ONE PIECE~理想郷の方舟~   作:兜丼

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船内の会話から3日経ち、遂に海上レストラン『バラティエ』に到着した麦わら海賊団一行。
到着したのも束の間、トラブルに見舞われ、レストランの雑用係として働くことになったルフィ……だが、そこで海のコック"副料理長のサンジ"と出会う事となる。ルフィはサンジに心を惹かれ、仲間になってくれと懇願する。

そこに、5000人の兵を束ねる海賊艦隊の"首領(ドン)・クリーク"がバラティエに現れる。彼はサンジの料理によって完全復活を果たすが、再び現れたクリークは船を乗っ取るという恩を仇で返す行動に出る。海上レストランにて壮絶な戦闘が始まろうとしたとき……突然、クリークの巨大ガレオン船が真っ二つに()()され船は粉砕される。

地響きとともに現れた男、世界最強の剣士とうたわれる"鷹の目のミホーク"が登場した。最強の剣豪を目指すゾロは彼に戦いを挑むこととなった。


第五話 馬鹿にする男

《バラティエ》編 その2

 

■1■

 

「(正直、もう無理だと思ったんだけどな……)」

 

前回、船内での会話を思い出しながら目の前の戦闘を眺めるスターマン。あの時、ジョニーに自分の所業をルフィ達にバらされた時……こりゃもう駄目だとスターマンは考えていた。

 

王道の主人公のような底抜けて明るく豪快な楽観主義者のルフィ……権力や武力を振りかざして弱者を虐げるタイプの人間をとくに嫌っており、自分のような人種には特に毛嫌いするものだと思ってはいた。スターマンは正直……原作の登場人物達に接触しないよう敢えて"東の海"(イーストブルー)では極力活動を控えていたため、スターマンの噂はそこまで伝わらないと思っていたのだが……如何やら、その見通しは甘く見過ぎたらしい。

 

ジョニーの反応を見た時からそれを確信し、海賊船から降ろされるものだと思っていたのだが……結果は予想とは違い、ルフィはスターマンを船からの降ろすどころか仲間に誘ってくれたのだ。

これにはスターマンも僅かに驚き、つい本音で聞き返してしまい……仲間に入るつもりだったが、動揺し保留してしまったほどだ。

 

ルフィがなぜ自分を入れたいのか……理由はわからないが、考えても仕方ないので深く考えず運がよかったと考えることにしたスターマンであった。

 

「「アニギィ~~っ!!!」」

 

考えをやめ、目の前の戦闘に集中するスターマン。見ると……ゾロがミホークにナイフで胸を刺され、血を流しながら対峙していた。ゾロが相手しているのはこのワンピース世界において文字どおりの世界最強──両者の間には隔絶された差があった。

 

「──あれが世界最強の剣士……か」

 

スターマンが呟く傍でルフィは食い縛りながら息を荒げながら見守る……飛び出していきたいだろうに、勝負が終わるまでジョニーとヨサクを取り押さえながら踏み留まっていた。

 

血を吐きながらナニか言葉を交わすゾロとミホークの二人。その後、ミホークがナイフを引き抜き距離を開けると背中の黒刀──『夜』を引き抜く。

 

ゾロの方も今まで見たこともない構えを取る……どうやら、これで決めるようだ。

 

緊張が高まるなか───お互い同時に仕掛ける。

 

「──散れ!!!」

「──三刀流奥義!!!"三・千・世・界"!!!!」

 

お互い交差するなか……刀が砕けたのはゾロの方であった。

 

折れていない刀を鞘に仕舞い、ミホークの方に体を向けるゾロ。

 

斜めに斬り裂かれたゾロはそのまま倒れ、海に落ちていく……ロロノア・ゾロがミホークに完全敗北した瞬間だった。

 

「ゾロォーーっ!!!」

「「アニキッ!!!」」

 

絶叫し、ミホークに向かっていくルフィ。ヨサクとジョニーは沈んでいくゾロを助けに海に飛び込んで行った。

 

腕が伸びたルフィに周りが騒然するなか、スターマンもゾロが落ちた付近まで海面を浮き歩きながらゾロを引き上げる。

 

ゾロを持ってヨサクとジョニーが浮上してくると、スターマンは三人を引き上げ船の上に運んでいく……ゾロは重症だったが、生きていた。

 

そんなゾロに対し己を越えてみろと叫ぶミホーク。世界最強の剣士にここまで言わせたことに周りが騒然とするなか……満身創痍で治療を受けていたゾロは刀を掲げると──ルフィに向かって宣言する。

 

「俺は、もう……二度と敗けねェから!!!!あいつに勝って大剣豪になる日まで……絶対にもう、俺は敗けねェ!!!文句あるか海賊王!!」

 

「しししし!! ない!!!」

 

「いいチームだ……また会いたいものだ。おまえ達とは…」

 

泣きながら決意を叫ぶゾロに笑顔になるルフィ。満足し、この場から立ち去ろうとするミホーク──と、不意にスターマンの姿を捉え、喋りかけてきた。

 

「貴様、見た顔だな……たしか、賞金稼ぎだったはず」

 

「は?ボクはアンタには一度もあったことないと思うけど」

 

「直接はな……だが、島で人相書が描かれたそれを見た覚えがある──なぜ"偉大なる航路"(グランドライン)で活動している奴がこの辺境の海にいる?」

 

「そんなのアンタにゃ関係ないだろうが──ほっといてよ」

 

"偉大なる航路"(グランドライン)…?おい、おまえスターマンのこと知ってるのか?」

 

ミホークとスターマンの会話に口を挟むルフィ。その言葉にミホークは特に興味無さそうに答える。

 

「この男は"偉大なる航路"(グランドライン)を中心とし、様々な海で活動する賞金稼ぎ。名前は……たしか、アイディール・スターマン……"島盗み"の異名を持っていたか」

 

「前に聞いた名前と違うのか……って"島盗み"?」

 

「……は?アイディール・スターマンだとっ!!」

 

「あの『最強最悪の賞金稼ぎ』と言われる!!?」

 

スターマンの名前が出たとたん、周囲の人間が騒ぎ出す……如何やらスターマンの悪名は知れ渡っていたようだ……と、そこでミホークに話しかけるクリーク。

 

「オウ鷹の目よ……!テメェは俺の首を取りに来たんじゃねェのか。この"東の海"(イーストブルー)の覇者"首領・クリーク"の首をよ!!」

 

「…そのつもりだったがな、もう十分楽しんだ。オレは帰って寝るとする」

 

「まァ、そう固ェこというな。テメェが充分でもオレはやられっぱなしなんだ……帰る前に死んでいけ!!!」

 

「さすがだな。懲りぬ男よ──さらば」

 

ミホークに向けてクリークの仕込み銃が発射されるも、着弾する前に背中の黒刀を一振し、足場の廃船を破砕する。砕かれ煙を撒き散らすなか……既にミホークの姿はなくなっていた。

 

「ウソップ!!行ってくれ!!」

 

「……!!わかった、おれたちは必ずナミを連れ戻す!!お前はしっかりコックを仲間に入れとけ!!」

 

麦わらをルフィに投げ渡すウソップ。ナミを小舟で追いかけるつもりだ。

 

()()ちゃんと揃ったら!!そんときゃ行こうぜ"偉大なる航路"(グランドライン)!!」

 

「ああ!!行こう!!!」

 

ナミの向かった方角に船を進めようと舵を切ろうとした時、スターマンが船から飛び下りる。突然のことに慌てるウソップ。

 

「おいどうしたスターマン!」

 

「追いかけるのは君たちだけで行ってくれ!……ボクはこの場に残る」

 

「はァ!?なに言って──」

 

「ナミを追いかけろ言われたのは君たちだ……それに、ルフィがあのクリークに負けるとは思わないが、周囲の露払いをする人間は多い方がいいだろう……さぁ早く、ここはボクに任せろ!」

 

「!……わかった!気ィ付けろよ!!」

 

「君たちも」

 

スターマンを置いて遠ざかる小舟……振り向き、ルフィ達のいるバラティエの方に海面上を走りながら向かっていく。

 

「なんだスターマン、おまえウソップ達と行かないのか?」

 

「うん、コッチの方が気になっちゃってね……それに、彼らだけでもきっと大丈夫でしょ」

 

「おう、おまえら……やっと来るぜ、疫病神がよ」

 

「おっさん!!あいつら追い払ったら、おれ雑用やめていいか?」

 

「……!好きにしろ」

 

「──来るよ!」

 

 

──クリーク海賊団との一戦が今始まる。

 

 

■2■

 

ルフィが真っ先にクリーク海賊団に特攻を仕掛ける中、バラティエから『ヒレ』が海上にせり上がり足場が現れる。そこに確かな足場の戦場が出来上がると、クリーク達はその上に上がり海のコック達に向かっていく……当然、コック達も反撃するため海賊達に武器を向ける。混戦するなか、戦場で立っているスターマンにも向かってくる。

 

「ん?」

 

「スターマン!テメェーを倒せば俺たちの名が上がる!!」

 

「くたばりやがれェ!」

 

スターマンに向かって武器を振りかざしながら、こちらに向かう海賊達。その一人がスターマンに刃物を振り下ろす。

 

「死ねェ!!!」

 

「……ハン」

 

振り下ろされた刃を()()()()()()()()スターマン。驚愕に動きを止める海賊……に、スターマンは残った手で海賊を殴り飛ばす。

 

「へ!?……ブゴォッ!!!」

 

真っ直ぐに吹っ飛ばされる海賊……途中、斜線に入っていた複数の海賊を巻き込みながら海のなかに叩き落とされる。

 

「!?こいつ…!」

 

「怯むな!コッチには数がいるんだ!」

 

「全員で行くぞッ!!」

 

今度は大勢で一気に仕掛けに行くクリーク一味。対するスターマンは腰を落とし、相手を迎え撃つ。

 

『うおおおおおお……ッ!!!』

 

「"宝星拳(ほうせいけん)──輝乱輝羅星(きらきらぼし)"!!!!」

 

向かう敵に両手でラッシュするスターマン。そのとき両拳が煌めき……まるで、夜空に輝く星を連想させた。

 

『わああああああ……!!』

 

スターマンに殴り飛ばされる海賊達……少し離れたところから別の海賊が銃でスターマンを狙い打つ。

 

「食らえッ!」

 

「!…ほいっ!」

 

「な……!?」

 

スターマンの右腕が一瞬、霞んで見えた……海賊がスターマンを見ると、右手に()()を指で摘まんでいるのが見える。

 

「!?嘘だろこいつ……撃った弾丸を()()()()()()()!!?」

 

「返すね」

 

「!?ぎゃあ!!」

 

指で掴み取った弾丸を弾き返すスターマン。弾いた弾丸は海賊の人体を撃ち抜き、遠くに吹っ飛ばした。その隙を狙い大斧を持った男がスターマンに迫る。

 

「うおおおおおおおッ!」

 

「!"宝星拳(ほうせいけん)──」

 

右腕に力を溜めるスターマン……力を込めた右腕を、こちらに迫ってきた大斧に向けて……殴り付けるッ!

 

「"星力(スーパー)パンチッッ"!!!」

 

「!!?…ブッ!!!」

『ぎゃああああああっ!!?』

 

大斧と接触した瞬間……一際大きく拳が一瞬輝くと、斧を粉々にしながら相手を殴り飛ばす……だけに飽きたらず、その際生じた衝撃波により周囲にいた海賊達も一緒に巻き込み、まとめて吹き飛ばす。

 

その後、その場で構え直すスターマン……周囲には誰もおず、海賊達は遠巻きにスターマンを見ていた。

 

「なんだ、コイツっ!!!」

 

「つ、強ェ……!!?」

 

「こ……これが、あの"偉大なる航路"(グランドライン)で活動している人間の実力ッ……!!?」

 

「『最強最悪の賞金稼ぎ』の称号は伊達じゃねェってことかっ……!?」

 

「ヒハハハッ……さすがに、君たちごときには負ける気はしないよ~ん!」

 

相手の強さを感じ身がすくんで動けない海賊達……そんな彼らを見て余裕綽々といった風に笑い声をあげるスターマン。

 

「メチャクチャ強ェ……」

 

「あれが『賞金稼ぎ』の中でもトップクラスの実力かっ……!」

 

「そんな奴が何で雑用と一緒にいるんだ……?」

 

「すっげーー!!やっぱツエーな、おまえ!」

 

「ッいいから、目の前の相手に集中しなさい……!」

 

スターマンの実力を見て驚愕しているコック達に混じり、関心の声をあげるルフィ。そんなルフィにスターマンはクリークに集中するよう促す。

 

「お前ら、雑用どもに遅れとってんじゃねえ!」

 

「それでも戦うコックさんかァ!!」

 

「そうだな……テメェら、雑用どもに続いて俺たちもいくぞォ!!」

 

『おおおおおッ!!』

 

 

コックのパティとカルネの言葉に気力を取り戻すコック達。盛り返したコック達は再びクリーク一味と乱戦を始める。

 

 

■3■

 

再び盛り返し戦う海のコック達……が、突然戦っていたパティとカネルの二人が吹っ飛ばされる。

驚いて飛ばされてきた方を見る……そこには急所を全て鋼鉄の盾とパールで覆われた大男……"鉄壁のパール"がそこにいた。どうやら二人はこの男にヤられたらしい。

 

倒れたパティに近づく海賊……パティの懐から包丁を取り上げようとするも、意識の朦朧としたパティに邪魔をされる。刃の部分を握り離さないパティに苛立つ海賊……突然、顔面を蹴られ後方に蹴り飛ばされる。

 

そこにいたのはこの海上レストランの副料理長……サンジの登場である。

 

怒った殺到する海賊達……が、サンジの凄まじい"足技"を前に瞬く間に蹴り飛ばされてしまう。周囲に誰もいなくなり、サンジはパールと対峙する。

 

サンジは蹴りを放つが、パールはそれを腕の盾をもって防ぐ。自分の防御力の高さを自慢げに話すパール……と、空からルフィが飛んできて、そのままパールの()()()にぶつかると……顔が盾にぶち当たり鼻血を出すパール。

 

「…………え?」

 

自分の手に付いた鼻血を見て驚くパール……それに対しひどく怯えながら騒ぎ出す海賊達。突然狼狽え出すパールにクリーク一味が気を鎮めるように促すが、パールは構わず両手の真珠を激しく打ち合わせ始める。

 

仲間の静止を聞かずにしばらく打ち合わせていると……突然、()()()()()()()()。どうやら、身の危険を感じると火をたく癖があるようだ。

 

 

火の着いた大粒の真珠を周囲に撒き散らすパール……こうして、戦場は火に包まれるのであった。

 

 

■4■

 

 

「バカが……!!乗っとる船を丸焼きにしちまう気か!!」

 

興奮して船に火をつけ始めるパールに苛立つクリーク。炎が店に燃え移る前に何とかしなければ……と、行動に移そうとしたその時、目の前に()()()()()が現れる。

 

その人影を見たクリークは苛立ちが更に増し、不機嫌さを隠そうともせずにその()()に言い放つ。

 

「悪いが、今オマエに付き合っている暇はねェ……!向こうへ行ってろッ!!」

 

「ヘイヘ~イ!そんなこと言わずに……ボクと遊ぼーぜェ、()()()()()()()()?」

 

自分の前に現れたスターマン──そのふざけたしゃべり方に青筋を浮かべ睨み付けるクリーク。並みの海賊ならそれだけで縮み上がるが……スターマンには通じている様子はなく、むしろ笑ってクリークに向かって挑発する。

 

「先程のカナズチ小僧の次はテメーか……"残飯漁り"のスターマンッ!」

 

「……はァ!?全く身に覚えないんですけど、その二つ名!誰が付けやがった!?」

 

「知るか……だが、お前にはピッタリなんじゃないか。見るからに貧相なお前にはなァ」

 

「……ムカつく奴。それこそ()()()()()()()()()()()()()()()……でも、君だって"ダマし討ちのクリーク"なんて酷い名前付いてるじゃん。人のこと言えねーでしょうよ」

 

不機嫌そうに言うスターマンに対し、鼻で笑うクリーク。その対応に眉を潜めるスターマン。

 

「フン、くだらん……この海で生き残るには()()()()()()()()()!!海賊の戦闘とは生き残りを掛けた戦いを示す……そこに卑怯などと言う言葉は存在しない。たかが騙し討ちされたぐらいで文句を言う奴はこの世界の海でいきる資格はない!!!一生陸地で怯え暮らすのがお似合いだっ!」

 

「あ、それはわかる」

 

クリークの言葉に同意を示すスターマン。

 

「……どんな存在であろうが、この海に出ればたった一つの法のみ縛られる……そう、たった一つ──『弱肉強食』!このルール一つになる。そして、この場合の強者とは『生き残った者』を指し、それ以外は『敗者』であり『弱者』であり『悪』である……そんな奴らが『強者』に何をされようが文句など言えないのさ……。過程など重要ではない、最後まで立っていたもの……それこそが全てだ!

 

興奮したように叫びながら喋るスターマン……しかし、まだ喋り続ける。

 

「そもそも、法に縛られたくないから海に出るはずなのになあ……何でもありの世界のはずなのに、ボクに襲われた奴らはいつまでもいつまでもネチネチ絡んできやがって……弱いお前らが()()()()()んだから、いい加減責任転嫁やめろって話だよ。やっぱアレかな……体育会系の戦士とか格闘家タイプはネクラ系が多いのかな?どう思う?」

 

「……少なくとも、オマエが『クソ野郎』と呼ばれる理由は理解できた」

 

オレが言えた義理ではないがな……と、何故かスターマンと距離が近付いた気分になったクリーク。そんな様子に気づかず首を捻るスターマン。

 

「しかし……ハッハッハ!!!なかなか面白いな、小僧!その戦闘力と思考……うちの部下どもに見習わせたい程だぞッ!どうだ……俺の部下にならねェか?見たところお前も『能力者』なのだろう、"偉大なる航路"(グランドライン)の知識も持っている……!俺の部下になるならそれ相応の地位を与えてやる……何なら、この"首領"(ドン)・クリークの右腕として働かしてやる……どうだ、悪い話じゃないはずだ。俺の部下に──」

 

「ヒハハハハッ!……な~に言ってんだ()()()()()!!!

 

クリークが勧誘の言葉を掛けるなか……突然爆笑し、暴言を吐くスターマン。話を聞いていた海賊は目を飛び出しながら顎を落として驚愕した。周囲が青ざめるなか、笑いながら言葉を放つスターマン。

 

「ヒハハ……あ~ビックリした。突然愚かなこと言い出したから本気で笑っちゃったわ……!」

 

「テメェ……!!いったい何がそんなに可笑しいッ!!!」

 

「いや、可笑しいよ……ボクさぁ()()()()()、冗談抜きでここにいる奴は()()()()()()()()()()()()実力はあるんだよホント……"偉大なる航路"(グランドライン)でも本当に実力ある奴はボクから避けて行動する位だからね……で、それなのに……そんな実力差も分からない程度の能力しか持たない海賊がなんで自分の方が上だと思っちゃうんだろうね?もう、滑稽で滑稽で……ヒハッ!」

 

「……ッ!!!」

 

スターマンの嘲りを含んだ失笑にクリークも顔を赤らめ激怒する……そんなクリークに知ってか知らずか更に油を注ぐ。

 

「お前ら、"鷹の目"に感謝したほうがいいよ……お前らごときが"偉大なる航路"(グランドライン)に行ったってさ、海にゴミが増えるだけなんだからさァ……あ、もうゴミになっちゃんだっけ?ヒハハハッ!!!」

 

「ッ!!!……言いたいことは、それだけかッ小僧!!!!」

 

肩の盾を取り外し、前方に構えるクリーク……盾の仕掛けか動き、発射口がのスターマンに向けられる。

 

「──こいよ『落武者(ルーダー)ちゃん』……先輩であるボクが教育してやる。有り難く思えッ!」

 

「死ねックソ餓鬼!!!!」

 

殺意の籠った言葉と共に発射される杭の雨。それが全てスターマンに殺到するが、にやけた顔は崩れずに相手を見据えている。

 

迫り来る杭の群れ……それを()()()()()()()スターマンは規則正しいステップを踏みながら前進する。

 

「クソッ……!!!なぜ当たらん!!?」

 

「すっトロいからだよ……ほ~ら、行きますよォ!!!」

 

「!!?」

 

杭を避けながら一気にクリークの目前まで移動するスターマン。慌てて仕掛けを戻し、盾を構えるクリークにスターマンの右拳が迫る。

 

「"星力(スーパー)パンチッ"!!!」

 

「ッ!!!」

 

『ウーツ鋼』でできた強固な盾にスターマンの攻撃が炸裂する。周囲に凄まじい金属音が響き渡り、盾には拳の形のへこみができる……が、それだけだった。クリーク本体にはダメージは通っていない。

 

「……あら」

 

「うっとうしいわァ!!!!」

 

「!おっとォ!?」

 

予想以上に固い盾に立ち止まってしまい、その隙を付いてクリークに盾で殴られそうになるスターマン……慌てて後方に大ジャンプして攻撃を避ける。

 

空中に滞空しているスターマンに、クリークは今度は鎖付きの鉄球をもって攻撃を仕掛ける。

 

「くたばりやがれッ!!!」

 

「……ッ調子のってんじゃねーぞ……雑魚野郎ッッ!!!!」

 

避けたスターマンに唸りを上げて迫る巨大な鉄球。接近してきた鉄球に対し……スターマンは()()()()()()対応した。

 

「オラぁッ!!!」

 

「!」

 

まさか鉄球を蹴り返すとは思ってもいなかったクリークは驚きに動きを止める。蹴り返した鉄球はそのまま勢いよくクリークのもとへ行き……

 

「あ」

 

クリークの隣にあった『帆の柱』に激突する。そして、その勢いで柱はへし折れるとユックリ倒れ込み……対岸で戦闘していたパールの脳天に直撃した。

 

『パールさん!!?』

 

「あ~……」

 

力なく倒れ込むパールを見て、少し顔を歪ませたのもつかの間……なにか納得したのか、ため息を吐き呟くスターマン。

 

「はぁ……わざわざ当たるところにいるなんて、運のない奴だね~」

 

「どいつもコイツも、頼れるのはオレだけか……!!」

 

あきれるクリークを余所に、対岸では何やら騒がしくなる。見ると料理長ゼフが義足を折られ、ギンに銃を突きつけられた姿が見えた。

 

「…………」

 

場が緊張に包まれ、戦闘が一旦鳴り止むとスターマンはクリークの場所から離れようとしていた。

 

「おい!!どこに行く気だ」

 

「…摘み食いはもうおしまい。あとはルフィにバトンタッチするよ!本来の道筋を変えたら成長阻害しちゃうかも知れないし……

 

「…?なに言って…」

 

クリークの疑問に答えずにさっさと店のある方角に跳んでいくスターマン……それ以降、戦闘には参加せずにクリーク海賊団の戦いが終わるまで観戦しているのだった。

 

 

 

 




バラティエ戦でした。初めてまともな戦闘描写が入りましたが、おかしな表現になっていないか不安です。

技名です。

『輝乱輝羅星(きらきらぼし)』
名称は「きらきら星」からきています。両手を使い圧倒的な手数と攻撃範囲で一気に攻め立てる。能力を使用することで攻撃力と射程距離が伸びる。ラッシュ時に拳が星光のごとく煌めくのが特徴。覇気ではない。

『星力(スーパー)パンチ』
片腕に力をいれ、思いっきり殴り付ける技。能力を使用することで攻撃力が上がる。攻撃時、星光のごとく煌めくのが特徴。覇気ではない。

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