッチ)

 

そう言った直後、自分の乗っていた星は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そして当然……そのまま海まで落下するスターマン。しかし本人は焦りもせず……脇に付けたポーチに回収した星を仕舞うと、そのまま落ち続ける。

 

「やることも決まったし、気合い入れていくぞー↑↑テンション、上がってきたぜーヒハハハハハハハ!」

 

逆さまになって落ちていくスターマン。空と海しかない空間に笑い声だけが鳴り響いている。

 

 

笑顔で海に落ちていくなか――何の前触れもなく、()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

======================

 

 

 

場所は変わり、ここはオルガン諸島にある港"オレンジの町"

 

ここは約40年前…ただの荒れ地でしかなかった。しかし、海賊に襲われ行き場を失った者達が一から作り上げ……文字通り町の者達にとって『宝物』と呼ばれるほど愛された、立派な港町である。

 

そんな港町だが……昼間だというのに町には()()()()()()()()()()()。現在、この港町はある海賊一味が襲撃し町を占拠しているため、町民達は現在避難所で避難していた。

 

そんな無人の町……この町で一番大きい酒場を拠点にし、この町を襲った海賊一味は居座っていた。

 

「野郎共ォ!!宴の時間だ……()()()()()!!!」

 

『『『ひゃっほーーーう!!』』』

 

『『『ウオーーーーーっ!!!』』』

 

拠点としている酒場の屋上……そこで海賊達は料理や酒を飲みながら宴を始める。

料理に夢中になる者、玉乗りやナイフ投げなどの芸をする者、酒を飲んで飲み競べをするもの……と、そこにいるもの達はは大声で騒ぎ、宴を楽しむ。

 

「ぶわっはっはっはっはっはっはっ!!実に気分がいいぜ!!」

 

宴会をしている屋上の奥……立派な作りの椅子に座るのはこの一味の船長だ。

青髪のロングヘアーに顔にはピエロのようなメイクを施しており……中でも特徴なのは男の"道化"の二つ名にもなっている丸い真っ赤なお鼻が特徴の男――その名は"道化のバ「だれが()()()()()()()()()()()()()()()!!!!」

「ええ!!?いきなり叫んでどうしたんですか"バギー船長"!!!?」

 

突然、虚空に向かって叫び出す男……"道化のバギー"は息を整え座り直す。

 

「いや…今誰かオレの()に対してバカにしたような気配がしたんだが」

 

「?誰もなにも言っていませんが」

 

「あそう?気のせいか…?」

 

船長の両脇に控えていた副船長……"猛獣使いのモージ"に確認を取り、落ち着きを取り戻すバギー。が、すぐにニヤりと笑うと上機嫌にしゃべり出す。

 

「まあいい……おれは今気分がいいんだ!やっと"偉大なる航路"(グランドライン)の『海図』が手に入ったんだからなァ……!!!」

 

「これでやっと"偉大なる航路"(グランドライン)に入れますね。バギー船長」

 

「おォよ!これで遂に"偉大なる航路"(グランドライン)で大暴れできるってもんだァ!!!」

 

もう片方に控えていた参謀長……"曲芸のカバジ"はナイフを弄びながらバギーに相槌を打ち、ソレにしたがいさらに気分が高揚するバギー。

 

"偉大なる航路"(グランドライン)の『海図』手に入れた今!全てを破壊し吹き飛ばす"バギー玉"!!!そしておれの"バラバラの実"の能力をもってすれば、おれは"偉大なる航路"(グランドライン)を制することが出来る!!!おれは後に、全世界のハデに輝く財宝を全て手中に納める男!!!この町の金品を回収したあと、行くぞ"偉大なる航路"(グランドライン)へ!!!!」

 

『『『ウォーーーキャプテン・バギーーーっ!!!』』』

 

今日一番の大盛り上がりを見せるバギー海賊団。程なくして一人の見張りが慌ててバギーのもとにやって来る。

 

「バギー船長!」

 

「どうしたァ!!」

 

「船長に会わせてくれって奴が来ています!!」

 

「!船長であるおれに会いたいだとォ……何者だァ!!?」

 

「はい!何と言いますか、特徴と言えるものが何もありませんで……何でも、直接話をさせてほしいと」

 

「何ィ?一体どんな奴だ…よォし!!ここまで連れてこい!!」

 

「はい船長!!!」

 

海賊がその場から出ていき……一人の青年を連れて戻ってきた。

 

「おまえかぁおれに話があると言うのは……なんだ、まだガキじゃねえか!」

 

「初めましてバギー船長!!!僕の名前はスターマン…突然の来訪に対しお会いしていただき、ありがとうございます!!」

 

「能書きはいい……で?おまえは一体、何のようできたんだァ?」

 

 

 

「はい!単刀直入に言いますと……ボクをこの()()()()()()()()()()()()()()()()!()!()!()

 

 

 

 




…何故かバギー海賊団の仲間に加わるスターマン。


設定その1:

アイディール・スターマン
"最強最悪の賞金稼ぎ"又は、"世界一嫌われている賞金稼ぎ"

懸賞金額:0ベリー (但し、表社会の場合)

悪名が広がっているスターマン…しかし海賊ではないため、もちろん政府からは懸賞金は掛けれてはいない。海賊や同業者、一般人にも迷惑を掛ける事はあるが明確に『世界政府』など政府機関に対し敵対行動を示しているわけではなく、むしろ世界中のあらゆる海で懸賞金の懸けられた海賊たちを、その確かな実力を持って生捕りで海軍に引き渡し貢献しており…結果的に大きなトラブルなどが発生したりするが、特にスターマン自身が意図して起こしいるわけではないため……限りなくグレーではあるが監視して見逃されている。

政府はスターマンの強大な力を危険視し、動向を監視しており……世界にとって何か不穏な行動を起こせばすぐに捕らえる気だが、現在は『様子見』である。

そのかわり、裏社会ではスターマンは蛇蝎のごとく恨まれまくっており……海賊はもちろん、マフィアやブローカー、表にでない仕事に関わるものはスターマンの被害を受けている……とある大海賊を激怒させたため、政府非公認の懸賞金を掛けられている。多方向から命を狙われ続け、懸けられる懸賞金は生死を問わず"億越え"の額が付いている。


次回、戦闘シーン入ります。多分一週間以内には投稿予定です。
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