仮面に縁を、歌に血を   作:星鱈

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話の流れ上一部コープ解禁ができなかったので初投稿です。そこは次回やります。

時間がかかる(当社比)



ようこそ、特機部二へ!①

「────以上のことに間違いはないな?」

 

 

薄暗く、ある種の独房のようにも感じられる部屋の中に結はいた。

 

風鳴弦十郎との邂逅に際して彼の本能がけたたましく警鐘を鳴らしたため、喉元まで出かかった言葉を飲み込みバーニアスラスターを全開で吹かして逃走を謀ろうとするも、OTONAに背を向けた時点で結の敗北は決している。

 

その独特の駆動音と排出される蒸気からギャラハッドを人間ではないと認識した弦十郎は既に20mほど上昇していたギャラハッドに向かってライブ会場の破片を投擲。そして投げた破片を足場に二段ジャンプすることでギャラハッドが飛ぶ高度にまで到達する。

胸部装甲が弦十郎の放ったボレーキックで盛大にひしゃげたところで結の記憶は寸断されていた。

 

目覚めた場所は恐らくどこかの尋問室。

【グリモワール】はこの手になく、設置された椅子に手錠込みで縛られている。

床に転がっている中身のない注射器やテーブルに散乱する粉らしきものを見る限り──絶望的な状況なのは確かだろう。

 

そして目の前に意識を刈り取った張本人である弦十郎。この状況は少なからず結を恐怖心を煽った。

 

結に質問は許されない。というよりかは今のところ口にできるほど肝は座っていない。

 

弦十郎は一つ一つ結に確認する。

威圧感に気圧されるができるだけ表出しないように結は意識する。

 

 

 

──君はライブ会場の参加者ではなく、お使いを頼まれたついで。そうだな?

 

 

──君はライブ会場の正門、フェンス、そして業務用通路を通って会場の中心に行ったか?

 

 

──君が奏の戦闘継続を補助した。違うか?

 

 

 

一通りの質問を聞いた後弦十郎は物々しい雰囲気を解き、結に告げる。

 

 

 

「合格だ!」

 

 

 

 

突如四方の壁がダンボールめいて開き、天井は何かに吊り下げられていたのか巻き上げ装置の音が聞こえてくる。

暗闇に消えた天井の変わりに降下してきたのは無駄に装飾が施された『歓迎! 雨城 結くん!』の文字。

 

大量のクラッカーが鳴らされるのを椅子に縛られながら眺める中々お目にかかれない不思議な状況であった。

 

 

『……随分な歓迎だな』

『解いてくれ』

 

 

ガチャガチャと結の背後で音がすると手首にかけられた錠と身体を縛っていた縄が同時に解かれる。

 

「手荒になったのはどうか許してくれ。あの時は……君がまだ人ではないと思っていた。そして君の足元には……」

 

>ツヴァイウィングの二人がボロボロで転がっていたということだろう。ならば敵性体と判断されても仕方ないが────

 

 

『かなり効いた』

『なら仕方ない』

 

 

「いや、何だ。本当にすまない……」

 

珍しく萎らしくなる弦十郎に「冗談だ」と声をかけると「そうだろう!いや、そうだと思っていたぞ!」と持ち直した。

鎧は弦十郎の手により壊されたのではなく、ひしゃげたところで止まっていた。その後結が衝撃で意識を失ったためギャラハッドが消失したという。

OTONAの一撃から身を守るレベルの防御力はあったらしい。

 

「で、君をここ……特別災害対策機動部二課──特機部二の本部に招待したのには理由がある」

 

>特別災害機動部、までなら聞いたことがある。

ノイズの出現に際して民間人の避難誘導や時間稼ぎをする組織のはずだ。しかし……二課?

 

「一つは君の持っていた【グリモワール】について。これについては我々も全てを知るわけではないが。そして彼女たちが何者であるかだ。少なくとも、君には知る権利がある。もちろん、色々と守秘義務が発生する」

 

弦十郎の手が示す先には車椅子に腰掛け結に手を振る奏、それを押す翼の姿があった。

 

「旦那に気絶させられたって聞いたから心配したぜ?騎士サマ──いや、結って呼んだ方がいいか?」

「奏を助けてくれて本当にありがとう。そして、すまなかった」

 

 

『無事でよかった』

『気にするな』

 

 

「……感謝する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時が流れ、ここは本部会議室。

 

 

「あたしも【グリモワール】について旦那から聞いたことはなかったな。そもそもそんなのあったのかって話だし。翼は?」

「随分と前に別の施設で研究されていたところを何者かによって行方不明になったことしか聞きかじっていないな。どんな聖遺物なのかというのは全く」

「んーそっかぁ」

「結君のチェック終わったわよ」

「俺には彼が真っ白に燃え尽きてるようにしか見えないのだが……」

 

 

『プライバシーとは……?』

『人としての尊厳を踏み躙られた気がする』

 

 

結は守秘義務についての書類にいくらかの署名をした後、特機部二技術主任の櫻井了子女史によるメディカルチェックを受けていた。

ほぼ産まれたての状態であれよあれよと検査が進み、逐一その結果を読み上げる了子。

終了時には精神的ダメージによりジョーよろしく真っ白に燃え尽きてしまっていた。

 

少し彼を心配する弦十郎だがメンタル以外にダメージはないので「大丈夫だ」と返す。

 

「さて、では準備も整ったので始めるとしよう。【グリモワール】とは約3年前に行方不明となった第六号聖遺物──完全聖遺物のことだ。いや、そもそも聖遺物の話からしなければ……」

 

 

『聖人の遺骸や遺品のことか?』

『オーパーツか?』

 

 

「あら、中々冴えてるわね」

 

判断材料が不足する中で予測を立てた結に了子が少し驚き、饒舌に解説を始めた。

 

『聖遺物』とは本来結が言おうとした選択肢にある聖人の遺骸や遺品のことを指す言葉だが、特機部二を筆頭に異端技術を研究する場においては、先史時代──有史以前の歴史において製造され現在の技術での模倣は不可能とされる過去の遺産────すなわちオーパーツ。結の発言は正鵠を射ていたのだ。

 

しかしいくらオーパーツといえど経年劣化には逆らえないものも多く存在する。

損傷し破片と化したそれを櫻井了子の提唱する『櫻井理論』により伝承や神話の力の一端を秘めた武具に再構成したものが正式名称FG式回天特機装束、通称シンフォギア──ツヴァイウィングが纏うアーマーの正体なのである。

奏は北欧神話の主神であるオーディンが振るう槍である『ガングニール』、翼は須佐能乎が八岐大蛇を退治した時に使われたとされる『天羽々斬』がそれぞれ彼女たちのシンフォギアとなっている。

 

シンフォギアは現在唯一認定特異災害ノイズに正攻法で対抗できる装備ではあるが、その存在は日本の現行憲法に抵触しかねないため彼女たちの活躍は武装共々秘匿状態となっている。

そのため結は無駄に記入欄のある文書にサインをしていたのだ。

 

「と、かなりざっくりだが予備知識としてはこんなものだろう。朔也、頼む」

「画像、モニターに出します」

 

弦十郎がオペレーターの藤尭朔也に指示をすると据え付けられたモニターに【グリモワール】の写真を表示される。

 

「本か」

「本だな」

「本よねぇ」

 

上から順に奏、翼、了子だ。

 

しかしその力、侮るなかれ。結が身をもってそのことを知っている。

 

「見てくれこそただの本だが【グリモワール】はシンフォギアに組み込まれている聖遺物の破片とは一線を画す、ほぼ損傷がなく完全な形を保っている完全聖遺物にカテゴライズされるものだ。ちなみにここにも錆び付いてはいるが一つ完全聖遺物があるぞ」

 

シンフォギアは適合者と呼ばれるギアに適合した人物が聖詠を口にすることで起動。そしてギアが奏でる旋律に合わせて歌うことにより出力アップと継続的な戦闘を可能にする。

 

対して完全聖遺物は適合者でなくとも振るうことが出来るものだが、基底状態にあるそれを起動するにはフォニックゲインを──ありたいに言えば歌によって発生するエネルギーが大量に必要だ。しかし一度オンにされたスイッチがオフになることはなく、継続的に運転が可能である。

 

「しかし【グリモワール】は君が住み込みバイトをしている喫茶店の片隅で基底状態にあったはず──おっと了子君、そんなに睨まないでくれ。ライブ後には伝えようとは思っていたんだ。それを君がライブ会場の近くに持って行って……」

 

 

『そしたら起動したと』

『それがやる気スイッチだったと』

 

 

「そういうことだ」

「でも何で私たちのライブ会場の近くに持ってったんだ?起動の仕方を知ってたわけじゃないだろ」

「それは……」

 

奏の至極真っ当な質問に弦十郎が結にそこのところはどうなんだと聞こうと視線を投げると──

 

【それについては私が説明してもよろしいですか?】

 

弦十郎がバッと周囲を見回すが皆一様に首を振る。

 

「──総員警戒態勢ッ!」

 

 

『大丈夫だ』

『それには及ばない』

 

 

何言ってんだこいつはと四方八方から視線を向けられる結。

しかし彼にはこの声には聞き覚えがあった。懐かしく、最近は久しく聞いていない声──

 

突如として結の胸から蒼炎が立ち上り徐々に本の形を、【グリモワール】の形を形成していく。

 

結がそれを手に取ると本の隙間から蒼い蝶が現れ、結より少し離れた椅子に舞い降り、その真の姿を見せる。

 

「お初にお目にかかります、皆様方。私は……そうですね、当世風に表すなら真なる契約者のナビゲーター、もしくはサポーター。特に繕わずに言うなら『力を司る者』。ラヴェンツァ、と申します」

 

今後ともよろしくお願いしますね、とラヴェンツァは優雅にカーテシーをして微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『というわけだ』

『おわかりいただけただろうか』

 

 

>ラヴェンツァの助けを借りながら、今自分が知っていることについて説明した。

ベルベットルームに関してはラヴェンツァが存在しないものとして扱っていたので特に口出しはしなかったが……彼女がそうする理由があるのだろう。

 

「総括すると【グリモワール】──正式名称『ペルソナ全書』は触れた者の欲望が規定値を越した場合それをハッキリ認知させる力の他に、自らが奥底に秘める人格を神や悪魔、伝承上の英雄や生物の形をもって実態化させる力──『ペルソナ』がある。結の場合は『誰かを護りたい』という側面が【ギャラハッド】という形で表出したというところか」

 

「でもペルソナ全書が見込んだ真なる契約者と呼ばれる素質がなければ『ペルソナ』を使うことができない。ついでにペルソナ全書は『ペルソナ』を覚醒させた契約者に紐付けされて文字通りの肌身離さず。……本当にどんなシステムで運用してるのか知りたいわね」

 

「それについては私もお答えできませんのでご了承を。そして私は真なる契約者の行く末を見守り、その後押しをする者。先ほども言いましたがナビゲーターです」

 

二課の中でもINTの高い二人が話を取りまとめる。

弦十郎は俺もペルソナが使えればと零し、了子は既に持ち出してきたノートパソコンのキーを叩いていた。

 

二人が自分の世界に入ってしまったようなので、結はラヴェンツァをつれてツヴァイウィングの二人の元へ移動する。

 

「結はそれ毎日持ち歩いてたのか!?」

 

 

『ついクセで』

『ルーティンだ』

 

 

「我々もシンフォギアを常に携帯しているがそれとこれとは話がまた……いや、そのおかげで奏が助かったからとやかくは言うまい。それで、ラヴェンツァだったか」

「何か御用ですか?」

「先は自分のことをナビゲーターと言っていたが、その、雨城のことをどう思っている?」

 

>ラヴェンツァと顔を合わせたのは今のところ片手で数える程度しかない。まさかと思うが翼は……。

 

「それを語るにしては長すぎるので端的に申し上げますと……私が認めた世界一の男、でしょうか。ふふ、本人以外に申し上げるのは少々こそばゆいですね」

 

「やはり、か」

 

>翼から殺気を感じる……!今すぐにでも天羽々斬を抜刀しそうな気配だ。

 

「どうもラヴェンツァがお前に向ける視線が熱く滾っていたのでな。聞いてみれば聖遺物とはいえ、幼子相手にそんなことを言わせる男だったとは」

 

 

『誤解だ』

『鞘走るな』

 

 

「黙れこの色情魔が!その倒錯した性癖は我が剣にて削ぎ落としてくれる!」

 

 

『奏!』

『ラヴェンツァ!』

『了子さん!』

 

 

「助けろってか?面白そうだからパス」

 

>奏は今の状況を心底愉快そうに眺めている。今の彼女に仲裁を頼むのは難しそうだ……。別な人に助けを求めよう。

 

 

『ラヴェンツァ!』

『了子さん!』

 

 

「あらお熱いこと。頑張ってね〜!」

 

>技術主任は先ほどまでのデータをまとめることに集中している。仲裁を頼むのは難しそうだ……。別な人に助けを求めよう。

 

 

『ラヴェンツァ!』

 

 

「大好きよ!マイトリックスター!」

 

>違う、嬉しいがそうじゃない。

 

 

Imyuteusㅤamenohabakiriㅤtron(羽撃きは鋭く、風切る如く)

 

「阻め、『ギャラハッド』!」ブチッ

 

 

 

「やめんかぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

その後二人は仲良くたんこぶを作りながら、風鳴翼の強い要望により二課の片隅で正座していた。

 

「すまない……その、すまない。お前がこれ以上醜態を晒さないために私がどうにかしようと……」

 

 

『謝らないでくれ』

『こちらこそすまない』

 

 

「……分かったとは思うが私は生真面目で堅物な防人だ。奏と過ごすうちに幾分か柔軟性を得たつもりだったが、どうもそんなことはなかったようだ」

 

聞けば翼は幼少より装者としてその身を、太刀筋を、そして心の研鑽を重ねており、それ以外の余分となるものは全て削ぎ落としてきたという。

 

「雨城もラヴェンツァがあんなことを言う理由は分からない、そうでしょ?」

 

 

『そうだな』

『多少心当たりは』

『俺が堕とした』

 

 

「……そんなものも見抜けぬほど、私は何もかもを削ってきた。彼女の反応だけを見て、早とちりしてしまったよ」

 

 

『まだ積める研鑽があるだろう?』

『今からでも遅くはない』

 

 

「…………! そうか。手遅れでないならば、私は削られたものを拾い集めるためにもう一つの研鑽を重ねるとしよう。当然、雨城も手伝ってくれるのだろう?私の背中を押したということはその覚悟はあると受け取るぞ?」

 

 

『望むところだ』

『お手柔らかに』

 

 

「ああ、その意気や良し!」

 

 

【翼の決意を感じる……】

 

 

 

 

 

…………

たなる(よすが)ばれたり

 

(よすが)ち、

困難打倒する一条なり

 

、『防人』のペルソナの祝福たり

みへとける、なるとならん……

 

 

 

COOPERATION【風鳴翼】

 

『防人』

【■□□□□□□□□□】 RANK1

 

 

 

 

【ペルソナの力を育てる人間関係

『防人』のコープが解禁した!】

 

 

 

 

 




というわけで超説明会①と翼コープの解禁でした。

お前途中からしないフォギアかシンフォギアCMみたいなキャラ崩壊起こしてたじゃねーか!

プロット作成中に『あれ、翼の対応コープが思いつかんぞ!』(ラヴェンツァを入れたせい)となったので急遽作成された『防人』のアルカナ。

タロットカードでは小アルカナに『騎士』のカードもあるし……ほら、何となく『防人』に見えてきませんか?(曲解)見るんだよ!(豹変)

やっぱOTONAは強い(確信)なんかどっかで見た空中加速方法でボレーキックするOTONA。イメージは仮面ライダークローズのドラゴニックフィニッシュ。背後には龍の幻影が見えるぞ!

プレハブ独房に突っ込まれたのは演出です。注射器や粉も健全なものを使用しています。

奏曰く動けないわけではないがかなり身体が弱っている模様。大事をとってというわけなのデス!
車椅子はナスターシャモデルではないので頭文字Dみたいなことはしません。しないったら!

免罪により屋根ゴミにされかける結君ですが、まだラヴェンツァから一方通行の愛情なのでセーフセーフ。

……うん、まだセーフ(冷や汗)


「シンフォギアのアームドギアは装者の心象を体現したようなものだから実質ペルソナやろ!いい加減にしろ!」とか言われるかと思ってたので怪盗服ナシかなぁと考えていたら何と反対ゼロ票。

ああ分かったよ!連れてってやるよ!どうせ後戻りはできねぇんだ、連れてきゃいいんだろ!途中にどんな地獄が待っていようとお前を……お前らを俺が連れてってやるよ!(アンケート結果を見つめながら)

少なくともキネクリ先輩とSAKIMORIの怪盗服考えなきゃなんだが、私の怪盗のイメージが完全にルパン○世で固まってるので翼が和服で斬鉄剣とか持ってしまうよどうしよう。

声優繋がりだとイメージが乖離しすぎてるのでダメだぁ……。
でも翼って名前は風鳴の慣習から解き放つことを願ってのネーミングだし……風鳴のジジイと同じ服装でホントにええんか?

やっぱ地獄だコレ!(慟哭)
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