仮面に縁を、歌に血を   作:星鱈

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ヒャア!我慢できねぇ!無印だァ!


キング・クリムゾン』ッ!


「『キング・クリムゾン』の能力では、この世の時間は消し飛び…………そして全ての人間はこの時間の中で動いた足跡を覚えていないッ!
空の雲は、ちぎれ飛んだ事に気づかず!』…………
ひびみくは、自分たちがリディアンに入学した瞬間さえ認識しない!
結果』だけだ!この世には『結果』だけが残る!」




ほらペルソナ5やってた時メインよりサブストーリーやってた時間長かったじゃん?みたいな言い訳をしつつ初投稿です。

そろそろほんへ書きたいなぁと思ってたのと、本編やれよあくしろよと思われてる気がするので前述の通り作中時間を一気に二年ほどキンクリします。

響の胸に撃槍突き刺さってからリディアン入学まで二年かかるからね、仕方ないね。

ペルソナ5ほんへでもかなり短い期間にコープ上がりまくるし、まぁ最短数ヶ月くらいでコープマスターするような屋根ゴミだしちょっと早く好感度上昇してもバレへんか……ヨシ!(現場猫)


というわけで日常パートは仕舞いだドラァッ!



追記:アバーッ!?日間94位……だとォ!?(2020年5月10日午前0時53分現在)
……ありがとうございます!



Re:ようこそ特機部二へ!①

「……これ、は」

 

胸からこみ上げるこの歌に、自分の身がまとうこの力に、立花響はまるで自分のためにわざわざこしらえられたもののような、しっくりした感覚を感じていた。

 

朧気な記憶を掘り起こすも、後数ピース足りない。答えに至るには肝心な部分が抜けている気がする。

しかし響は頭でなく、心で理解した。

今自分が取るべきことは古い記憶に思い巡らすことではなくて──

 

(どうにかして、この子を守ることッ!)

 

幸運にもこの見覚えのあるような、ないような装備はノイズに対抗する力があるらしい。

響がお姫様抱っこしている子どもは「おねーちゃんすごーい!」とキャピキャピしているが、当の本人はそれを喜ぶ心の余裕はなかった。

 

そこにあるのは疑問と不安、焦燥と恐れ。

 

そして激流のように流転する状況に心的余裕を欠落させた響は見落としていた。自分の前方に自転車をこぐ人の影があったことに。そして彼の後方にはノイズの影がチラついている。

響の意識が向いた時にはもう遅い。数瞬も待たずして彼はノイズと共に跡形もなく消え失せるだろう。

 

「危ないッ!」

 

響は飛び出せなかった。急な出来事に動揺していたのもある。

何より今抱いている少女を手放すような判断を瞬時にくだせるほど、彼女の戦場における心構えが練り上げられていなかったのだ。

 

(あ──)

 

頭に響く自分の悲壮な叫び。

理不尽に抗する力が図らずもこの手にあるのに、縛られたように動かない身体に響は深く絶望する。

 

しかし彼女の考えとは裏腹に、その想像が現実へと到達すること永遠になかった。

 

 

「『ペルソナ』ッ!」

 

 

彼は曲芸じみた動きで自転車のサドルを足場に空中へと駆け上がり、迸る紫炎と共にその身を異形のそれへと転身させ、ギャリギャリと火花を散らしてコンクリに着地する。

 

「響、君はその子と安全な場所へ!」

「わわ、分かりましたッ!」

 

自分の名前が何故見ず知らずの鎧の人が知っているのか、そもそもこの人何者なんだという疑問すら浮かばないほどに響はてんてこ舞いだった。

言われるがまま響は腕の中の少女をキュッと抱きしめ異形の後方へと走っていく。

 

 

『いつもより数が多いな』

『最近連勤が多い』

 

 

『そうボヤかないでくれ、俺も22時過ぎてないのにボヤきたくなるから。えっと、さっきの子はこっちで保護しとくから、気にせず戦って!』

 

オペレーター・藤尭朔也の頼もしい言葉を耳に、異形──ギャラハッドは暗紫の大盾と奏のアームドギアを模した撃槍を展開する。

槍術は最近前線復帰した奏に基礎中の基礎だけ教わったものだが──小手調べにはちょうどいい。

 

『……槍って最近奏さんに教えてもらったみたいなこと言ってなかったか?』

 

 

『俺は物覚えが良いんだ』

『いくぞッ!』

 

 

『あっオイ!誤魔化したな!』

 

ギャラハッドは返答せずに初手安定のシールドバッシュをノイズに繰り出す。鈍い音が響くたびにノイズはその身を散らしていく。

そして後ろ手に構えていた漆黒の撃槍をマシンボディが軋むほど力を込め、ノイズの群れに向かって投擲。

 

空気を穿ちながら飛翔する槍は狙いすましたように人型ノイズの液晶へ寸分の狂いなく突き刺さる。

そのノイズの身体を喰い破るようにして四方八方に鋭利な黒刃が伸び、周辺のノイズをまとめて鏖殺した。

 

スラスターバーニアを吹かせて突貫しながら黒刃を穂の中へ収納した槍を回収。

撃槍と大盾をビットに変換してその形態を両手剣──真っ黒に染ったバスターソードのような形へと変貌させた。

 

「ショータイムだ!」

 

機械由来で人のソレを外れた脚力に推進方向を正面に固定したブースターの加速をプラス。

某OTONAの震脚が如くコンクリートの地面を抉れるほど踏みつけ、加速。

 

一歩音超え、二歩無間、三歩目で盛大に空気が爆ぜる音と共に肉眼では捉えることすらままならない速度に達したギャラハッドは刹那の内に黒い軌跡を残してノイズたちの背後に到達していた。

 

そして手中には既に振り抜かれたバスターソード。

一瞬遅れてノイズたちの身体に光帯のような斬跡が煌めき、数え切れないほどの裂傷痕が刻まれる。

 

 

 

【 THE SHOW'S OVER 】

 

 

 

ギャラハッドが鎧の隙間から蒸気を噴出させバスターソードをビットに戻すと同時にノイズは爆散。周囲に炭素を吹き散らしながらその身を塵芥と化した。

 

 

 

 

 

何がなにやらと言った表情の響は二課が作った仮設拠点でぼうっと夜空を見上げていた。

彼女が守り通した女の子は今まさに母親と感動の再会を果たしている。

非常に喜ばしいことなのだが、いまいちハッキリとした現実味を響は感じることができなかった。

 

「あったかいもの、どうぞ」

「あ、あったかいもの、どうも」

 

スーツの女性が響に紙コップを差し出した。

おっかなびっくりそれを受け取って中に注がれている黒い液体を眺めながら自分の状況をゆっくりと咀嚼しようとするも……やはり頭が追いつかない。

響は早々に考えるのを諦め、コップの中身を呷った。

 

「苦っ」

 

一息に飲むものではなかったらしい。ケホケホと少しむせながらちびちびと喉にコーヒーを流し込む。

響はその味にどこか既知感を、ほぼ限りなく確信に近い既知感を覚える。

 

「あの、ありがとうございました。その、お代わりありますか?」

「え?あぁ、ちょっと待ってて」

 

顔を渋くしながら飲んでいた響にもう一杯と頼まれるとは夢にも思わなかったのか、少し驚いたスーツの女性は足早に近くに駐車していた黒塗りのワゴン車の方へ走っていく。

 

 

『お久』

『出張ルブランだ』

 

 

「結さん!」

 

女性の代わりに響の元へやってきたのはやはり結だった。

手には大きめの魔法瓶と小さめの筒を持ち、響が数ヶ月前に店で会った時とさほど変わらない容貌をしている。

響から紙コップを受け取ると魔法瓶からコーヒーを注ぎ、小さめの筒から角砂糖をいくつか放り込み、どこからか取り出したマドラーでかき混ぜ始めた。

 

砂糖の溶けきったコーヒーを渡すと先ほどよりかは幾分上機嫌でそれを飲み始める響。

緊張の糸が解れたのか、響が身にまとったアーマーは溶けるように消失する。

コップが空になったところで響は結に疑問を投げかけた。

 

「そういえばなんでここに?何か黒服の人がいっぱいでちょっと怖いんですけど……」

 

 

『驚くのはまだ早い』

『すぐ分かる』

『すぐ慣れる』

 

 

「すぐ慣れるって返事になってな……え?え?」

 

ガチャンと響の両手に電子錠がかけられる。

結はゆっくりと響から距離をとった。その代わりに距離を詰めたのはいかにもといった屈強そうな男たち。

 

「今から貴方の身柄を特異災害対策機動部ニ課まで拘束させていただきます。少々嫌な思いをするかもしれませんが、ご容赦いただければ」

 

 

『奏と翼の方は?』

『そっちは終わったのか?』

 

 

「さっき無事完了しましたよ。僕はこっちに近かったので徒歩できました」

 

瞬歩の間違いでは?と手錠をかけた慎次に言いかけた結だったがその言葉が喉にくる前に素早く胃の中にまでしまいこんだ。

 

 

『まぁ、頑張れ』

『そのうち分かるよ』

『自分よりマシ』

 

 

「うぅ……せめて事情くらい説明してくださいよぉ」

 

悲しいかな、響の呟きは誰が拾うこともなく、夜の闇に溶けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここってもしかしなくても……」

 

 

『リディアンだな』

『響の通ってるとこだな』

 

 

黒服の男たちが周囲を警戒しつつ、響と結は車を降りて学園の中へ。

そして普段教師たちが使っているエレベーターに乗り込んだ。

 

慎次が備え付けられたパネルのようなものに端末をかざすと、あるはずのない地下へとエレベーターが一気に急降下を始める。

 

やがてエレベーターはその動きを止め、ドアを開く。二人は慎次に案内されるがままにどこかSFにでも出てきそうな回廊や広間を歩き、とある扉の前にまで案内された。

誰に促されたわけでもないが結がガチャリとその扉を開く──

 

 

────ようこそ特機部二へ!!

 

 

盛大に鳴らされるクラッカー。まず二人の目に飛び込んでくるのは『熱烈歓迎!立花響さん』の文字の垂れ幕。

そして奥に用意されているテーブルには和洋中問わず様々な料理、そして飲み物が入ったグラスがある。

黒服や白衣の研究者たちが部屋の人員の大半を占めていたが、パーティハットを被って苦笑している翼と奏の姿もある。響は手錠がかけられていることも忘れて歓喜の声を上げてそちらへと走っていった。

 

 

『俺は特別メニューだったのか?』

『なんで尋問室にした!言え!』

『……』

 

 

歓迎ムードの中であからさまに哀愁、もしくは恨み節を漂わせる結に気づいたシルクハットを被った赤シャツの偉丈夫──弦十郎がやってきて結の耳元でボソリと呟く。

 

「発案は了子くんだ」

 

 

『乗っかったら同罪では?』

『実行は?』

『やはり諸悪の根源……』

 

 

「俺だ。すまん、つい楽しくなってしまってな」

 

弦十郎は結を特機部二に収容する前日に刑事モノの映画を見ていたらしい。そしてそこに了子からの提案。乗らないわけがなかった。

かなり反省はしているようなので、結は今度高いものを奢ってもらう契約で手打ちとした。

 

「さて、響くん。俺はここ、人類守護の砦である特異災害機動部二課──略して特機部二の責任者を務めている、風鳴弦十郎だ」

「早速本題といきたいところだが……小難しい話は後にしよう!もうガッツリ食事にありついているようだしな!」

 

 

緊張感のない幕開け、しかし着実に運命の歯車は駆動し始めていることをまだ誰も知る由はなかった。

 




(24股する気は)ないです。
そんなことしたら結くん(とその他諸々)壊ちゃ〜う。
書いてるこっちのメンタルも壊れりゅ……。やるとしても10股強くらいやな……。

でも屋根ゴミに恥じない行いはしっかりしていきたいのでハイ、ヨロシクゥ!

追記:今まで表示していた結の選択肢のUI(と形容するのは適切ではないが)を変更しました。
つ、疲れた……(主に指)。でもなるだけオリジナルに近づけたい欲あるのでこれからもやります。

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